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『STONES  one』 作者:ルイ / 未分類 未分類
全角530文字
容量1060 bytes
原稿用紙約2.85枚
あんなに抱き合った彼氏にもう会えない。
つまらん愚痴を聞いてくれた親にも会えない。
相談にのってくれたダチにも会えない。


おまけにコースケとかっつー奴。
あたしの体借りて、どっかいっちゃった。


ズルいズルいズルい。



--−-なんて我侭、誰も聞いてくれやしない--−-


一面霧の世界のような感じ。
誰も踏み入れてはいけない、そんな雰囲気が漂う。


「あたしだって・・・・いってやる!」


無駄な勇気をつれて、あたしは脳の考えも体中に回らないまま、
雲の切れ間に飛び込んでいった。


ふわっ

ふわっ


一旦木綿のように、色彩のないアタシ。


上空100bくらい。見覚えのある顔が脳裏をさえぎった。


「潤??」


毛布の毛がたくさんついた飴玉をなめたような、もどかしい気持ちになった。

「潤!!あたしだよー??」


潤の顔を平手で触っても、腹の腹筋に力を込めたパンチをしても、気づいてくれはしない。

平気で歩く潤。


「見えない???」

色彩のないアタシは、妙な達成感を覚えた。これがアタシ??


ワックスで立っている髪に、脂汗がじとっとしている潤の髪。


「ふん!上等ジャン。ついてくかぁ。」



そんな色彩のないアタシが、色彩のアル潤の後ろをついていく。





悪夢の、ハジマリ。
2004/04/22(Thu)23:25:41 公開 / ルイ
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