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『水晶玉』 作者:黒アゲハ / 未分類 未分類
全角4833文字
容量9666 bytes
原稿用紙約17.1枚


どれだけ手を伸ばしても届かない星は、残酷だと思う。
こんなに見せ付けておいて、近くに寄らせない。
間近で見たいと思う俺は、欲張りなのか?
どっちにしろ、やっぱり星は残酷だと思う。

なんとなくだけど。



T



今日も歩く商店街。
魚屋、八百屋、肉屋・・・・・・
いつもと同じ風景で、正直つまらない。

でも、平凡の中に非凡を求めるのは、男として当たり前だと思う。
俺は平和は好きだけど、毎日が同じことの繰り返しというのは嫌だ。
かと言ってここから逃げ出そうなんて思わないし、結局俺は此処を気に入っているのだ。

沢山店の並んだ商店街を抜けると、小さな雑貨屋があった。
これは、パソコンの店の情報の中、隅の方に書いていた店。
なんとなくピッタリだと思って、これに決めた。

店内には線香と似ている匂いが漂っていた。
基本は木造で、天井の四隅は金具で支えている。
少し黒い色の木もあれば、薄い色の木もある。

木造の棚に並んでいる沢山の人形やおもちゃ。
壁にかかっていたりするものは、主に絵。
俺はよく絵は分からないけど、風景画は結構好きだ。
中には香水もわずかながらあった。
俺は店にならんだ、一つのテディベアをとった。

「あら、これ・・・彼女へのプレゼント?」

「いや。妹」

買い物は久しぶりだった。
大体、こんな雑貨屋に入ること自体初めて。
買ったものは小さなテディベア。
少し流行遅れだが、俺はこれで十分だった。

「そうかしら・・?赤いリボンを巻いたテディベアは、恋の象徴なのよ」

「へぇ、初めて知ったね」

嘘。
このテディベアは、いつか出来る彼女のために買っておいたものだった。
随分先の話になると思うが、今買っておくことにした。
それは本当に「なんとなく」という理由で、それだけで俺はほんのりとベージュの乗った薄いオレンジの、赤いリボンを巻いたテディベアを買ったのだ。
だが、恋の象徴だったということは初耳。

「まぁ、いいわ。私、あなたのこと気に入ったのよ。少し店内を見ていかない?」

女性は、20〜25歳ぐらいだと思うけど、サングラスがかかっていてよく分からない。
少なくとも俺よりは年齢は上だ。
髪は長く、片手にはたばこ。
服は黒と赤を基本とした色。
その女性は、レジの後ろの壁にもたれかかっていた。

「いや、でも俺他に買おうと思ってる物ないんで・・」

「店内を見て回ったら、気が変わるかもよ?」

何で俺なのか分からなかった。
多分この店には、俺とこの女性しか居ないだろう。
女性は何を考えているのか、全く分からない。

しかし、全く興味がないというわけではなかった。
この店には、どこか怪しげな雰囲気が漂っている。
好奇心が旺盛な俺にとっては、最高の暇つぶしになるに違いない。
でも、この女性も負けないぐらい怪しい雰囲気だ。
簡単に了解するわけにはいかない。

だけど、このぐらいのことだ。意地を張る必要は無い。
俺は女性の言葉をOKした。

「この店ね、普通の店じゃないのよ」

女性は、壁から背中を離した。

「隠し扉、とか?」

俺は冗談で言った。
よくテレビとかを見ていて、たまに時代劇なんてある。
その中に、隠し扉なんかがあるたびに俺は馬鹿みたいだと思っていたりもする。

「まさか。そこまでマニアックじゃないけど・・・近いわね」

女性はクスッと笑った。
胸元にあるネックレスが少し光っている。
形はガイコツ。
とてもいい趣味とは思えない。

「知りたい?」

「・・・・一応」

ここまで聞いたのだ、最後まで知ってみたいものだろう。
俺が最近暇で暇で仕方なかった。
こんなことは滅多と無い。
自然と胸が高鳴ってきた。

「そんなに緊張しなくていいわ。・・・・ついてらっしゃい」

女性はゆっくり歩き出した。
ハイヒールは黒で、足を進めるたびに地面と触れる音がする。
この女性は、一体何者なのだろう。
俺は、女性の後を少し離れながらついていった。

