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『ミュージックロニクル』 作者:Techthrone / 恋愛小説 リアル・現代
全角20472.5文字
容量40945 bytes
原稿用紙約72.4枚
初めてのノベルです。将来に対して希望の欠片もない少年が音楽にはまったとき、どんな世界が繰り広げられるのかというのを想像してみてください。きっと楽しいです。
プロローグ
朝目が覚めて夜眠りにつく そんな当たり前の日常を過ごしてきた僕の何かが
あの日 変わったことだけは断言できる。
今でも忘れられないあの旋律
いま―始まる































第一章〜将来〜
 僕は第二中学校に通う中学二年生(14) いわゆる反抗期に入る時期でもあり異性を意識し始める時期でもあり
色々と悩みはつき物と世間では言われる年頃だが僕は頬づえを付きながら硝子越しに何かを探していた。

「栗山!」
 いきなりハゲた数学の教師が僕の名を呼んだ。呼んだというか叫び怒ったという方が正確なのか?
「はぁ……? 」僕は溜息混じりの素っ気ない返事をした。
 数学ができることが偉いのか? 社会に出てから役に立つのか?
 硝子の外で羽ばたいている鳥たちの鳴き声の方が下手な数式よりよっぽど美しく聞こえた。

「 「はぁ……? 」じゃないっ! 」
 マジで怒らせた……

「この二次関数を平方完成してみろ! 」
 完成させなければ行けないのは僕の未来とお前の頭だがな。
 そんな事を思いつつ発した言葉をきっかけに雷が落ちることになる。
 静寂の中発した言葉
「知りません」 クラスメイトは唖然とした。僕を除けばの話だが。
 知らないものを知らないという。なにが悪いのだろうか?
 下手に知ったかぶりをする現代の若者(といってもその若者というくくりの中に入っているのだが)の方がよっぽどタチが悪くないか?
 そんな思いは教師の罵声によって空白の物となった。


「バカものぉ! 廊下に立っていろ! 担任にこのことは報告しておくっ! 」
 僕は何も言わず全て物持ち物を持ち廊下へと歩いていった。

 バカはおまえだ。担任に言える物なら言ってみろ
 言ったところでどうなる?死刑?少しお説教を喰らうくらい。
 その代わり罵声を放っただけ毛が抜けるのは貴方ですがな。

 そんな下らないことを思い廊下に突っ立っていると
 不良どもがやってきた。断っておくが、僕は不良というくくりには入っていない。
 反社会的と言うより、納得いくことしかできないタチなのだ。

 パシャパシャっ!
 携帯のカメラで廊下に立っている僕を撮りまくっているのである。
 もうどうにでもなれ。

 帰宅すると母親からこんな質問をされた。
 父親が残業で遅いこの日、何故こんな面談的な空気にならなければ行けないのだろうか?
「いい? あんたもう中学2年よ? 高校受験だって控えているし、いつまでもタラタラしていていいの? 」
 あの……勉強は一応それなりにやっているつもりなのですが……
「いや……勉強はやっているよ? 一応ね」
「そうじゃないの。高校は私は何処だって良いと思っている。
 馬鹿な親の子だから馬鹿な高校でも良い。秀才君が集まる高校でも良いと思っている」
 はぁ……
「でもね、親として譲れないのが、貴方の将来なのよ」
 譲るとか言う問題じゃない気がするのは僕だけだろうか

「プラプラしてプー太郎になるのか、アルバイト三昧のフリーターになるのか、サラリーマンになるのか、
それともやりたいことがあって目指しているのか、言ってご覧」
 あの……もう将来ですか……? ちょっと前まで小学生だったんですよ?

「うーん 正直やりたいことはない」
 次の言葉を言おうとしたときに
「なら勉強しなさい! 良い高校に行って、一流か二流の大学を出てサラリーマン! 」
 え? もう決定? っていうか……馬鹿な高校でも良いと言ったのは僕の母親のような気がするのですが。

 結局親なんて子供は勉強をする道具だと思っている。
 自分の学歴コンプレックスを勝手に産んだ子になすりつけているだけなのである。

 ガチャン
 おきまりである
 こういう日は(というか毎日)必ず僕は部屋を閉め切って
 何も音のない静かなところで考えるのが好きなのだ。
 「将来」という二文字が僕の頭を支配していた。


第二章〜話題〜
 次の日学校に行くと話題は僕の話で持ちきりであった。これだから世間は嫌なものだ。
 昨日の廊下事件(事件と言うほど悪いことをした覚えはないのだが)の話題で勉強の話題など1ミリもない
 みんな……もうすぐ受験生だよね?
 まぁ人のことを言えた身分ではないが。
 そんなことをボーっと考えているとき肩を軽く叩かれた
 知らない人 少し大人っぽい
 言い忘れたが僕の通っている中学校は中高一貫校(一部の寄付金を出せる輩が高校にストレートで上がれるという、物凄く嫌味な制度のもとで成り立っている。もちろん僕は例外だが……)なのである。
 もしや高校生?
「やぁ」
「え……? あの〜すみませんが……誰ですか? 」
 マジで知らない
「知らないの!? 」
 知らないから聞いているんでしょ
「大音だよ高一の大音努(おおねつとむ)だよ」
「はい……それで大音先輩が何のご用件なのでしょうか? 」
 今日の僕は偉く慎重に話している気がする
「俺を馬鹿にするな」
 いつ馬鹿にしましたか?
「ちゃーんと見てたんだぞ。おまえが廊下に立たされるまでを」
 あなたは授業に出ていなかったんですか?
「ああ……そうなんですか」
「何を言いたいと思う? 」
「チョット解りません」
 というよりサッパリである
「俺は君のことが好きだ」
 は?
 この人頭いっちゃった?

「何故なら、廊下に立たされるという状況下で
不良どもに写真を撮られるという人として最低の局面に出くわしてもなお微動だにせず落ち着いていたからだ」

 アノ状況が人として最低の局面だったら
ヤクザにナイフを突きつけられた人はどういう風に感情表現をすればいいのだろうか?

「はぁ……」
「ん? 用件早く言えってか?」
「もう授業開始まで1分もないので……」
「そうだったな。用件を簡潔に言おう」
 何故か緊張する
「バンド組もう! っていうか組め! 」
 頭がお互いにおかしくなったかと思った一瞬だったが先輩は勝ち誇ったかのような顔をしていた
 バンドか……
 返答に困る
「返事は明日の五時に体育館の裏にて さらば」
 ……それって小説とかでひ弱な子がボコボコにされる場所の定番ですよね?
 まぁ悪意はなさそうだ
 僕は自分のことが話題に上がったことがどれだけ自分に影響を及ぼしているのかは全く予想が着いていなかった。
 その後僕がどれだけの人と出会い
 どれだけの人との別れを経験し
 どれほどの感情を抱きこの青春と呼ばれる中学生活を送るのか
 今の僕には知る余地もなかった
 そう、あの先輩と、あの人たちと、あの日々を送ることなど、夢物語であっただろう
 帰宅をして
 いつものように無音の部屋に閉じこもり
 先輩のことを考える
「あの先輩は何を考えているのだろうか」
 勝手に言葉が漏れる
 親はそんな気持ちを踏みにじるかのように
 勉強しろ ほれ 勉強とはしゃぐので
 流行のiPodをひったくりひっそりと好きな音楽を聴いて無視することにした。



