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『日本現在話 サンタ編』 作者:水山 虎 / 童話 ショート*2
全角1746.5文字
容量3493 bytes
原稿用紙約6.55枚
なぜサンタクロースは人に姿を見せないのか。なぜサンタクロースは大人にはプレゼントをあげないのか。日本の現在の話。
 

 これはまだサンタクロースがいた時のお話。
なぜサンタクロースは平成の世から消えたのでしょうか。





 


 

 クリスマスの夜。
僕は雪が降るなか、僕が働いているちょっと怪しいお店のチラシ配りのバイトをしていた。
 クリスマスという日は彼女がいない僕にとっても特別な日だ。何故なら、カップルが無駄にいいムードになってくれるのでラブホテルにいつもの四倍はカップルが来てくれるのだ。
 僕はチラシを全て配り終えたので、ホテルの裏道で煙草を吸いながら休んでいた。
「あ、やばい」
 頭上から声がした。僕は空を見てみたが、別になにもない。灰色の空で白い雪が目立つ。
「危ないぞー!」
 また頭上から声がした。僕はまた顔を上に向ける。そこには信じられない光景があった。
 赤い服に身を包ませたひげが白くて小太りなじいさんと、赤い鼻の鹿のような動物と茶色いそりが滅茶苦茶な態勢でこちらに向かって落ちてきていたのだ。
 僕はすばやく前転し、それらを避けた。昔は柔道をやっていたのだ。
「ぐげぼ!」
 小太りじいさんと赤鼻の鹿のような動物とそりが地面に派手に落ちた。
 死んだな、なんのドラマの撮影だかは知らないけど。僕はそう思った。
「いてて……」
 僕は目を丸くした。あの高さから落ちてきて死なない人間がいるとは。
「だ、大丈夫ですか?」
「いや大丈夫じゃない。やっちまったよ。あれ、ワシのこと見えるの?」
「見えますけど、それがどうしたんでしょうか」
「あーあ。落ちた衝撃で防御魔法がとけちゃったか。……ワシ、実はサンタなんだわ」
 空からふってきたじいさんは頭をうったんだな。僕はそう思った。
「じゃあその鹿とそりでまず病院に行ってくださいねサンタさん」
「……お前信じてないな? ワシマジでサンタじゃよ? 飛行機にぶつかって落ちた哀れなサンタじゃよ?」
 どこにそんな間抜けなサンタがいるというのだ。と僕は思った。
「ここなんじゃがね」
 心を読まれたのだろうか、サンタと名乗るじいさんは僕の頭に浮かんだ疑問を答えた。僕は驚きのあまり何も言えなかった。
「まだ信じないか。じゃあその白い袋を持ってみな」
 僕は言われたとおり少し黄ばんだ大きな布製の袋を手に取る。
「まず、なにか欲しい物を頭にイメージするんじゃ。そしたらその袋に手をつっこむ」
 ……缶コーヒーでいいや。出てこないと思うけど。
 僕は袋に手をいれた。熱いものが手にあたった。
「缶コーヒーだ……」
 そんなバカな。じゃあこのじいさんは本当に?
「そうじゃよ。サンタクロースじゃ」
 どうやら本当にサンタクロースのようだ。まさか実在したとは。
「なあサンタさん。俺からお願いしてもいいかな?」
「なんでも言いなさい」
「思考読まれるのって、あんまりいい気分じゃないんだ。ちょっと止めてもらえない?」
「……フム。まあ別によいがの」
 しめた。
「じゃあサンタのおじさん。僕からクリスマスプレゼントだよ」
 僕は袋から拳銃をとりだした。
「な、なにをするのじゃ!」
「こんな素敵なプレゼント、ありがとうサンタさん」
 引き金をひくと、サンタに弾丸が刺さった。銃声は思ったより小さかった。
「メリークリスマス、間抜けなサンタさん」
 僕は袋と拳銃を両手に握ったまま、その場を立ち去った。



            *** 


 

 サンタクロースは生きていました。重傷を負いましたが、トナカイ達が病院にサンタを運び、命は助かったのです。
そしてこれは、その病院の美人看護婦さんがサンタから聞いた話です。
「もうワシ、サンタやめようかと思うのじゃ。何百年とやってきたのじゃがの、人間にこんなひどい仕打ちをうけたのは
初めてじゃよ。日本がこんな国だったなんて思ってなかった……。え? なにをされたのかって? それは言えんのじゃ。
……そうじゃ! 子供達には間接的にプレゼントをあげることにしよう。そうしないと、プレゼントに飢えた人間になって、またこんなことに……。あ、こっちの話じゃよ。でも、もう絶対大人にはクリスマスプレゼントあげないもんね。
子供だけにあげることにしたのじゃ」
 

