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『私の先生6  香水、ベルガモットの香り』 作者:ぱちこ / 未分類 未分類
全角1472.5文字
容量2945 bytes
原稿用紙約4.9枚
ぬぐってもぬぐっても無くならない涙は一体どこに辿りつくのだろうか?
激しい嗚咽感、激しい動機、激しい想い。自分のベッドの上でずっと泣いていた。
先生のことは、絶対諦るってどこか心の中で決めていた。
でも、いったん好きになったものはしょうがないんだよ。一方通行なんだよ。

あの黒い髪、眼鏡。良く似合うあのスーツ。
手を伸ばしたらすぐに触れられそうなあの唇。
微妙に付けてる香水。「その香水、ミドルの時の香りが好き。」
なんてふざけた事言って見たら微妙に恥ずかしがってたな。
ドっと思い出す事ばっかりで自分でも何がなんだか良くわからなかった。

「先生あいしてる〜・・・」
ボフっと枕に顔を埋めて、息を止める。
このまま息が止まってしまえばいいのに。そうすればもう悩まなくて済むのに。
でもそしたら先生の顔みれないからいやだなぁ。
やっぱり私の恋愛、一方通行みたいね。

次の朝当たり前の様に朝食を取る。当たり前の様に学校へ行く。
当たり前の様に社会化教員室に入る。ちょっとドアをあける手が震える気がした。
「西先生おっはよーございまーす。」
「おはよう。」
「あは!今日はちゃんと挨拶してくれた!」
「・・・」
あ、やっぱり昨日のこと、気にしてる?
「あのですねー。先生。期待させないでっつーのは冗談ですねん。
 あれは所詮高校生のガキの言葉の冗談やねん。」
「お前いつから関西の出身になった?」
あーあ。また嫌なツッコミ入れちゃってさぁ。微妙に傷つくんだよね・・。

傷付けて、傷つけられて。
言葉返して、返されて。当たり前の事がだんだん辛くなってくる。
「・・・今日社会小テストだからな。勉強しとけよ。」
「はいはい。じゃぁ、さよなら。」

小テスト。むずかしかったけどもまぁ西先生だからいっか。なんて平凡な事を
ずっと考えてました。
今日の小テスト。20点満点中18点。すごいよ自分。先生、見直してくれたかな。
ねぇ先生は私のテスト見てくれてる?お、こいつ頑張ってるな。って思ってる?
私どんどんがんばるから。ねぇ、見捨てないで。


そんなこんなであっというまに1日は過ぎてく。先生と過ごす時も減っていく。
今日、先生とすれ違ったらいつもの香水のにおいがした。
ベルガモットのすがすがしい匂い。一瞬の快楽。
思わず先生のほうに振り帰る私。先生も振り向いてくれたらいいのに。
そういえば、最近先生の笑顔見てないなぁ。
今度笑わせてやろうかなぁ。


「あー。疲れた・・・。帰ったら寝よ。」
夕暮れの帰り道携帯の着信がなる。メールだ。パカと携帯をあけてメールを拝見。
そこには私の目を疑わせる文があった。

『やっほ!ゆみだよ。大ニュース!!西先生、音楽の山口先生と結婚すんだって!
 あんたどうすんの!?これ、教員室の前でこっそり聞いたからホントの話だよ。
 あ〜。結婚しちゃうのかぁ〜・・・』

いつもの他愛ないメール。でも今はナイフのように尖ってて私の息の根を止める
様に突き刺さる。息が出来ない。
え?結婚?結婚?何それ・・・。
山口先生というのは綺麗な先生。私も尊敬できる先生。声も綺麗、性格も綺麗。
普通の人なら「おにあいだよ!」なんていうんだろう。でも私は違う。
「・・・そんな・・・」
やっと口から出てきた言葉は情けない言葉だった。声が震えるなんて久々だ。

足が進まない。家へ向うべきか西先生がいる学校へ向うべきか。
こんなとき、どうすればいい?
ドクンドクンと脈打つ体。今にも崩れ落ちそうな足。


激しい苦しみに溺れて、溺れていくの。
溺れてく私を助けてくれるのは西先生と信じてる。

信じてた。
2004/01/07(Wed)00:18:44 公開 / ぱちこ
■この作品の著作権はぱちこさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あー。どうしましょう・・・・。
多分もうすぐ終わります。
感想、批判、よろしくおねがいします。
それでは!
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