第三章〜始まりの鼓動〜
 大音先輩は少し変だ。
 しかし悪意はなさそうなので翌日体育館裏に行ってみることにした。
 体育館裏に近づくにつれ騒音が……
 何の音だろう?
 気になって歩み寄る
 そして体育館裏に着いた
 あたりを見渡したが誰もいない
 先輩は嘘を吐いたのか?
 そう一瞬思ったのだが
あんな嘘を吐いても一円の得にも成らない。
 必ず先輩は来る。そう信じていた
 僕の予想は半分当たって半分はずれた
先輩は既に居たのであった。
 体育館裏方面の扉を開けると今の世の中を全て引き裂くかの如く強烈なギターの音が
 え?
 体育館勝手に使用して良いのでしょうか?
「やぁ 待っていたよ2分遅刻だね」
 遅刻というか待っていたのですが……
 扉が開かなかったら一生先輩には気づけなかったであろう
「はぁ……すみません」
 何故か謝る僕。情けない
「で……バンドを組むというのは? 」
「見ての通りだよ 我がバンドにはギターのメンバーが足りないのだ」
「でも先輩さっき弾いていたじゃないですか? 」
「ああ あれはおふざけだよ 担当はドラムだから」
 おふざけであのレベルか……凄い人だと少し尊敬
 と思いきや、そのおふざけで使われたギターは直ぐに先輩の腕により木っ端微塵にされた……
 弦は弾け飛びボディーの破片が飛び散りネックは完全に曲がった状態だ。さっきまで尊敬していたのがバカバカしく思える
「こいつはもう不要だ。ギター担当は君だからね」
「何で僕なんですか? 他の吹奏楽部とかの音楽に精通している人の方がギターやるには良いのでは? 」
「ウザイんだよね。音楽理論とか知っている奴。オレ様は何にも知らないから独学なんだ」
 オレ様って言ったよね……?オレ様って言ったよね……!!!
「だから君にギター担当して欲しい」
「あの……お言葉ですが、ギターのギの字も知らないひよっこですよ? 」
「知っているかい? 『ひよっこの可愛さ我に匹敵』という言葉を」
 そんなもんあるか!
「いや……あの……」
「じゃあここでチャンスをあげよう」
「チャンス? 」
「二者択一だ」
「ギター担当をやる・オレ様の雌豚になる」
 あの……僕は男ですよ?
 沈黙が続く
「しっかたねぇなぁ! 演奏聞かせてやるよ! それで入りたくなるはずだ」
 仕方なく聞くことになった
 ギター無しでどうやって……(バラバラギターならあるが使用不可)

 きちんと刻まれるドラム寸分の狂いもない(と思った)
 ベースの重厚感ある音が世界観を作りだしていた

 落ち着こう いままで「ドラムとベースだけのバンド」ってあったっけ?
 ないと思う。
 でも僕は何か楽園へ誘われるような感覚に陥った。
 楽園というか 音に塗れた感覚に陥った。
 以前、小学校の音楽の教師が言った言葉があった。

「歌でも楽器でもヘタでも良い 楽しければそれでいいんだよ。
そうすれば、人も楽しんでくれるから」

 ハッキリ言って先輩達のドラムとベースが上手いのかどうかは解らない。
 でも、自分は今楽しんでいると言うことは事実である。
 認めざるを得ない
「見ての通りだよ 我がバンドにはギターのメンバーが足りないのだ」
 先輩の言葉が蘇る
 ギターのメンバーが足りない……
 こんな凄いバンドに
 ヴォーカルとギターが足りないなんて皮肉な物だ。

「うーん 正直やりたいことはない」
 という母へ返した自分の惨めな言葉が脳の中にこびり付く

 パァァァン ギュィィィン
 演奏が終了した

「どうだ!? 入る気になったか? 」
「自分でも役に立てるのならお願いします」
「よかろう その代わりサボリ反抗は一切認めない いいな?」
「はい」

「じゃ、俺ベース担当の正人っていうからよろしく」
「よろしくおねがいします」

 自分の中で「将来と言う名の木の根」が生え始めているような気がした。
 この時の鼓動は体中に刻まれながら僕は夜を迎えた。

 大音先輩に正人先輩
 此処から始まる僕らのバンドの歴史……



第四章〜Fender Stratocaster〜
 翌朝から昼休みと放課後を練習の時間に充てられた
 しかし未だ初日である
何だこのスパルタ気味な部活……
 そもそも部活の名前も決まっていないのに何故体育館で毎日練習ができるのか謎であるが敢えて突っ込まないことにした。
 まずギターを買いに行くと先輩は張り切っていた。
それが初日の練習らしい。
 ちなみに正人先輩は自主練習で大音先輩は当分僕の指導に当たるらしい。
「初日の質問だ。答えてみな」
「はぁ」
「返事は『はい』」
「はい」
「ガキよ……ギター選びで一番大切なのは何だか解るか? 」
「ガキって……」
「失礼……ガキンチョって呼ぶよ」
「さあ! ガキンチョの答えを聞かせてもらおうか」
「うーん メーカですかね」
「バーカだね ガキンチョは(笑)見た目だよ」
「見た目……ですか」
「そう。いくら良いギターでも自分の嫌いな色とかだったらやる気は失せるだろ? 」
「うーん」
「わからんか」
「異性で例えよう。いくら美人でもたまたま自分の好みじゃない女性だったら付き合う気になれないだろ? 」
「まぁたしかにそうですね」
「それと一緒だ! 」
「まぁなんとなくわかりました」
 そのあと僕の意見を最大限考慮した結果のギターはFender Stratocaster(フェンダー・ストラトキャスター)だった。
 正規の値段は解らなかったが楽器屋の店長とかなり長い時間話していて、笑いながら大音先輩は
「君のギター無料だって よかったね」
と言いながら微笑んだ。絶対何かあるだろ……
 アンプは部室(体育館)にマーシャルのアンプを隠してあるから大丈夫という不安の声。
 しかし情けないことにマーシャルと言われても何が何だか解らなかった。

 もう何だかんだ二日目の練習になった。
「ガキンチョ! 」
 ガキンチョ言うな……
「弦を切れ」
「なんでですか? 」
「しらんのか? 店にある奴は鉄製のヤワな弦なのだよ。色んな輩が試奏しているからね。ようは錆びているってわけだ。ダカラまずは弦の交換から。ほれっ! 」
 渡されたのは予備の弦。
 先輩に怒られながらもずっと教わった。
 意外に力がいる物だと痛感した。
 普段の運動不足がたたっているのかこのひ弱な手はなんだろう?この手で旋律を奏でられるのだろうか?
「よーしいいね」
 始めて褒めてもらった(?)
「明日は任務が2つある」
「任務ですか……」
「部員の勧誘とチューニングの練習だ。チューニングは一日でマスターしてもらう」
 なんですかこの鬼先輩……
 仕方なくうなずく僕…… ギターをやるには仕方がないのかと思った。
 もっとも、ギターの費用などは全て先輩が出してくれているから文句は言えないが何処から金が出ているのかが凄く怪しい。 
 なんか詐欺でもやってないだろうな?


