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初めまして。読ませていただきました。 「ぼく」が実は同性だったこと、まんまと騙されました。起承転結の「転」の部分で、意外性を感じることができ、同じ小説を書く立場である自分にとって勉強になりました。 私も自分の好きな女の子に、好きな男子の話をされた時、心がどんどん沈んでいくことを経験したことがありました。この主人公は理性を無くし、衝動的にキスをした……ああ、こういう行動をとることも起こりうるのかなと、人生経験少ない自分にとっては、なんだかそれも新鮮でした(笑)。 「彼女を傷つけたことに胸を痛めながら、悦びを感じているのだ」。「ぼく」は彼女を傷つけたことを罪と感じながらも、悦びを感じている。そんな「ぼく」はきっと、これからもこういった行動を―愛している人を、愛しているがゆえに傷つけるような行動を繰り返してしまうのでは、と感じました。 人それぞれ「罪」の認識は違えど、どのような理由があれ人を傷つけるのは罪なのでは……と、老健で働いていて感じます。 また楽しみにしています。 | |||
手塚 広詩 | |||
手塚様 初めまして。感想をいただき、ありがとうございます。 ショートショートなのでオチとして実は同性を使わせてもらいましたが、騙されていただけたとのことで嬉しい限りです。(人を騙して喜ぶ趣味があるわけではありませんよ笑) オチを臭わせる表現とセリフを入れており、フェアプレイの中での騙しのつもりなのでより嬉しかったりします。 衝動は人それぞれ十人十色なものだと思います。凹む人もいれば、何かアクションを起こしてしまう人もいます。僕の場合は黒歴史がありました笑 「罪」って難しいですよね。犯罪は罪を犯すと書くわけですが、犯罪を犯した当人に罪の意識がなければ当人にとっては罪になりません。周囲から見れば明らかに罪であってもです。 一方で相手を傷つける発言をしてしまったことに後悔して罪の意識に苛まれる人もいます。仮に言われた側が何とも思っていなくても当人にとっては罪だと感じてしまうことになるわけです。 僕は文章が下手なので、巧みに人の心理を描写することはなかなかできませんが、キャラクターの性格や視点で同じ現象でも異なるように示すことができるあたりも小説という媒体の魅力なのかなと考えていたりします。 (偉そうにすみません) 手塚様の「どのような理由があれ人を傷つけるのは罪なのでは」という感性は、人としてすごく素直で大切なものだと思います。 感想の御礼がとっちらかってしまいましたが、お読みいただき、感想をいただきありがとうございました。 | |||
風間新輝 | |||
作品を読ませていただきました。 日本国憲法第二十四条一項によれば「婚姻は、両性の合意にのみ基づいて成立し」と定義づけられています。この文言にある『両性』という単語が非常に厄介で、これにより同性婚が認められるためにはまず憲法を改正しなければならないとか。気の遠くなるような話ですが、同性婚に関して日本が遅れていることは確かな事実としてあります。 同性愛者の友人は何人かいるのですが、彼らは皆一様に理解を求めています。遠巻きに見つめるのではなく、まずはよく話を聞いて欲しい――と。自分自身の人格まで否定されるのは何よりも悲しい事なのだとおっしゃっています。 この作品の『僕』は恥ずべきこととして自分の性質を封印しようとしています。貴方はこれを自然に書かれていることから、おそらく貴方の周りには同性愛者に対して理解のある人間はほとんどいないのでしょう。そして貴方自身もそれは永遠に秘匿すべきものだとお考えになっているようだ。それは一般的な感覚だと思いますが、このお話を読んで、事実を意識した今だと複雑な思いが否応なく湧き上がってきますね。 ショートショートと言うことで、読者に対して問題を投げかけただけで終わるのは致し方ない事なのかもしれませんが、いずれ貴方の筆を通して、結論が描かれることを願っています。 以上です。ピンク色伯爵でした。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
