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『微笑む太陽』 作者:遥 / 未分類 未分類
全角16730.5文字
容量33461 bytes
原稿用紙約57.15枚
 どーも最近やる気が出ねぇ。
 仮病使ってバイトサボったら、案の定クビになったし、外に出るのもメンドイからサークルにも顔出してないし。
 テレレテッテッテテーン。
 メールだ。この音はサークルのヤツだな。
  
   センパイ、最近どうしたんですか?
   みんな待ってますよー
                     ミキ
  
 後輩のミキからだった。
 このミキというのは、なんか知らんが俺になついてる、サークルの後輩だ。なかなか可愛いので悪い気はしないんだが、とゆーか結構顔も可愛いし、行動がちょっと抜けてたりする天然的なところも可愛くて、実は結構好きだったりするんだが、付き合うとかいう気にはなれない。ミキのどこかが気に入らないとかじゃない。前述の通り、むしろ気に入ってるぐらいだ。これは完全に俺の問題で、どーせ付き合ってもいつか別れる日が来る、それだったら最初っから付き合わないほうが楽だと思ってしまうからなんだ。
「別に俺がいなくても困んないだろ?」
 と返事を送ろうかと思ったが、そんなこと言ってもしょーがねぇので、返信せずに寝ることにした。

 ピーンポーン
 うるせぇな。居留守決め込もう。 さて布団に入るか。
 男は黙って全裸で睡眠だ。服を着て寝るヤツらの気が知れない。パンツ一枚とかはまだわかるが、パジャマとか着て寝るヤツらは絶対どこかおかしい。動物は皆裸、自然は皆裸なんだ。ということで俺も自然体。ビバ自然。
 そんなことを思いながら服を全部脱ぎ終わると
「いるなら返事ぐらいしなさいよねー☆」
 背後から、声がした。
 慌てて振り返ると、そこにはブレザー姿の女子高生がいた。
 どこから入った!?
 アンタ誰!?
 つか、見た!?
 何から言っていいかわからず口をパクパクさせてる俺に、さらに非現実的な台詞が飛んできた。
「こんにちは。アタシ天使です☆」
 アイタタタ。イタイよ、この人。
 他人の家に不法侵入した挙句、自称天使ですか。
 なんか非現実過ぎて、逆に頭がはっきりしてきた。とりあえずパンツ履いてケーサツに電話しよう。うん。
 パンツを履き終ってケータイに手を伸ばそうとすると、ケータイが、ない。何故か女子高生改め自称天使改めキ○ガイ女の手には見慣れたケータイが。
「オイコラ、返せ」
「ダメですよー。警察呼ばれたら困るもん☆」
 行動を読まれてたことにもムカついたが、それより言葉の語尾にいちいち「☆」がつくことに激しくムカつく。
 実際には「☆」なんて発音の仕様がないからついているわけがないんだが、このきゃぴきゃぴ(死語)した感じの語尾には、絶対「☆」がついてるはずだ。間違いない。
「ま、いろいろ言いたいことあるだろーけど、まずアタシの言うこと聞いてね☆」
 とりあえずケータイ返せ。で、「☆」やめろ。

「えっと、さっきも言ったけど、アタシは天使です☆」
「天使が何で女子高生のカッコしてるんだ。それから語尾に星つけんな」
「人間界ではこのカッコが一番モテるって聞いたから☆」
「まぁ確かにある意味真理だ。ところで語尾に星つけんな」
「えっと、今回アタシが来たのは、アナタを過去へと招待するためです☆」
「来てくれとは言ってない。それはそうと語尾に星つけんな」
「それじゃどうして過去に招待するかを説明しますね☆」
「説明は非常にありがたい。んで語尾に星つけんなと言ってるわけだが」
 俺の「星つけんな」という台詞は完全にシカトされ、この後延々と「☆」付きで説明を受けた。
 助けを呼びたくてもケータイはヤツの手に握られたままだったし、気がついたらヤツは服を足の下にキープしてやがった。逃げられねぇ。

 説明を要約するとこうだ。

 どうやらこの女子高生改め自称天使改めキ○ガイ女は、マジに天使らしい。
 んで、なんで俺のところなんかに来たかというと、俺はこのまま生きていくと地獄行きコース一直線らしいんだが、それは天国にとって都合がよくないらしい。
 何故かというと、なんでも、天国や地獄にも税金というものがあって、それによって経営(?)が成り立ってるらしいのだが、ここ数年、地獄行きの人間がものすごく増えてるらしく、その分天国行きの人間が激減していて、天国は税収も激減してるということだ。
 そこで、地獄行きになりそうなヤツを天国コースへ変更させて、天国の経営難を乗り切ろう、という計画らしい。
 ただし、天国と地獄の間にもいろんな協定があり、ムリヤリにコース変更が出来るわけではなく、ほんの少しの時間、過去に連れて行って、きっかけを与えることしか許可されていないらしい。しかも、過去に行くかどうかは、本人の自由意志だそうだ。
 天国は数万人単位の天使を地上にばら撒いて、すげー勢いで勧誘中らしい。まぁ、俺が特別選ばれたわけじゃないってことだ。
 それから、過去に行く方法なのだが、俺がこの身体のまま過去に行く事は出来ないらしい。
 時間法がどーのこーのとか、タイムパラドックスがうんぬんかんぬんらしいが、よくわからん説明をコイツの口調で聞くのは耐えられないので、とりあえず納得することにした。
 で、身体は行かれないので、意識だけで行くわけなのだが、意識だけじゃ何も出来ないので、過去の自分の身体にムリヤリ入るらしい。もちろん、過去の身体にはその時の自分の意識があるわけだから、ソイツとうまくやっていきながら身体を動かさなきゃいけないらしい。なんともメンドそうなシステムだ。
 それから、意識が過去に飛んでいる間、現在の俺の身体は意識不明状態になってしまうらしい。そのためあまり長く過去にいることは非常に危険らしい。一週間ぐらいならまず平気らしいが、あまり長くなると命を落とすこともあるとか。
 それなら、過去から戻ってきた時に、過去に旅立った直後の身体に意識を戻してくれれば良さそうなものだが、なんでも、
「精神経過時間と肉体経過時間がうんぬんかんぬんでー☆」
 とりあえず納得してやるから黙れ。
 あと、過去で死ぬと、当然今の自分はないものになるらしい。まぁ、これは当たり前だとは思う。
 それと、過去に行けるチャンスは今回一回だけらしい。このチャンスを逃すと、二度と過去に行けないということだ。

 説明終わり。

「ケーサツにもう連絡する気はないし、逃げる気もないから、とりあえず返せ」
 やっと服を着れた。コイツの説明は非常に長く、約2時間ほど裸で過ごすハメになった。風邪ひいたらどーすんだ。人間に風邪ひかせる天使なんて聞いたこともねぇぞ。

「ところで、見たか?」
「何をー?☆」
「ナニを」
「あ、うん。見たけど気にしない☆」
「俺は気にする」
「いいじゃん、ちっちゃくたって生きていけるよ☆」
 ……やっぱり小さかったのか、俺。

「……ガンバレ☆」
「やかましい!!」

「さてと。じゃ、説明も終わったし、サクっと過去行きますか☆」
 もう「☆」についてはどーでもよくなってきた。
 それより気になってることがある。
「その前に質問させろ」
「何ですかー?☆」
「天国と地獄はどう違う?」
「うーん、名前と税率かなぁ。御伽噺みたいに地獄がツライってこともないですしー☆」
「どっちの税率が高いんだ?」
「そりゃ人口の少ない天国ですよー☆」
「うむ。わかった。それじゃ帰っていいぞ。俺は寝る」
 地獄も天国も大差ないなら、わざわざリスク背負って過去に行く必要なんかねぇ。
 つーか、メンドイし。
 さ、寝よ寝よ。俺は寝るから早く帰れよ。他の人の勧誘頑張ってくれや。