「一弦がEで……」
「のろま! 」
「とりあえず指示するとおりペグ回してご覧。チューナーはオレ様が用意した。ガキンチョにあげよう」
 意外に苦戦 調弦ってこんなに大変なんだと思う……
 何故こんな事をしてまでギターを弾きたがるのだろうみんなは……
 そんなことを考えているうちに だんだん慣れてきた
 慣れてきて波に乗っていた時
「おうちで練習しな」
「マジすか……」
「うん。こんなことを教えるオレ様じゃないから」
「はぁ」
「やり方は解っただろ? ならやってみろ」


 帰宅するといつも無音の自室がギターの弦の1音1音に包まれていた。
 これがギタリストとしての始まりの第一歩なのかも知れない。
 でも、これで終わってしまうかも知れない。虚しすぎる。
 そんな虚しさを無くすため先輩についていくことにした。



第五章〜自分色〜
 
 以前親父の知り合いの孝弘(たかひろ)さんという人がギターをかじっていた。
 コードがどうのこうのとうんちくを垂れていた気がする。僕はそのコードとやらを暗記すると思うと憂鬱になる。
 昼休み、よい子の僕(実際はそんなによい子ではないが)は大音先輩及び正人先輩に呼び出しを喰らった。
 正人先輩はともかく、大音先輩ならいきなり軍隊の一員として第一線で活躍しろなどと言い出しかねない……
「ガキンチョ、つまらない休み時間にごめんよ」
 おかしくないか?今の言い回し……相変わらずの大音先輩。
「ところでガキンチョ、チューニングはマスターしたか? 」
「はい ほぼできるようになりました」
「問題! 」
 へ?……ここで正人先輩登場。
「ギターが上手くなるにはどうすればいいでしょう? 」
 困った……ギターをチューニング以外触ったことのない僕にとっては難問だった。
 そこで孝弘さんのことを思い出す
「コードを暗記することです」
「馬鹿者」
 大音先輩……おかしいよね?いま確かに馬鹿って言われたよ……
「じゃあ何なんですか? 」
「答えは『楽しく弾くこと』だよ。楽しく弾いて自分色にそのフェンダーを染めるんだ!」
「ううーん」
 そう正人先輩に言われてもイマイチ、ピンと来ない僕。
 沈黙の嵐 
 だっていきなりギターを染めるとか言われても解らないから……
 するとピンと背筋を伸ばしわざとらしいくらい姿勢良く立った先輩がいきなりこういった。
「わからないんだったら、やってみようよ? だって好きでここに入ったんだろ? 」
 口を揃えて言う先輩2人。
 半分強制的だったことをお忘れですか?と……
「大音先輩、話を断ち切るようですが部の名前はなんていうんですか? 」
 何故か正人先輩が答える。
「メロディアスだよ。さあ! どうでもいいから帰ってチューニングしてアンプにぶち込め! もうそろそろ時間もおしているから! 」
 帰宅後アンプの電源を付ける。良い感じ。

「とにかく弾け」という正人先輩の言葉には戸惑ったが、正人先輩曰く

『型を気にするより我流で弾いて、こう押さえればこの音が出るという感覚を自分の身体に染み込ませたほうが良いしそれがロックンローラーという物だ』

 ということらしいが……
 なんせ初のギターである。弾いても弾いてもジャーンとかジャカジャカジャーンなどと、全くメロディにならないまま夜が更ける。
 床についたとき正人先輩に言われたことを思い出す。
「それを我慢強く続けてればな、馬鹿でも良い線までは行くんだよ。問題はその後だ」
 意味深な言葉が響き渡る中僕は眠りについた。



第六章〜人脈〜
 それからというもの、数ヶ月僕はギターの虜となった。
 最初は弦を押さえることすら痛くて仕方がなかったが、いまは下手なりになんとか弾けるようになった。
 これがコードより我流という意味なのだろうか?
 ギターを始めてから最近流行のロックやV系のバンドのギター担当の凄さが身に染みて解った

 先輩達には悩みがあった。それは馬鹿な僕にでも直ぐに解るような悩みであった。
 「作詞作曲」この二つの正式な担当が未だに揃わないことである。
 メロディアスと銘打っただけあって作曲は揃わないとお話にならないことくらい僕は解っていた。
 だから僕は次に命令されることも解っていた。
 そう……作詞をしろということである。
 というより、僕が思うに、部室が汚すぎる。
 想えば、孝弘さんのギターはボロボロで、木の板(ネックという名称を最近覚えた)がとにかくボロボロだった。
 そんなボロボロ加減、何か懐かしいと想ったら、うちの部室であった。
 本当にどうにかして欲しい。片付けられない女の部屋に案内された感じだ。
 体育館に呼び出されたときのギターの破片などが床には散りばめられ、アンプも埃をかぶっていて、
 楽器を大事に使おうとは思わないのだろうか?
 ドアの窓には、「何か貼るから絶対貼るな! 」
 とか訳の分からない紙が貼ってあるし……
 ここのところ本当に疲れた。
 大音先輩には、無茶言うな鬼畜野郎と言ってやりたいが、先輩のドラムの腕は凄い勢いで上がっているので何も文句を言えた筋合いではない。
 こっちはギターのリフがまともに解らない状態なのだ。
 しかし作詞作曲メンバーに関しては部活全体の謂わば死活問題なので先輩も僕に話してくれた。
 歌の作り方は二通り。一つめは詞先 
 これは詞を先に作ってそれに合わせて作曲を行う方法である。 
 二つめは曲先 
 これは詞先の逆である。
 大音先輩は偉く詞先をやりたがった。
「いいか このうすらタコ? 」
 いつ僕がうすらタコになったのか400字以内で説明してください……
「我々は人々にメッセージを届けなければいけない。それが言葉だ。詞なんだ。曲はその詞を人々に送るための風だ」
 だから詞先がいいのかな?と微妙に納得。
 しかし僕が詞なんて作れるのだろうか?
 先輩の言うことには絶対服従になっていたので、とりあえず思いつくことを片っ端から詞にしてみた。
 すぐに怒られるのは予想が付いていた。
「ひよっこ君……これは詞じゃなくて詩だよ……メロディアス正式メンバーならきちんとしなさい。呆れて物が言えないとはこの事だ」
 あんたが半ば強引に入れたんだろ……
 すると大音先輩の口から意外な言葉が飛び出す
「まぁ作詞をガキンチョに任せるのもアレだ。オレ様のコネで作詞家の巨匠『崎本康夫(さきもとやすお)』をメンバーに入れる」
 ??? え……崎本さんってあの崎本さんですか?
 J-Popから演歌まで数々の作詞をしてきて多くのヒット作を出してきたあの人ですか?コネ……どこから……とにかく大音先輩に関しては謎だらけだ(正人先輩とてまた然り)
「まぁそれが賢明だろうね(笑)」
 正人先輩が笑いながら言う…… 笑い事じゃないですよ先輩……?
 賢明って言うか強引の間違えでは……? あれ? 僕の役目オワリ?
 ギターだけ?
「おいっ! 」
 怒鳴られた。色々考えているうちに大音先輩の言葉が耳に入っていなかったらしい。
「作詞の仕事が減ったんだ。美容院にいって髪を金髪に染めてこい」
「なんでですか? 」
 ここからは正人先輩が解説してくれた。
「オレ達はね、ヴィジュアルをうりにしようと想っている。だから金髪くらい当たり前。大丈夫。エグゼルっていう一流美容院をアイツが無理矢理タダにして置いたから。心おきなく染めてきなさい」
 そんな正人先輩の解説を聞いていたら、大音先輩が立ち上がり、何かを扉に貼った。
 部室の扉に貼られた汚らしい紙。
 そこには、「絶対武道館! 」と書いてあった。
 意味不明とはこのことだ。何故大音先輩や正人先輩は色々タダにしたりコネがあったりするのだろうか……
 そしてあの自信に満ちあふれている行動も意味不明である。
 山手線に揺られながら渋谷のエグゼルについた。
 染める色・髪型全て先輩が決めていたので写真の切り抜きまで持たされる始末…… 
 一応僕の髪の毛なんですけど…… 
 写真には今流行のヴィジュアル系バンド「ナイトベア」のボーカルの写真が写っていた。
 流石は一流美容院だけあって腕前がいい。髪型もパパっと整えてくれた。
 もちろんと言ったら失礼極まりないが代金は不要だ。金銭感覚がおかしくなりそうだ。
 帰り道テクテクと家へ向かって歩いていると、公園の真ん中で弾き語りをしている男の人を発見した。
 その人からは何か特別な物を感じた。吹き荒れる嵐の中に光る唯一無二の宝石のような何かを……
 それが何かと問われれば僕は答えられないけど感じたのだ。
 しかし大音先輩に突っ込まれることを恐れ心の中に封印しておいたのだが、とりあえず話すだけ話してみた。両先輩曰くこの世界は常に人脈が物を言うという。
「あの……すみません」
「なんだい? 」
 それからというもの、部活動のない日は、その太一(たいち)という人にギターを教わることになった。




