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『THE TONE 〜僕の奏でる道〜』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ナチョウ
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僕は西野孝之。中学2年生だ。僕は今、難しい問題に直面している。それは、自分はなぜこの世に生まれてきたのか、この空間はなんなのか、そして神はなぜ人間を作ったのか、ということだ。周囲の人からすれば、良く意味が理解できないかもしれない。「そんなこと、どうでも良いじゃないか」そう考える人もいるだろう。しかし、僕は本気でこのことについて考えている。しかし、この疑問について考えると、急に自分を見失い、この人生に対しての価値を見出せなくなる。そして、そのあとに急激に無力感と絶望を覚える。
僕は、青山中学校という中学校に通っている。ある日、
「西野、ちょっと」
授業を全て終え、帰ろうとする僕を担任の横山大樹先生が呼びとめた。そして、そのまま教室に残した。
皆、すぐに部活に行ったり帰宅したりしたので、瞬く間に教室は僕と先生だけになった。
僕と先生は、1番窓側の机を向かい合わせにくっつけ座った。
「先生、なんですか」
「・・・西野、最近お前変じゃないか」
「変って・・・どういう意味ですか」
先生のストレートな質問にも、僕は全く動じなかった。
「どういう意味っておまえ、常に成績で学年トップ争いをしていたお前が、この前の中間テスト30位だったし、最近授業にも集中できていないそうじゃないか」
「・・・・・」
「何か悩みがあるなら、先生に相談してみなさい」
親身になって、相談に乗ってくれようとする先生が、とても鬱陶しく感じた。
「先生に話す事は何もないです。僕、用事があるので帰ります」
そう言って、僕は教室を後にした。
僕は部活動に所属していない。しかし、そのまま帰らずに僕は第1音楽室に向かった。何故だかは分からない。しかし、自然に足が勝手にその方向に向かって歩いていた。後ろのほうからこっそり覗く。皆、楽しそうに楽器を吹いている。僕も吹奏楽部に入っていた。しかし、うまく溶け込めず1ヶ月でやめてしまった。でも、楽器は好きだったので、親に頼み、吹奏楽部で吹いていたトロンボーンを買ってもらった。それを教則本などを見ながら、我流ながらも必死に吹いている。楽器を吹いているときは何もかも忘れ、僕のたったひとつの生きる楽しみとなっている。もし音楽と出会っていなかったら、僕はとっくに自殺していたかもしれない。だが、楽器という自分の気持ちを思いっきりぶつける事が出来る物に出会えたので、自分の中では良かったと思う。5分くらいでその場を去った。
家に帰ると、父親が僕の顔を見てニヤリと笑った。少し気になりながらも、2階にある自分の部屋に入った。机に目をやると、1枚のチラシが目に入った。なんだろうと思い、手に取る。『市吹奏楽ソロコンテスト』そう書いてあった。11月となると1ヶ月後か・・
そんな事を思っていると、父が部屋に入ってきた。そして、僕の方へ近づいてきて、フフンと鼻で笑うとこう言った。
「どうだ、出てみないか。お前いつも一生懸命吹いてるが、自分の力を試してみたいと思 わないか」
僕は少し興味があった。
「興味はある、出てみたい」
「そうか、で、伴奏者が必要だが、ナツキちゃんでいいか?」
ナツキというのは僕の幼なじみでとてもピアノがうまい。友達付き合いのほとんどない僕のとっては少ない友達だ。
「ああ、聞いて見なきゃ分からないけど、きっとOKしてくれるだろう」
「よし分かった。曲は?」
「A列車で行こう」
父が口元で軽く笑う。
「分かった、それじゃ手続きをしておくよ」
「頼む」
後からナツキに電話したら快くOKしてくれた。話はまとまった。
さて、『A列車で行こう』という曲だが、よくジャズで演奏される曲で、決して難しい曲ではない。小学生でも吹くような曲だ。それでも、僕がこの曲にしたのには理由がある。それは、僕が初めて吹けるようになった曲だからだ。教則本を見ながら1人で楽器の練習をするというのは、簡単なことではない。しかしそんな中、父が買ってきてくれたのがこの曲であった。2〜3週間で曲らしい形になったと覚えている。時々ナツキも来て、ピアノの伴奏をしていってくれたので、自分では結構良い感じに仕上がってきたと思っている。
この簡単な曲で、この我流の自分の技術が、毎日一生懸命練習している市内の中学生の吹奏楽部員と比べたとき、どの位のものなのか・・・それを知りたい・・・その時は、そんな軽い気持ちでいた。
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2003/11/15(Sat)11:20:29 公開 / ナチョウ
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■作者からのメッセージ
自分でも西野がどうなっていくのか分かりません。この小説自体、良く分かりません(笑)
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