『スクールアドベンチャー(前編)』作者:海風 海里 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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第1章〜試練の道〜

ここはのどかな朝の相馬家のリビング・・・しかし母や父がいない・・・
相馬夫妻は3年かけて仕事(旅行)にいっているのだ。親戚がその間相馬夫妻の息子の嶺(れい)をひきとろうとしたが、
嶺は親戚を嫌っているので引き取られず、今は一人暮らしなのだ。嶺は中学1年で、今日は学校祭だ。
いつもより速くめざめ、学校にいこうとしていた。学校祭は1年の中で嶺が一番好きな行事だ。
校門が見えてきた・・・早起きだったのに学校の方から騒がしい声が・・・
『みんなはえーなぁ文化祭だからってこんなにはりきらなくても・・・・(嶺だってそうだが)』
自分が最初にきたとおもっていた嶺はがっかりしながら校門に入ってみると近所のおばさんがたや友達、なんとテレビ局もきていた。
『なんなんだよ・・・』
あきれ顔で嶺は人だかりをおしのけて学校の中へ・・・・入れなかった。
いや、入りたくても入れない状態だった。そう、無かったのだ。学校があるはずの場所にはもはやなにもない。
くずれたんならガレキがのこっているはずだが・・・全くない。校長先生が唖然と口をあけて
『儂の学校が・・・』
などとつぶやいている。当然学校祭は無くなり、休みとなった。
次の日、中学校の変わりに高校の体育館や、町民体育館をつかって授業が行われていた。
授業をうけたくない不良達は、見つかりにくいのをいいことにさぼっていたし、(その生徒達のほとんどが怒られていた)
黒板が遠すぎて真面目な生徒も勉強ができない状態だった。当然お祭り好きの嶺はばれない事をいいことに寝てばかりいた。
しかし授業が終わり、体育館からみんなでたあと、帰る準備をしていたが筆箱が無い・・・
『あれ?さっきまであったのになぁ』
すでに先生が帰り、なくした筆箱をあきらめて帰ろうと体育館の昇降口にたどりついた。
すると真ん前に同じ学校の女の子が立っている・・・
『こんな子いたかなぁ?でも制服きてるし・・・』
嶺は不気味に思いながらも声をかけた。
『何か忘れ物したの?』
女の子が首を横にふった。女の子は大人の声のもっと低くした声でいった。
『学校にまだ生徒が残ってるよ』
一瞬嶺はピクッと震えた。
『何だって!?』
驚いて振り向くともうそこには誰もいなかった。
また次の日、
嶺は昨日の言葉が離れなかった・・・
『学校にまだ生徒が残っているよ』
という言葉・・・しかし、みんなはきずいていないし、先生だって朝に出席簿で確認するはずじゃないか。
先生の出席をとる声が聞こえた。
『あ、そろそろ俺の番だー』
嶺の出席番号は26番だった。
『25番、野村 たかし!』
『はい』
たかしのやる気が無い声がするそして・・・
『26番、左藤 あゆみ!』
『は?』
嶺は驚いた。自分の名前が呼ばれずに、変わりに知らない女の子の名前が呼ばれたのだ。
『先生!間違えてんじゃ無いですか!26番は俺です!』
『はい、全員出席だね、では授業の用意してまっているように。』
嶺の言葉は無視された。そこで嶺はあゆみという嶺の変わりに呼ばれた生徒をみてみた。
それはまぎれも無く学校にまだ生徒が残ってるといった女の子だった。嶺は嫌な予感がした、
それをはっきりさせる方法は一つしか無い、早速嶺はそれを試してみた。
『うわあぁぁぁぁぁ!!!!』
大声をだしたのだ。やはり嶺の嫌な予感が当たっていた、だれも気付いていない。
気付かないはずが無いのに気付いていない。そう、嶺はここにはいない、学校にいたのだ。
