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『二重世界』 作者:理澄 / 恋愛小説 未分類
全角1053.5文字
容量2107 bytes
原稿用紙約4.2枚
この作品は 端的に言えばある男(雄次)とその友人(由紀子)との恋模様?を描いたものですが、いろいろ事情が絡んでおります
みなさんは

突然目の前に

自分の一番苦手なタイプの人が現れたらどうするだろうか

人によっては普通に振舞うかもしれない
人によっては上手に避けるかもしれない
人によっては何となくキレてみたりするかもしれない

上から順に@、A、Bと番号をつけるとして
僕はどれを選べばいいんだろう‥

そして
もしも今僕の目の前にいる人が
最も苦手であり

一番 好きな人だったとしたら‥
僕はどれを選べばいいのだろう‥

(1)200X年 春
僕は花粉症で苦しんでいた
その日も朝からくしゃみが止まらず はやく春が過ぎてくれないものかと願いつつ 学校へ向かって歩いていた
春‥とはいってもまだまだ寒いので行き交う人は皆それぞれ厚着をしている
このまま無事 (くしゃみ連発の時点で無事ではないが) に到着できればどれだけよかったことか‥

「お〜い。」
きたっ!!反射的に僕は身構えた

「おはよ〜、ってどうしたの?そんなに固くなって」
彼女が不思議がるのも無理はない
何せこのことは 僕しか知らない秘密なのだ

「あ‥いや、今日テストだからちょっと不安でさ」
僕はとっさにそう言った
「あぁ〜そういえば今日のテスト 君の苦手な日本史だもんね」
「そうなんだよ。いや〜 まいったまいったww」

瞬時に別の方向へもっていけた自分を尊敬しつつ そういえば今日がテストだったことを思い出し また憂鬱になった

まぁ、いいか
アレは僕がどうにかできる問題じゃないからな
せっかくだから今はさっき思い出したテストのことを考えることにしよう
「由紀子は頭いいからいいよな〜。 今だって余裕って顔してるしw」
彼女 由紀子は答える
「ははは、そう見える?実は昨日全然勉強してなくてどうしようって感じなんだけどね」
「へぇ〜お前が勉強してないなんて珍しいな。何かあったのか?」
そこで彼女は少し沈黙した
(あれ?僕なんかまずいこと聞いたか?) 誰でもいい (この際読者でもいいから) 誰かそんなことはないと言ってくれ〜。

再び彼女が口を開けたとき 僕は驚きの表情を隠せなかった
「ん〜、っていうか何があったのかよく覚えてないんだよね。昨日夕ご飯食べたところまでは覚えてるんだけど‥気付いたらベッドの上寝ててね」

先ほど気になっていたアレがどうやら昨夜発動したらしい
そのことに気付いているのは今のところ僕だけなので誰にも相談できずにいたのだが、そろそろ彼女に話したほうがいいのかもしれない
「あ‥あのさ由紀子」
「あ、大変!もうすぐ朝礼の時間だよ。急がないと!ほら早く早く」
2006/09/21(Thu)20:50:03 公開 / 理澄
■この作品の著作権は理澄さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
以前別のサイトに投稿したものをこちらでも投稿することにいたしました。 これから1章ずつ投稿していこうと思っていますので どうぞよろしくおねがいいたしますw
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