第七章〜運命の橋、現実〜
 その日の大音先輩は暗い顔をしていた。僕はとりあえず理由を聞いた。先輩の落ち込んでいる理由を。
 風が頬をかすめた。
「ガキンチョには……人の気持ちが分からないのか! 」
「大音、落ち着け! 」
「黙れ正人! 」
「うるさい! 崎本さんに断られたからってそんな態度はあんまりだろう! 」
 さすがの大音先輩も黙った。僕はこの気まずい雰囲気のトリガーを引いた張本人だ。すごく気が引ける。
 正人先輩が言うには大音先輩は崎本さんにこう言われたらしい。
「子供だましだ。俺は成功するかしないか解らないバクチはやらない」
『子供だまし』その言葉が大音先輩の胸を抉った。
「悪かったな。大音には後で謝るよう言っておくから、機嫌取り戻して! さっ! 」
 別に機嫌が悪いわけではない。僕の眉間にしわが寄っていたのは、自分のせいだと思ったからだ。
 自分が作詞を満足にできていたら、崎本さんに連絡する必要はなかったわけで、全ては自分の力不足。なんとかするしかなかった。
「可愛くないガキだ」
「大音……あいつはあいつなりに一生懸命考えていると思う。それだけでもくみとってやれ」
 何気ない先輩達の会話が聞こえてしまったが、聞こえなかったことにして僕は学校を早退した。
 家に着くには早すぎる。完璧にサボリだとばれるであろう。
 そう思いプラプラしていた。静かな人気のない橋を見つけた。毎日の帰り道にこんな橋はあったのだろうか?
 なんて素敵な夕焼けなんだろう。橋の上から是非見てみたい物だ。そう思い橋の真ん中へ近づく。誰か人がいた。
「誰……? 」
 声をかけられた。青い目をしたハーフの女の子だ。にしても何故こんな所に?人のことは言えないのだが。
「僕は栗山。栗山勝一(くりやままさかず)」
「栗山君って呼んでいい? 」
 何だかドキドキしてくる
「うん。君はなんて言う名前なの? 」
「私は……」
 突然彼女が泣き出した。僕はどう対応していいのか解らずだった。
「落ち着いて! 」
「とにかく落ち着いて話そう? 」
 何分もの説得の末彼女は泣きやんだ。言い方は悪いが僕は疲れた。
「取り乱してごめんなさい……」
「いや、別に大丈夫」
「名前ね……凜音蘭(りんねらん)っていうの」
「素敵な名前じゃない! あのさ……」
「え? 」
「少し聞きにくいんだけどさ」
 気まずい空気が流れようとしているのを肌で感じた。
「うん? 」
「さっきはどうして泣いたの? 」
「栗山君はさ、音楽やってる? 」
「うん。ギターやってるよ。ちょっと前から始めたばっかりだからマダマダだけどね」
「ギターかぁ。私はその……作詞……なんだ」
 作詞……作詞家が此処にいた。目の前にいる……!
「作詞やってるの!? 実はうちのバンドでぼ……」
「でもね! もうやめたの」
「え……? なんで……」
「自分の世界観を出し切っても、世界観が違えば人は評価してくれない。人が評価してくれるためには自分の世界観をねじ曲げなければいけない。それって自分に嘘を吐くってことだから……だから……詞……全然書けなくて……音大の夢も諦めて一人で作詞家としてやっていこうと誓ったのに……夢……終わっちゃった……」
 彼女の悲痛な叫びが身体を裂く。音楽の世界に入り立ての僕でもその辛さは少し解る気がする。
 僕はあの水面に揺れる夕日のように心が揺れていた。どうすればいいのだろう。とっさに出た一言。
「あのさ、ウチの部活に入らない? 」 
「え……? 」
「あ、ウチの学校の部活動でメロディアスって言うバンド組んでるんだけどギターとベースとドラムしか担当がいなくて作詞担当がいないんだよ。だから蘭さんはどうかな? って……」
 言っちゃったー
「じゃぁ、お言葉に甘えようかな? それからこれからは、『蘭』って呼んでね」
「うん。わかった! 有り難う。じゃあ明日、第二中に4時頃来てくれないかな? 迎えに行くから」
「ありがとう! とっても楽しみにしているね」
 コレで僕も少しは役に立ったのだろうか。
 一人の少女を救いつつ、部活動の運命を決めつつ、僕は何かが始まる気がしてならなかった。
 そう思いを馳せていた矢先、頬に何かを感じた。
 蘭がキスをした。僕の顔は真っ赤だったが夕日でごまかせたんだと信じた。
「え? いや……どうしたの? 」
「栗山君は私を音楽の世界に戻してくれる唯一の人だから。キスくらい当たり前っ! 」
 ポカーンと口を開けたまま吃驚した。随分と積極的な子がこの世の中に残っていた物だ。大音先輩の積極性とどちらが上なのだろう?
 僕は彼女の背を姿が消えるまで見つめていた。




第八章〜音楽性〜

 まぁ女という生物は強いと想った。
 蘭は、親に交渉をしまくって、ウチの学校に転校することを決定させた。
 学校側としては微妙な時期の転校だったが、
 ウチのクラスに不登校の生徒が1人いるから人数の足しにも成ると言うことで、
 校長もあっさりOKしたらしい。
 とにかくなんでもよかった。
 
「凜音蘭といいます。音大を諦め、勉強頑張っていこうと想います。これからよろしくお願いします。」
 蘭の挨拶がビシっと決まり、麗しい姿が男子生徒を魅了した。
 逆に女子には嫉妬されていたが、蘭は一日中音楽のことばかり考えている。
 案の定蘭が部活動に入部した途端、大音先輩が冷やかした。
「ひゅーひゅー!あついね〜青春だね〜」
 蘭の顔が何故か赤い。しかし、自分もあのキスを思い出すと少しからだが熱を持つ気がした。
 それはともかく、蘭の担当は作詞のみならず作曲も担当することになった。
 つまり、音楽の性質は蘭に委ねられることとなった。
 クラスに戻ればクラスに戻ったで
「おい!おまえの部活の美形の女誰だよ?」
「もしかしてデキちゃってんの!? ハハハハハ! 」
 バカも休み休み言って欲しい。
「おい。オレも入って良いか? 」
 いきなり声をかけてきたのは同じクラスの大のトラブルメーカーこと広瀬だ。
 僕はなんて運のない人なんだろうと思ったが、
 よく考えたら広瀬はカナリ歌が好きでカラオケに一緒に言ったときにカナリの腕前を披露してくれた覚えがある。
 ふと思い返せば、あのカラオケも凄かった。
 広瀬がとにかく歌いまくる。結局カラオケも徹夜カラオケになり、むちゃくちゃ飲んで食べて歌って、
 金を取られまくった(餓鬼はフリータイムという言葉を知らなかった……)
 あのカラオケ、広瀬の声量の大きさには驚かされた物だ。
 それを期待しつつ
「いいよ、先輩がOKだしたらね? 」
 と言ったが、広瀬の顔はデレデレしていて蘭目当てかと想うと呆れた。
 放課後、広瀬を引っ張って、両先輩の前に付き出した。
「コイツが、いや、広瀬がボーカルやりたいというのですが。。」
 自然と空気が冷たくなる。両先輩の目も冷たくなる。
「出来るの? 」
「出来ます」
 即答の広瀬。
「プロ並み? 」
「アマチュアです」
「じゃあダメ」
 何だこの会話。
「プロ志向じゃないとダメなんだよ」
「ではやってみましょう。今からプロ目指してやります」
「ならわかった。許可しよう」
 大音先輩の単純な思考回路には時々参る……

