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『水色の水』 作者:アカレト / 未分類 未分類
全角2479文字
容量4958 bytes
原稿用紙約13.4枚
1話,ほんとのあほ

スースー・・・。


・・・・・?。

スースー・・・。

・・・・!?。


あほだ・・。


平成14年,7月,6日。明日は七夕。特に意味はない。それより,今あたしのとなりで正真正銘のあほがいる。
その名は原田亦:ハラダエキである。変な名前だ。

私はと言うとエキの隣の席である,朝永小夜:トモナガサヨだ。今,あたしはものすごいピンチなのだ。

なぜかというと国語の盥:タライがものすごい顔でエキの顔を睨んでいるからだ。

盥は怒るとチョークを投げる。そして当たらない。

そのチョークは大抵,後ろの人か隣の人かに命中する。コントロールがいいのか悪いのか・・・。

睨んでいる盥をよそにエキはグースカ寝てるのだ。お願いだから,起きてほしい。
「俺は探しているんだ」   寝言だ。

何を探してるんだ!?国語の教科書か!?お前の大好きなレーズンパンか!?


ゴッ!!!・・? !!!なんとエキの寝言は盥に聞こえており,寝言で盥がきれたのだ。そして盥のチョークは案の定,寝続けているエキの後ろの小西に当たった。

あほだ。


そのとき,あたしはエキがあたしにとってどんな人物でもなかった。


空で羽ばたく鳥のように・・・。



<ある日のエキとサヨ>



「サヨって何が好き?」


「・・・はい!?」



ある日のエキとあたしの会話である。

でも,意味がわからない。


いきなり何が好きと言われてもふつうの人間は答えない。 というか答えられない。


食べ物なのか花なのかスポーツなのか,人間なにか聞きたいことがあるときは
それをなにか特定してから聞くものだ。でも,こいつは違う。

あたしがいろいろ考えていると


「なぁなぁサヨって何が好き?好きなものはないの〜?おれはねぇレーーズンパン!!!」


なんだそれ・・・。

まるで小学生が質問してるみたいな聞き方を2回もいいやがった。また,何を聞きたいか特定できていない。

そのうえ,聞いてもいないことを言い出す。うるさいなぁ〜・・・
それにそんなに力んで言わなくても知ってる。いつも自分でいってるじゃないか・・。



それからエキをみてみたら,あたしに飽きてまた寝ている。





やっぱりエキはあほである。






2話,意外な事実




また寝てる。 3時間目のの数学も寝ていた。その前の2時間目の技術も寝ていた。


よく寝るなぁ〜・・・。


これだけ寝られるとある意味,尊敬してしまう。脳みそが溶けないのだろうか?



なんて思いながらエキを見ているとチャイムが鳴った。


「サヨ!サヨ!」


上を見上げるとあたしの友達の,胡宮紘弥:クルミヤヒロヤがいた。女の子だ。男の子みたいな名前だけど。

でも,それはヒロヤの前では禁句である。



「そんな冷たい目してエキ見てないの!!!エキ,これでもがんばってるんだよ!!!」

がんばってる・・?何をがんばっているんだ?

「がんばっている?どういう意味?ヒロヤ?」

「こォラァ〜〜!!サヨはまたヒロヤっていう〜!ヒロでいいのぉ!!!」
といいながらあたしの頬を引っ張る。


あ,しまった。なんて思いながらヒロの顔を見る。まだ怒っている様子で頬をふくらましている。

こんなことをいうヒロだがあたしの良き友達である。


「ねぇ?何をがんばっているって?」



「あぁ!!そのことなんだけど,実はね・・・」



「え?」



なんてことだろう。こんなことがあるなんて!!?








3話,そんな彼を・・・。





あたしの友達,ヒロヤがいったことをあたしは考えた。





「あのね,エキのねお母さんてね何年か前に出ていったんだって。でね,そのお母

さんってエキのことをとてもかわいがってたんだって。なのになんで出て行ったと

思う?







エキのお父さんの話聞いたことある?特別なにがすごいってわけじゃなかったんだ

けど,優しいお父さんだたんだって。でも,ある日エキのお母さんが買い物帰り道

に人が倒れてたの。その人をよく見るとエキのおばあちゃんだんだって。それで

ね,エキのお母さんが駆け寄ろうとしたとき向こうから見覚えのある車がすごいス

ピードできたんだって。その見覚えのある車はエキのおばあちゃんの上を何回も進

んで戻ってしながら轢いていたんだって。びっくりしたエキのお母さんがいること


もしらずにね,その車の中のエキのお父さんは笑いながら去っていったんだっ


て。」






「ねぇ,サヨ,この話には続きがあって・・・,




「・・・・。」



「あたしがこの話を知ってるのはちょうどその現場にいたエキのおにいちゃんが撮ったビデオを見たからなんだよ」








本当のあほはあたしかもしれない・・・・・。













4話,ある日,突然,そのように。








私は考えた。私なりに考えた。でも・・・・。





私の友達,ヒロヤの話を頭でまとめてみた。

ありえない。こんな事が現実にあっていいのだろうか?

エキの祖母をエキの父親が車で轢くのをエキの母親が見ていた。そのうえ,それをビデオに撮っていたエキの兄。






それから私の隣で寝てばかりいるエキ。









そんなことになってたことも知らない私。

いや,知らなくて当然だが・・・。







っっっ!!!

がっっっっ!!!

ーーーー!?


「お前,俺の授業を寝ながら聞いているのはどういう意味だぁぁぁl!!!寝たいならろうかで立って寝ろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」



「・・・・はい。」








私の額は赤くチョークのカタがついていた。

盥の狙った人に年に何発しか当たらないチョークを私は奇跡?的にくらってしまった。


私に言った盥の怒鳴り声にエキはいつものように寝たままだった。


妙にその顔が悲しそうに見えてそれでいて怒りさえあるように私は見えた。







エキを哀れんではない。



尊敬してる訳でも同情してる訳でもない。前のようにただのあほだとも思っていない。


ただ,ただ・・・・・・。















あたしが聞いたヒロヤの話はまだ終わってはいなかったのだ。






続く。

















2004/04/23(Fri)19:47:28 公開 / アカレト
■この作品の著作権はアカレトさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
短!!!相変わらずで・・・。自分はもっと集中力を高めないといけませんね(笑)

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