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   『ココロの形 【 #0 】』  ...  ジャンル:未分類 未分類
 作者:さこ                 
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 【 #0:はじまりはじめ 】
 
 小さなころからこの白い体、髪、赤い目の所為で注目をあびた。
 能力を見出したきっかけは、母。
 
 
 母はいつも優しくて、綺麗で、亡くなった父の分まで僕を守ってくれた。
 大好きだった。
 
 ある日いつもの通り、幼稚園で母の迎えを待っていたら遠くの方から何か嫌なものが近づいてくる感じがした。
 それはとてもおぞましくて、暗く翳っているようで僕は震えていた。先生が心配して、寒いのかとか何とか訊いてくれたけど僕の神経は そっち に集中していた。
 だんだん近づいてくる、それが分かったけど動けなかった。
 しばらくすると、母が迎えに顔を出した。
 
 優しい笑顔で僕に
 「「ごなめんんでねあ、な遅たくのなせっいてで。」」
 耳がどうかしたのかと思った。
 ―― なんであなたのせいで ――
 「先生ありがとうございました。」
 背を向ける母の後ろに何かを引きずってきた跡がずるずると続いていた。
 びっくりして凝視すると、その途端、一気に全部
 
 解ってしまった。
 
 父を思い出すから、僕の傍にいるのが辛い事。それから、母がこれから僕を邪魔だと考えるようになるだろうと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「これが最初に見た 『道』 だね。」
 「なんか現実味ないなぁ。」
 佳枝 陸は不満そうにぷっとほおをふくらませる。
 ――可愛いんだけど。
 暗い話だったから慰められるのかなぁ?とか思いつつ話したけど、同情されなかったみたいだ。やっぱり、かな。佳枝 陸はやっぱりこういう女のコだ。
 
 「・・・・・・あたしのもそんな、き、汚い?ドロドロ?グロイ??」
 それはちがう。
 「 キラキラ。ね、ただ出口が見つからなくて曇ってるだけだよ。」
 「ほんと?」
 「ホント。僕、嘘はつかないよ。」
 「うわぁ。そっか。そっか〜。エヘへ。」
 ――く〜っっ!! キュン死に。
 
 「んじゃ、そろそろ始めよっか?」
 そうだよ。気を取り直そう。
 「うん、やるぞぉ〜〜!!」
 
 
 
 
 
 
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2003/11/04(Tue)02:30:42 公開 / さこ
 ■この作品の著作権はさこさんにあります。無断転載は禁止です。
 
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■作者からのメッセージ
 アップがめちゃくちゃ遅れました。
 忘れ去られてないのかな?ドキドキ。
 
 あたしも気を取り直します!
 
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