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『奥の細道』 作者:西鶴 / ショート*2
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 畳三十畳はあろうかという大広間に、一人待たされていた。正座をし待っていたのだが、足の痺れに耐えかねて形を崩した。最近、凝っているヨガでもやって時間を潰そうと座禅を組み、手のひらを胸の前で合わせ、腹式呼吸で何度か小さく息をしていたとき、ユカちゃんが現れた。ユカちゃんは桃色を基調に金の刺繍が施された晴着を着ていた。僕の目の前に座ると、「何してたんどすか?」と言って、こちらを真っ直ぐに見た。黒い瞳はペイントされたように黒く無機質であった。「ヨガだよ」と言うと、「モダンどすな」と口を少し開いて笑った。八重歯が覗き奥には赤い舌が見えた。舌を吸うてやろうかと思い身を乗り出してみたのだが、奥に飾られてあるブラッドピットが写された掛け軸に目が奪われた。ブラピは上半身裸であった。隆起した筋肉と体中に入れられタトゥーが調和し一種の芸術品のような美しさであった。「ブラピいいよね」と言うと、ユカちゃんは着物をはだけさせ胸を出した。異様に大きな胸で、昨晩、佐々木の家で見たAV女優桜さくら子の胸だった。幼いときから憧れていた規格外の胸だった。胸に手を伸ばすと、「あら」とユカちゃんは言って舌を出した。僕は立ち上がり、既に固くなった自分の物をユカちゃんの口に突っ込んだ。生暖かさとヌメリの中で、出しそうになったが、まだ駄目だ、もっと奥で、まだ見ぬ奥の奥で出さねばと、腰を突き出した。ユカちゃんの顔は赤くなり、歪んだ。ユカちゃんは逃れようと頭をよじる。ユカちゃんの頭を押さえ、さらに奥を目指した。そろそろ出ると思ったとき、ユカちゃんの歯が当たり痛みでおもわず腰を引いた。
 腹の上に雅美の頭が乗っていた。「なにしてんねん」僕が言うと、雅美は睨みながら、「あんたが突っ込んできたんやん」と赤い顔で言って、枕もとのティッシュを取り口を拭いた。雅美はベッドを抜け出ると、「お尻痛い」と言って僕をまた睨んでトイレに行った。そういえば昨日の夜、尻に入れてやったなと思い出し独りニヤけた。「あんた、昨日何したん?」ベッドに戻った雅美は僕の胸を撫でながら言った。「なんもしてない」僕は言って雅美の腹に頭を乗せてまた目を閉じた。
 雅美は既に隣にいなかった。仕事に行ったのだなと思い、体を起こしてベッドを抜けた。ポスターの中のブラッドピットが僕を見つめている。「あんたにゃ負けたよ」ブラピに呟いた。買い置きしてある菓子パンを口に含みながら煙草を一本吸った。雅美と一緒にいると空腹になることがない。パン、インスタント麺、ジュース、酒、煙草、サプリメント、なんでも雅美は大量に買い込むのである。シャワーを浴び、伸びた茶金の髪を後ろにまとめ、バンドをして鏡台の前に座った。鏡に映る自分の顔と体が妙に赤い。酒の飲みすぎか、ジャンクフードの食べすぎか、煙草の吸いすぎか、結局不健康が赤になって表れたのだ。大量にある化粧品類の中から消炎作用のある化粧水を取り、顔に浸した。保湿をするため美容液、乳液を塗り顔は水浸しになった。
 梅雨前線が本土に掛かっているというのに、日差しが強く肌を焦がした。単車を大学の駐輪場に置いて、隙間なくステッカーの貼ってあるヘルメットを脱いだ。蒸れて癖づいた髪を、指で掻きながら教室に入ると、佐々木が「よう」と手を挙げ、僕はその隣の席に着いた。ユカちゃんは、三段前の席に座っていた。ユカちゃんの周りには、女も男も群がっていた。
「谷崎潤一郎は、生涯女性を描き続け」講師は言って、言葉の通り黒板に書いた。佐々木は真面目にノートに写している。僕はユカちゃんの後姿をノートに写していた。逆三角形の背中、ローライズのジーパンの上に露出した細い腰。あの腰は強く抱けば折れるだろう。僕は目の前のユカちゃんの美しさをノートに写すことができず諦めた。「ノート後でみせてな」佐々木に言って机に頭を付けた。
