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『先生とぼく』 作者:水芭蕉猫 / ショート*2 リアル・現代
全角2145.5文字
容量4291 bytes
原稿用紙約5.75枚
電波がうるさいので虫を取り出したぼくの話。注※猟奇表現があります。
 目玉の後ろに虫が入ってる気がしたから抉ってみたら物凄く痛かった。赤い液体みたいのがぽとぽと垂れて白いベッドのシーツを汚してしまったけれど、そのかわり白いぶにょんとしたゼラチンみたいな目玉にくっついた赤いびろびろした蚯蚓みたいな虫が取れた。物凄く痛かったけど、ずっと頭の後ろでうぞめいていた虫が取れたので、痛いのと同じくらい物凄く嬉しかったから同室にいる先生に見せてみた。
 先生は物凄い先生で、何がすごいかと言うと物凄い先生だから凄い先生なのだ。昔、戦争に赴いて地雷を踏んで下半身を無くしてしまった兵士さんを生き返らしたり、頭をなくした犬の幼虫に代わりに猫の頭を作ってあげたりしたらしい。ほかの部屋の皆は犬の幼虫は猫の頭よりも鼠の頭の方がくっつきやすいから先生はヤブだって言うけれど、ぼくはそうは思わない。同室だし、何より先生は凄い先生だからヤブなはずはないと思う。そういう風に言うと、たまにこの部屋にやってくる飼い主は笑う。
 飼い主っていうのは、人間の体に入った犬を飼っているらしい。犬の名前は犬だから犬だって前に言っていたけれど、前にぼくがポチと呼んだら喜んでぼくの手をへろへろ舐めたので、恐らく自分の名前なんて解ってないんだろうと思う。けれど、この建物に入ってる皆は大抵が他人の名前なんてどうでもよくて、お互い好き勝手に読んでいるのだから名前なんてあってないようなものだと思う。
 そこまで考えたところで、ぼくは手のひらにある目玉とくっついてる虫を先生に見せるのをすっかり忘れていたことを思い出したので、ベッドの上から格子付き窓の外をぼんやり眺めている先生に声を掛けた。窓に格子がついているのは、飼い主みたいな人が死ぬ気の無い自殺未遂をして外の人をビックリさせないためだと先生が言っていた。この先生は外をぼんやり眺めている先生ではなくて、イカみたいな白衣を着て頭に銀色の何かをつけた悪い先生が言っていたことだ。なにが悪いのかというと、ぼくや先生や飼い主や犬をこの建物に閉じ込めたから。電波も解らないくせにわかった風な口を利くのはイカにもヤブ医者のしそうなことだけれど、外の人はぼくの言うことを信用せずにぼくをこの建物の中に押し込んだ。でも外の人は悪くないのだろう。外の人はヤブ医者の先生に洗脳されてしまったから仕方がないのだろうと思う。
 おっとまたやることを忘れてしまうところだった。最近昔電波が頭の中で反芻するためか、やろうとすることをつい忘れてしまう。虫をとったらよくなると思ってたけれど、もっと奥のほうにも虫がいるんだろうか。電波は頭の中で反芻して口から出てってくれることもあるけれど、虫は卵で繁殖するから中々居なくなってくれない。とりあえず目の後ろに居たこの虫を先生に見せると、先生はのっそりと窓からこちらに視線をうつしてうむぅふぅむと唸った。
「先生。虫が取れました。これで電波がなくなるでしょうか」
 すると先生はうむぅふぅむともう一度仰々しく唸った後で、もう片方の虫も取らなきゃ電波はなくなりませんと言った。でもそうすると目玉の機能がなくなってしまうので、代わりに口から目玉を取り入れて見ましょうということになったので、先生はぼくの手からゼラチン質の目玉を取り上げ、むしむしむしと赤い蚯蚓みたいな虫をむしりとると、リンゴか何かを渡すようにぼくに渡した。
 ピンポン玉よりも少し大きいくらいのそれは、白い中にぷにょんと黒目があって、何だかそれがとても滑稽で、自分の目玉なのにちょっぴり可愛く思えた。
「さぁさぁイキが悪くならないうちに取り入れなさい」
 先生がそういうので食べようとすると、先生は一気に味わって食べなさいと言ったので、ぼくは丸まんま目玉を口に放り込むとよくかんで食べた。
 とろとろした海のような塩味が口に広がり、それから鉄サビみたいな味が口に広がって、こりこりするようなねちゃねちゃするような感触を味わった後で飲み下した。
「どうかね?」
 先生に聞かれても、視界は変わらなかったけれど、それを言うと先生は数日したらまた見えるのような事を言うのであぁそうなのかぁと思った。
 それで電波はどうなるのでしょうと先生に聞くと、先生は見えるようになってからもう片方の虫も摘出してみましょうということになり、すっかり用のなくなってしまったぼくはもう一度ベッドに戻ると、このベッドの赤いしみをどうしようと考えた。このままほうっておけばまたイカの先生に怒られるし、その部下のピンク色のイカにも怒られてしまう可能性もある。先生に助けてもらおうと思ったけれど、先生はまた窓の外を眺めて楽しそうにぼんやりしているので、仕方なくぼくはベッドのシーツを剥ぎ取ってベッドの下に隠した。どうして隠したのか問われたら、銀色の鼠がやってきて隠してしまったということにしよう。そう思うと少しだけ楽になったので、ベッドの中にもぐりこんで布団をかぶって目を瞑った。片方の目は見えなかったけど、その代わり残ってる方の目を瞑って見えなくした。電波がブンブン頭の中で飛び交ったけれど、それはうるさい電波ではなかったので無視する事にした。
 眠りに落ちる寸前に、虫も取れて今日も平和で良い一日だなと思った。
2006/03/26(Sun)15:35:26 公開 / 水芭蕉猫
■この作品の著作権は水芭蕉猫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
「電波」というものを至極真面目に書くとしたらどうなるだろう。
最近そういうことを考えています。
 何かありましたらお手柔らかにお願いします。
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