「ふーん……行かないんだ。お母さんに会える最後のチャンスなのにね」

 コイツがはじめて「☆」無しで言った台詞は、俺に過去行きを決意させるには十二分な台詞だった。


 俺には母がいない。小学校2年の頃、俺を残して死んじまった。
 それからは親父が男手一つで俺を育ててくれたわけだが、俺はどーも親父を好きになれなかった。
 それは親父も一緒だったらしく、中学の頃から親子の会話というものは全く無くなっていた。
 高校卒業と同時に、当然の如く、俺は家を出た。
 現在は親父から月5万の仕送りを受けている。が、おそらく、この仕送りが終わると同時に親子の縁も切れるだろう。
 親子の縁が切れることは痛くも痒くもねーが、とりあえず仕送りは続けてほしいが。
 親父に対して愛情をもっていない俺だが、母親っ子だったわけでもない。
 ママのおっぱいが恋しくて会いにいきたいと思ったわけじゃないんだ。
 俺は何故か、母の死んだ時の記憶が無いんだ。
 病院に入院した母が比較的元気だった頃の次の記憶は、葬式が終わって母が灰になった後の記憶だ。
 母がどうやって死んでいったのか。
 どうして俺はそれを忘れているのか。
 それが気になって。
 どうしても気になって。

「小学校2年の時に連れてってくれ。母が死ぬ1週間前に連れてってくれ」

 ここで俺の意識はいったん途切れる。



 俺はえらく広いサッカー場にいた。それが小学校の校庭だと気がつくまで、少し間があった。
 なんだか身体の感覚がいつもと微妙に違って、自分の身体を見て初めて気がついた。
 そうか、俺が小さくなってるんだ。
 周りを見るとクソガキどもがボールに群がっていた。よく見ると懐かしい顔だった。
 そうか……ホントに過去に来たんだな。
 そんなことを考えていたはずだったのだが、何故俺はボールに一直線に走ってる!? うわ、止まらねぇ! おい、こら、止まりやがれ!
 どうやらサッカーは当時の俺にはものすごく魅力的だったらしく、未来から来たほうの俺の意識では全く身体を動かせなかった。いや、動かせないんじゃなくて、勝手に動いてるんだ、意識とは別に。
 電流を流されたカエルか俺は。

 結局、「よいこのみなさん、車に気をつけて帰りましょう」という夕方の放送が流れる時間までサッカーをさせられた。こんな無駄なことをしてる時間はねぇっつーのに。
 懐かしいクソガキどもと明日のサッカーの約束をしてから家に帰った。もちろん俺の意思じゃない。
 家に入ると、親父が、いた。普段なら仕事の時間のはずだ。この頃もそうだったはずだ。
 ……そうか、もうこの時は、いつ母が死ぬかわかんないぐらいの状況だったんだな。
 親父は、俺が帰ってきたのに気付くと、洗面所へと走っていった。
 この頃の俺じゃわかんなかったけど、親父、多分泣いてたんだろう。
 でも、そういう顔を俺に見せないようにしてたんだな。
 事実、俺には親父が泣いたところを見た記憶がない。母が死んだ時ですら親父は泣かなかったと思う。
 俺にはその時の記憶が無いから断定は出来ないが。
 もしかすると、俺が親父のことをキライな理由は、母が死んでも泣かないような冷徹さにあったのかもしれない。
 今じゃ全部キライだからわかんねぇけど。

 親父の作ってくれたカレーは意外と美味かった。
 カレーを食べ終わると、親父は「病院、行くか?」と聞いてきた。
「行く!」
 と、答えたつもりだった。だけど実際には、俺は自分の部屋へダッシュしていた。
 理由はわからんが、当時の俺はよほど病院嫌いだったらしい。俺は行きたいのに。

 こんな調子で、サッカーとカレーの日々が3日ほど続いた。3日の間、一度として俺の意識は当時の俺の意識に勝てなかった。

 次の日、こっちに俺がきてから4日目。
 学校で給食を食べようとしていると、担任が俺を呼んだ。
 親父が迎えに来ているから帰りなさい、とのことだ。おそらく、母の容態が急変したんだろう。
 行きたい。行きたい。
 俺は校門に向かって歩き出した。初めて、俺の意識で動けた。
 この直後、実際には、俺の意識で動いていたんじゃなかったということを、俺自身の口から知る。
「俺は病院行かない!パパ一人で行けばいいじゃん!」
 当時の俺はこの台詞をいうために校門へ行ったんだ。

 俺は親父にムリヤリ車に乗せられそうになったが、ものすごい勢いで泣き叫びながら抵抗したため、親父は断念、一人で病院へと向かった。何でそんなに病院嫌いなんだよ。
 俺は教室に戻って給食を食べた。担任の「行かなくていいの?」という言葉には反応せずに、黙々と。
 俺は行きたかった。すごく行きたかった。けど、どうしてもコイツの意識に勝てない。
 こんなんじゃ過去に来た意味ねぇじゃん!と、悩んでいると、
「アナタがお母さんがまだ死なないこと知ってるから、真剣さが足りなくて勝てないのよねー☆」
 声がした。姿は見えないが、確かにヤツの声だ。この不快な「☆」は間違いない。

 姿が無いヤツに口で話すわけにはいかないんで、以下、精神内部の会話。

「コラ、サギ天使。
 どっから話しかけてるか知らねぇが、俺はこっちに来てから一度もまともに動けねぇぞ!
 どーゆーことだゴルァ!」
「だーかーらー、説明したでしょ? 過去の意識もいるから、うまくやらないと動けないよ、ってー☆」
「こんなに動けないなんて聞いてねぇ!」
「あのねー、さっきも言ったけど、それはアナタの真剣さが足りないの。
 お母さんがまだ死なないって知ってるから、まだ会う機会はある、って思ってるから勝てないのよー☆」
「ってことは、最後の日まで自由に動けないのか?」
「んー……どうだろ。わっかんなーい☆
「それなら何でわざわざ一週間前に来たんだよ!」
「連れてって、って言ったの誰だっけー? じゃあねー☆」

 精神会話終了。
 アイツ、いつか殺す。

 夕方、サッカーを終えて家に帰ると、親父がいた。
「ママ、会いたがってたぞ。明日一緒に病院行こうな」
 親父は俺に気を使うような口調で言った。
 俺は無言で自分の部屋に向かって、

 走らせなかった。
 走らせなかった、というのは正しくないかもしれない。もしかすると、当時の俺も行きたいと思ったのかもしれない。
 それでも、あえて言う。

 走らせなかった。
 無言で頷き、俺は部屋へと歩いていった。
 初めて、俺の意思で。

 次の朝、俺がこっちに来てから5日目、言い換えれば、母が死ぬ前々日。
 俺は初めて病院へ行けた。
 もちろん、俺が今ここにいるという事は、厳密には「初めて」であるはずが無いわけだが。
 病院は薬品臭く、俺を排除したがっているように思えた。当時の俺が病院にいたくなかっただけかもしれない。俺がムリヤリ連れてきたわけだからそれは当然のことなのかもしれないが。
 長い長い病院の廊下を歩き、母の病室へと向かう。当時の俺は諦めたのか抵抗しない。
 病室に近づくと、だんだん身体が拒否を始めた。
 いやだ、行きたくない、行きたい、行かせろ、ダメ、行きたい、やだ!
 足が重い。そんな俺を見て親父が心配そうな目で見ている。
 俺は行きたいんだよ。大丈夫だからそんな目で見んな。行きたくない、行きたくないよ、パパ。
 病室の前に着いた。やだよ、やだよ、いやだ、行くんだ、いやだ、やだよ!
 俺は、病室に、