 谷崎は女を傍らに蒲団に横たわっていた。谷崎は和服を着ているが、女は全裸であった。谷崎は女の黒い一角から伸びた白の太ももを擦り、「これが一番や」と言った。「エロではない美だ」と言って擦った腕を伸ばし黒に指を忍ばせた。「グロテスクではない美だ」と言って指を黒の奥へ入れた。女は喘ぎ体をくねらせ指を拒むようである。谷崎が指を抜くと拒んでいたはずの女は、谷崎の腕を掴みまた黒へ導こうとした。谷崎は女の足を大の字に開き、指を中心に入れた。女がまた喘ぎ体をくねらすと、谷崎は指を入れたまま頭を黒に近づけ舌を黒に当てた。「ナンセンスではない美だ」谷崎は言って黒から流れる水を吸った。
 佐々木に肩を揺すられて頭を上げるとユカちゃんの姿も講師の姿もなかった。机にはヨダレがべっとり広がっていた。「ユカちゃんは?」僕が聞くと、佐々木は、「さあ、てか誰それ」と言って首を傾げた。
 ビール、酎ハイ、焼酎、ジン、ウォッカ、空になった缶や瓶が部屋に転がり、雅美も同じように転がっていた。片手にビーフジャーキーを持って腹を出して床に転がっていた。僕は明日のことを考えて、雅美の口に無理やり胃腸薬を流し込んだ。「ありがとう」雅美は言って僕にビーフジャーキーを差し出した。雅美を抱えベッドに置くとまた、「ありがとう」と言って寝息を立てた。寝息は一定のリズムで小さく鳴っている。僕はウォッカを思い切って飲んだ。熱が喉を流れ、胃に広がった。頭の中がゆっくり揺れ、体の先の感覚がなくなっていく。もう一口、ウォッカを飲み、雅美の横に入った。
 短パンを脱がせ雅美の尻を出すと、僕は唾液を指に付け尻の穴に差し込んだ。指を回し穴を広げ、性器を尻にあてがった。狭く細い穴の中に、なかなか入らない。痛みを覚悟して無理やりに入れた。「う」と雅美は声を出したが意識はないようだ。僕は小さな痛みの中で何度か腰を動かした。痛みは消え、狭さと細さの摩擦の快感に果てた。尻から体を離すと白い液体が穴から流れ出た。僕は白を手に取り雅美の顔に塗った。雅美の顔は艶やかに光った。
 下の部屋で母が何か叫んでいる。また頭がおかしくなったのかと思い、僕は気にせず蒲団の中にいた。階段を上る音がして何か言われると覚悟して蒲団に包まった。「あんた、なにしてるんや。情けない。お父さんと一緒やないか。阿呆なことばっかりして」と母は叫んで蒲団を剥ぎ取った。「なんやねん」僕が言うと、「ヒモみたいなことして、あんた学生やろが情けない」と言って僕を見下ろした。「お前には関係ないやろが」僕は母に背を向け横になったまま言った。母が消えると、ユカちゃんが部屋に入ってきた。「お兄ちゃんはいいよね。自由に好きなことして、私なんか、女って理由だけでこの家に閉じ込められてるんだよ」と言って僕の腕を掴んで揺すった。「俺だって色々考えてるんや。ほっといてくれ」と言うと、ユカちゃんは口から黄緑の液体を吐き出した。「ごめんね、ごめんね」ユカちゃんは言った。
 「絶対呑みすぎた。気持ち悪い」雅美は言ってトイレに駆け込んだ。僕の首筋には黄緑の液体がねっとり付いていた。
 暑さに耐えかねて体を起こすと、雅美はいなかった。「ごはんできてるで」下の部屋から母が叫んでいる。リビングに行くと、コーヒーの匂いとパンを焼いた香りが漂っていた。母は何を急いでいるのか慌しくキッチンを動いていた。父はいつものように羽織を着てコーヒーを飲みながら新聞の文字を目で追っていた。「呉服屋の旦那がブレックファーストかよ」僕は言って父の隣に座ってパンをかじった。「モダンやがな」父は言って何が面白いのか大きく笑った。
 自分の部屋に戻ってノートを開いた。小説家になってやると密かに決めて以来、夢をノートに綴っていた。夢を見たと思ってペンを取ったが、思い出せない。夢は夢かと思ってノートを閉じた。
小鳥の鳴き声と朝の光が僕を現実世界に戻した。ベッドから出てブラピのポスターの前でヨガの体操をした。ユカちゃんは、まだベッドで細い体にシーツを巻きつけ寝息を立てている。
 強姦魔に襲われる夢を見て目が覚めた。気分が悪いままシャワーを浴びた。タオル一枚を肩に掛けブラッドピットのポスターを眺めながら煙草を吸った。煙は旋回しながら昇って消えた。

 
 
2005/05/26(Thu)18:13:52 公開 / 西鶴
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