 

 



 それから、サンタの姿を見た人は誰一人としていません。






日本現在話 〜サンタ編〜

    完
2010/12/23(Thu)12:53:42 公開 / 水山 虎
■この作品の著作権は水山 虎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
クリスマース! メリークリスマース!
水山 虎です。なんでサンタさんって……の質問に答える話デス!
 ようやく童話らしくなってきましたね! さあ、批評でも好評でも
メリークリスマス!
この作品に対する感想 - 昇順
そうくるか、と思わずつっこんでしまいました。意外な展開で面白かったです。確かにこういう童話もありですよね。
2010/12/23(Thu)14:22:550点霜月セイ
霜月さん読んでくれてありがとうございます!

まさかサンタから袋を奪うとは……でしょう? ふっふっふ。どら○えモン自体には価値はないけれど、四次元ポケットは欲望と価値の集合体ですからね。
 こんな小説考えた僕にサンタ様はプレゼントくれるのでしょうか……。
バレンタインの日には恋愛モノを書きたいなあ……。

水山 虎でした!
2010/12/23(Thu)15:42:480点水山 虎
 はじめまして。作品読ませていただきました。
 サンタのお話っていうことで、どんな内容なのかと思ったら……ひどい、あんまりだ(笑)サンタがかわいそうすぎる。あれは、袋にしか価値がないのか……。
 気になったのが、基本一人称で書かれているために、「僕」がサンタを撃つあたりがあまりに唐突に思えたところです。そこまでの独白を見てると、そんなことをしそうな人には見えないんですね。「僕」を「俺」にして、「世間はクリスマスだというのに、俺はやばい筋からの借金に追われていてそれどころではなく」とか何とか入れておくと、もう少し悪いことをしそうな人に見えると思います。
2010/12/23(Thu)20:23:060点天野橋立
 作品読みましたー。なるほど、サンタさんが子供にしかプレゼントをあげない理由がよくわかったような気がします。実際大人にもプレゼントがあってもおかしくないですものね。しかし、こんなことがあったら、大人にあげたいなんて絶対思いませんものね。
 そんなことがあっても、なんだかんだで子供は信じてあげるサンタさんがいい人だなー、と思いました。もしかしたら、子供だってこうするかもしれない、と思わないところがやっぱりサンタさんなのですよね。
 ただ、なんとなく拳銃を持った男の人の結末がどうなったかについて、言及していないのが、あれ、と思いました。ただ者じゃないこの男について、もう一エピソードぐらいあっていいんじゃないかなー、と思いました。
 僕だったら、男の人が、決まったぜ、どうせサンタなんか撃っても、捕まるわけねーよな、実在しないんだから、なはははは、とかやっときながら、はいはーい、銃刀法違反ですよ〜、て捕まってる姿を書きそうです。いや、なんとなくですが。
 僕も先ほど久しぶりに小話を書いてみたのですが、ショートエピソードって書くの面白いですね!しかも、なんか季節感と共に書き始めると、なお気分がルンルンとした感じになります。イベントって偉大なのだ〜、としみじみ感じた次第であります。
 また、小話や、イベントにあったお話し書けましたら、読ませてくださいー。楽しみに待ってます。ではでは。
2010/12/23(Thu)23:09:420点白たんぽぽ
天野氏へ
 感想ありがとうございます! そしてメリークリスマス! 見てくれて光栄ですぜ。そうですね、主人公がもっと悪人っぽくなってもよかったですね。
「借金におわれる主人公」、なるほど勉強になる。サンタのおじさん、いつもみんなに夢をありがとう。

白たんぽぽ氏へ
 メリークリスマス! 感想ありがとうございやす! 実は男のそのあとも書こうとは思っていたのですが、あえて書かないのが童話かな……と思ったのです。
 このあとのストーリーを考えてしまう……短編小説のおもしろさですよね!