 入った。


 面会謝絶の札の掛かるドアが開くと、母と思われる人が寝ていた。
 頬は痩せこけ、髪は乱れ、顔色は悪く、俺の記憶している母のイメージと違いすぎて、一瞬、この人が母であることがわからなかった。
「こんなのママじゃない!」
 俺が勝手に叫んだ。
 この時ばかりは、当時の俺をうらやましく思った。
 俺はあの人と母が同一人物だとはわかっていた。当時の俺もわかっていたはずだ。
 だけど、認めたくなかった。認めたくなかったんだよ。

 俺は病室を飛び出して、どこへ向かってかわからないけど、必死に、走っていた。
 泣きながら。

 気がつくと、屋上にいた。
 屋上の風に吹かれながらいろいろ考えた。
 俺は、俺があんなに病院を嫌がった理由がわかった気がした。
 俺は母が死ぬことを認めたくなかったんだ。
 いつか母は家に帰ってきて、入院前と同じような生活が出来る、そう信じていたかったんだ。
 そして、それが無理ということが、わかっていたんだ。わかっていたから、認めたくなかったんだ。

 しばらくすると、随分探したんだろう、汗だくになった親父が迎えに来た。
「ママは薬で寝てるけど、起きてる時にあんなこと言ったら、ママ、悲しむぞ」
 叱られると思っていたのに、親父はそう言いながら、俺を抱きしめた。
 親父の肩が、震えていた。

 6日目は土曜日だった。
 今は週休二日制だが、この頃は土曜日に午前中だけの授業があった。
 午前中の授業が終わり、家に着くなり、俺は親父にこう言った。俺の意思で。
「パパ、病院連れてって」

 病室で寝ている人は、やはり、母だった。
 母じゃないはずがないのに、やっぱり母だとわかると、涙が、止まらなかった。
 あぁ、俺は、こんなにも母が大好きだったんだ。母が大好きで、大好きで、どうしても死ぬと認めたくなくて、会えなくて、死んでしまった後も、死んだって認めたくなくて、死んでしまった時の記憶を封印してしまったぐらい、
 こんなにもママが大好きだったんだ。

 俺がママの布団を掴みながら泣いていると、親父がこんなことを教えてくれた。

「お前には今まで言ってなかったけど、ママはね、すごく苦しい病気にかかってるんだ。
 ガンっていってね、手術してもらっても治らないことの方が多い病気なんだ。
 その手術もすごく苦しいんだ。痛くて痛くてすごく苦しいんだ。
 だけど、ママはね、お前と一緒にいたいから、お前と一緒に生きたいからって言って、
 何回も、何回も、手術したんだ。頑張ったんだよ。すっごく頑張ったんだよ。
 でもね、ダメだったんだ。
 もう、手術出来ないんだって。もう、身体がボロボロなんだって。
 今、ママが寝てるのはね、あの鼻のチューブからお薬が出ててね、それで眠ってるんだよ。
 起きてるとね、痛くて痛くて苦しいんだ。寝たくても、お薬がないと、痛くて眠れないんだ。
 だからお薬でずっと寝かしといてあげようね。
 もう、ママとはお話できないかもしれないけど、
 ママが痛いの、ママが苦しいの、かわいそうだもんね。」

 「わかった」
 って、言えたと思う。
 涙がどんどん出てきて、鼻水もどんどん出てきて、何を言ったかわかんなかったけど。
 でも、俺も、当時の俺も、
 「わかった」
 って、言えてたと思う。絶対に。

「今日は病院に泊まろうか」と親父が言ってきた。
 俺は理由を知っていた。さっき親父と医者が話してるのが聞こえたんだ。
 当時の俺には理解できなかっただろうけど、俺には医者の発した言葉の意味がはっきりわかってた。
「今夜が峠でしょう」

 俺はママのそばを離れなかった。
 時々親父が「タバコ吸ってくる」と言って席を立っていたが、何故か親父からは一度もタバコの臭いはしなかった。
 それで、思い出した。
 俺が喧嘩したりして泣いて帰ると、親父はよくこう言ってたんだ。
「いいか。男は痛かったり悲しかったりしても泣いちゃいけないんだ。
 泣いていいのは、泣くほど嬉しい事があった時だけなんだ」
 だから親父は俺に涙を見せなかったんだね。
 タバコを吸うフリをして、泣きに行ってたんだね。
 親父、アンタかっこいいよ。俺はなんでアンタのことキライになったんだろう。
 こんなに優しくて強い人だったのに。

 午後九時ごろになって親父が
「おなかすいただろ」
 と言ってパンを買ってきてくれたが、俺は食べる気にならなかった。
「食べないのか?」
 と心配そうに親父が聞いてきたけど、俺は黙ってママを見ていた。
 親父はそれ以上何も言わなかった。
 親父も、食べなかった。
 それからは、ただ無言でじっとママを見つめていた。
 俺も俺も親父も。

 そして、

 運命の日が、来た。



 午前0時を回った。
 今日、ママは死ぬ。
 俺はママの死んだ正確な時刻を知らない。
 小学二年の俺の身体は睡眠を欲していたが、そんなものにかまってる場合じゃなかった。

 午前1時を回った。
 親父はイスに座りながら眠っては起き、眠っては起きを繰り返してる。
 親父はいつママが死ぬか知らない。
 親父は今日ママが死ぬことを知らない。
 だから、少しぐらい寝てしまうのは仕方のないことなんだと思う。

 午前2時を回った。
 眠い。とにかく眠い。
 普段の俺だったら、これからが本領発揮の時間だが、小学二年のこの身体には相当キツイ。
 親父は何度か「お前も少し寝ろ」と優しく言ってくる。
 今日ママが死んじゃうのに寝てるヒマなんてあるかよ!
 ……とは言えないから、俺は黙ってママを見つめていた。

 午前3時を回っていた。
 ちくしょう、どうやら眠ってしまっていたらしい。
 よかった。心電図はまだ動いてる。ママはまだ生きてる。

 午前4時を回った。
 何事もない。
 今日死ぬというのはホントなのか?
 もしかしたら、今日じゃなかったんじゃないのか?
 あのダメ天使、間違った日に俺を連れてきたんじゃないのか?
 そんなことを考えていたら、おなかが鳴った。
 親父が昨日買ってきてくれたパンを食べた。

 午前5時を回っていた。
 また少し眠ってしまったらしい。
 どうやら親父も同じだったようだ。
 でも、俺達は同時に起きた。

 心電図の異常音という、最悪の目覚ましで。

 親父が急いでナースコールを押した。
 看護婦や医者が駆けつけ、俺を振り払い、ママの蘇生を試みる。
 心臓マッサージや電気ショックが繰り返される。
 俺は何も出来ず、ただ拳を握り締めて、祈ってただけだった。

 ママは息を吹き返した。
 ママはまだ死んでいない。
 でも、多分、今度もしこうなったら、きっと、
 死ぬ。
 死んじゃう。
 また死んじゃうんだ。
 ママ。あんなに元気だったのに。
 ママじゃないみたいになって、僕のこともわからないで、お別れも言えなくて。
 僕が来なかったから、僕が来なかったから。
 そうだ、そう言ってた。
 …言ってたって誰が? いつ?

