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『鏡物語』 作者:綾女 / ファンタジー 時代・歴史
全角3882.5文字
容量7765 bytes
原稿用紙約11.85枚
平安の世、地獄の使者を封印した鏡が盗まれた。敵は前戦争時に滅することが出来なかった八咫烏。八咫烏は封印を解き戦争を再び起こそうとしている。盗まれた鏡を取り返すべく源氏が後を追う。源氏の邪を滅する光の力は平安を救うことが出来るのか。
 
 大鏡 今鏡 水鏡 増鏡

 4鏡がこの平安の国を支え、歴史を映し、邪を封印し、この世界を守り続けてきた。
4鏡は保管されるべき場所に無ければならなかった。

「何事だ」
 院の奥の女郎蜘蛛の塔が燃えていると聞きつけ、桐壺帝が駆けつけた。衛兵達が2人先に到着しており、この場の説明をした。
「封印が解かれ、鏡が…」
 桐壺帝は塔の中を覗いた。
中はひどく荒らされていた。しかしそんなことはどうでも良い。
今大切なのは一つ、鏡はどうなのかということ。

「大鏡が無いではないか!」
 桐壺帝は眉間にしわを寄せ、怒りをあらわにしたが即座に力が抜けたのか地面に座り込んだ。そして力なき言葉で一言呟く。
「平安は終わりか?」
 女郎蜘蛛の塔を管理を任されていたのが現在の平安の表面上の最高責任者である桐壺。
平安の都には4つの塔があり、そこにはこの平安で一番重要な物として扱われている4鏡を納めてある。
大鏡は女郎蜘蛛の塔。今鏡は狐火の塔。水鏡は清姫の塔。そして増鏡は牛鬼の塔に納められている。
 それぞれの塔の名前の由来は昔この平安の都に地獄の妖怪が攻めてきたことから話さなければならない。
 当時の平安の主だった天照(アマテラス)は呪術に優れた人物だった。しかし攻めてきた地獄の使者に太刀打ちするので精一杯だった。
 使者はものすごい数だったという。そして強さは圧倒的だったらしい。
そのなかでも、使者4体は圧倒的な強さだったのだ。
それがこの塔の名前にもなっている、
 女郎蜘蛛 狐火 清姫 牛鬼 
だったのだ。
 天照はこのままでは平安が終わってしまうと悟った。
そして平安の主としてそれは決して許されるべきではないと思った天照は、使者達を倒すことは出来ないが封印することは出来るという術を使うことにした。しかしこの術は己の命を四魂にわけ4つの鏡を作らなければならなかったのだ。
そんな事に臆することなく天照は自分の命と引き替えに4鏡を創り、
地獄の使者の4体の妖怪を倒すと
後のことは後継者と決めていた、弟の桐壺と藤壺にまかせ永遠の眠りについた。
桐壺と藤壺は使者4体の封印を終えると残った多くの妖怪をやっとのことで倒し滅した。
 それぞれの鏡は清き場所に保管しておかなければならなかった。だから清き魂に満ちた塔を4つ建設し、それぞれの鏡に封印した妖怪の名から、各塔に名前は付けられた。
 先ほど、女郎蜘蛛の塔の管理は桐壺帝と話したのだが、残りの塔の管理者を説明する。
狐火の塔は藤壺が任せられている。
そして清姫の塔には桐壺帝の妻である桐壺の更衣。更衣は桐壺帝にみそめられるほどの美しさを持ち、相当の呪術師である。
牛鬼の塔の管理者は桐壺帝の息子だった。
 この息子こそがこの物語の主人公である源氏の君。誰が読んだか知らないが光源氏と呼ばれている。その理由は、光放たれた容姿を持ち、邪を砕く光の力を持つからだ。

 桐壺帝管理のの大鏡が無くなったことで緊急で集合の命令がかかった。集まる場所は都の中心。桐壺帝の院。
この院は香がたかれており独特の香りがする。深紅の麻が敷かれた床。全てが桐壺帝のために用意されたものばかり。
集まったのは全部で六人。最小限の意見者達。
管理職に就く4人に奥の院に住む長寿の夏山繁樹(なつやまのしげき)と大宅世継(おおやけのよつぎ)。2人とも何百歳もを越える人物で無くなった天照にも意見をしていた。天照が術を使う事も、決断時にはこの2人も意見をした。

