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『Docters − 過去との決着 − 』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:流浪人
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Docters − 過去との決着 −
「村西先生。オペの準備ができました。」
「……よし。これからオペを開始する。」
話は十年前にさかのぼる。
――――10年前。
ユカを失い、もう一度基礎から学び直すことを誓った村西。
そのために故郷を捨て、東京に来た。
よし、もう甘えは許されない!厳しい環境でこれから頑張るぞ!
「えーと、住所ではこの辺……あっあった!星宮病院!」
東京には知り合いはいないから、ちょっと緊張するなー。
病院に入り、院長室に向かった。
コンコン、ガチャッ。「失礼します。」
「おや、君が沖縄から来た……村西君?」
「はい!!これからよろしくお願いします!」
「こちらこそ。私は院長の坂本だ。」
すごく優しそうな人だなぁ。良い病院そうで良かった!
「じゃあ早速今日から仕事を頼むよ。」
それから毎日、病院のあらゆる仕事をやった。
医者としての勉強も、毎日坂本先生に教わった。
いつしか、坂本先生は俺の師匠のような存在になっていた。
医者として一人前になりかけた、ある日のことだった。
「真吾。今日のオペは、お前がメインだ。」
俺がメイン!?ついにこの日が来たのか!!
「頑張りますっ!!」
素直に嬉しかった。今までの努力が報われた気がした。
しかしオペが近づくにつれて、緊張が高まっていった。
もし俺が失敗したら、患者の命は無いんだ・・・・
その場から逃げ出したくなった。
「真吾、力むな。さぁオペだ。」
ついにオペの時間がやってきた。
助手に坂本先生がついてくれているわけでもない。
「オペを……始めます……」
手が震える……これが、これが医者か……
これが患者の命を背負ってる医者の仕事か!!
1時間後。
「おう、真吾。どうだった?初オペは。」
緊張した。恐かった。けど……
「ちゃんと成功しましたよ!!」
笑顔でそう言った。やっと一人前になれた気がした。
―――――――現在。
「思ったより病状が進行しているな……」
全ては俺の腕にかかっている。
「先生、血圧が異常値を示しています。」
俺はこの患者を救わなきゃならない。
「できるだけ早く悪細胞を切除しないとな……メス!」
俺はあの時、誓った。
「君は血圧平常への処置を施しておいてください。」
自分の手で、大事な人を救うことを。
「わかりました。」
俺はなんでも治せる医者になるんだ!
「坂本先生がガンだなんて、私まだ信じられませんよ……」
坂本先生。また俺に医者を教えてくださいよ……
「オペ中だぞ。集中しろ。」
俺はまだ習ってないことがたくさんありますよ!!
「心停止しました。心臓マッサージを開始します!!」
あなたを、まだ時代は必要としているんですよ!!!
「ドッドッド、スーハースーハ・・・・・・」
“なぁ真吾。医者にとって一番大切なことを教えてやるよ。”
「心拍数戻りません!!電気ショックを開始します!!」
“それは心だ。感情を失った医者は、医者じゃねえ。”
「どけっ!!私がやる!!」
“お前はきっと良い医者になるよ。俺が保障する。”
「心拍数再開しましたっ!!」
なぜ今、坂本先生の言葉を思い出す!!
「悪細胞切除完了。閉腹に移行する。」
“真吾、俺はガンだ。もう長くはねぇ。”
もう少しだ!!!もう少しで坂本先生は!!
“俺のオペは、お前に頼むよ。なぁ?”
「閉腹完了です。」
“いいか、真吾。これだけは覚えとけ。”
「オペを終了します。……!?」
“医者に絶対の二文字は無いんだ。”
ピーーーーーーーッ、絶望を告げる機械音が鳴り響く。
「…………なぜだ……。」
「なぜ心臓が止まっているんだ!!!!!!!」
わかってた!!神様なんかいないって!!!
「私の手術は完璧だった!!なのになぜだ!!!!」
医者はリスクを背負っているもんだって、気づいてた!!
「村西先生……、完璧な手術なら、死人は出ません。」
「俺の10年間はなんだったんだよ!!!!!」
「坂本先生との10年間は!!!なぁ!!!!!」
「医者の仕事は……経験とは比例しません。」
わかってた……だけど――――――
「医者ってなんなんだよ!!!!!」
“歩き続けろ。お前だけの道を。”
「俺にはもう、何も見えないよ……」
“お前はまだ医者としての道を、歩き始めたばかりだ。”
その夜、東京の空を過去最高の流星群が流れた。
「ユカ、坂本先生。まだまだ甘いけど――――」
いつか、胸を張って言えるように。
「俺は医者です。」
“お前はきっと良い医者になるよ。俺が保障する。”
完
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■作者からのメッセージ
なんか伝わりにくいかもしれません・・・
アドバイスもらえたらうれしいです!
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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