水山 虎でござんした。
 
2010/12/24(Fri)17:06:110点水山 虎
拝読しました。水芭蕉猫ですにゃーん。
で、えぇと、何というべきか……。童話……だと(ゴクリ
うん、大人のための童話……? というより、ひねりの聞いたショートショートだなと思いました。えっと、め、メリークリスマス!(おい
それではこれにてっ。
2010/12/24(Fri)21:52:420点水芭蕉猫
 はじめまして、水山虎さん。作品、拝読させて頂きました。
 いやあ、笑いました笑いました。不運というか普段の行い故かクリスマス予定も潰れ、さあ、どうしてくれようか! と爽やかに鬱々と聖夜を呪いながら一日を切り抜ける方法を考えていたところ、とてもスカッとしました。サンタさんが袋強奪されたところなんかは、「サンタさん逃げて!」よりも、〈僕〉に対し「よくやったな!」と拳を握ってしまいました。いやあ、駄目な人間ですみません。
 少し個人的な見解の感想を申し上げると、〈僕〉の〈「メリークリスマス、間抜けなサンタさん」〉という台詞はグッときたので、もうちょっと雰囲気だして、ここの件にある壊れた若者加減を強調したら、すごく個人的に好みです。ええ、壊れた若者大好物です。サンタさんの情けなさが更に目立つと更に良いですね。サンタさんなのに情けないとか発想が新し過ぎます。クリスマスに素敵なお話をありがとうございます。
2010/12/25(Sat)11:24:350点一二三四吾
水芭蕉猫さんへ
 見てくださってありがとうございます! いやあ本当、童話……ではないですよねこれ。
夢ぶち壊しどころか殺人未遂ですからね〜。クリスマスおそろしや〜みたいなね、本当にもう。
恥ずかしながら、THIS IS ITを一人で見ながらクリスマスを過ごした、水山 虎でした。
 

一二三四吾さんへ
 名前が数字とはなかなかやりますね、初めまして、作者の水山です。感想ありがとうございます! みなさんやはり短篇小説のよさが僕よりわかっているようで。
えっへっへ、そんなに誉めてもぼくはサンタじゃないから、なにもでませんよ。
描写がほんとうにできなくて……ほんとうにもう僕って奴は。ええ、もうほんとうに。
 


 受験生なので、ちょいちょいしか登竜門にはこれません……。残念。
お正月の童話書きたかった……(泣)
 
以上、水山虎でした!

2010/12/26(Sun)15:37:350点水山 虎
おお、こういうブラックでピリッとした短編は好みです。
昭和の時代にはまだサンタクロースはいたのでしょうか。
自分のクリスマスものにもヒントにさせて頂きました。
面白かったです!
2010/12/26(Sun)16:07:180点玉里千尋
感想ありがとうございます! 気に入ってもらえて嬉しいです。
こんな作品がヒントになりましたか、くうー、嬉しいですね。

 水山 虎でしたー。 余談:(なんと今作品でもらえた感想の数は六個と自己記録更新! 日本現在話第一話の八レスを超えられなかったアソフト……くうー。
 クリスマスを利用しやがったな水山めと思っている方もいることでしょうが、とにかく祝・感想六個!
そして十レス目はなんと俺! みなさん読んでくれて本当にありがとうございまする……泣
嬉しすぎる……。ていうか玉里さんへのお礼の言葉より余談のほうが多い俺ってどんだけ〜って古いか)
水山 虎でした。
2010/12/26(Sun)16:57:090点水山 虎
初めまして。神夜です。読ませて頂きました。
この作品を読んで、ふと、貴方様とはまったく関係ないことを思い出した。
かつてここで、――かつてって何年前だ。2005年くらいだから、5〜6年ほど前か。こういう捻りの効いたショートが乱立している時期があった。これを読んでいて、その時のことが頭を過った。なんか懐かしい気持ちになりました。ありがとう。
感想はあれですね。捻りは効いててオチとしても良いのですが、もうちょっと展開をゆっくり、というか心情描写などで肉付けして欲しかったというのが素直な感想。しかしこういうショートを久々に読んで、上記にも書きましたが懐かしい気持ちになれました。面白い作品を、ありがとうございました。
2010/12/28(Tue)16:29:530点神夜
セロヴァイトの神夜さんだ! 初めまして水山 虎です! なんかすごい誉めてもらえてる気がする! もったいないお言葉です。読んでもらえて嬉しいです。なんかすごい誉めてもらってる気がする!って二回目だこれ!
 なんかすごい誉めて……ってしつこいな自分。たしかに2005年じゃまだ自分は小童ですね。というか今も小童だから恥ずかしながら乱立の意味も難しくてよくわかりません。調べてみます。
 ……心情描写ですか……痛い所をつきますね。
もっといろいろな小説読んで、勉強します!
 水山 虎でした。
 
2010/12/28(Tue)17:11:440点水山 虎
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