 何かが弾けた。

 あぁ、そうだ。
 全部、思い出したよ。
 ママが死んだ時の事を――







 小学校二年の俺。
 今のこの状態じゃなく、遠い昔の俺。
 ママが死ぬ三日前の夜、親父が俺に聞いてきたんだ。
「ママ、会いたがってたぞ。明日一緒に病院行こうな」って。
 それで、俺はダッシュで自分の部屋に逃げたんだ。病気のママに会いたくなくて。元気に戻ってくるその日まで会いたくなくて。
 だから、ママが死ぬ二日前、俺は病院に行かなかったんだ。
 そして、いつもどおりサッカーをやって、いつもどおりに帰ったんだ。
 家に帰っても、親父はいなくて、「ママのところに行ってくる」ってメモと、作り置きのカレーだけがあった。俺は一人でそれを食べながら親父を待ってたんだ。でも、夜中になっても親父は帰ってこなかったんだ
 いつの間にか寝てしまってた俺を親父が起こした。もう朝になってた。ママが死ぬ前日だった。
 まだ半分寝ぼけている俺に親父は優しくこう言ったんだ。
「今日は学校を休んで病院へ行こう」
 俺はどうしてもママに会いたくなかった。病気のママを見たくなかったんだ。病気と認めたくなかったんだ。
 だから俺は、「やだ!」って言って走って逃げようとした。
 そしたら、親父に捕まった。
 その時の親父の顔は、鬼のようだった。初めて見る顔だった。
 そして親父は、
「病院へ行くんだ!」
 って、怒鳴ったんだ。
 俺はその親父がただ怖くて、怖くて、震えてた。
 そして病院へ連れて行かれたんだ。

 病院の駐車場で車から降りてから病室までの間、俺はずっと大暴れしながら泣き叫んでた。
 ママに会ったらママが病気になっちゃう、ママがホントに病気になっちゃうから!って。
 それでも親父は、俺の手をがっちり握って、ママの所へとムリヤリ連れて行ったんだ。

 病室のベッドの上にいる人は知らない人だった。ママじゃなかった。絶対ママじゃなかった。ママはあんなに痩せこけてない。ママは鼻に変なチューブみたいなの入れてない。ママは僕に気付かないはずがない。ママじゃない。ママじゃない。
 だけど親父が
「ママ、会いに来たよ」
 なんて言うから、俺は思わず叫んだんだ。
「こんなのママじゃない!」
 直後、俺は親父にひっぱたかれた。一度も叩かれたことなんて、怒られたことなんてなかったのに。
 そして、親父は、鬼の形相で、こう怒鳴ったんだ。

「ママだよ! わかってるだろ! ママだよ!
 お前のことをずっと待ってたんだよ!
 ずっと待って、ずっと頑張って、苦しくても頑張って、
 でもお前が来ないから、ママはもう頑張れなくなっちゃったんだ!
 待って待って待ってたけど、お前がずっと来ないから、ママはもう疲れちゃって、
 二度と起きられなくなっちゃったんだよ!
 お前がずっと来ないから!!」

 あぁ、親父の気持ち、今ならわかるよ。俺でも、殴る。もしかしたら殺しちまうかもしれない。
 でも、多分この時の俺は、これで親父を嫌いになったんだ。
 ずっと優しかった親父が、いきなり豹変したから、鬼になったから。
 ずっと愛されてて、愛してたのに裏切られたような気がしたから。

 それで俺は、走って病室を飛び出したんだ。

 泣きながら、メチャクチャに走った。
 そして、気がつくと俺は海にいたんだ。
 病院は海のすぐ傍に建っていたが、この時は、病院が見えないぐらいまで遠くにいた。
 俺は多分、海岸沿いをずっと走って逃げたんだ。
 親父は追いかけてこなかった。いや、多分追いかけたんだろうけど、見失ったんだと思う。
 でも、親父はホントに俺のことをいらなくなったんだって、そう思ったんだ。

 ママは死んでいなくなっちゃう。
 親父は鬼になっちゃった。
 俺は両親を一気に失った気分になって、そして、生きていくのがイヤになって、
 海に、入っていったんだ。冬の冷たい海に。
 泣きながら。



 気がつくと知らない人の家の布団に寝かされていた。
 俺が起き上がろうとしたら、知らないおじさんが、
「まだ寝てろ。いいからまだ寝てろ。」
 と言って、俺を強引に横にさせた。
 俺は死にたかったのに。
 でも、この時の布団がとても暖かかったのを覚えてる。

 次に目が覚めた時も、おじさんは俺を寝かせようとしたけど、
「もう大丈夫。起きる。トイレ行きたい」
 って俺が言うと、トイレまで手を引いて連れて行ってくれた。
 トイレから出ると知らないおばさんがいた。
「僕、暖かいもの作ったけど、食べる?」
 おなかがすいてた俺はおばさんに黙って頷いた。

 温かい鍋を食べてる間中、おばさんは俺に質問をしてきてた。
「名前はなんていうの?」
「おうちはどこなの?」
「どこの学校に通ってるの?」
 俺は何も答えなかった。
「お父さんとお母さんはどうしたの?」
 この質問をされた後、俺は大暴れをしたんだ。
 泣きながら手足をバタバタさせて、全てを拒否するように。
 もう、あの人達の子供じゃないと思ってたから。


 翌朝、警察が来た。
 この家の人が通報したからなのか、親父が捜索願でも出していたからなのかわからないが、俺は、親父のところに帰された。
 親父はまた俺をひっぱたいた。


 ママは、もう死んでいた。








 全てを思い出した俺は、ママに謝りたくて、ただママに謝りたくて、ママに抱きついて叫んだ。

「ママ! ごめんね!
 ずっと来れなくてごめんね!
 俺、怖かったんだ。ママに会うの怖かったんだ!
 ママがホントに帰ってこれなくなっちゃうんじゃないかって思って!
 ママ、ごめんね!
 会いたかった、会いたかったんだ!
 ママ! ママ!
 大好きだよ、ママ!
 ごめんね! ごめんね!
 ずっとごめんね、ごめんね!
 ママ! 死んじゃやだよ!
 俺、来たよ!
 だから、死んじゃやだよ!
 ママ! ママ! ママ!!」



「泣いちゃダメ。男の子でしょ」



 ……ママ?
 ママの声?
 でも、ママは薬で眠ってて、起きられないはず。
 だけど、ママの声だよ。絶対そうだ。俺が間違うはずが無い。
 疑いながらもママの顔を見ると、
 
 奇跡が起きていた。

 薬で深い眠りについていたはずのママが、目を開けている。
 痩せこけた頬、乱れた髪。でも、俺の知ってるママの顔で、ママがこっちを見てる。

「ほら、鼻水拭きなさい。拓海はいつまで経っても泣き虫なんだから。
 ダメだぞ、男の子でしょ」

 ママが、喋った!

