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『者思い{視}』 作者:リーフライ / リアル・現代 恋愛小説
全角5028.5文字
容量10057 bytes
原稿用紙約20.65枚
者思い三弾です、これでこの話は一区切りを迎えます
1・弓{平片}


「とりあえず行ってみたら?解決するかもよ」

僕、平片は友人の立海にそう助言した。

「そうだな、ありがとう」
そう言って立海は教室を出て行った。


解決するかも、僕はそう嘘をついてしまった。

あの二人がこうやって一緒に買い物に行くのは何度目だろうか、翌日決まって複雑な顔をして登校してくる、失敗のサインだ。

「なんだかもどかしいなぁ」

僕は成り行きで彼らが両思いに近い関係だということを知っている、でも僕がそれを伝えるわけにはいかない。

僕はどちらかがその口で告白すべきだと思っている、でも最近彼らの関係が少しずつ離れていくのを感じている。


「どうにかしなくちゃ」
僕は小さく呟いて教室を出た。


あくまで僕は舞台を用意するだけ、告白するかは、彼ら次第だ。

廊下を歩いていると

「またお手柄だったみたいね、キューくん」
後ろから声がした。

「その呼び方はやめてよ」
僕を昔のあだ名で呼んだのは、僕の彼女の遥花だ。


「いいじゃない、久しぶりにやってるの?」
僕は苦笑いで答えた。
「今回は難関だけどね」

「キューくんが難関だなんて難しいね」
遥花がいたずらっぽく言った。

「僕だって万能じゃないさ、帰ろっか」
そう言って行こうとした僕の手を遥花の手が掴んだ。

「どうしたの?」
僕が振り返ってそう言うと遥花は少し恥ずかしそうに

「あの、最近色々あって会えなかったし、ね」
時たま見せるこの表情が僕は好きだ、僕は笑いながら手を握り返した。

「わかったよ、じゃあ行こう」

そういって再び廊下を歩き始めた。


しばらく進んだ後遥花が聞いてきた。
「今回の人ってそんなに難しいの?」
僕は苦笑いで答える
「うん、後一歩なんだけどね、本当にあと少しなのに」

遥花は僕の顔を覗き込んで

「キューくんがまた恋のサポートをはじめるなんてね、どんな経緯で?」
「簡単な話、その男側が僕の親友ってだけ」

その後少し考えた素振りを見せてから遥花は言った。

「ねえ、私も手伝ったらだめかな?」

「え?」
予想外の言葉に裏声で聞き返してしまった。

「だから手伝いたいの」

「いいけど、珍しいね」
「そうかな?いいじゃない、私の気まぐれなんだから」
「僕としても遥花と一緒にできるのは嬉しいしね」

そう言うと遥花はすごくご機嫌になった。
「嬉しいこと言うじゃない、キューくんったら」

ちなみに遥花と僕は一学年違い、遥花の方が一切年上だ。


学校を出て遥花と僕の家の分かれ道についた、いつもどうり僕が遥花の道の方向に行こうとしたが何かに引っ張られた。

引っ張られた方向を振り向くと遥花が驚いた表情でこちらを見ている。

「どこ行くのキューくん?」

「どこって、いつも通り送るよ」
僕がそう言うと遥花が少し顔を赤くして言った。

「私も手伝うって言ったじゃない、キューくんの家で話聞かせてよ」

「あ、ああわかったよ」
そう答えながら僕の顔が少し熱くなるのを感じた。






2・買い物の後{立海}


あの買い物の数日後、木曜日の登校中に平片に話しかけられた。

「その顔はダメだったね」
俺は溜息をついて
「わかるか?進展無しだ」

平片はその返答を既にわかっていたようで、すぐに返してきた

「立海、今日放課後ヒマ?」
「ああ、ヒマだけど、なんだ?」
平片はいきなり真剣な顔つきになって俺の目を見つめて

「ちょっと話があるんだ、白羽さんの事で」

白羽というのは愛由の苗字だ、それにしても
「お前の真剣な顔って初めて見た気がするな」

そう言うと平片はすぐにいつも通りの顔に戻って
「そうかな?じゃあ放課後空けといてね」
「あ、ああ」

いきなり変わった平片の表情に驚きながら俺は承諾した。


その日の授業、俺は愛由の事ばかり考えていた。

俺は少し前の席にいる愛由を見てしまっていた、綺麗に整えられた短めの髪、可愛らしい小さい顔……
 そこまで考えて俺は思考を止めた、これでは愛由の外見が好きみたいじゃないか。

愛由の外見では無い魅力を考えようとして俺は気がついた、俺、今愛由の事を好きって考えなかったか?