 そんなこんなしていると
「できた! できましたぁ!! 」
 蘭の声が響く。どうやら詞と曲が完成したらしい
 が……
 先輩は見て顔をしかめる。
「おい、ここのファルセット、男に出せる物なのか? 」
「でも、これくらいのファルセットにしないと切なさが伝わらないので」
「いくら悲哀の歌でもここまではさすがになぁ」
 正人先輩が続く
 大音先輩がさらに
「そもそも構成も変だ」
「これは私のオリジナルです。それにBメロが二回続く作品は多いですよ! 」
 素人の僕は口出しできず立ちっぱなし。堪えきれず
「あの! 蘭に歌ってもらったらどうでしょうか? 」
「おっ。ガキンチョいいこというな! 彼女のためなら笑」
「彼女じゃない!」
「彼氏じゃないですぅ」
「彼女なの!?!?!?!? 」
 広瀬のバカみたいな叫び声が響き渡る。まさにKYである。
「全て見直して練習もしたいので時間をください」
 蘭はそうお願いした。先輩達は猶予期間は二日間とのこと。
 つまり、三日後に蘭がステージ(といっても屋上なのだが)で歌うと言うことだ。
 楽しみ半分 不安半分と言うところだろうか? 複雑な心境だった。
 しかし、広瀬が茶化してくるからそれはそれでまた1つの中和剤にはなったのだが。

 毎夜毎夜眠れぬ夜が続いた。蘭は大丈夫だろうか? 切り捨てられたりはしないだろうか?
 不安で不安で何もかもを切り刻みたくなった。
 そんな不安も、三日後になれば晴れていた。

 屋上で堂々と喉という器官を震わせ奏でられる美しい旋律に圧倒される先輩達。
 蘭はどうしてこんなにも歌が上手いのだろうか?不思議だった。
 いや、逆にこんなに歌が上手いのに作詞の道に走ったことがオカシイ。
 何かあるに違いない。そう確信しながらも、心から正式入部を喜び拍手をした。




第九章〜三角関係〜

 僕は何か隠し事をしている。
 そう、蘭のことだ。いや、別に変な意味はないんだよ?
 はじめて蘭が学校を訪れて、下校の時、僕は色々考えた。
 蘭の謎の過去……というより部活になれることが出来るだろうかとか色々だ。
「ねぇ、蘭さ……あ、蘭、今日暇だったら図書館よっていかない? 」
「え? うん。栗山君からの誘いは嬉しいんだけど、急に何で? 」
「いや……ほら、先輩達もあんな風変わりな人たちだろう? 大丈夫かなって……」
「大丈夫だよ〜! それより、図書館で音楽の話しようっ! 」

 ってなわけで、てくてく2人で道を歩く。
 別に変な思いを寄せているわけではないが、何か緊張する。
 右手と左手の甲がくっつきそうな至近距離で歩く。
「胸の鼓動が聞こえませんように」と、僕は初めて神に祈った。
 歩くこと15分、嬉しいような悲しいような、2人で歩く時間が終わり、図書館へはいる。
 丸い机が三つと、四角い大きめの机が5つ。
 中には受験生もいるらしく、眼鏡の奥の瞳に何が映っているのかは解らないが、
 カリカリ勉強している。真面目だ……
「栗山くんっ! 」
「あっ! え? はい! 」
 ボーットしている内に、蘭が手招きをする。いつの間にか机を確保していた。
 手招きに誘われる僕はまるでペットのよう…… 
 ある意味情けない。そして席に着いた。
「部活は上手くやっていけると良いね。」
「うん。私もそう思う。」
「僕は、蘭さんがどんな作詞をするのか見てみたいな。音楽の趣味とか。」
「さん付け辞めてって言ったでしょ」
 クスっと笑う蘭。
 その時、たまたまなのか、時間を確認した蘭の細い腕には、
 超高級腕時計がはめてあった。カルティエの時計だ。
「えっ! それ、カルティエの時計じゃない? 」
 思わず言葉が漏れる。貧乏根性丸出しである。
 ギターもアンプもピックも全て先輩に買ってもらった身分です……
 その時計を見つめてどれ程の時が経ったのだろうか? 
「うん……」
 細い声が弱々しく帰ってくる。
 何かまずいことを聞いてしまったと思いパニック。
 この不景気のさなかサラリーマンの父親は結構危なっかしい位置にいて、お袋は全く気にしないという現状を何故か話す僕。
「そうなんだ……お金持ちって言うのも困るんだよ? 」
 ああ……やっぱりそっちサイドのお方でしたか……
 スゴイ……
 なんせ、あの無理矢理の転校も多額の寄付金によって闇的に成立したらしい。
 しかも、そのお金が蘭のものだったというのだから驚いた。言葉にならない。
 どれだけ金があれば気が済むんだと……
 どおりで、非売品のカスタマイズ式の時計を持っているわけだ。
 そういう目で見ると、コートとか色々なものが高そうに見えてくる。
 蘭の話によれば、いわゆる【お嬢様】という位置にいるらしい。
 家は元々腐るほど金がある。
 でも、その妬みからのイジメによって精神が壊れていった。
 ある時聴いた、歌によって作詞家を目指すが音楽性の違いにより音楽大学も諦めるという結構可哀相と言えば可哀相な娘なのである。
 今、蘭の目の前にある希望という種は数種類ある。
 僕が知る限り、僕の学校とメロディアスと音楽其れ自体である。
 今は、明るくなって欲しいという想いから音楽の話をすることにした。
「蘭、あのさ、作詞の方法教えてくれないかな? 」
「いいよ? その代わり私は厳しいよ? 」
 スゴイ目つきである。
 音楽に対する執着心がただ者ではない。
 とにかく答えの選択肢にNOは無い。
「うん。頑張って憶えるよ。」
 しかし、いざ作詞を教わるとなると本当に厳しく、鬼軍曹のようだった。
「なにこれ? 字脚揃えて無いじゃない! 構成もメチャクチャで何処がサビだかわからない。やり直し。」
 カナリ厳しい。
 逃げ出そうと思ったけど……
「でもね、栗山君には1つ卓越した能力がある。それをあの先輩たちは気付いていない。コンセプト作りの能力の高さ。」
 え? 今褒められた? こうして、これからも音楽といっても主に作詞作曲を部室で(早め集合)教わることになった。
 自分にもそんなコンセプト能力があったとは知らなかった……
 そして、何気なく次の日を迎えた。

 やっかいな者には、やっかいな者がついて回る。世の常だ。
 そう。広瀬とてまた然りなのである。
「キャーー! 栗山君がいるのぉぉ〜〜〜」
「そうそう〜〜 俺ボーカルなんだ〜〜」
「マヂでぇ? ガチやるじゃん。栗山君ギターとか超カッコイイ☆」
 高すぎる声(もうファルセットできていると思うくらいの)を放ちつつやってきたのは乙姫凜(おとひめりん)と勿論、広瀬。
 乙姫は、まぁ通称「ギャル」と呼ばれる代物だ。
 髪は金髪。スカートの丈など全て校則違反だらけ。
 暇さえあれば渋谷でたむろしている女子中学生だ。
 ただ、見た目が大人っぽく見えるため、高校生や大学生によく間違われる。
 そのややこしい乙姫が何故か部室に駆け込んできた。
 が、戸を開けた瞬間、目の色が変わった。
 そう、僕と蘭が音合わせをしていたからだ………………

「っ……! ふたりきりで何してんの? 」
「え? 部活の楽曲の音合わせだけど? 」
「え〜ぇ! そういう関係? マヂ……アリエナイ」
 知らん。というか変な勘違いをしているらしい。
 すると凜は蘭のことを凄い目つきで睨んでいる
 敵視しているのがまるわかりだ。
 挙げ句の果てに、蘭が睨み返した……
 あのおとなしい蘭が……
 これはヤバいっ!

