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『a ra ta / a i [1]』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:さこ
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「ねぇ、あの子よ」
「本当だわ。ねぇ知ってる? ・・・なんですって」
ヤメテ
「お前なんかと遊んでやんねーよ!こっち来んなよ」
ドウシテ?
「気持ちわる〜い アイちゃんって本当ににんげんなのぉ?くすっ」
ナニガワルイノ?ネェ、お母さん!!
=バシィッ=
『触るな!』 イヤ 『お前なんか・・・』 ヤメテ
『お前なんか あたしの子じゃない!!!』
アタシ イラナイコ? アタシお母さんノコジャナイノ?
ドウシテミンナトチガウノ? アタシハダレノコナノ?
・・・・・・***・・・・・***・・・・・・・***・・・・・・***・
1ヵ月後に県大会をひかえて、うちの陸上部も例にもれず、練習が厳しくなってきた。朝練、昼練、放課後の三拍子に加えて、照り付ける日差しが日に日に拍車をかける。俺、井上 新(アラタ)も その陸上部の一員。一応大会には長距離でエントリーされてはいるが、成績は中の上といったところだ。今もいつものメニューをこなすべく、最初の軽いランニングをしていると短距離の練習場所の方に人だかりを見つけた。
ピー――――――ッ カチッ ○秒○○!
「きゃ〜〜〜〜〜〜〜っ!!かっこいい〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
女子の黄色い声(悲鳴に近い)がとんでいる。言ってて虚しいけど、俺の人生には、縁が無いモノだ。
ちょっと気になって近くを走っていた奴に訊いてみる。
「なぁ、なんだ?あれ。」
「なんだ新、知らねーのかよ?有名人だぜ、アイツ。」 ますます分らない。
「?誰」
「如月 紫紺(アイ)。ほら、10日ほど前に隣のクラスに来た転校生!」
「・・・へぇ〜。。」 なんとなく覚えがある。
トラックを回っているうちに人だかりに近づいたので有名人を拝むことができた。しかし、ソイツはどう見ても≪男≫にしか見えなかった。しかも、女子が騒ぐのも頷けるサワヤカ少年風。最初に≪女≫だと聞いていなかったら、信じられなかったと思うくらいに。考えながらつったっていたら、コーチに殴られた。わざわざくること無いのに。熱血め。
*** *** ***
・・・死んだ。いや、死ぬほど疲れた。熱血は成績イマイチのうちの部をどうにかしたいらしいが、理想を押し付けられても迷惑な話だ。
ふらふらした足取りで水のみ場にたどり着く。肩にかけたタオルを蛇口の傍に置いて、頭っからたっぷり水をかぶる。汗が流れて気持ちがいい。熱気が引くまで存分に水を被ってから、手で髪を掻きあげた。傍らのタオルを掴もうと手を伸ばすと意外な感触がした。
手、だ。顔をあげると、正面にいたのはアイツ―――有名人だった。
「ん」 タオルを手渡された。受け取る。
そのままソイツは、踵を返して去っていこうとした。
「あ、おいっ!如月!」
振り返る。それから俺を無表情で見た。当然の反応だろう。話した事も無いやつに、いきなり呼び止められたんだ。しかし、俺の方は、どうして呼び止めたのか分らなくて自分に困惑していた。微妙な真向かった間の空気を何とかしたくて、「なんでもない」と言おうと思った。
言うつもりだった。
が、先に行動したのはアイツの方だった。スタスタと俺の方まで歩いてきて、いきなりむなぐらを掴んだ。殴られると思い咄嗟に歯を食いしばり、目を瞑る。
瞬間、噛むように口付けられた。
呆然と突っ立っていると、挑むような目線をよこして言い放った。
「紫紺。」
*** *** ***
俺たちの出会いはこんな風に始まった。
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2003/09/21(Sun)07:12:59 公開 / さこ
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■作者からのメッセージ
はじめまして。さこといいます。
なにより、小説書くの初めてなので、誰かばしばし批評してやってください。といっても「1」だけじゃなんのこっちゃらわかりませんよね。続きますのでよろしくです。
ネタとしては、いつか漫画にしたいと思ってあっためてたモノなのですが最近小説の方に関心が行ってしまったのでやってみました。
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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。