『顔をあげればほらそこには君がいる。 ?2』作者:バナナ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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その野良犬は、すっかり佐奈になついた。

でも、すでに佐奈の家には6匹の犬。そして3羽のインコ。

こんな家にもう一匹なんて無理だ。

佐奈はわかっていたけれど、この犬がとてもかわいそうでならなかった。

「ゴン、お母さんに頼んでみるね。」

佐奈はもう犬にゴンと言う名前を付けた。

理由は泣き声が何故か「ゴ〜〜〜〜〜ン!!」に聞こえるからだ。

――――その夜

「お母さんなんて嫌いっ、大嫌い!」

佐奈の顔が真っ赤になった。

「もうこんな家出てってやる!」

『佐奈の部屋』と書いてある戸をバンッと開け、財布、去年のお年玉が二万入った袋、上着、みちるから貰ったマフラー、手袋、レジャーシートをカバンの中へ入れて部屋を出ました。

リビングでは六匹の犬達が心配そうに見ている。

佐奈は犬達に心配かけまい、と微笑んだ。

そして家を何も言わず、出て行った。


顔には冷たい風が吹いてあたってくる。

どこで寝よう。

「寒いよ、助けて。」

野良犬のところへ向かう。

お母さんとのケンカの原因はやっぱりさっきの野良犬のこと。

実を言うとお母さんは動物嫌いだ。

今は無理矢理飼っている。

佐奈は5歳のとき、段ボール箱に4匹子犬が入っていたのを見つけ、家に持って帰った。

その時お母さんは腰を抜かすほどビックリし、「ダメ」ときつく言った。

佐奈は泣きまくり、そして部屋に閉じこまった。

どんなにお腹が空いても食べずにいた。

そして、しょうがなく飼わせてもらった。

犬の4匹のうち2匹が赤ちゃんを5匹産んだ。でも3匹死んでしまった。

だから今は六匹だ。

別に七匹になっても変わらないと、佐奈は思う。

なのにお母さんは・・・・・・・・・・・。

もうっ!

地面を足で蹴った。思いっきり。

ドン、と鈍い音が響く。

あ・・・・・・・。

ドキンッ。

「みちる君・・・?」

「あ、佐奈。」

みちるの隣にはみちると同じクラスの、マドンナ美女。羽美(はみ)ちゃんだ。

え・・・・・・・。

何で・・・・・・・・・?

うそ・・・・・、だよね・・・・・・・?

わざと明るく振舞った。

「ど、どうしたの?二人で。」

顔がジワジワと熱くなる。

「佐奈・・・・・。」

その後のみちるの言葉をさえぎるように、羽美が口を開く。

「二人、どういう関係?」

キョトンとした顔で質問する。

佐奈とみちるはクラスが違うし、あまり付き合っていることを知られていない。

だからたぶん羽美は知らなかったのだろう。

「私達・・・・・・付き・・・・・・・あ・・・・てる。」

「え?」

「俺達付き合ってるんだよ。」

「うそ。」

羽美はショックと言った風に両手で顔をふさぐ。

そんな事どうでも良かった。

『何で、みちる君と羽美ちゃんが一緒に?何で?何で?何で?』

考えても本当の答えは出てこないのに、この疑問が頭の中をぐるぐる回る。





         【続く】
2003-12-25 14:53:41公開 / 作者:バナナ
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■作者からのメッセージ
意味わからなかった人ごめんなさい。
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続きが気になりますねぇ
2004-01-08 12:26:11【★★★★☆】はるか
計:4点
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