『月夏〜げっか〜 序章』作者:葵 琉娃 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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            「月夏〜げっか〜」
                     葵 琉娃


            序章「吸血鬼の少女」
  
それは、十六歳の夏の話だった。忘れられない大事な大事なお話。
 吸血鬼に会った。昔から湊に住んでいると聞いたが本当に会えると思わなかった。
 天狗にも会った。いい形で会ったのでは、無く敵として会ってしまった。
 なによりも吸血鬼一族の一人と出会ったのがこの話の切欠にもなる。
 その吸血鬼一族の一人は、人間と吸血鬼の混血だった。
 他にも出会い、別れなどたくさんある。それをこれから話そう。
                
  〜それは運命ではなく運命だった〜

 八月に入り、七月より暑くなってきた。この時期が真夏と言うのだろうか。
 今日は、年に一度の湊神社の湊祭。更に今は、夜。暑さなんてそんなに感じないはずだ。
「はあ……思った以上に人混みが多くて暑い……」
小さい頃から人混みは、嫌いだった。だから祭は、あまり苦手である。
「大丈夫?光夜君」
俺の名前は、三日月 光夜。俺に心配を掛けているのが幼なじみの長篠 櫻。
「ああ多分、大丈夫だよ」
「無理は、しないでくださいね」
心配性と言うのかお節介なのか良く分からないのは、同じように幼なじみの四季乃 真冬である。
「そうだな、じゃあ何処かで少し休むか。人のあまり居ないところが良い」
「湊橋は、どうかな?」
「そうね、あそこなら人が少なそうだわ。」
そう言う訳で湊橋に行くことにした。この時は、まだお祭気分で居たから。
 櫻と真冬の言った通り湊橋は、人が少なかった。居ると言えば小さい子ども連れの家族や、祭から帰る途中の人達ぐらいであった。
「静かだな。後此処は、涼しい」
「そうだね。聞こえるのは、川の音だけ」
「……そうは、いかないみたいよ。光夜、櫻」
挟むようにして真冬が言ってきた。
「どうした、何かあったのか?」
「人の叫び声が聞こえた」
真冬は、普通の人の数倍聴覚が良い。そのため色々と耳に入るらしい。
「何処でだ?」
「湊の森の中だわ」
「行ってみよう」
何か事件が起っていたら大変なので行ってみることにした。
 この時から何か変った予感がしていたが……
 声のした場所に着いた俺達は、無言になった。
「これは?」
「斬られている……」
人が横腹を切られている。何があったのかは、わからないが、
「斬られていると言う事は、殺人?」
その時、物音がした。俺も櫻もこれには、気が付いていた。
 俺は、懐から短刀を出し。物音の正体が現れるのを待った。
ガサガサッ バタッ
もう一度音がしたら今度は、木から何かが落ちてきた。
「おい、大丈夫か?」
だがそいつも、斬られては居ないが腹が裂けていた。更にそいつは人間じゃ、なかった。顔が鬼の様に赤く鼻は、長く。本で見たことがある。これは、そう、
「天狗?」
「そうです。これは、天狗です。」
それに答えるかのように誰かの声が聞こえる。
「誰だ?」
木の上から今度は、何かが降りてきた。
 俺は短刀を構える。
「ま、待って斬らないで。私は、どちらかと言うと味方です」
(次々と何なんだ?今木から降りてきたのは、女の子だな。見たところ俺達と同じ歳ぐらいだ。巫女さん見たいな格好に長い爪、牙がある。天狗の次は、まさか。)
「見たところ吸血鬼の様に見えますが?」
俺が言おうとした質問を真冬が質問する。
「はい。確かに私は、吸血鬼です。しかし、人間と吸血鬼の混血です。更に人の血は、嫌いです。大丈夫吸いませんよ」
「何やら話がややこしくなってきたな。此処じゃなんだから家で話そうか」
「私達もご一緒します。ね、櫻」
「勿論です」
 ふと気が付いたこと言った。
「そう言えば天狗の死体と人の死体が消えている」
今さっきまで自分達の前にあったはずの死体がしらない話をしている内に消えている。
「自然埋葬されたんですよ。人間が天狗に殺されれば死体は、自然に帰ってしまうのです。同じように吸血鬼に殺された天狗も自然に帰っていきます。帰ると言っても霊がですけどね」
「なるほどな」
 そうして色々話している内に家に着いた。
 家に入ると俺達は、庭と夜空が見える廊下に行った。そこに座って話すことにした。
「じゃあ自己紹介して貰おうかな。櫻、真冬、お茶出してくれるか」
「わかりました」
そう言うと台所の方へ向かっていった。
 「私の名前は、満月(みつき)。吸血鬼一族夏夢の物です、父が人間で母が吸血鬼でした。」
「満月か、よろしく。俺は、三日月 光夜。さっきの二人の髪が肩ぐらいまで伸びていて子供っぽいのが長篠 櫻そして髪の長くて大人っぽいのが四季乃真冬だ」
「わかりました、でさっきの話の続きですが私達一族には、縄張を争う敵が居ます」
「天狗一族だな」
これは、さっきまでの成り行きを見て分かる。
「はい。織田 紅月率いる天狗一族赤城です」
はあと光夜は、ため息をつく。
「なあ?」
「はい?」
「そろそろ、その喋り方やめてくれこっちもそれに合わすのが疲れる」
満月の口調に合わすのが疲れてきたのではっきり言った。
「はい、じゃあ光夜さっそくだけど。私達一族は、今縄張争いでたくさん仲間を亡くし人手不足なの」
「俺達がその天狗一族と戦えと?」
「そうよ」
「俺は、まだしも。櫻たちを巻き込むのは、望ましくないぞ」
「その事なら心配しないで光夜君」
「そうよ、たまには、自分の心配もしなさいよ」
「確かに俺達は、並程度の人間じゃないが……良いんだな?」
櫻と真冬は、頷く。
「ありがとう、光夜」 
「此処まで聞いて協力しないのもなんだろ?まあ今日は、もう遅いからな。大事な話は、明日に回そう。櫻、真冬泊まって行くか?」
「うん、そうする」
「じゃあ、満月を部屋に連れて行ってあげてくれ」
「はい」
夜も深くなってきているのでそろそろ、詳しい話は、明日に回し寝ることにする。