「……ごめんね、拓海。
 ママね、拓海がすごく大好きで、拓海といっぱい生きたくて、いっぱい頑張ったんだけど、
 もうね、拓海とお別れしなきゃいけなくなっちゃったんだ。
 ごめんね。ホントにごめんね。」

 やだよ、やだよ、ママ。

「拓海、大好きだよ。ホントにホントに大好きだよ。
 ママね、もうすぐ拓海には見えなくなっちゃうけど、ずっとね、ずっと拓海を見てるからね。
 拓海を守ってるからね。
 だから、パパと、強く生きてね。
 拓海、大好きだよ。」

 ママ! ママ! ママ! 大好きだよ! 大好きだよ!
 ずっと、大好きだよ!
 ずっと来れなくてごめんね、ごめんね!
 強くなる、約束するから! もう泣かないから!

 涙と鼻水としゃっくりで、言葉がうまく出せない。
 
「うん。ママと約束だからね。ずっと見てるからね」

 わかったよ、ママ。


「あなた……ごめんなさい。拓海を、お願いね」
「わかった。心配するな。」

 親父がどこから話してるのかなんかわからない。
 俺にはママしか見えない。

「拓海……大好きだよ」

 うん、うん。
 僕も大好きだよ!





 ……ママ!?
 ママ!! ママ!! ママ!!
 ママ!!!!!!



「ご臨終です」
 病室に医者の低い声が響いた。



 俺と親父とママは一緒に家に帰った。わかっていたけれど、望んでいない状態で。
 ママは葬儀屋の人に部屋に運ばれていき、親父は家に着くなり、親戚や知人への電話に追われた。
 やることの無い俺は自分の部屋へ戻った。

 ママが死んでしまった。わかっていたことなのに、こんなに、こんなにも悲しい。
 でも、最後に話せて、よかった。
 ママは俺をキライになっていなくなったんじゃなかった。
 ママは俺を大好きで、ずっと、ずっと見ててくれてるんだ。
 ママ、俺、頑張るよ。親父と二人で、頑張るよ。
 きっと、強く生きていける。いや、絶対強く生きていくから。
 だから、心配しないで大丈夫だよ。

 聞こえるかどうかはわからないけど、俺は心でママに話しかけた。
 きっと聞こえるよね、ママ。

「うーん、こーゆー時ってどう声をかけたらいいんだろー?
 私この仕事初めてだからよくわかんないのよねー。
 えっとー、とりあえず、そろそろ帰りませんかー?☆」

 相変わらず激しくムカつく口調で、ヤツが話しかけてきた。
 雰囲気をわきまえないコイツをぶん殴ってやりたかったが、ママに会わせてくれたからとりあえず許してやろう。
「そうだな。そろそろ帰るか。連れてきてくれてマジ感謝してる。ところでいい加減語尾に星つけんな」





 気がつくと、そこは病院のベッドの上だった。

「センパイ、大丈夫ですか!? わかりますか!?
 先生! 看護婦さん! センパイが目を覚ましました!」
 何故かベッドの横にいたミキは、俺が目を覚ましたのを確認すると病室の外へと走っていった。
 相変わらずミキはドジだな。ナースコール押せばいいのに。あー、こーゆートコ可愛いよなぁ、ミキって。
 そんなことを考えてたら
「拓海、大丈夫か?」
 親父が話しかけてきた。いたのか親父。って、何でいるんだ? 今、何時だ? 
 時計を見ると10時37分を示していた。外は明るい。普段なら仕事の時間のはずだ。
「親父、何でここに?」
「何でって、お前が突然ぶっ倒れて、そのまま意識不明だって聞いたから来たんだ」
 そうか、俺が過去に行ってた間、俺の身体は意識不明だったんだ。
 ってことは、親父、一週間もここにいたのか!?
「親父……心配かけて悪かった。ところで、仕事はいいのか?」
「なぁに、有給がたっぷり残ってたからな。たまには使ってもいいだろ」
「……ありがとう、親父」
 親父に対してこんなに素直に礼を言ったのは初めてかもしれない。話をするのだって何年かぶりだろう。
 なぁ、親父、俺アンタが好きだよ。あんなに大っ嫌いだったけど、今は何で嫌いだったのかもわかんないよ。恥ずかしくて言葉には出来ないけどさ。
「なんだ、お前、やっぱりどっかおかしいのか? 普段なら礼なんて言わないだろ」
 そうか、俺は過去に行ってた間に親父を嫌いじゃなくなったけど、こっちじゃ何も変わってないんだもんな。そりゃ、こんなこといきなり言ったら変に思われるよな。
 でも、俺は親父とこれからうまくやっていきたい。ママとも約束したしな。「親父と二人で頑張る」って。
 だから、恥ずかしくっても、言おう。
「なぁ、親父」
「どうした?」
「俺……俺、アンタが好きだよ」
 こんなこと言われるなんて思ってもみなかっただろうな、親父。
 そんなことを思ってた俺に、思ってもみなかった言葉が返ってきた。
「知ってるぞ、そんなこと。どうした今更」
「は!?」
「おいおい、お前はずっと父親っ子だっただろ。今更何驚いてるんだ」
「はぁぁ!?」
「おい、ホントに大丈夫か?」
 どうやら、過去が少し変わったせいで、親子の関係にも変化があったらしい。
 俺が困惑していると、医者と看護婦を連れてミキが走って戻ってきた。
「センパイ!お医者さん連れてきました!」
 見ればわかる。
「看護婦さんも連れてきました!」
 それも見ればわかる。ミキ、お前……可愛いなぁ。
 堪えきれなくなって俺は腹を抱えて笑い出してしまった。
 俺が笑ったのをみて、ミキは安心して座り込んでしまった。
 親父もミキの行動がツボにハマったらしく、ゲラゲラ笑っている。
 連れてこられた医者と看護婦は呆れ顔で、
「それだけ元気なら大丈夫でしょう。
 一応検査しますので、もう少し入院してもらうことになりますが」
 と言い残して去っていった。

「あ、そうそう。言い忘れてたことがあるんだけどー☆」
 出たな、妖怪。また声だけかキサマ。
「えっとねー、過去がちょっと変わったせいで、現在の状況にもちょっとした変化があるはずだからー。
 例えば、親子仲、とっても良くなってるしねー。
 こういうちょっとしたことがいっぱいあるから、頑張って自分で探してみてねー☆」
 オイ、待てコラ、自分で探せって何だ!
 俺の問いには答えず、ヤツはとっとと姿を消していた。
 もともと声だけで話しかけてきてるから、姿は無いんだが。

 まぁいい。それより、俺には今、もっと重要な事がある。こっちに戻ってくる時に、決意したことがあるんだ。
 俺は今まで、愛なんて信じちゃいなかった。男女交際なんてバカげてる、どうせ別れるんだから付き合っても意味が無いだろうと思っていた。
 でも、今はそうは思わない。
 ママも親父も俺を嫌いじゃなかったことがわかった。俺を愛してくれていたことが、いや、今でも愛してくれていることがわかった。今なら俺は愛を信じられる。愛を信じられるから、ミキに、告白をしようと決意したんだ。
 でもいざ言葉にしようとするとドキドキするな……コラ、静まれ心臓! って、よく考えたら俺、告白なんてしたことねぇよ。うわ、どうしよ。どう言ったらいいんだ? えぇい、何でもいい、言ったれ!
「ミキ!」
「な、なんですか、センパイ?」
 突然俺に大声で呼ばれて、ミキはものすごく驚いた顔をしている。
 あぁ、ちくしょう。静まれ心臓。言え、言うんだ、俺!
「俺、俺……」
「はい。センパイがどうかしましたか?」
 ミキはすごく不思議そうな顔で俺を見ている。
 気付けよ。雰囲気で悟れよ。察してくれよ。でも、言わなきゃわかんねぇよな。えぇい!
「俺、お前が好きだ! 付き合ってほしい! 俺の彼女になってくれ!」





