- 『CHESS第一話』作者:黒歌鳥 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約3.6枚
バベルの図書館――過去、現在、未来に書かれた、又は書かれるであろう
書物を全て収めている仮想空間。中心に置かれた台座を囲むように延々と本棚が連なっている。そしてその台座に置かれた本の名前は・・・・・・。
――『真理』
午後4時半、天門高校3-A。放課後の教室に響く叫び声。
「文月、今日は勘弁してくれっ!」
「絶対駄目。 私は神父様に用事があるの」
土下座までして謝っているのは『春夏秋冬 葉月(ひととせ はづき)』
それを殺気に満ちた目で見ているのは『春夏秋冬 文月(ひととせ ふつき)』
苗字から解る通り、二人は姉弟であり・・・・・・双子だった。
文月が手に持っているのは弓道着と袴 ―― 女物であり、
それを着るよう葉月に怒鳴っていた。ようは用事があるから代わりに部活に
出ろ。と言う事だった。葉月にしては良い迷惑だ。
身長、体重、首辺りまであるクセのある黒髪、藍色の瞳、体のラインetc・・・。
全てが酷似している。無論男女間における差――胸部や下腹部、そして声帯。
は違いがあるのだが、葉月が声音を高くすると文月と差別がつかなくなり、
体型を補うために胴衣にはパットが添えつけられてたりする。
「お前なぁ!俺の至福の時間はどうなるんだ!!」
葉月は読書狂であり陸上部も引退した今、毎日を読書に費やし至福に浸っていた。得意分野は神話学。大学もそっち方面に行くつもりだった。
「・・・あぁ。行かないっていうのなら母さんに、芸も無くベットの下に隠してある×××の事、話してもいいんだけど?」
「・・・・・・。 わかった」
「なら良し。早く着替えてさっさと行きなさい。」
「・・・・・・。 はぃ」
小さい頃から、双子なはずの姉に影武者となるべく(強制)訓練されたのでもう逆らう事が出来ない。弱みも握られている。
「畜生・・・・・・。覚えてろ文月」
しぶしぶ着替え、鏡の前に立つ。改めて似ていると思った。
「・・・というか似すぎだな。はぁ、だから神は嫌いなんだ。ふぅ・・・行くかぁ」
午後7時、学校からの帰り道。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ。 疲れたぁぁぁ・・・。」
きゃあきゃあ騒ぐ後輩。楽しいが厳しい練習。告白してくる男子生徒。
・・・殴ってやったが。 を誤魔化し、適当にあしらってやっと帰路につけた。
「帰ったら文月に文句言って・・・それから貯めといた本をまとめ読みするか」
そぅ。本!本が俺を待っている!そう思うと自然に頬が緩む。と、ふと違和感を覚えた。いつも行き帰りしている通学路。なのになにかが違う。
「・・・・・・こんな所に道あったっけか?」
見慣れない道が一本伸びていた。先は暗い闇に包まれていて見えない。
「ふむ。」
知識欲、もとい好奇心は止まらない。葉月はその道に入って行った。
「・・・うぉぉ・・・。なんじゃこりゃ・・・すげぇ・・・。」
一本道の先にあったのは巨大な館。扉には『開館中』の札。文字がかすれてよく読めなかったが確かに『図書館』の文字が見て取れた。
「こんなところに図書館なんかあったっけか・・・。まぁいいや。寄ってこ」
おもいがけない幸運に嬉々としながら中に入る葉月。
ギイィィィと音をたてて閉まる扉。だがよく見ると札にはこう書いてあった。
−―『バベルの図書館』と。 - 2004-02-01 19:41:06公開 / 作者:黒歌鳥
■この作品の著作権は黒歌鳥さんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
神話をモチーフにかくつもりです。
初投稿&駄文ですいません;。
※かすかにアレンジ加えています。
以後よろしくです。
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はじめまして。神話がモチーフということで、興味津々で読ませていただきました。これから物語がどのように進展していくのか楽しみです。一つ気になったのは、葉月と文月の区別がつかなかったことでしょうか。私の読み方が悪いせいかもしれませんが(汗)。二人の名前紹介のところで、葉月の名前が先にあり、文月の名前が後に書いてあったことから、葉月がお姉さんで文月が弟なのかなと思ったのですが。……逆でしょうか?(汗)ちょっと察しがつかないので、どっちが女の子でどっちが男の子なのかを教えてください(滝汗)。う〜ん……ほんとに読み込みの足りない奴で申し訳ないです。でもこれからも応援しておりますので頑張ってくださいね。
2004-02-01 23:59:50【☆☆☆☆☆】エテナあ。すいません;「葉月」が弟、「文月」が姉です。文月=7月、葉月=8月なので、文月は7/31日(終わるギリギリ)。葉月は8/1日(なったばかり)生まれです。2004-02-02 14:46:55【☆☆☆☆☆】黒歌鳥計:0点
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