ピンク色伯爵様 感想をいただきありがとうございます。 同性愛に関して、記憶が曖昧で申し訳ありませんが、「世界が100人の村だったら確か10人が同性愛者」とあるほど「普通」なことだと思っています。(普通という言葉はマジョリティを示すと解釈されるので、あまり使いたくないですが) 日本の歴史においても、女人禁制のお寺の中には同性愛者が多くいたという話あったり、戦国武将の多くが側仕えとして男性を性の対象として置いていたり、と専門家ではないので何処まで信憑性があるかはわかりませんが、同性愛は今の日本よりオープンだったのではないかと思っています。 今の日本は、はっきり言って遅れています。 法よりも意識面だと私は捉えています。 本来、「人」を好きになることに何も問題はないはずなのです。 恋愛はお互いが好きであればいいのですから。 私の作品の中で「僕」が同性愛を否定しているように書いたつもりはなかったです。 真実の愛と言い切らせたのもそれ故でした。 罪と感じているのは、あくまでも「彼女」にサディスティックな興奮を覚えたこと、愛と言いながら感情とは別に肉欲に流されたことに対してのつもりでおります。 ただ「彼女」の受取り方に関しては意図的に「おかしいもの」として描写しています。 今の日本ではそのような扱いを好きな人にされて傷ついた経験を持つ「僕」らが多くいると思っています。 そして、その結果、カミングアウトすることが難しくなっていっていると思っております。 だからこそ、「罪」=同性愛ではなく、嗜虐性という結論に持っていこうとして作品を作りました。 ピンク色伯爵様に、この作品において同性愛は秘匿するもの、それが当たり前と思って書いていると思わせてしまったことは、私の技量不足故です。 ショートショートの作品として性別を隠す手法を使っているため、同性愛に関して伝えたいことを押し出せてはおりません。 しかし、伝えたいことと真逆に伝わってしまったのは本当に残念で、反省すべきことだと思っております。 不愉快な思いをさせてしまっておりましたら、大変申し訳ありません。 長文になってしまいましたが、ご一読いただけましたら幸いです。 | |||
風間新輝 | |||
風間新輝様。 不愉快な思いになるなどとんでもありません。貴方の作品に対して複雑な思いがあったわけではなく、今の世界の同性婚に対する理解に関して傍観者ながら無責任にも思うことがあったという趣旨で書いています。作者様を混乱させてしまったことを、ここに深く謝罪いたします。今後は自分の文章が読む側にどのような形で伝わるのかよく吟味することを忘れず、投稿する際にはより慎重に推敲いたします。また、返信コメントにお手数をおかけしてしまったことも並びにお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。 ピンク色伯爵 | |||
ピンク色伯爵 | |||
はじめまして。嫉妬に燃える「僕」の心情が巧みですし、それが叶わぬ恋であることを明かす最後のオチがダメ押しの形になってものすごく「僕」に同情してしまいました。でも、そうすると罪云々という話が宙ぶらりんになっている感じがしないでもないんですね。普通に悲しい結末でした、で終わっていいはずなのに、そこに「罪の告白」の要素も付け加わって、物語がちょっと複雑になりすぎている気がしました。ショートショートとして書くのであれば、罪の話は削ってもっと枚数を減らす、というのもアリではないでしょうか。 | |||
ゆうら 佑 | |||
ピンク色伯爵様 こちらこそお手数をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。より一層精進してまいりますので、また別の作品もぜひお付き合いいただけますと嬉しいです。 | |||
風間新輝 | |||
ゆうら 佑様 はじめまして。ご感想いただき、ありがとうございました。確かにおっしゃるとおりですね。盛り込むのであれば短編くらいの量まで、ショートショートにするのであれば削るのも手だったかもしれません。色々と試行錯誤しながら、次の作品につなげていきたいと思います。ありがとうございました。 | |||
風間新輝 | |||
合計 | 0点 |