 「ねえ、本当に此処で良いの?」
「大丈夫よ……きっと」
「きっと、って何よ」
「転送したのは、私じゃなくて夏中尉なんだから。中尉に言ってよね」
 森の中で二人の女の愉快な会話が響きわたる。
2004-02-12 11:02:09公開 / 作者:葵 琉娃
■この作品の著作権は葵 琉娃さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どうも葵 琉娃です
もう少し長く調整していましたので
注意点などありましたらお気軽にお書き下さい
この作品に対する感想 - 昇順
どうも初めまして、率直ですが少し描写が薄いと思います。吸血鬼と人間の混血と聞いた時、某アニメを思い出してしまいました、次回も頑張って下さい。
2004-02-11 13:26:12【☆☆☆☆☆】辭狐
拝読しました。まず、誤字を一つ見つけました。序章なのでなんともいえませんがやはり描写が少ないです。いまいちよくわかりませんでした。(←人のこといえない(汗)
2004-02-11 14:39:58【★★☆☆☆】星月夜 雪渓
なかなかおもしろいかなと思いました。ですが、もう少し推敲して頂けたらと思います。「いい形で会ったのでは、無く敵として会ってしまった。」「ふと気が付いたこと言った。」この二つの文章には脱字があるのではないのでしょうか。今一度確認をしていただけると嬉しいです。ちょっとおかしな文章なので(^_^;)。それから、この作品独特の語句ですね。「吸血鬼一族夏夢の物」や「天狗一族赤城」など、作品独特の設定に説明がなさ過ぎだと思います。読者の皆様が作品の中に入り込むために、これらの説明はいるものだと思います。描写についてはこれから少しづつでも上手くなっていけばいいかと思います。続きも頑張って書いていってください。
2004-02-11 21:54:55【☆☆☆☆☆】エテナ
計:2点
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