 俺は今、精密検査を受けている。
 あの告白の直後、ミキにナースコールを押され、医者と看護婦を呼ばれた。
 今度は走っていかなかった。成長したな、ミキ……って、そうじゃねぇだろ。
 俺の告白はどうなったんだよ? なんでナースコール押してんだよ?
「お前、大丈夫か? ミキちゃんとは付き合ってもう半年だろ」
 親父が俺の疑問に答えてくれた。
 どうやら、俺は既にミキと付き合っているらしい。この様子だと親公認っぽい。
 あのクソ天使、こういう重要なことは言っておけよ。
「あー、付き合ってた、うん、付き合ってた。ミキ、悪ぃ、付き合ってたわ、うん」
 俺はなんとか半泣きのミキを誤魔化そうとしたのだが、直後に医者が登場。
 記憶障害の疑いをかけられ、今に至る、というわけだ。仕方が無いのでおとなしく精密検査に付き合うことにした。
 しかし、異常が無いとわかってる検査ほど暇なものは無い。
 あのクソ天使がしっかり説明していけばこんなことにはならなかったんだ。
 そう思うと怒りがふつふつとこみ上げてくる。

「あ、そうそう。ミキちゃんとお幸せにー☆」
 現在俺の中の『殺したいランキング』をぶっちぎりで一位独走中の、ヤツが現れた。もちろん、声だけだが。
 以下、精神内部の会話。

「クォラ、貴様。どの面下げて出てきやがった」
「どの面って、顔出してないじゃんー☆」
「やかましい!お前、なんでこんな重要なこと黙ってた!」
「聞かれなかったからー☆」
「確かに聞かなかった。それは認める……なら、聞いたら何でも答えるんだな。」
「さぁねー☆」
「……一つだけ聞かせろ」
「何をー?☆」
「ママ……母は、今、天国にいるのか?」
「あれだけ『ママ!ママ!』って言っといて、今更『母』だってー。
 拓海ちゃん、かっこつけてもしょうがないよー?☆」
「やかましい! さっさと答えんかぃ!」
「へー。それが他人に物を聞く態度なんだー☆」
「すみません。教えてください。僕はママのことが知りたいです。お願いします。天使様」
「心がこもってなーい☆」

 殺す。いつか絶対殺す。

 この後、ご丁寧に「☆」付きで説明をしてくれた。俺の血圧は確実に急上昇したことだろう。検査結果に影響しなければいいんだが。

 ヤツの説明によると、どうやらママ……母は、天国にいるらしい。まぁ、地獄に落ちるような人だとは思えなかったから当然だろう。天国では元気にやってるらしい。死んでるのに「元気に」もあったもんじゃないが。さらに、天国では結構有名人らしく、長者番付にも何度か顔を出したらしい。母にいったい何があったんだろうか。
 それから、これは聞いてもいないのに教えてくれたんだが、どうやら俺は、地獄行き確定は免れたらしい。かといって天国に確実に行ける訳でもない。この後俺がどう生きるか、で決まるとのことだ。
「なら、お前がここに来た意味無かったな。ざまぁみやがれ」
 という俺に、ヤツは素敵な返答をしてきた。
 元々、俺は地獄行き確定なんかじゃなかった、いや、俺だけでなくほとんどの人間が「地獄行き確定」ということはないらしい。ただ、そういったほうが勧誘成功率が高いということで、天国のマニュアルには「あんた地獄行き確定です、というと成功率上がるぞ☆」と書いてあるとのことだ。勧誘して過去を見せると、大抵の人間は天国行きになるように生きようと頑張るらしく、
「アナタも見事にそれにひっかかったってワケ☆」



 病院の皆様、精密検査中にもかかわらず、突然大暴れしてごめんなさい。
 親父様、ミキ様、心配そうな目で見るのはやめてください。俺は大丈夫です。精神病などではありません。
 だから、再検査のプランを念入りに練るのはやめてください。入院伸ばすとか言わないでください。
 そして天使様、一つだけお願いがあります。
 一度でいいのでぶっ殺させてください。マジ頼みます。お前のせいでブチギレちまっただろが、ゴルァ!!



 この後、なんとか俺が正常だということをわかってもらい、入院がちょっと長引くだけ、ということで済んだ。
 親父とミキには「ホントに大丈夫だから! なんかあったらすぐ連絡行くようにしてもらったから!」と言って、半ば強引に帰ってもらった。
 俺は大人しくテレビを見ていたのだが、昼のテレビは激しくつまらなく、すぐに飽きた。
 ふと外を見ると、空は青く、とてもいい天気だった。

 天国はあの辺にあるのかな。
 天国か……税金が高いのはイヤだけど、ママにもう一回会えるなら、天国も悪くねぇな。
 天国に行けるように生きていくか。ヤツの思い通りになるのはしゃくだけど、ママとも約束したしな。強く生きるって。頑張るって。頑張って生きていれば、天国に行けるだろ、きっと。
 ママ、大丈夫だよ、俺。

 空を見ながらそんなことを思っていたら、

「待ってるからね、拓海」

 ママの声が聞こえた気がした。
 いや、確かに聞こえた。

「すぐには行けないよ」
 笑いながら俺がそう言うと、
 ママの代わりに、太陽が微笑んでいた。




  【終】





























「あんな小っちゃいのじゃミキちゃん可哀想だなー☆」
「やかましい!」


2004/05/28(Fri)23:52:26 公開 /
http://tdl.to/faraway/
■この作品の著作権は遥さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これが最終更新となります。
多数の感想と200点を超える得点、ありがとうございました。

あとがき代わりに「微笑む太陽 うちあげ」というものを書きました。
小説の書き方ではないのでこちらに書き込むことは出来ませんが、もし興味がありましたら
http://tdl.to/faraway/story/utiage.htm
こちらにUPしましたので、読んでみてください。




これは私の処女作です。

皆様からの感想、批評、叱咤激励を受け、無事完成させることが出来ました。私一人の力では不可能だったことだと思います。
蘇芳様、雫様、晶様、笑子様、卍丸様、オレンジ様、朔様、湯田様、朱色様、春一様、九邪様、ならびに最後まで読んでくださった皆様に心よりお礼申し上げます。



感想へのレスです。
本当にありがとうございましたm(_ _)m

>蘇芳様
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
投稿用に段落などをチェックしてから投稿したのですが、「☆」の事まで頭がまわっていませんでした。
この作品では「☆」を使った掛け合いなどがあるので、修正はちょっと難しいですが、次の作品を書く時には記号は用いないようにしようと思います。

ここから2回目のレスです。
「☆」については、今回はもう諦めてます。代用策が思いつかなくて(^^;) 得点も付けていただけたことですし、最後まで読んでいただけるように頑張っていきたいと思います。

ここから3回目のレスです。
「☆」についての言及、していただけて嬉しかったです。書き手がどういう気持ちで書いたとしても、読み手がそれを拒否すればそれまで、という基本的なことを思い出させていただきました。とても感謝しております。 えと、畏怖も尊敬もしないでください(汗) 皆様に育てていただいた結果がこの作品ですので(^^;) 楽しんでいただけたのは作者として最高の喜びです。ありがとうございましたm(_ _)m


