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『自由な発想で』 作者:水山 虎 / リアル・現代 ショート*2
全角1495文字
容量2990 bytes
原稿用紙約5.05枚
自由な発想は1から始まる


 トリプルG
 
 
 競り合うことに疲れても尚。
 なぜ競り合うのか、なぜ生きているんだろうか、それがわからなくなるのが俺は恐い。闇の中の一筋の光が消えたとき、盲目になり、自ら命を絶つ、そんな若者が最近増えてきた。闇は盲目の救済か、それとも精神を焼く黒炎か。
 すがれる糸。ビールでも飲みながら、出来の良い映画を観て、少しは人生に意味を見出して、なんとかそういうことを繰り返して限界を先延ばししてきた。
 すり減らした神経が回復せぬまま、すぐに朝日。
 一日寝て疲れが全てとれる訳がない。人間ができる一日分の働き以上のことを毎日やらされている、そんな生活じゃ。
 どう考えても、生きていくのは無理に決まっているのに。
 寝起きだからじゃない、頭痛に、それにめまい、吐き気もする。会社など行きたくない。休みたい、このまま寝ていたい。大きな声で怒鳴る課長が、頭の中にいるようだ。
「おい、上田ァ。わかってんだろうな」
 わかってますわかってます。わかってますよ課長……



 
 僕は、なんでもない平和な町に生まれた。僕が子供のころ、住宅街のはずれに、人通りの少ない道があって、そこにはいつもG3―――俺たちがジーさんと呼んでいた爺さんがいた。
 長い白髭を携え和服をまとう、なによりも自由な爺さんだった。自由なジジイでジが三個、ジーさんだ。 
 彼は、ちょっとおかしかった。普通の人ではなかった。僕らは彼をまるで人生の師匠のように敬い、神に近い仙人であるかのように崇めた。
 たとえば、彼は雲を食べていた。僕らは綿菓子だと最初思っていたが、少し味見させてもらってわかった。綿菓子よりも苦くて、薄い。雲はまずかった。今思うと、ただの綿だった気もする。
 ある日僕がG3の元を訪ねると、彼はいつものとおり人通りの少ない道の脇に腰を降ろしていた。僕単独でG3のところへ行くのは始めてだった。
 その日は天気が良く、雲ひとつなかった。その代わり、G3のお腹は膨れていた。
「G3、お願いがあるんだ」
 と、僕は言った。
「なにさ」
 よく覚えていないが、G3の声は聞き取りやすかった。
「僕、運動が嫌いなんだ。でも明日運動会なんだ。雨を降らしてくれないかな。そうすれば、なくなるから」
「お安い御用じゃ。鏡を持ってきなさい」
 言われたとおり、僕は一度家に帰って、手鏡を持ってまたあの道へ走った。
 持ってきたよ、と手鏡を渡すと、G3はそれを晴天の中燦々と輝く太陽に向けた。やがて美しく晴れ渡っていた青の景色は雲に覆われ、いつしか雲は太陽を隠し、世界を灰色にした。
 驚きと喜びに満ちた表情をしながらだったと思う。興奮気味に、G3に訊いた。
「どうやって、太陽を隠したの」と。
 爺さんは答えるより先に、僕に鏡を向けた。そこには当然僕がいる。空の雲の割れ目から、一筋の光が鏡に反射し、僕の顔を照らす。僕は、まぶしくて、とっさに顔を隠した。
 その後教えてくれたG3の答えは、こうだった。
「太陽だって、顔を隠すのさ」
 次の日、運動会は雨で中止になった。



 今も雨が降っている。さっきの朝日が嘘のようだった。
 自由に目がくらんで、寝過ごしたようだ。もうランチタイムだ。
「おい上田ァ、わかってんだろうな」
 わかってますわかってます、わかってますよ課長。
 でも悪いことですか、自由な発想って。
 それに、たとえ俺の行いが悪いことだったとしても、おてんと様だって今日は、目を瞑ってくれているんですよ。
 頭がおかしいんじゃないのかって? 
 ええ、おかしくなってますね、おかしな毎日のせいで。
 わかってますわかってます、わかってますよ課長……



2012/12/01(Sat)13:35:25 公開 / 水山 虎
■この作品の著作権は水山 虎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まさしく自由な発想から書き始めたものです

何にも影響されず、自分で考えて、感じて、自由な発想で、オリジナルだと胸を張って言うことのできる作品にしてみようと思って書いてみた一作目です。
まあ短時間で仕上げているので、試験的な作品であることには間違いないですが。あ、言い訳とかじゃなくて。
 昔の自分と今の自分、どれだけ成長できているのか…を確かめるためのものでもあります。

結果的に、おかしくなる若者という社会問題を訴える作品になってますが、作り始めたきっかけはタイトルの通り自由な発想から始まっています。だいたい、社会問題をテーマにしてる割には量が少なさ過ぎます。
 自由な発想とは何かと考えるにあたって、なにか適当なものを目の前においてみて、それの使い方を忘れて、裸になって、それをどういう風に使うか考えてみたことから始めました。それが鏡の話ですが、他のアイディアとしては、めがねの使い方です。
 普段僕はかけてませんが、かじったり、なめてみたり、とにかくレンズをさわりまくって指紋でべたべたにしたり、眼鏡をかけながら運動したり、想像したり、色々やった結果、レンズにマジックペンで目を書いて後ろ向きに頭にかけることで、後ろにも目がついているように見せかけて相手を惑わせるという使い方を思いつきました。効果としては、ふくろうや蛾が羽の模様で敵を惑わせる、というものと似ています。
 これをくだらないと思うかどうかは本当にくだらない話ですが、人ごみの中にそんな眼鏡のかけ方をしているやつがいたら、確かにちょっと戸惑いませんか?
 

 まあ最後になりましたが、本当に働きづらそうな世の中ですね。
 僕が将来、主人公のようになっていたら、悲しすぎますよ。笑えないです。
 ブラック会社へのイメージですが、最近僕の兄弟がブラック会社が辛すぎたそうで辞めたので、なんか辛そうなイメージになっていると思います。
 僕自身バイトの経験しかないですが、めんどくさいなーと思う気持ちをそのまま文章にしています。
 あとがきの方が長いっていうね。あはは、笑えないですねー。
 でも、自由に書いてみるって、出来ると気持ちいいですね。
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは。
僕もちょうど投稿作業をしていて、タイトルが目に付いたので読ませていただきました。
なるほど、自由に思いつきで書いている感じが面白いですね。
この雲と、鏡と、こんな感じのアイデアが一杯出てきて次々に書けたら、ユニークで楽しい作品になるような、そんな感じがしました。
2012/12/01(Sat)13:53:470点天野橋立
こんにちはー^^

ありがとうございます。
まあ、ネタがねーよ! って感じだったんですよね。今年もあとちょっとなのに、全然小説書けてねーよ! って感じだったんです。それで、自由な発想に懸けてみました。
書いてみると面白かったです。もともと短編を書くことが多いのでプロットはおろそかにしてますが、今回はもう骨がない軟体動物みたいになっちゃってます。
自由に、思いつきで、そうまさに自由な発想で、という作品です。
そのまんまなんやー!
だめだすんません、なんか面白いことひとつも言えなくて…

ユニーク路線もアリですね。でも、ちょっと変なドラえもんみたいになっちゃうような気がします
あ、でもアドバイスはとても嬉しいです!
2012/12/01(Sat)18:47:130点水山 虎
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