その先を考えようとした瞬間授業終了のチャイムが鳴った、俺の思考はそこで止まってしまった。






3・買い物の後{愛由}


立海さんとのお買い物の数日後、水曜日の放課後、私は学校近くの喫茶店にいた。

私はチーズケーキを、私をここに誘ってくださった先輩の遥花さんはフルーツパフェを頼んだ。


遥花さんがパフェを食べながら話しかけてきた。

「あゆっちってさ、恋とかしてる?」
突然の質問に私は喉を詰まらせた。

「ありゃりゃ、大丈夫?」
遥花さんが水を私に差し出してくれた。

私は水で喉のつっかえをとって

「いきなり何言うんですか」
遥花さんは笑って
「ごめん、で、どうなのよ? 好きな人とかいるの?」
私はちょっと考えて
「はい、います」

遥花さんはイタズラな顔をして
「誰よ、その人」

私は顔が赤くなるのを感じながら

「あの、クラスメイトの人です」

「あゆっちの事だからその人の前じゃあ喋れなかったりするんじゃないの?」

その言葉を聞いて私は心を決めた

「あの、遥花さん、少し相談があります」

遥花さんは待っていたかのように笑って言った
「いいわよ、話してみなさい」





4・喫茶店で{愛由}

私は立海さんの事が好きだということ、なかなか告白できない事、そして立海さんが迷惑なんじゃないかと思っていることを話した。

遥花さんは話しやすいように何度も頷いてくれ、話が終わると同時に口を開いた。

「まず聞くわ、あゆっちはその子のことが本当に好きなの?」
私は自分でも驚く声とスピードで返答していた。

「好きです、大好きです!」
言ったあとに気づいて顔が赤くなる。
「その、すいません、大声出して」

私が小さい声でそう言うと遥花さんは満足そうな顔をして
「そこまで言えるならいいじゃない、一回告っちゃえ」

「え、ええ、無理ですよ、何度も無理でしたし……」
私は大げさに手を振った。

「そう? じゃあ先輩として私が一肌脱ぐわ」
私は身を乗り出して
「ほ、本当ですか!」

遥花さんは驚いた様子で
「お、落ち着いて」
私は椅子に座って
「すいません」


「まあ、私がするのはセッティング、最終的に気持ちを伝えるのはあゆっちよ」
 遥花さんはそう言ってウインクをした。







5・飲食店で{平片}

僕は立海を連れて近くのファーストフード店に来ていた。

どっちにも食事が運ばれてきた時点で立海が口を開いた。

「で、話ってなんだよ」
僕は頼んだハンバーガーを一口かじって
「立海はさ、白羽さんの事どう思ってるの?」

立海が焦った様子で
「何って、なんだよ」

「じゃあもっと簡単に聞くね、立海は白羽さんのことが好きなのか?」
立海が少し黙って言いにくそうに
「好きだよ、完全にわかったわけじゃないけどさ」

僕は食べていたハンバーガーをおいて精一杯に真剣な顔を作って
「僕は立海の態度、白羽さんに合わせているように見えてもおかしくないと思うよ」

立海が驚いた顔で固まった、構わず僕は続けた。

「白羽さんのような性格なら尚更だ、立海が迷惑がってるんじゃないかって思っていても不思議じゃない」


そこまで言って僕は顔を戻して飲み物を飲んで
「まあ、あくまで僕の意見なんだけどね」

また嘘をついた、大げさにはしたけど根本は遥花が聞いてきてくれた白羽さんの本音だ。


立海はしばらくしてから
「そう、なのかな」
僕は最後の一撃、遥花と決めた決め台詞を言った。

「僕でよかったら一肌脱ぐよ」

立海は遠慮がちに
「いいのか?」

僕は得意げな顔を作って
「でも最後に決めるのは、立海だよ」

そう言って僕は残りのハンバーガーを食べ尽くした。








6・Love monday morning{遥花}

朝、私は起きてすぐにキューくんに連絡をした

「もしもし?遥花?」
キューくんが眠そうな声が聞こえた。
「あれ?キューくんもしかして寝てた?」
「いや、ちょっと前に起きてた」

「キューくん、準備できてる?」
「ああ、ばっちりさ、じゃあ今から行くよ」

そう言ってキューくんは電話を切った、数分後にキューくんが迎えに来た。

「ごめんね、待たせたかい?」
私は首を振って

「なんだか緊張するね」
「大丈夫さ、先生にも許可をとってある」

キューくんは得意げな顔でそう言った。






7・Love monday afternoon{立海}

「立海」
平片が俺の名前を呼んだ、
「なんだ」
俺が何気なしに振り返ると平片がニヤついている。
「なんだよ」

そう言うと平片は更にニヤついて
「頑張りなよ」
そう言って平片は教室から出て行った。

俺は寝ているふりをして一人で少し前の事を思い出した。


金曜日のことだ

「でも最後に決めるのは、立海だよ」
そういって平片は残りのハンバーガーを食べた。

俺は飲み物を飲み干して言った
「どういう風に一肌脱いでくれんだ?」

平片は少し考える素振りをして言った。

「まあ、いい雰囲気にしといてあげるよ、月曜日の放課後にね」
そう言って平片は残りの飲み物を飲み干した。



月曜日、今だ。
「頑張らなきゃな」
俺はそう言って愛由の方を向いたら愛由と目が合った、俺は咄嗟にまた寝たふりをした。


顔がすごく熱い、おそらく真っ赤だろう。

俺はそう感じながらもチラチラと愛由を見てしまっていた。





8・Love monday night{愛由}


放課後、私は平片さん、遥花さん、そして立海さんと教室で作業をしていた。

遥花さんが申し訳なさそうに
「ごめんね、手伝わせて」

私達は生徒会の遥花さんの仕事を手伝っている、これが遥花さんが言っていたものなのだろう。

「いや、別にいいよ、ね、立海」

「あ、ああ」
クラスメイトの平片さんは遥花さんの彼氏らしい、でも

(なぜ立海さんまでいるのでしょう、どうやって?)