「もう耳に入ったとは思うが、大鏡の封印が解けた。そして大鏡が奪われた」
 全員の真剣そのもので拳を握っている。
「他の鏡はどうなっている!?」
 桐壺帝は管理職3人に確認を呼びかけた。藤壺が答える。話によると狐火の塔には傷が入っていたが鏡は大丈夫だったらしい。続いた更衣も同じだった。しかし、源氏だけ表情が違った。
「牛鬼の塔の増鏡も無くなっていました。中は黒い羽根が散らばっていまして。申し訳ございません」
「いや、それはわしも同じだ。頭を上げなさい源氏」
「どうしますか兄上?」
 藤壺は桐壺の意見・指示を待った。そこに桐壺よりも先に繁樹が口を開いた。
「八咫烏(ヤタガラス)じゃな」
 そして繁樹に続き世継も口を開いた。
「黒い羽根といえばのお。それにこんなことするのは奴しかおらん。生きておったのか」
 世継はこんなか少し笑ったように言った。
「八咫烏だと?」
 桐壺帝は思い出したように言う。その名を知るのはこの場では3人だけだろう。
この名前も天照時の妖怪襲来に関係のある名前。
使者4体の中には入りはしなかったが、何かと平安中心部との接触が多かった。三本の足を持ち黒き翼・体を持つ妖怪。
呪術も4体ほどではなかったがやっかいな力を持つ存在だった。
繁樹・世継、そして当時はまだ元服したばかりの幼き成人だった桐壺も接触した。
八咫烏は平安の兵をくぐり抜け、黒き翼で都まで進入してきた。
そして4体の妖怪よりも先に天照達の前に現れたのだ。
しかし当時、天照と3人は臆することなく闘った。あと少しで倒せると言うところに4体が現れたためその時に息を止めることは出来なかったのだ。
その時、藤壺はまだ幼少、ただ表面上の存在だっただけであとは他と変わらぬ赤子同然。このことは覚えていなくて当然なのだ。
「八咫烏はきっと使者を復活させるつもりじゃろう。そのためにも4鏡を揃えようとしておる」
 繁樹の目を見て世継が続ける。
「鏡は4つ揃えないと封印は解けないからのお。それはまだ安心なのだが」
 もう言いたいことは分かるだろうと繁樹と世継は4人を見た。そして世継は立ち上がり部屋を出て行った。繁樹は止めない。
「八咫烏はまた都に残りの鏡を奪いに来ると言うことか」
 口を開いたのは帝。
「では、今すぐにでも後を追いましょう」
「まあ待て…奴を全員で追っても、もし都を攻められたときには戦力的にも間違いなく奪われてしまう」
 更衣を止め、繁樹は語り出したが、その意見に疑問を持った藤壺は口を開いた。
「ならば繁樹、どうするのだ?」
 そこに先ほど部屋を出ていた世継ぎが部屋に戻ってきた。何かを抱えている。漆黒色の鞘に包まれている光。そう例えられる物。
世継ぎは再び繁樹の隣に座った。そして2人は桐壺でなく藤壺でもない、桐壺の息子 源氏に目をやった。
「源氏の君、お前が奴を追うのじゃ」
 4人は繁樹のこの発言に驚き、声を漏らした。
「繁樹!何を言う。なぜ源氏なのだ!」
「ええい桐壺帝、騒ぐでない。己の子として心配なのは分かる。しかしな、源氏の君には邪を滅する光の力が秘められておるのだ」
 繁樹の言葉は4人にさらに疑問を持たせた。すると世継が抱えている物を源氏に近づけた。世継はこう言う。
「見てみなさい、これは草薙(クサナギ)の剣。あの天照様が使用されておった物じゃ」
 世継ぎは漆黒色の鞘を抜きその剣を見せた。鞘から出たとき剣の刃は銀色に輝き、美しさだけでない何かを4人に見せつけた。
「源氏の君、持つのじゃ」
 繁樹に言われ、源氏はおそるおそる草薙の剣を手にした。すると、源氏の身体は刃と同じように銀色に輝き、とてつもない光を放った。刃もさきほどよりも激しく輝いている。そして何よりも源氏の周りの空気までもが純白になり、この部屋に舞っていた香がその光によりかきけされているのが分かる。

「これが源氏の持つ力なのじゃ。これこそが奴ら地獄よりの使者である妖怪に対抗できる術だなのだ」
 繁樹に桐壺は反論する。
「しかしだ繁樹、いくら源氏でも1人で行かせるには荷が重すぎる」
 すると繁樹は笑って言う。
「誰が1人で行かせるものか、ちゃんと源氏の君を支える者を用意しておる」
「それならば私たちがついた方が良いのでは?」
 母親である更衣は必死に言う。
「だから、お主達、戦力はここで守りに徹するのじゃ。それこそが今必要なことなのだ」

 意見番である繁樹と世継の意見に今まで間違いはなかった。だから今までずっと従ってきた。今回もそうなるのだ。世継は使用人を呼び源氏の旅支度をさせた。旅支度とはいえ草薙の剣を腰につけさせたり服装を整えたりとだが。繁樹は源氏の支え人となる者の徴集に動き出した。その間、桐壺帝・更衣・藤壺が源氏を前にして話していた。
「源氏、お前には光の力がついている。私の血も流れているのだ。必ず八咫烏を倒し、鏡を取り返してきなさい」
「はい」
 そして続いて更衣が口を開いた。
「必ず生きて帰ってきなさい。母からはただそれだけです」
「はい!」 
 更衣はそう言うと、後ろを向いた。泣いているのだろう。源氏は悟り力強く声を出した。そして藤壺が続いた。
「都のことは私たちに任せなさい。源氏、お前はいわば救世主。平安の光なのだ。それを覚えておきなさい」
「はい」
 ちょうど会話が終わると繁樹が戻ってきた。後ろには何人か並んでいた。
「もう終わったようだな。さあ、門まで出なさい」

 全員、門まで出た。この門は朱雀門といい、平安の中央門。
「源氏の君、この者達がおぬしの支えとなる。十分に力を合わせるのじゃ」
 繁樹に紹介され支え人は姿を見せた。

「さあ、桐壺・更衣、おぬしらの息子の行き姿しっかりと刻みつけよ。源氏よ迷う事なかれ。この朱雀門を開けまっすぐ進め。行く道は支え人が知っている。立ち止まるな。必ず鏡を取り返すのだ」
 世継の堂々たるその迫力にも押され、源氏は朱雀門を押した。門が開いたときにすきまから段々と見えてくる光は新鮮にも見え
不安をかき消すようにも感じられた。これが旅立ち。

2006/05/20(Sat)21:45:59 公開 / 綾女
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■作者からのメッセージ
まだプロローグにしかすぎません。
これからさらに知識をつけもっと書いていくつもりです。
時代ファンタジーで『源氏物語』をモチーフにしています。
(内容は全く違いますが)
どうか暖かい目でみてください。
よろしくお願いします。
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