「で……何しに来たの? 」
 凜の目が更に鋭くなる
「おいおい! バカだなおまえは〜こいつ、おまえのこと好きなんだよ! 」
 馬鹿なことを大声で言った広瀬。
 動揺する蘭に勝ち誇るような微笑みの凜。
 困るのは俺だけ……
 音楽に(勿論学業もw)このゴタゴタの三角関係……
 面倒……

 そう思い、ただただ、ギターソロの部分を練習し続けた。
 マーシャルのアンプの電源を付け、ディストーションを少しばかりかける。
 凜はキャーキャーはしゃぎ、広瀬も其れに釣られる。
 しかし、真剣な眼差しで聴いてくれていたのは蘭だけだったのかもしれない。



第十章〜朗報?〜

「ドカーーーーーーーーーン」
 部室の扉が壊され、埃が舞う。
 汚い!
 黒い影が1人……
 まさかのまさか そのまさかだ
 大音先輩だった……
 なんていう登場の仕方だ……

「諸君!お久しぶり!」
 お久しぶりじゃねーだろ!
「諸君……いや雌豚どもに朗報が2つある!」
 朗報?何かあったのだろうか?

「まず!乙姫凜が正式入部した」
 一同唖然 ポカーン
 広瀬は部員でもないくせによだれ垂れまくり……
「あ……あの!乙姫凜は何をするんですか?」
 素朴な疑問
「ガキンチョ、アイツはアシスタントだ。よかったなぁ」
 何がだw

「朗報二つめ! 我々は半年後ライブに出ることが決定した!客は100人!ライブハウスでだ!」
 ………………
 いないと思ったらそんなことを……

「お言葉ですがぁ〜…… 半年後にいきなりライブなんて無理だと思いますよ?」
「為せば成る!」
 そのあと、好きなピックを買うように言われ(以前は先輩のお古を借りていたのだ。)
 タダでギターを買わせてもらった楽器屋に放課後先輩と行った。


「お〜、君か いらっしゃい」
 微妙な店長の微笑み。
 凄く気になる
 というか怪しい
 だって……大音先輩の微かな笑み……

 あやしい…………

 早速ピックを選ぶことにする。
 ピックは105円くらいなので、ガバガバ買うことにした
 選んでいると店長が

「その後どうだね?ギターは?」と。
「あ、ああ。順調とは言えないんですが頑張ってます!」
「そうかい。まぁ、彼の意志を継ぐものとしても頑張りなさい」
「彼……?」
 すかさず
「バカ爺!言うんじゃネェよ!俺の超中古品で雑に扱っていたギターってのがバレバレだろ」
 はい バレバレです。
「だからね、君、あのギターは本来ならば弦はニッケルメッキを使っているのだが、奴があまりにも壊すから、鉄製のものに変えたんだよ。よくみると傷だらけだろ?フォフォフォフォフォw」
 フォフォフォフォフォwじゃねぇ!!!
 無料のトリックが1つ解った………………

 しかし、先輩のお古となるとまた大変だ。
 ゴチャゴチャ言われること間違いなし……
 はぁ……

 溜息を吐きつつ、ピックを大量に買って、家路についた。


第十一章〜2つの手紙〜



 ガバッ!
 起床。
 半分寝不足(夜のギターの練習のため
 かったるい身体をギシギシ言わせながら学校へ。
 下駄箱を見るとなにやら手紙が。

 もしかしてのもしかして?
 世間で言うラブレター……? (キャー
 少し赤面。
 が……、その興奮も直ぐに溶けることになる。
      「題名:命令」
 これはとりあえずラブレターじゃない……。
 それだけは分かった。
 中をあけてみる。
 汚くそして歪な文字で「Dearガキンチョ」
 と……

「テメェに命令したいことがある。
ギターは俺のお古だから、とりあえず自分のギター買うことを考えろ!
けどその金は、ライブで稼いだ金で買うんだ。
これはアドバイスでも親切でもなんでもない。ただの命令だ」


 ん? これは……ライブを頑張れ、そして稼いでギター買えってことか?
 なんだか大音先輩のマリオネットみたいになってきている……

 朝から疲れが倍増した。しかし教室に行くとさらなる襲撃(?)が。

「キャー!!栗山君だぁ〜」と乙姫……
「ちょっと止めてください!ホームルームまで曲の打ち合わせをするんだから!」
 乙姫に蘭の堂々の待ったがかかった。
 ざわめく教室。
 影が薄すぎたボクが今では何故か、今は勘違いと出逢いの連続で、モテ男ということになっている。
 だから、教室にいる輩がチャチャ入れてきてうっとうしい。
 まぁ蘭と一緒に居れるなら我慢するが。
 
 ゴチャゴチャ言い合っている内に曲の打ち合わせもなにもできなかった。
 授業中、ちらっと蘭を見ると、真面目そうにノートを取っていた。
 その陰に隠れるかのようにふて腐れた乙姫が怖い……


 昼休みに、蘭に意外なことを言われた。
「ごめんね、曲の打ち合わせできなくて……あたしがあの時割ってはいるからだよね? 」
「違うよ? 乙姫は変な勘違いをしてキャーキャー騒ぐのがいけないんだよ。
アイツは部活とはなんにも関係ないんだから。先輩がアシとか決めたけどさ……
とにかく蘭は気にするなよ! 」

 蘭は帰るとき何故かいつものウィンクをしなかった。
 頭がこんがらがってきていたが、全ての謎がまた下駄箱で解けた。

        「栗山君へ」
 と記された手紙
 封を開けてみると、そこには、「作詞:凜音蘭」と……!
 何事だ!?!?!?!?!?

 よく読むと、その名の通り詞が綴ってあった。

「いつも、緋色の空の下。私は泣いてばかり。
橋の上で助けてくれた唯一の救世主
そのあなたはいつしか、ギターも上達して、私を明るい
未来へ送ってくれるでしょう。

辛かった過去を消せなくて泣いてばかり居たけれど
アナタがいるから、もう大丈夫 気持ち伝える……


いつしか 好きになったという感情沸いてきて、
相手の名前は教えられない。だってアナタだから。
そう、いつものウィンクは今日はWithout……
諦めない気持ちは二人で繋がるよ
メロディアス……
最高の……ステージへ……
Uh……」


 とのこと……
 これは……どうみても……コクハクだよな?
 そうだよな? え? 違うかい? 確かめてもらおうか?
 いや、そんなことできない、恥ずかしい。
 ありがたい。でも受け皿がそんな大きい男じゃないんだ。

