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『何も無い世界の何でもない日記』 作者:八咫姫 / ファンタジー 異世界
全角2003文字
容量4006 bytes
原稿用紙約7.7枚
埃まみれの書庫で埃まみれの日記を見つけた。そっと手を伸ばしページを開くそこには綺麗な字でこう書かれていた    『何もない世界だった』
 そう、それは例えば 
『十二月四日・今日は曇りだった』
 そんな何だかふざけた様な、前文ですらない物から始まる、つまり日記だった。





『○月×日今日は白い』
 相変わらずここには何も無い、いや自分という存在が『ある』時点で何かある世界だ
 それよりも、どうして自分がここに居るのか、何時から居るのか知ってる『何か』は無いだろうか
 少し前の話だが『木』と話をした、自分よりも大きかった。その時は『名前』を聞かれたが、
 どうやら自分という存在には名前が付いてないらしい、少し悲しくなった。
 その木の名前は『ツバキ』と言うらしい、綺麗な名前だと思った、本当だ。
 『常緑広葉樹』とか何とか言うらしいが、それは名前ではないらしい、難しかったがそういう難しさは楽しかった
「マア、探セバアルワヨ名前ナンテ、私ナマエナイコイッパイシッテルモノ」
「そうかな、ありがとう」
「元気ダシテネ、ニンゲン君」
 ツバキは『ニンゲン』と自分のことを呼んでいた。それはツバキが木と言う物だという事と同じらしい
 それに、ツバキはツバキのことを『私』と呼んでいた。私……か、次からは自分のことをそう言ってみよう
 立ち去るのは辛かったが、ツバキは動けないのだから仕方が無い、『サヨナラ』と言われた。

「さよなら、ツバキ」

 目から少しだけ温かい水が出て来た、まだこれが何なのか知らないけれど、ツバキに聞きに戻るのは
 何だか恥ずかしいことのような気がするので止めておく。 
  
 今日はそれ以降誰にも会っていない、何だか疲れた今日は此処で止めよう。





『○月×日今日も真っ白だ』
 私はまた歩いていた。相変わらず何も見えなくて退屈する。
 誰にも会わなかったので何も書くことがない、それもまた退屈だ。

 やる気が起きない、今日はもう書くのを止める。













 此処からずっと真っ白なページが続いた、百もページが進もうかというころ、
またあの馬鹿にしているかのような文章がポツンとあった。













『◎月×日真っ白』
 今日は何と『鳥』に出会った。私以外の動く何かだ、とても嬉しい。
 今度は私から名前を聞いた、鳥は高めの声で早口に答えてくれた
 『ピコ』可愛らしい名前だ、でも『ブンチョウ』とも『スズメ目カエデチョウ科』とか
 またもや難しいこととを言われた。私はとりあえずニンゲンだと言った。笑われた。
 どうやらピコはツバキにとまっていたらしい、私のことを私が知らない内に知っていた?
 ピコの言うことには難しいことが多すぎる。きっと賢いのだろう。そう言ったら当たり前だ、
 と早口で言われた。悔しくて、私も笑い返してやった。
「ツバキだって名前なんかじゃないさ、あれは『種類』だよ。俺みたいに『特別』に
 付けられた訳じゃない、君も人間なのに名前がないなんて変なの」
「でも、きっと私に名前として教えた時点でツバキはツバキだよ、ピコ、名前には同じ物があってはいけない?」
「そんなこと無いけど……。名前は誰かが付けるもんだからなぁ……」
「じゃあ、今私がツバキにツバキと名付ける……。それでいいかな?」
「それならいいんじゃないかな。」
「あと……さ、私に名前を付けてくれるかな?」
「はぁ?」
「お願いするよ」
 ピコはとても呆れて、だけどすごく悩んで付けてくれた『カイン』だって、嬉しいな。
 それと、たくさんの『常識』を教えてくれた。全部を終えるころには真っ白が真っ暗だった。
 それに、私には私が似合わないから『僕』を使うように言われた。どうやら僕は『男』らしい
 
「じゃあな、カイン!」
「さよなら、ピコ」

 目から『涙』が出て来た。これもピコから教わったことだ、ありがとう。
 
 涙はたくさんたくさん溢れた。

 今日は疲れたな、もう終わることにする。


 そこでぱたりと、日記らしき物を閉じた。見覚えと言うか聞き覚えがある名前が出てきたからだ
「カイン……?」
 頭の中には、いつもへらへら笑っている友の姿があった。
 これが彼の日記だとすると、とうとう頭が湧いてしまったのか。
 もう一度確かめようと、日記を開こうと手をかけ―――――――――
「だめですよ」
 するりと手の中から抜け出てしまった。いや、取られたのだ。
「カイン……、それ」
「懐かしいですねぇ、でも人の日記を盗み見するなんて最低ですよ?」
「見たくて見たんじゃねぇ!つか、誰が見たいかそんなもん!」
 うまくかわされてしまった気がする、いつもの事だが腑に落ちない。
 クスクスと笑う友人は、日記を大事そうに開いて
「まぁ、美味しい紅茶を淹れましたから続きはそこで……にしませんか?」
 『私の自慢の椿の庭でも眺めながらね』なんて言葉も付いて食えない友人はどこまでも食えない。
「まぁ、いいか」
 『私』の似合うようになった友人はまた笑った。
 

 
 日記はそっと閉じられた
 
 
2007/02/24(Sat)17:28:46 公開 / 八咫姫
■この作品の著作権は八咫姫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めての投稿、初めての作品、なんか感慨深いです。
出来ることなら『彼ら』でまた何か書きたいですが、この作品はこれで終わりです。
日記が開くことは無いかもしれませんが、新しい物語が彼らを中心として
進んでいくのを見たいなと言ってくださる方が居ましたら。
それは、とても嬉しいことです。
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