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『なみだ(T)』 作者:きか / 未分類 未分類
全角1501文字
容量3002 bytes
原稿用紙約11.7枚




『0930攻撃開始とする。総員直ちに戦闘配備体制に付くように。繰り返す。0930・・・』


その機内アナウンスを聞いたとたんに機内が足音で騒がしくなる

ついに、あたしは戦争に来てしまった



いや



戦争を始めさせてしまったのは、あたしなんだ










とめなきゃ







――――――――――なみだ(T)――――――――――




「ユイ。お前の持ち場は38番地点らしいぜ。ってかお前まぁた召集のときサボってたろ。ほんとに軍人かぁ?」

「ウッサイわよ!!ショウゴだって軍人らしいとは御世辞にも言えないでしょうが!!」

「俺様ほど生真面目な軍人なんてこの世に存在すっかよ!?」

「何寝ボケてんのよ!!バーカバーカ!!」

「口の悪ィ女。」

「ショウゴに心配されるとはね・・・」

「ま・俺様持ち場48番地点なんだわ。大分離れちまったからこれから任務期間の二週間、サヨナラだな」



それを聞いてあたしの胸が軋むのが分かった



「・・・そ。ま・頑張って。」

「おう」



今からあたし達は戦争に行くんだ

戦いに行くんだ

命の取引しに行くんだ

ピリピリした空気が、あたし達の周りにまで漂ってきた


『総員直ちに戦闘配備体制に付け。繰り返す。総員直ちに・・・』




「・・・行かなきゃ」

「だな」

「じゃあ・また」

「おう。またな」


ショウゴの横顔が寂しそうに見えた

多分、あたしもあんな顔してるんだろう

いや、もっと酷いかも知んない

今からあたし達は戦争に行くんだ

戦いに行くんだ

命の取引しに行くんだ






死んじゃうかもしれないんだ






『総員直ちに戦闘配備体制に付け。繰り返・・・』


・・・・・・あたし、は


「ショウゴ!!」


もう歩き始めたショウゴがいつもの様に振り返った



『17地点部隊、準備完了。只今より離艦します』



「どーした?」


何処までも余裕気な、










あたしが惚れた表情





あたしが惚れたショウゴ




「あのねっ・・・」




『19地点部隊、準備完了・・・』



艦内アナウンスが鳴り響く




「あたし・・・ショウゴ・・・っ」








ダメ

今言っちゃ

今はまだ

だって

また会えるんだから

なら、今言う必要ない







いつものように、全て見透かした様な表情

「・・・続き、何?」



もうばれてるかも知れない

でも

別に今じゃなくても言えるから

今は言わない

今は

今は

「・・・終わったら、お伝えすることがある」

いつもみたいなバイバイを

しよう







苦虫踏み潰したような顔で、あたしはそう言った。

「・・・っだからっ!!ショウゴ死ぬなよ!!」


『24番地点部隊、準備完了』


「お前、そろそろ行かねぇとやべぇぞ?」


確かに。

あたしの部隊はショウゴより大分前だ。

戦争に遅刻なんて想像を絶する。

「えっ!!ぁあ!!じゃ、バイバイ!!」

遅刻だけは免れなくては

そう言ってあたしが走って廊下の角を曲がろうとしたとき

ショウゴの声が聞こえた







「聞いてやっからユイこそ死ぬなよ!!」








あぁ


やっぱりあたしは


ショウゴが好きだ


ショウゴに惚れてる


だから


戦争を終わらせて帰ってこなくちゃいけない


そして


ちゃんと言おう


この、戦争を終わらせた後で




「うんっ!!」








『27番地点部隊、準備完了・・・』





『29番地点部隊、準備完了・・・』





『32番地点部隊、準備完了・・・』




『36番地点部隊、準備完了・・・』













『38番地点部隊、準備完了。只今より離艦します。以上、部隊長ユイ・ミナト』













おわらせなきゃ


軍なんて関係ない


戦争は軍がする物じゃないんだから







「・・・おわらせなきゃ」

























2004/07/26(Mon)19:03:29 公開 / きか
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