そう考えようとした時に遥花さんが声を出した。

「あれ?木材は?」
平片さんが答える
「え?もう全部無いと思うけど?」
「本当?」
そういって探すふりをしながら遥花さんは私にウインクをした、開始の合図だ。

遥花さんが平片さんに何かを告げた、しばらくして遥花さんが言った。


「ちょっと木材買ってくるわ、こんな時間だから結構かかりそうだから二人共休んでて」
そう言って遥花さんが近づいてきた。

「頑張んなさいよ、二時間後に帰ってくるわ」
そう言って二人は教室を出て行った。




教室に沈黙が流れる。


大体二十分が過ぎたころ、沈黙を破ったのは立海さんだった。


「愛由」
「は、はい」
緊張で声が高くなってしまった。
「ちょっと俺飲み物買ってくる、何がいい?」
「あの、じゃあ緑茶で」
「了解」

そう言って立海さんは逃げるように教室を出て行った。



しばらくして立海さんが帰ってきて、さらに十分が過ぎた時に私は決心した。

「あの、立海さん!」
思った以上に大きな声が出た、立海さんが驚いた表情でこっちを見た、心なしか顔が赤い気がする。


「あの、私」
それから一分程の間

「あ、う、あ、あの、私、立海さんの、その、」
立海さんが完全に固まっていたが私は気にせずに続けた。

「立海さんのことが、頭から離れないんです!」
一回言ってしまうとあとはどんどん出てきた。

「授業中も、休み時間も、家に帰っても、立海さんのことばっかり考えてしまうんです!」

約三十秒の沈黙の後、立海さんが口を開いた。




「その、俺も、だ」
立海さんが真っ直ぐ目を見てきた、恥ずかしくて火が出そうだった。

それからのやく一時間半、私達は少しだけ、ほんの少しだけ手だけを触れ合って黙っていた。





9・Love?tuesday{平片}


あの月曜日の夜、遥花からすべて聞いた、遥花はうまく白羽さんから聞き出したようだ。

火曜日の朝、登校中の立海を見つけた僕は肩を掴んで言った

「全部聞いたよ?立海くん」
僕はびっくりした、立海の顔はあの複雑な顔だったのだ。

立海は少し間を置いて
「立海、学校に行ったら相談がある」

「いいけど」
早速喧嘩か、それともデートの計画かな、そんな考えはすべて間違っていた。



向き合った立海から出た言葉は今までのすべてを吹き飛ばすような言葉だった。







「俺と愛由って、付き合ってるって事でいいのかな? 告白、されたのかな?」

僕は大きな溜息をついて言った。

「前言撤回、君は完全に、鈍感だ」
2012/12/29(Sat)23:12:17 公開 / リーフライ
■この作品の著作権はリーフライさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうもリーフライです。
 者思い、これで一応一区切りつきました。

変な終わり方&変な視点切り替えでした、すいません。

これが今の私の精一杯の終わり方です。

できればこのキャラ達もでる、あの二人のその後も交えた続編を作りたいと思っていますので、この作品で会えたらまたお願いします。

続編を希望する人がいましたら、もしかしていましたらコメントで言っていただけると嬉しいです。
この作品に対する感想 - 昇順
 リーフライ様。
 御作を読ませていただきました。ピンク色伯爵です。