今見ると、店に置いてあるものは全て物騒だ。
その中に、俺がさっきテディベアを取った棚を見て、思い出した。
振り向くと、俺の取ったテディベアはレジに置きっぱなし。
そのことを女性に伝えると、”帰るときに取ればいい”と言われ、俺は少し不安だった。

帰ることが出来るのか、と。

店の奥にある扉は、女性のハイヒールのように黒かった。
扉に張ってある張り紙には、”関係者以外立ち入り禁止”と書かれてある。
この女性から許可を貰ったのだ、俺も入っていいだろう。
女性がドアノブに手をかけ、ゆっくりと開けた。
ギィィと古びた音が鳴り、俺はビクッとする。

「どれだけの間開けてなかったんですか?」

「大して時間は経ってないわ。少しこの扉が壊れ気味なだけよ。気にしないで?」

女性は奥へと入っていった。
しかし、俺は入ることをためらった。
手が汗ばんで、自分でも怖がっていることが分かる。
それは俺の勘というか、本能で気づいた。
その様子に気づいたのか、女性は俺の方へ戻ってきた。

「どうしたのかしら?」

「えっと・・・・・この奥には、何があるんです?」

少し震えた声で喋った俺は、情けないと思う。
だけど、やっぱり信用できない。
どうしても入る気がせず、かと言って後戻りするのはカッコが悪い。

「それは、入ってからのお楽しみよ。怖いものなんてないけど」

「べっ・・別に怖がってなんか・・・・」

「じゃあ、入りましょうか」

何で、俺は負けず嫌いな性格に生まれてしまったんだろう。
自分で言ってしまったことは仕方がない。
俺は、しぶしぶ入ることにした。

扉の置くは、洞窟みたいだった。
少しの音が響いて、俺はそのたびビクッとする。
天井のほうにはよく蜘蛛の巣があって、とても清潔とはいえない。
小さな階段を使って、少しずつ、しかしどんどんと奥へと向かっていった。

「あのー・・・・」

声をかけるが、女性から返事はなかった。
そこまで真剣なのだろうか。
しかし、何度も声をかけたら怒られそうで、俺はそのまま黙った。

天井のところどころにランプのようなものがあって、その光を頼りに進んでいっていると言っても過言じゃない。
それほどこの空間は狭く、暗い。
この壁は、コンクリートなのだろうか。
だとしたら、一体誰が作ったのだろう。
なら、この店自体は何なのだろう。

壁の色はベージュに茶色を乗せたような色。
土かコンクリートか見分けがつかない。
いや、もうそんなのどうでもいい。
俺はこの女性と離れてはいけないような気がして、必死でついていった。

歩いて、どれほど経ったのだろう。
30分ぐらい経ったような気もするし、ひょっとしたら5分ぐらいかもしれない。
それほど俺は緊張していて、頭の中は不安オンリー。
そろそろ階段が途切れてきた。
もう出口なのだろうか。
それとも、これはただのスタートに過ぎないのだろうか。

「さて・・・・そろそろね。後戻りするなら、今しかないけど?」

「ば、馬鹿にしないでくださいっ・・・」

ああ、またやってしまった。
二度目のチャンスを俺の性格のせいでまた逃す。
もう、こんな機会は滅多にないだろうに。
今、己の性格を後悔していた。

「ていうか・・・・ついたってことですか・・・?」

「見にくいと思うけど、ここに扉があるのよ」

女性は奥を指差した。
奥なんて、この女性がかろうじて見えるぐらいだ。
よく見ようと思えば、女性の指の爪が長く、赤いマニキュアを塗っていると分かるぐらい。
女性がそれを見えているということは、何度も入っている証拠だ。
この空間とこの女性は、「不思議」の一言に限る。

「入るわね?」

と言って、何もない空間に手を伸ばした。
いや、実際はそこにドアノブがあるのだろう。
女性は前に向き直って、ゆっくりと手を前に押した。
きっと、今扉が開いたのだろう。
またギィィという音がなったのだから。

「足元に注意して歩いてね」

そんなこと、言われなくても分かってる。
現に、ここまで来るまでに何度躓きそうになったことか。
地面は決して荒れているわけじゃないけれど、真っ直ぐとは言いがたい。
途中凸凹なんてあるものだから、正直困る。
どうせなら、もっと歩きやすい空間にして下さい。