 思考がこんがらがる中の帰宅。
 とりあえず大事に内ポケットにしまった。



第十二章〜1人の秘密〜


 それからというものの、数日間。
 まったく、蘭と話せなくなってしまった。
 蘭の方も、心中察したらしく、頬が赤らんでいる。


 あの手紙はずっと内ポケットにしまったまま……

 しかし、そんな平和な日々が何時までも続くわけではなかった。
 男という物は非常に鈍感であるのが世の常だ。


 ある日、部活動が始まるギリギリに授業が終わった。
 慌てて教室を駆けて出ようと想ったのが運の尽き。

「キャーーー! 」
 誰かとぶつかり、相手がドシっ!と覆い被さるようにして転んだ。
 と、その時、目を疑った。

 宙に舞うその紙は、あの誰にも言っていない秘密の手紙……
 慌てた。

 そして、ぶつかってしまった相手が運悪く、乙姫だった。
「え……何この手紙……!」
「いや、見なかったことにしてくれ。ほら。プライバシーのなんたらで……」
 もはやしどろもどろ。
 すると乙姫の視線と目つきが一気に変わる。

 時既に遅し。とはこのことだ。
 反対側の扉に、(おそらく僕を迎えに来たであろう)蘭が
 ボー然と立ち、硬直していた。

 完全に誤解された。
 ボクは教室の床に仰向けに。
 その上には乙姫が手紙の一件について騒いでいる。

「栗山君って……そういう人だったの? ウソでしょ? 」
「いや、これは転んで…… 本当になにもないんだ! 」
「じゃあ、乙姫さんがなんで私の書いた手紙持ってるの? 」
「だから、偶然に偶然が重なって……」
 すると乙姫が泣き出した
「ズルイ…… 蘭ってこんな風にアプローチできるんだね。私だって告白したかったのに……」
 今告白されましたが何か……
「貴女こそ人の手紙を勝手に読んでおいて『ズルイ』はないんじゃないの? どうなのよ! 栗山君! 」

 女同士の対決の板挟みになってしまった……

 必死に感情を露わにした蘭。その姿勢がうらやましかった乙姫。
 自分の想いを知られてしまった蘭。その想いを偶然にも見てしまった乙姫。
 幸か不幸か……天使か悪魔か……悪戯はやめて欲しい……
 そう想った……


 全てがばれた。別に悪いことはしていないが、女二人が許さない。
 全て今から、板挟みなのである。
 蘭曰く「私への想い、はっきりして! 」とのこと。
 乙姫曰く「絶対に取られたくない! 」とのこと。

 そのまま、適当に流せば大丈夫だ。そう一瞬でも思った僕はまた浅はかなのだ。




第十三章〜灰色〜

 前回の一件、僕は悪いことはしていないはずだ。
 しかし、誤解という名の鎖で縛られてしまった。
 ん〜
 黒でもなければ白と言うには証拠(手紙)がある。
 灰色と言うところだろうか?

 その色は、部活動にも支障をきたした。

「早くギターチューニングしなさいよ! 」
 怒る蘭
「作曲くらい私だって勉強してやるわよ! 」
 反抗の乙姫

「コイツばかだから」
「おまえには作曲は無理。アシで十分」
 火に油を注ぐ先輩(←もちろん大音先輩……

 火に油が付くと、部活動という村全体に燃え上がるらしく、
 その炎は、力尽きず、激しい激論を交わしていた。

「あんたはチビなんだからずっと音楽やってりゃいいのよ! 」
「なによ!ちょっとスタイルが良いからって! 何も知らないくせに! 」
「はぁ?一応アシスタントなんですが? 」
「どうせアシスタントなんて荷物持ちに決まっているでしょ! あーきもちわるい! 」
「冗談はおよし! あんた、どうせ妬んでいるんでしょ? 栗山といる時間が私の方が長いから……!? 」
「そんなことで(以下略」

 それが30分所か、3時間続いた。
 結局結論のでない無駄な時間を過ごしたわけだが
 運の良いことに、広瀬がやってきて、乙姫をかっさらった。
 こんな日が毎日続くと想うと、頭が痛い。


 僕は帰宅して、とりあえず(実は県内の実力模試があったのだが)模試の成績をみせ、
 親を黙らせたところで、部屋に入った。
 音楽を始めてから、無駄な時間を過ごさなくなったせいか
 勉強も密度が濃くなったらしい。何もない平凡な学生が、音楽をやる優等生に早変わりしてしまった。
 が、
 今度は恋について考えなければいけない。

 俺の希望としては円満
 だが無理だろう
 第2志望は、蘭と上手くやっていくこと。
 乙姫を犠牲にしても。
 第3志望は、乙姫と上手くやっていくこと。
 蘭を犠牲にしても。
 第4志望はあってはならないが、
 2人とも犠牲にするという手段。

 頭が混乱気味のまま、とりあえず、ギターのコード進行をやってみた。
 適当に散らかった部屋に、妙に響くギターのチョーキングの音
 其れが、明日を彩るかのように……


第十四章〜リアル〜

 朝、目が覚めた。
 陽の光は凄い力を持つものだと感心する。
 寝ぼけた僕の面の周りには、
汚く汚れた譜面、結局貰いっぱなしだったフェンダー、アンプ、そしてあの手紙が乱雑に置かれている。
 学校の卒業単位ギリギリで結局受験もせず、将来という二文字がまた、僕を支配するようになった。
 けれど、あの懐かしき想い出は忘れられない。
 100人集められずに、夢に終わったライブ、そして……
 先輩たちの突然の転校。

「ガキンチョ、おまえはよくやった。土下座しまくって20人か、まぁ仕方ねぇ野郎だな。んじゃ、またいつの日か、あばよ! 」
「色々大変だったけど、今日で僕らともお別れだね。」
 そう言って居なくなった、大音先輩と正人先輩。2人との想い出が灼けるように胸を締めつける。
 そう、結局出逢いの後には別れがつき物だ。先輩たちを除けば。

「まさかずーーーーーー! 」
 やばい、乙姫だ。
「栗山くーーーん!! 」
 そして蘭だ。
「わぁった わぁった 今行くから! 」

 今、僕たちは新たなる一歩を踏み出そうとしている。
 僕、蘭、そして乙姫で結成された「フェニックス」というバンドによって音楽界に着陸寸前だ。
 そう、もうすぐ、もうすぐ、スタジオだ。

 余談だが、乙姫は意外に凄い奴だ。そしてあの喧嘩も、業と仕組んでいたのだから……
 乙姫は、先輩たちが気に喰わず、自分たちでバンドを立ち上げたかった。
 でも、口べたな性格が其れを邪魔した。
 だから、僕と蘭を使ったのだという(当時は蘭も激怒していたが今は水に流している)
 結局、乙姫は、自分の音楽に対する無知が気にくわず、機材運びとなっている。
 それでも、音楽が好きだから、今は蘭と時々喧嘩をしながらでもやって行けている。
 僕ら三人の課題であるメンバー募集。絶対に何とかなる。乗り切れる。
 だって僕らは、あの日々で、少しは成長したのだから。
 今から僕らは羽ばたける、フェニックス1stシングル「クロニクル」によって。
2010/02/08(Mon)22:36:02 公開 / Techthrone
http://blog.livedoor.jp/jdoor/
■この作品の著作権はTechthroneさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
完結しました!初めてのノベル(ライトノベルっぽい感じ)製作だったので、表記方法から勉強させていただきました。つたない知識での作品かも知れませんが、これからもっと頑張っていくので皆様よろしくお願いいたします!