>雫様
雫様の「読むな!」の一ファンの遥です(笑)
私の文章を読んでもらえるなんて思ってなかったのに、その上感想まで、しかも「めちゃめちゃ面白い」なんて言ってもらえちゃって、興奮しまくってます(笑)
とても嬉しかったので、明日UP予定だったのに今日UPしちゃいました(^^;)
天国と地獄の設定については、「この世が地獄じゃないなら、あの世ってのも捨てたもんじゃなさそうだ」というような台詞をどこかで聞いた記憶があって、それで「じゃ、あの世に行っても税金とかあったりして」と思って考えてみました。死んでまで税金払うのイヤですよー。やっぱりこの世は地獄かも(笑)

ここから2回目のレスです。
今回の追加分もシリアス気味です。というか、過去編は殆どシリアスになってしまうのではないかと(^^;)
主人公の記憶が無い理由については、ご想像にお任せします。どうなるかはわかりません(笑)

ここから3回目のレスです。
アイデア褒めていただいて嬉しいです。実はこのアイデアは比較的早い段階で決まってました。昔の身体に入るのに、今の意識で自由に動けたら何でも出来ちゃって困るから何か制限を、と思って考えたものです。結果的にとてもいい枷になってくれて、いい味が出たな、と尾思ってます。
それから、続きは今夜UPするのですが、先に言っておきますと、書きながら泣きました(笑) 是非涙してください(笑)

ここから4回目のレスです。
脱字指摘ありがとうございました。あのシーンで脱字はないだろー……って感じですね(^^;) この後どうなるかについては、もう決まっていたりします。明日のUPをお待ちください。わざと気になるところで止めました(鬼)

ここから5回目のレスです。
一番好き、といっていただけて、めちゃめちゃ喜んじゃいました。本当にありがとうございます。ただいま小躍り中です(笑) えと、続けたい、という気持ちもあるのですが、続けようが無く、どうしても次回で最終回となってしまいます。皆様からこの物語についての感想をいただけるのも、次回が最後だと思うととても残念です。

ここから6回目のレスです。
「死んでいた」までが主人公の回想(遠い昔の記憶)で、その次からは今経験しているシーンになっています。というわけで、「死んでいた」は主人公の遠い昔、「薬で眠っている」のは今経験していること、となります。わかりづらくてすみませんです(^^;) 最終回は少しほのぼのした感じになっています。天使ちゃんはシリアスシーンではあまり出せないので(笑)

ここから7回目のレスです。
最多回数の感想カキコ、ありがとうございました。とても励みとなりました。 天国のマニュアルの「☆」については、何も考えずに書いちゃいました(汗) 天使がみんなあんなのだったらイヤだなぁ……(^^;) すごい新人、なんて言っていただけてとてもびっくりです。皆様の文章に比べたら、恥ずかしいぐらいの文章しかかけないので、これから頑張っていきたいと思います。 次回作はいつ書くかわかりませんが、その時はまた良い感想をいただけるような作品を作りたいと思います。


>晶様
「☆」の説明不足についての指摘、ありがとうございます。
私はよくチャットをしてるのですが、ふざけたりした時に「○○だよねー☆」とかいう発言をして遊んだりしてます。
その感覚で書いてしまったのですが、私以外の方々がどういう風に受け取るかについての配慮が出来てませんでした。
こういう指摘はとてもありがたいです。次の作品を書くときには気をつけたいと思います。
それから、点数についてなのですが、4点もいただいちゃって、かなり嬉しいです(笑)
皮肉とかじゃなく、読んでいただけて、感想まで書いていただけて、得点までいれていただけただなんて、それだけで励みになっちゃいます(^^)

ここから2回目のレスです。
長い文章の時テンポが狂っていますか……ありがとうございます。テンポは私にとって最重要なことなので、こういう感想はとてもありがたいです。しっかり読み返して、次につなげたいと思います。 天使は故意に後方支援に徹させてます。天使に出来ることは過去へ送るだけ、という天国地獄間の協定があるから、ということもありますが、主人公に己の力でなんとかしてほしかったから、という親心もあります(笑)


>笑子様
主人公、私も気に入ってるんですよ。だから、気に入ってもらえて嬉しいです(^^)
でも、実際に友達だったらちょっとイヤかも(笑)
クリスマスキャロルは読んだことが無いんですが(汗)名作に似ているといわれるのはちょっと嬉しいかもです。

ここから2回目のレスです。
こちらはホンモノです。ニセモノが一時期ありましたが、管理人様が削除してくださったみたいです。ご迷惑をお掛けしましたm(_ _)m 安心して得点をいれてやってください。とても喜びますので(笑)

ここから3回目のレスです。
おかげさまで完結させることが出来ました。
私もどちらかというと転生派なのですが、今回は「天使」を描いたので「天国」が必要かな、と思ってこうしてみました。死んでまで税金払うのはイヤ過ぎですよー(笑) 次回朔、いつ書くことになるかはわかりませんが、頑張ろうと思います。ありがとうございました。


>卍丸様
ノリの良さを褒められるのは、私にとって一番嬉しい事なんです。ありがとうございます。
というのも、私が小説や映画を見る際に一番重要視するのが「テンポ」だからです。なのでこの作品を書くときも、テンポを良くしよう、と思って書いています。
文章は「荒削り」どころか、全然削られてない状態かもしれないです(笑)

ここから2回目のレスです。
サブタイトルは苦し紛れでした(笑) 「何話」という区切りがうまく出来なかったのですが、「連載中」じゃなんだか味気ない、と思って、サブタイトルという形にしてみたんです。
重さと軽さ、ですが、これから重さに少し偏ってくるかもしれません。天使ちゃんが出るといきなり軽くなるんですけどね(笑)

ここから3回目のレスです。
文章表現を褒めていただきありがとうございます。でも、これは私が自分で成長したものではなく、登竜門の皆様に成長させていただいたものだと思っています。本当にありがとうございますm(_ _)m

ここから4回目のレスです。
おかげさまで完結させることが出来ました。
独特な個性、と言っていただけて嬉しいです。どうせ書くなら個性のある作品が書きたいな、と思っていましたので、すごくすごく嬉しいです。 次回作はいつ書くことになるかわかりませんが、がんばります。ありがとうございました。


>オレンジ様
ノリのいいコメディを書きたいと思ったりすると、ふざけてるだけじゃ実がないと思ってしまう。シリアスを書きたいと思ったりすると、マジメなだけじゃつまらないと思ってしまう。そんなわけでこんな形になってしまっています。
アイデアは、ちょっといきあたりばったり的なところもあるのですが、褒めていただけて嬉しいです(^^)

ここから2回目のレスです。
処女作でこれほど納得のいく物が書けたのは、私の力ではなく皆様のおかげです。本当にありがとうございました。 途中がシリアスで悲しい話だった分、最後は和んで皆ハッピーにしたいな、と思って、できるだけほのぼのとさせてみました。好感持っていただけてとても嬉しいです(^^)


>朔様
軽いノリで読んでいただけるように心がけているのですが、これから先ちょっと重くなるかもです(汗)
好きなノリと言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます(^^)

ここから2回目のレスです。
一気に読んでいただけたの嬉しいです(^^) ママに会えてホントに良かったですよね。昔は会えなかったまま死んじゃったから……って、作者の私が「良かったですよね」ってのも変ですね(笑)

ここから3回目のレスです。
おかげさまで完結させることが出来ました。
天使ちゃんはシリーズ化したいと思っていますが、こちらの登竜門に天使ちゃんがまた出ることはないと思います。同じ設定での物語ではなく、違う設定の物語で、自分自身を成長させたいな、と思っています。 朔様の作品を読ませていただきましたが、私にはあの繊細さが真似できないと思います。私も朔様がうらやましいです(^^) 次回作はいつ書くことになるかわかりませんが、がんばります。ありがとうございました。


