『指先と指先でこんにちは 1』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ハイジ                

123456789101112131415161718192021222324252627282930313233343536373839404142
憂鬱な日々さよなら
そして今新しい扉・・・

開いとく?



「おっはよー!ゆ・う・じ☆」
「うっわ!お前いつもより増してキモイ!」
「キモイだと・・?」

松方千佳17歳。
吉住祐司17歳。
多分青春やってる。

「俺さぁ、昨日2組の小百合ちゃんと話しちゃった!すごくない?」
「小百合ちゃん・・?ああ。小泉さんか。」
「そう!こう・・ギュー!って守りたくなるんだよね!白くてちっちゃくて・・」
「千佳とは正反対!って言いたいんでしょ?」
「何で分ったんだよ!」

こうやってバカっぽいことを話して毎日を過ごしていく。

それが2人の暗黙の了解。
これでも2人、恋人同志だったんです。
過去形だけど。


ずっつずっとまえの話。
「祐司、あたし、エイズに、なったっ・・・ぽい、んだ。」

エイズこの一言が始まり。

途切れ途切れでやっとの思いで吐き出した言葉。
あの時の祐司の顔忘れやしない。
「マジで?嘘でしょ?」
でも私の目に溜まった涙を見て嘘ではないと悟った祐司。
「え、ごめん・・」
「何で祐司があやまるの?」
「・・・・」
「赤ちゃんはできてなかった。でもエイズはなってた。」

もう笑うしかない様子で祐司は口端を少し上げた。

「そっか・・」
「うん。」

何分かの沈黙。

「・・・・ぅ」
涙が出てきた。なんか不甲斐なくて。
祐司のせいなんかじゃないのに。

ただ、私達愛しあっただけなのに

買ったばっかりのマフラーが涙で濡れる。
寒い冬の日で涙が頬に刺すように凍みた。





2003/10/30(Thu)17:20:34 公開 / ハイジ
■この作品の著作権はハイジさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今日は。ハイジです。
エイズは本当に真剣に考えなきゃなぁ。
と思います。
これから宜しくお願いします。

作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
等幅フォント『ヒラギノ明朝体4等幅』かMS Office系『HGS明朝E』、Winデフォ『MS 明朝』で42文字折り返しの『文庫本的読書モード』。
CSS3により、MSIEとWebKit/Blink(Google Chrome系)ブラウザに対応(2013/11/25)。
MSIEではフォントサイズによってアンチエイリアス掛かるので、「拡大」して見ると読みやすいかも。
2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。