 うーん、なんか普通に終わってしまった感がぬぐえませんね。いえ、これはこれで味があるのでしょうが、結局この三作目で言いたかったことは、最後の一言に尽きるわけで、それ以外の部分は究極的には蛇足なのであります。ですから、個人的にはもっと削って(いっそキャラにロボットのようなものを感じさせてしまっても良かった)「やっぱり君は鈍感だな」チャンチャン。って終わって良かったと思います。
 推測になりますが、書いているうちにキャラクターを貴方が徐々に明確にイメージするようになり、シーンを次々と書いてしまったのではないでしょうか。続編を書きたいとおっしゃっていることから、貴方自身が作品を書く過程でキャラクターに愛着を持ったのではないかと僕は考えるわけです。愛着を持つことは大切なことです。しかし、個人的に、それって、この作品にマッチしているのかな、とか思ったり。まあ戯言です。聞き流して下さい。
 続編を書きたいのであれば、書くべきであると思います。思い立ったが吉日。ただ、このキャラクター達を使うのあれば、物語の方向性を考え、描くタッチを変えなければちぐはぐになってしまうかもです。
 また、この掲示板に、
 
 最低限の『小説正規表現(表記方法・禁則処理)』http://gallebasra.sakura.ne.jp/p_novel_01.html

 があります。これを一読されることをお勧めします。
 自分はちょっと今日から家を離れるので、続編を投稿されても読めない可能性はありますが……。
 駄文長文失礼しました。次回作、頑張って下さい!
2012/12/30(Sun)08:09:090点ピンク色伯爵
 というか正規表現の項を見て、自分もできてないところがあることに気がつきました。正直笑えません。何の報告か分かんないコメでした。
 良いお年を!!
2012/12/30(Sun)08:34:450点ピンク色伯爵
ピンク色伯爵
ありがとうございます。

そうなんです、よくキャラに愛着を持つことが多くて(今回はこの二人のその後を書いてみたくなった)

続編と言っても違う恋愛話に平片を中心としたメンバーが関わっていく形式にしていきたいと思っています(平片が本当の主人公だったりして)

ここまで読んでくださってありがとうございます。

良いお年を
2012/12/30(Sun)10:01:590点リーフライ
>リーフライ様
 こんにちは。
 ひとつの物語をこのように少しずつ分けて投稿してはいけません。それはこの板のルールです。以前にもどなたかに言われていませんでしたか? 皆さんのコメントをちゃんとお読みになって、聞くべきところは聞いてください。何よりまずこの掲示板のルールをきちんとお読みになって、それから投稿なさってください。小説の内容が良い悪い以前の問題です。
 また小説というのは普通このように何行も空白を開けて書くものではありません。他の作者さんの作品を少しでもお読みになりましたか? 皆さんがなさっているように、普通の文庫本や教科書と同じように、一行ずつ詰めて改行されたほうがいいと思います。
 ではリーフライ様の今後のご活躍を楽しみにしております。
2013/01/02(Wed)07:54:110点中村ケイタロウ
中村ケイタロウ様

すいません、ご指摘ありがとうございます、以後気をつけます
2013/01/02(Wed)23:44:340点リーフライ
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この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
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