そして、コメント待ってます!!では!
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは! 羽堕です♪
 自分は他人とは違うと、どこかで思っている様な主人公なのかと最初は感じたのですが、個性的な先輩達が出てきて、どこか影響を受け始めようとしている主人公は、やっぱり等身大な中学生という印象で良かったです。また先輩の演奏が上手いか分からないけど、心に響くような所も分かる気がしました。ギターの練習も始まったばかりという感じで、どう成長するのかなと期待しています。ジャンルが恋愛という事なので、これからどう展開していくか期待しています。
 情景描写を増やして、どんな場所なのか風景なのか入れるといいかなと思います。タイトルの「(未だ続きます」は削った方が。あと句読点がなかったり、句読点の変わりに改行やスペースを使っているよう所があるようなので修正した方がいいです。それと利用規約の『小説の書き方(正規表現)の[必ず守って欲しい事の欄]』に合わせて修正できる所はした方が良いです。
であ続きを楽しみにしています♪
2009/12/26(Sat)11:47:400点羽堕
コメント有り難うございます
お褒めのお言葉、そしてご指摘有り難うございました。

今作は、ストーリーが頭の中でバーっと展開したので
惰性で作ってしまいました。
…とかは直したのですが、
そうですねぇ。
ハジメの方なので句読点とか気にしてなかったです・・・
修正してみようと想います。

今後ともよろしくお願いします
そして楽しみにしていてください!
2009/12/26(Sat)14:39:470点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 五章での正人先輩の、楽しく弾くというのは確かにあるかもなって思いました。五章前半は先輩とかでけしか表記されていないのですが、後半と同じく正人先輩とした方が分かりやすいかなと。
 六章では展開が少し早いように感じました。部活動を通してのやり取りなど、もっとあってもいいのではないかなと。コネとは言え、プロの力を借りれるとか凄い展開になってきたなと思いました。
 利用規約の『小説の書き方(正規表現)の[必ず守って欲しい事の欄]』にもあるのですが、閉じ括弧「 」の最後に句点は要りません。それと三点リーダーは「……」と二つ並べて、一つという扱いになります。‘!’や‘?’を使った後には全角スペースを一つ入れます。あと章ごとの間の改行での空白は、改行三つ程度で十分だと思います。
であ続きを楽しみにしています♪
2009/12/27(Sun)14:48:510点羽堕
コメント有り難うございます
言われてみればそうですね。
無意識のうちに書いてましたね
まだまだ未熟ですw

閉じ括弧の件など、修正していきますので
今後の予想も付かない展開に幸あれです

今後ともよろしくお願いいたします
では
2009/12/27(Sun)15:55:140点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 バンドの最終的な目的が武道館というのは良いなと思うのですが、いきなりメジャデビューを目指すと言うよりは、文化祭などでの発表を目指すと言う方が現実味もあって、物語には入りやすいかなと思いました。コネや資金源など、細かい設定(どういう繋がりがあるのか)が出てきていないので、少し話しに置いてけぼりな感じがします。
 蘭って音大も蹴ってとあるので、栗山よりは少し年上なのかな? 悩みとしては深いと思うのだけど、初対面の栗山に部活に来ないかと言われてすぐにOKするのは、無理があるように感じました。やっぱり展開が早いような気がします。
 それと閉じ括弧「 」の前は、一字分の字下げは必要ないです。
であ続きを楽しみにしています♪
2009/12/28(Mon)13:26:370点羽堕
コメント有り難うございます
相変わらず的確なご指摘で参りますw
自分としては、このペースが丁度かなと思っていて、
学園物であり、尚かつ先輩達の特徴を捉えやすくするためにも
色々振り回されている感がある栗山視点で書くと
こんなスピードかなと思いました。
「」の件了解しました
時間ある時に直したいと思います
では失礼します
2009/12/28(Mon)15:21:060点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 新しいメンバーも増えて、また物語は動いてきたなと感じました。ただ蘭が初めて栗山の学校に来たシーンや(今は部外者の学校への訪問って厳しいと思うので、一緒に学校内での活動がOKになった経緯など)、バンドのメンバー先輩二人に紹介するシーンはもっと細かくとか、どんな形でクラスメイトは蘭を目撃したのかとか、回想的に広瀬とのカラオケシーンを挟んでもいいかなと思いました。
 多分、書きたい場面などあるとは思うのですが、もっとゆっくり物語を進めても問題ないかなと私は思いました。
であ続きを楽しみにしています♪
2010/01/03(Sun)14:33:390点羽堕
コメント有り難うございます
なるほど。確かに細かい情景描写などが足りませんでしたね。
ちょっと改善してみようと想います。
また改良版ができたらアップしますので是非お待ちください!

では。
2010/01/03(Sun)19:35:170点Techthrone
こんにちは! 羽堕です!
 まだ蘭の事も分からないうちに、凛という恋のライバルとでもいのか登場して、場をかきまわす感じのキャラになるのかなと、それはそれで楽しみなのですが、栗山と蘭のやり取りがあってからの方が良かったかなと思いました。
 それと一回の更新量は、もう少し多い方が良いかなと思います。もしくは何章か書き溜めてからなど。
であ続きを楽しみにしています♪
2010/01/12(Tue)11:50:130点羽堕
コメント有り難うございます
更新量多めにしてみます
栗山と蘭のやり取りは、時系列をずらして書いていこうと思うので。
楽しみにしていてください
では。
2010/01/12(Tue)13:09:080点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 九章の冒頭の加筆は、蘭の事がより分かって良かったなと思います。ただ親の金の力に頼る感じではないのかなと思っていたのですが、転校や身に付ける物など親の力(お金)を使うのは当たり前と思ってるのかなと。妬みからのイジメでも、精神的にきつくなる前に、それこそお金を使って何とかする様な気もしました。
 また栗山の隠れた才能に、凛の加入、そしてライブと怒涛の展開で、これからどうなってしまうだろうと。今はタダでも100人の客を集めるのは大変だと思うのだけど、更に稼げとか、そのへんもどうするのかなと期待しています。
 そして蘭の突然の告白を、栗山がどう受け止めるのかと。大事そうなイベントが一杯出て来たなと思いました。
であ続きを楽しみにしています♪
2010/01/19(Tue)17:31:080点羽堕
コメント有り難うございます!
基本的に此処まで読めば、大音先輩のイメージがわいたのかなと想う所存ですが
結構無茶振りしてきますw
しかし、その後には物語があります。

これからもよろしくお願いします
2010/01/19(Tue)18:02:350点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 二人の板挟みになってしまったりと、すごい展開の速さだなと思いつつ、一人称なのに栗山の本心が見えないのは、もどかしいなと。これから栗山が、どんな選択をするのかなと思いました。読みやすさを狙ってかも知れないのですが、だいぶ改行が多いように感じました。動作や表情についての、描写をもっと増やしてもいいかなと。
であ続きを楽しみにしています♪
2010/01/27(Wed)18:09:210点羽堕
コメント有り難うございます
板挟みは、状況を正確に淡々と表した方が良いかなと思い
敢えてクールに描きました
今後の三角関係においてのそれぞれの動作や表情楽しみにしていてください!
2010/01/27(Wed)19:32:540点Techthrone
こんにちは! 羽堕です♪
 失敗などを乗り越えて、新しい道へと進む様な終わり方は嫌いじゃないです。だけど流石に、この形では無理矢理に終わらせようとして、物語を締めたように感じました。
 改行が多いように感じます。もっと、一つ一つの場面をゆっくり長く書くようにしてもいいのかなと。
であ次回作を楽しみにしています♪
2010/02/09(Tue)17:02:520点羽堕
コメント有り難うございます。
個人的には無理矢理終わらせるとか諦めたとかはないんですけどね。
まあ第一作目なので、これからも頑張っていきたいと想います!
2010/02/09(Tue)19:31:260点Techthrone
偉そうに聞こえたら大変に申し訳ないのですが、明らかに最後を投げ出した感じしかしないのですが……。
羽堕さんの数々の有益なアドバイスを生かす方向に努力しようとされなかったのは、端から見ていても残念でなりません。
2010/02/09(Tue)20:32:58-1天野橋立
そう思われてしまったなら仕方ありません。
次回作でひっくり返します
よろしくです
2010/02/09(Tue)22:00:070点Techthrone
合計-1
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