『異世界の戦争 三話』 ... ジャンル:未分類 未分類
作者:えふぇ                

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<三話 異世界にはあるアレ>
「う・・・ん・・・」
うなり声と共に、体を起こす。
頭痛はもうしない。
「おはようございます」
「!」
横から声がして自分はそっちを向くと、アネスの姿。
(夢じゃない・・・やっぱり・・・)
内心そう思い、意識をしなかったが、俯いていた。
「・・・お食事持ってきますね」
「・・・」
アネスの言葉は自分の耳には届いていなかった。
今までの事が・・・何が何だか、分からない。分かるんだけど、分からない。
また自分は現実拒否していた。
カチャカチャ、と音を立てながらアネスさんが来る。
「どうぞ」
近くのミニテーブルの上に置いた食事からは美味しそうな香りが漂う。
「・・・」
イマイチ、自分の耳には、その声も届いていなかった。
「・・・あの?」
(わっ!)
「んあっ!」
自分の顔の前に、アネスさんの顔があった。
凄く近い。
「あっ・・・すいません。驚かせちゃいましたね」
と言ってアネスさんが顔を引っ込める。(亀ではない)
「あ、いいですよ。それより―――」
「食事をとった方がよいかと思いますけど・・・それからゆっくりお話を
 聞きます」
「はぁ・・・」
近くのミニテーブルに近寄って、手を合わして一礼してから食べる。
(ロールパン二個と、ハムエッグに、コーヒーか)
20分程度で平らげると、また手を合わせて一礼。
「で、話なんですが―――」
話せば長くなるので内容だけ記しておこう。
まず、自分が何処から来たか。
無論だが、アネスさんは半信半疑の顔で見られた。
まあ、急にアネスさんに異世界から来た、と言ったのでしかたないかもしれない。
次に、どうして自分がここ(自分から言って異世界)に来たか。
以上のことを話し終えた。
「・・・そうですか。町・・・えっと、ここ(セイリス)から北西に行くと、
 大都市ビルウェント都があります。そこに、物知りなお爺様がいらっしゃるので その方に今日、会いに行きますね」
(何でそこまで自分にしてくれるんだろう)
今の日本でいうと、そんな人はとうていいない、と思った。
「あの、悪いですよ。そこまでして貰っちゃ。自分が行きますよ」
「でも、スズキさん。その異世界から来たって訳は、剣も、斧も、弓も、槍も
 使えないでしょう?それでは危険すぎますから、私が行きますよ。
 それにビルウェントには買い物に行くつもりでしたし」
「でも、アネスさんは見たところ武器が使えそうに無いじゃないですか」
「私は・・・そうですね。武器といったら剣を振り回す(恐っ!)くらいしか
 出来ませんが―――」
自分が話を続けさせまい、と口を開く。
「でしょう?自分が行きますよ。剣か何か貸してもらえたら―――」
「でも私は魔法が使えますよ」
「魔法っ!?」
(は?ンな馬鹿な!魔法なんて物はゲームや本、だけの物体のハズなのに・・・
 ありえる?あ゛ーまたややこしい事になった・・・)
「あの、チキュウという所には魔法がないんでしょうか?」
「魔法なんて無いですよ。歴史書なんかに妖術や巫女の術なんてのは
 載ってますけど個人的に多分嘘だと・・・」
(自分は物心がついてからMs.マリ○クや手品師という物を馬鹿にしていた)
「レキシショ?」
(歴史書っていう言葉はないんだな)
「えーっと、古い話の本です!」
「なるほど、古代書の事ですか」
「あっ、すいません。ここからビルウェントにはどのくらいかかるんでしょか?」
「行き帰りで、そうですね八時間程度でしょうか?」
「じゃ、早く行かれた方が・・・」
「あ、はい」
「そうだ、何かお手伝いすることはないですか?」
(何もしないってのはさすがにヒマだし)
「そうですね・・・お掃除してくれるでしょうか?」
「あ、はい!」
「それでは・・・」
と言って、座っていたアネスさんが立って、外行き用のローブを着て、
荷物を持って、足早に出ていった。
「さて、どうすっかな・・・」
いざ、掃除するとなると、何処からすればよい物か迷ってしまう。
(普通人は迷うんじゃないかなぁ・・・)
等と、内心ボヤきながら掃除を始める自分だった。
(―――魔法、か)
わくわくする気持ちと、不安の気持ちが混ざった―――――――。

2003/08/28(Thu)17:15:19 公開 / えふぇ
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■作者からのメッセージ
こんにちわ。異世界にはあるアレ、ってのは
魔法の事ですね。読んで貰って嬉しいです!
コメントを出来たら下さい。
宜しくお願いします〜。
文では難しいので地図でおさらいすると、

    ビルウェント都

        セイリス
        ルディス海岸
―――――――――――――――――――――
        ルディス海
        
ってところでしょうか。ではでは。

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