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『小さな体で大きく悩む 〜1〜』 作者:ハルジオン / 未分類 未分類
全角1274文字
容量2548 bytes
原稿用紙約4.3枚
はじめに

僕はあの一日を一生忘れることはないだろう。
あんなに不思議な夢はいままでにみたことがなかったし、なにより自分にヒントをあたえてくれた
今を生きる僕はこの時代の風を追い風にしていきたい。そして悩んで悩んで…
悩んで喜んで…山あり谷ありの人生。それがあたりまえなのだけれど、なんだかうれしくなった。



1・流されて消えそうになった

最近の僕はなんか心がフラフラして親に反抗していた。自分は普通と思っていても外の目はわからない。
それが怖くて影にかくれている。それだけは分かるんだけど。あっちのことはよくわからない。
それが当然。そう思って前を見ていこうと思っていた矢先、友達がニヤニヤして古臭い教室の本を読んでいる僕に
話しかけてきた。

「お前、タバコすったことあるか?」

「えっ」

僕は思った。未だ中1だぞ。そんなことする分けないじゃないか。しかも今オレには「本」というものがある
ながされないように、ながされないように、と思いながら目をあっちへこっちへさせていた。

「おい、返事くらいしろよ」

なんだかそいつは冷や汗をかいたような目でグイグイおしてくる。

「そんなことあるわけないだろ」
「そうだよな、そりゃそうだ、お前みたいな普通人がそんなことするわけないよな。実はな、あいつ…」

だんだん小さくなる声に耳をドキドキしながら澄ました。

「お前の前の席のおとなしい‘藤原’っているだろ。あいつはネットでヤバイサイトに飛んじゃったらしくてさぁ
いまもそのサイトの管理人にひどく押されて流されているらしいぞ。」

「マジかよ!あの藤原が!!あいつ、ぶっ飛ばしてやる」

僕がそんなことをおもうには訳がある。あいつはおれと仲がいいのだ。小学校3年から同じクラスになって
それから同じ趣味の’パソコン’の話題で盛り上がっていた。いつも一緒に行動して親にも「たまには他の
こと遊んだら。」なんていわれるくらい。一緒だった。
でも、あの藤原が…

僕はおどろきを通り越して怒りへ移り変わってきた。
僕はすべてがやりきれなくなった。すべてがボヤボヤとしてしまってやる気にならない。

藤原が笑顔で僕に話しかけてきた。
「ねぇ。いいサイト発見したんだけどアドレスおしえてあげようか?」

「えっ」

僕は戸惑った。怒りが不安になってきた。どうしよう。
遠慮したらあっちはなにを察しるだろうか。まさか…なんてあっちに思われたらお先真っ暗だぜ。

「どうした?調子でも悪いのか?」

いつものやさしい藤原が不安そうな目で僕の顔を覗き込む。

「いやっ大丈夫だから。心配しないで」

僕はそっと胸をなでおろした。鳥肌がたって震えが来て。ため息がでた。
僕は心の中でそっとおもった。疑問。

「これからもあいつとなかよくするにはこのことをだれかに言ったほうがいいのか?それともだまっていて
知らないままいままでの環境を築いていくか。どれが友情なんだろう?」

今日は朝から大きな疑問がうまれてしまったな。
今日はもうはやく布団にはいりたい。

もうすぐ苦闘の一時間目が始まる。明日のテスト対策の情報らしい。
2004/04/27(Tue)17:29:14 公開 / ハルジオン
■この作品の著作権はハルジオンさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
すこしずつ大きくなっていく心と体でたくさんの難問にぶつかる。これでもか。と不安と罵声と暴力。あの一日がなければ。
そんな作品です。続アリ。
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