そして俺はまた、女性から数歩下がってついて行った。
女性は真っ直ぐに歩く。
無駄のない動きで、まるでロボットみたいだった。
確かに言動は少ないけど、まぁロボットなんてことはまずありえない。

と、これほどどうでもいいことを考えるぐらい、俺の頭はパニック状態だということ。

この扉の奥は、階段ではなかった。
多分、大広間だと思う。
だから、何でこんな空間があるんだよ。
心底つっこみどころ満載だと思う。

「さて、照明をつけましょうか」

「照明!?」

俺と女性の声が響く。
女性は俺から少し離れて、壁らしき場所へと近寄った。
パチンというボタンを押すような音がしたかと思うと、俺の頭上から順に明かりがついた。
地下でも電気がつくことぐらい知っているけど、ならさっきの場所にも照明を取り付けてほしいね。まずそっちが優先だと思うし。

「到着よ。ここが、私の見せたかった場所」

今思えば、ここには品物は置いてないじゃないですか。
女性が言った「気が変わるかもしれない」は、こっちの意味だったんだと今さら気づく。

そして俺は、辺りを見回した。
そこには本棚があったり、壁には肖像ががあったり そんな空間じゃない。
ただ、真ん中にぽつんとテーブルが置いてあるだけ。

「あれは・・・?」

聞くと、女性のは自分で確かめて と言っているようだった。
俺は仕方なくゆっくり近づく。
恐怖、不安、好奇心。
三つの心が混ざり合って、何かよく分からない感情のまま、俺はそのすぐ側まで来た。

小さな白いテーブルに、赤い布がかぶさっていた。
そして、その上に乗ってあるものは、水晶玉。
たまに見かけたりするこの水晶は、今まで見た中で一番輝いていた。

「これ・・・?」

「これは、水晶。あなたも見たことあるでしょう?最も、これはよく見かけるようなものじゃないけれど・・・」

だから何?
そう言おうとしたけど、やめておいた。
今は、この美しい水晶を見ていたいと思ったから。

「・・・・この雑貨屋は、この玉によって成り立っているの」

「・・・え?」

女性は、静かに語りかけた。
美しく輝くこの水晶玉は、水色のような光を発している。

「だから、この店の品は、私の意志によってどんどんと変わっていく。店の形だって自由よ。全ては、この水晶の力」

「こんなもの・・・・どこで?」

気が付けば店にならんでいたと言っていた。
どうしてこんなものを俺が見ているのだろう。
いや、それ以前に何故俺なのだろう。

「あなたは・・・この雑貨屋の存在に気づいたわ」

「・・・どういうことですか?」

「ある特定の人じゃなければ、この雑貨屋自体見えないのよ。でも、あなたは見えた」

パソコンに書いてある住所をたどり、来た人は皆戸惑うらしい。
しかし、俺は何事もないように入った。
それが普通ではないことにビックリした。

女性は、水晶に黙って手をかざした。
俺は、何故か今声をかけてはいけない気がして、じっとその様子を見た。
しばらくすると、水晶玉が光った。
それだけでも驚きなのに、その時、水晶玉からもう一つの小さな水晶玉が出てきたのだ。
まるで、この女性が分離させたかのように。

「この雑貨屋に来た客は久しぶりよ。これは、お土産として持って帰りなさい。どんな力かは、あなた次第・・・・」

女性は俺の手のひらにその小さな水晶玉を置いた。

その直後



店は跡形もなく消えた。
俺は路地で一人で立っている。
でも、俺はそれにさほど驚きはしなかった。

これも、あの水晶玉の力なのだろうと思ったから。




しばらくしても、俺はあの水晶玉を使ってはいない。
どんな力かは気になるさ。

でも、今は時じゃないような気がして・・・・






2005/06/26(Sun)13:21:20 公開 / 黒アゲハ
■この作品の著作権は黒アゲハさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
話がたんたんと進んでしまい、さらに内容が分かりにくい人が多いと思います。
すみません。
そして、この主人公の名前は出ません。

時っていつだよ!?
というツッコミは勘弁(汗;
それでは・・・・
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