>湯田様
主人公は私もお気に入りですが、友達にはほしくないタイプかも(笑) ノリが好きといってもらえて嬉しいです(^^) おそらく、あと1,2回の更新で完結します。頑張ります。

ここから2回目のレスです。
予測不可能だったのは、作者自身もそうだったりします(笑) キャラクターが勝手に動いてしまい、収拾つけるのに苦労しました(^^;) 気持ちの良い終わり方と褒めていただけて嬉しいです。私は気持ちの良くない終わり方の本などを読むと、しばらくイライラしちゃうようなタイプなので、自分の描く話は気持ちよく終わらせたいと思っています。この作品ではそれが出来て、とても満足です(^^) 次回作はいつ書けるかわかりませんが、頑張ろうと思います。


>朱色様
主人公、やる気なすぎですよね、最初(笑) あれが友達だったら確実に殴ってます。グーで(笑) もしホントに天国地獄に税金あるとしたら、絶対死にたくないですよね(笑) アイデア褒めてくださってありがとうございます(^^)


>春一様
天使ちゃん口調ですねー☆(笑) 文章表現褒めていただきありがとうございます。登竜門の皆様に育てていただいて、少しマトモな文章が書けるようになってきました。主人公が何故記憶を閉ざしたかについて、微妙に描写しきれていない感がありますが、今の私にはこれが精一杯です。おそらく期待に添えなかったと思います(^^;) 


>九邪様
私は書きながら涙と鼻水としゃっくりでうまくかけませんでした(笑) でも、ホントに書きながら泣きました。ママの台詞とか、もう、「うあー、ママー、しんじゃだめだー」とか思いながらボロボロ泣きつつ(笑) 私の願望としては死んでほしくなかったのですが、もうキャラが勝手に動いちゃって・・・結果、こうなってしまいました(^^;)

ここから2回目のレスです。
おかげさまで完結させることが出来ました。
告白のシーン、ちょっと悩みました(^^;) でも、キャラクターのみんなが生き生きと勝手に動いてくれたので、いいシーンに仕上がったな、なんて思ってます(笑) タイトルの「微笑む太陽」はもちろん最後の一文からでした。ママが死んでしまうにしろ、何か奇跡が起こるにしろ、最後は「太陽が微笑んでいた」で締めるつもりでした(^^) 次回作はいつ書くことになるかわかりませんが、がんばります。ありがとうございました。




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ここから感想ログです。

このサブ・タイトルに一瞬、なんじゃこりゃ!?と思いましたが、実はこういうセンスは大好きだったりして(笑。本編を読んで納得。純粋に面白かったです!細かいこと抜きで、ストレートに楽しい。また、ギャグとシリアスとの使い分け(軽さと重さ)がうまくストーリーを支えているなぁ、と感じました。これからも読ませていただきます!!
2004-05-25 09:06:49 6点 卍丸
過去の意識にしばらく勝てないで見てるだけしかないっていうのがすごく悲しく、かつ良いアイディアですね。お父さんが病院行くか?って聞いて主人公は行きたいのに部屋へと閉じこもってしまうシーン。お父さんのことを考えるとすごく悲しかったです。天使を殺そうと決めた主人公に笑いました。天使って生きてるのかな? うーん、なんだかすごく悲しいお話になる予感。涙出るかも……もうすでにウルウル気味だし。物語の内容が面白すぎて、文章がどうとか指摘する気すら失せますね。次回も超楽しみにしてます!
2004-05-25 05:13:45 8点 雫
軽いノリで読めてとてもおもしろいです。こういうノリはとても好きですね。文字離れが危ぶまれている昨今、このようなライトな作品はとてもよいと思います。続きもがんばってください
2004-05-25 00:44:01 10点 朔
はじめまして、読ませていただきました、意外とシリアスな話で、ああうまいなと思いました。物語のアイデアも独特で面白いです。処女作でこの表現力はすごいなあと、何だか褒めてばっかりだな。ただ、ライトノベルとか読んだこと無いので「☆」はちょっと気になりますねえ。代わりを示せと言われても思いつかないので、これもアリなのかなあと思いますけどね。
2004-05-24 21:28:59 6点 オレンジ
この際ですから「☆」は放っておきましょう。この際どうでもいいですよ、いい意味で。描写不足か? と思うところもありますが、テンポのよさで先へ先へと読ませられます。続きの展開が楽しみです。 今は様子見と言う事で、点数は低めにしておきますね(^_^ 完結したら正式に点数をつけますんで。それでは
2004-05-24 19:58:52 3点 蘇芳
読ませていただきました。とにかくノリが良いですねー!!こういう元気な小説、好きです。文章的にはまだまだ荒削りな部分もありますが、台詞やテンポの良さに独特なセンスを感じました。主人公のキャラも良いですね!
2004-05-24 19:26:56 5点 卍丸
クリスマス・キャロルみたいですね。あれは名作でした。続きが楽しみです。主人公の性格にも好感が持てます。関係ありませんが、雫さんの推測に感服笑。
2004-05-24 17:05:13 3点 笑子
今回の追加分はシリアスですね。母が死んだ原因を知らないのはその時に未来の主人公の魂が入っていたからでは?と推測。続き楽しみに待ってます。今回は短めだったので点数低めで。
2004-05-24 11:22:53 5点 雫
ごめんなさい。間違えてエンター押しました(汗) 「☆」なんですが、使用としては、強いて制限は無いと思いますが、読者にその記号の意味を雰囲気だけで伝えようとしているのかな? でしたら説明がやや不足気味だと思いました。初めて使われる際も、背後から、声がしたとだけしか、どんな声か説明されていない点でしょうか。話のテンポは良いです。また掛け合いや冷めた主人公も良いかと。現時点では第一印象のような感想ですので、点数は低めですがあまり気にしないでください。続きも頑張ってください。
2004-05-23 21:26:44 4点 晶
[
2004-05-23 21:18:57 0点 晶
わぁ!感想もらったので読んでみようと思ったら面白い!!主人公の性格すっごくいいですね、語尾に星つけんな連発にめちゃくちゃ爆笑しちゃいましたよー!☆がなければこの物語は面白みが半減しちゃうと思います。なんで使ったらいけないんでしょうね?文法的に使ってはいけないのは知っていますけど何故だろう。ライトノベル小説とかでは、よく記号見かけますけど。女子高生姿の女の子の前で全裸でいる主人公ってw想像しただけで笑えます。天国と地獄の設定がすっごく良いです!オリジナリティー溢れてますね。ちゃんと疑問に思うことも説明してくれていて、説明のしようがないことは「うんぬんかんぬん」で逃げている。うまいです(笑)「何をー」「ナニを」の駆け合いがめっちゃ面白い!この物語のキモは天使と主人公の掛け合いではないでしょうか!本当によく出来ていて最高に面白すぎます。私のツボにどんぴしゃですよ!天使の最後のセリフにドキッとしました。主人公が過去へ行く理由付けが巧いですね。私は母と子の物語にめちゃくちゃ弱いので次回、本気で楽しみですよぉ!早めの更新よろしくお願いします!!
2004-05-23 19:58:11 10点 雫
原則として☆などの記号を用いる事は、如何なる場合であろうと許容されるものでは無いと思います。ですが作風はやけに冷めててリアルなので、じつは結構好きです。
2004-05-23 18:53:18 0点 蘇芳
合計 60点
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