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『僕は僕を探してた。(3)』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:ヒカリ
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第三話 僕のプライド
僕は、自分の部屋のベットに寝転んだ。部屋には、昨年度の子ども美術コンテストで最優秀賞をとった、『僕の友達』が飾られている。勿論、勇のことだ。
目を閉じた。息の音も、心臓の音も聞こえた。―僕のやりたい事―追えば追うほど、遠ざかる気がして怖かった。やりたい事は絵。絵を描き続けたい。僕の心を、静かに映し出す絵が、僕は大好きだった。
「ただいま」
母さんが帰ってきた。僕は、母さんに認めてもらう為に、窓から見える自然を描いた。
「母さん」
自分の母親の名前を呼ぶだけなのに、何故だか緊張していた。右手には、今日描いたばかりの絵がある。
母さんは黙ってこっちを振り向いた。僕は、絵を広げて言った。
「僕、将来絵描きになりたい!」
唐突に打ち明けた。手が震えている。冷や汗も出てきたし、息切れもしてきた。母さんの言葉を、恐る恐る待った。
「駄目よ!絵描きなんて!!母さんの顔を汚すつもり!?そんな絵を描いている暇があったら、少しは勉強しなさい!!」
「僕の将来に、母さんの顔なんて関係無い!」
僕は怒鳴った。無意識に出た、初めて母さんに反論する言葉・・・。母さんは、かなりびっくりしたようだ。
「『僕の将来に、母さんの顔なんて関係無い!』ですって?そういう事は、一人で生きて行けるようになってから言いなさい。どうせ今は、私無しでは生きれないでしょう?ちゃんと名門K学園に行って、しっかりした教育を受けて、早稲田か慶応かに行って、医者にならないと駄目よ。」
母さんは、どんな時でも冷静だった。僕はこの時初めて、母さんに怒りを覚えた。
何も言わずに自分の部屋へ行った。部屋の電話で勇に電話をかけ、、近くの公園まで来てもらう事にした。
「ノートが切れたから買ってくる。」
僕はそう言って、公園へ向かった。
続く
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2003/10/12(Sun)21:16:38 公開 / ヒカリ
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■作者からのメッセージ
こんにちは、ヒカリです。
第三話はちょっと長いですネ。
浩も、だんだんと母さんのロボットではなくなってきています。
良ければ感想ください。
作品の感想については、登竜門:通常版(横書き)をご利用ください。
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