『−B−第六章』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:最低記録!
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第六章 「認定」
機械式の扉が開いた向こうには、難しい顔をした人が十数人並んで座っていた。
ただ1人、中央に座っている老人だけはやさしい顔をしていた。
「入りなさい」
と、右端の男が言うと、カリウスとイオが一礼をして入っていくので、俺も真似て入った。
裁判所のようだった。
男達に囲まれるように立っている状態で、俺を睨む。
まるで、俺が被告人みたいじゃないか。
「座りたまえ」
え?いや、イスが無いから。・・・?
後にはイスが出ていた。いつの間に出てきたのだろうか。
「ほら、早く座れ」
と、イオがせかすので落ちるように素早く座った。
すると、中央に座っている優しそうな老人が始めた。
「これより、認定評議会を行う。・・・さて、少年よ、どのような経緯でこのようになったか答えよ」
と、優しく俺に語りかけた。
そこで、俺が話を始めた。
他にも色々な質問をされて、最後に「協力ありがとう」と言われて、一礼した。
その後、老人の隣に居るやせた男が話し出した。
「ふ〜む、どうしたものか・・・」
と、難しい顔をしていった。
「お願いします!彼を認定してやって下さい!!彼が、我々の所に来てしまったのは本当に不運な出来事でした。気付いてやれなかった私のせいでもあります!
・・・だから、私が責任を持って面倒を見ますので、どうか!!」
涙ぐみながら懇願していた。立ち上がり、頭を深々と下げていた。
申し訳なかった・・・。
すると、中央の左に居る太めの男が口を開いた。
「・・・まぁ、カリスト中将の気持ちがわからんでもない。グレイブ(おそらく、本来のコードネームだろう)君の事も思い出すだろう。」
すると、一番右に居た男が口を開く。
「しかし、時期が悪すぎる。消すべきではないか?」
その言葉に大きくつばを飲む。
「そんな!ガニメデ元帥!!私が責任を持って、面倒を見ますから!」
と、カリウス。
「では、責任を持ってお前の手で処刑してもらおうか?」
皮肉のこもった微笑を浮かべて、ガニメデといわれた男が言った。
感じの悪い男だ。
「おい!ガニメデ!!貴様、人の気持ちを考えたらどうだ?」
と、太めの男の左隣の体格のいい男が言った。
すると、中央の老人が目を見開いた。
「落ち着け!皆の集!!」
その大きな声に誰もが、驚き、動きが止まった。
「とりあえず、私がこの子の行く先を見てみよう。それによって、決めるのはどうだ?」
と、老人が言うとガニメデ元帥が慌てて返す。
「し、しかし、総司令!もし、これで認定する事になったら、カリスト中将の足手まといになる。カリスト中将は大事な戦力だ!それを失うわけにはいきますまい?」
すると、少し微笑んで総司令と呼ばれた老人が返す。
「その時は別に、カリストに頼まなくても良いだろう?休憩所の掃除だって、立派な仕事になる。カリストが帰ってきたときにだけ彼に任せればよい。違うか?」
「・・・は、はぁ・・・・・・」
少し引きつった顔でガニメデ元帥が言う。
すると、老人は俺に向き直り、立ち上がって二コリと笑って近づいてくる。
「少し頭の中がぐるぐるするかもしれないが、特に問題は無いから安心してくれ。そのまま座って伏せなさい。」
ぐるぐる?
よくわからなったが、「ハイ」と答えて膝に伏せた。
すると、総司令は俺の頭に手を添えて念じ始めた。
だんだん頭の中に別の意識が入ってきたような感じだ、確かにぐるぐるする。
それをうまく表現する事はできないけど、なんか・・・だんだん・・・・・・意識が・・・・・・・・・遠くに・・・・・・・・・
―どうでしたか、タイタニア様?
「非常に興味深い」
「とは?」
「わしは今まで沢山の者の未来を見てきた。その中に、見え無い者は無かった。
しかしだ。この者の行く末は全く見えない。一、二歩先は見えるがその先は真っ暗だ。」
「それは、この者が処刑されるという事だからじゃないですか?」
「まだ言うか貴様!」
「これ、静かにせい。
よいか?確かに、そんな気もした。しかし、その暗闇のずっと、ずっと遠くに光が見えるのじゃ。だが、その光は暗闇を照らそうとしない・・・」
「と言うことは・・・どういうことなのですか?」
「分からん。だから、興味深いのじゃ。
わしは、この子にかけてみたいと思うのだが・・・どうだ?」
「私もそれには興味がありますな。」
「私もだ。」「私も」「俺もだ」 「・・・皆さん」
「正気ですか総司令?」
「なんだ?おぬしは反対か?しかし、賛成多数決と言う物がある。
今回の評議会は、この子を生かし、認定すると言う事で決定だ。」
「・・・ありがとうございます」
「カリスト中将、子のこの事は任せるぞ?」
「ハイ」
「イオ准将も頼んだぞ」
「了解です」
「・・・皆の集、この者のリレブ(コードネーム)をわしがつけても良いか?」
「それは構いませんが・・・」「右に同じ」「同じく・・・」
「アルタイル・・・じゃ。」
「!!」 「・・・」 「・・・!?」
「タイタニア様!それだけはいけません!!」
「そうです!開闢の名をブラックメイデルに付けるなんて・・・」
「それもアルタイルの名を・・・それだけはダメです。他の物も黙ってはいませんぞ!!」
「・・・では、こうしよう。もし、この者がそれに相応しい存在になった時まで、アルタイルの名は他の物にはつけない。そして、この者につける。・・・だめか?」
「・・・まぁ、なれればの話ですがね・・・・・・」
「・・・」
「あれ!?」
「お目覚めか?」
気付くとベッドの上に居た。
「ここは?」
「医務室だ。」
イオが隣に座ってた。
「俺は・・・どうな・・・ったの?」
うつむいて、悲しそうな顔をした。
「まさか・・・」
と言うやいなや、顔を上げて笑顔になったイオが
「認定おめでとう!コーデリア君!!」
―こうして、コーデリアとなった俺はシリウス・人間との闘いに赴く事となる。
まるで、神の描いたシナリオが綴られ続けているように・・・
2003/12/08(Mon)14:50:10 公開 /
最低記録!
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■作者からのメッセージ
最後のキメ的言葉を入れ忘れていたので、足しました(^^;
ちょっと、謎も増えた今回ですがお読み頂きありがとうございます。
暇があれば感想お願いしますm(_ _)m
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