嶺は事件の前の日の事を思い出してみた。
『たしか・・・放課後に・・・・誰かが起こしてくれると思って・・・寝てた。』
どうして気付かなかったんだろう。
『きっとあゆみという奴が学校を消した犯人だ』
そう思いながら放課後にあゆみという生徒にはなしてみた。
少なくともこいつには通じるはずだ、こいつが学校を消した犯人なら・・・・。
『おい』
嶺がちょっと怒りぎみにいった。
『はい』
例の非常に低い声でいった。
『お前が俺と学校を消した犯人だろ』
『そうですよ、私が消したのよ。あなたを試すために。』
『試す?なんで俺を試すんだ?それにお前はいったいなんなんだ!?』
試されるおぼえはないと、心で思っていた。そして、この女の正体がわかる時がきた。
『私は・・・あなたの守護霊の槍龍だ。守護霊の王は、300年に一度地球人から一人選んで私を守護霊とし、
試練をうける事になっている。そしてあなたが選ばれた。あなたに与える試練は、
消えた学校から帰る事だ。がんばって試練をこえていかれよ。』
槍龍はあの低い声では無く、ふつうの女の子の声でいった。
『もし・・・いかなかったらどうなるんだ?』
槍龍はいいにくそうだったがやっと口を開いた
『死ぬだろう』
しばしの沈黙が流れた・・・
『さあそんなことは気にせずにあなたは試練をこえる事だけを考えればよい、
この空間からあなたの本当の体にもどれる、検討を祈る。』
そういうといつのまにか守護霊は消えていた。そして嶺は、自分の体に戻った・・・・学校にある体へ・・・・
しばらくして嶺は目覚めた、そばに守護霊が立っている。
『あなたの試験は、校長室にある敵を倒し、この異次元から逃れる事だ。
校長室にいる敵を倒すと自動的に昇降口のドアが開くことになっている。ではがんばりなされ。』
そして槍龍は消えた。嶺のいる教室(3Fの右はじ)から校長室(1Fの左はじ)までは一番遠い・・・
しかし、いくら遠いからと言ったからって、ほんの50Mくらいだ・・・大丈夫だ。
と自分にいいきかせ、教室からでた。しかしいつもの学校の雰囲気はない、ろうかが延々と続いているからだ。
『おいおい・・・・』
嶺は走り出した、いくら走ってもキリが無い、とうとう疲れてどこかの教室に入って休む事にした。
教室の中は、学校祭の準備をすませた状態だった。すると教壇からガタッという音が・・・・
嶺は一瞬びびった、
『誰だ!』
『グルルルルル』
獰猛な動物の声がする。そして、巨大なモグラの化け物が現れた。
『敵がいるのは校長室だけじゃ無かったのかよ!』
嶺はそばにあった画鋲を飛ばして攻撃したが、まるで効果が無い。今度はそばにあった机を投げ飛ばしてみた。
バシッと机ははたかれて、壁に当たって足がバラバラになり壊れた。嶺はその足をとり、目にさしてみた。
『ヴォオオオオオ』
苦しそうな声をたてたあと、飛びかかってきた。嶺は肩を引っ掛かれ、血が出てきた。
しかし、嶺はまたこわれた机の足をもう一つの目に刺して視力を封じて化け物を倒した。
教室から出ると、嶺はおどろいた。2Fについていたのだ。
『なるほど・・・・化け物を倒せば先に進めるってことか・・・・』
嶺は普段ゲームにしか使わない才能を発揮した。次の化け物に対向するために、
机の足2本と膨らました風船5個を(学園祭の飾り付けのものを拝借した)もって次の教室に入った。
そのころ守護霊は千里眼(遠くの物を見る能力)を使って嶺の様子をみていた。
『一番むずかしい化け物がいる教室に入ったか・・・・。私の主はなんと運が悪い・・・・』
嶺の入った教室は暗かった。
『廊下はまだ明るいのに・・・・』
嶺はこの教室は学園祭でなにがやるかを思い出した。お化け屋敷だった。化け物がどこからでてくるのか暗くてわからない。
『日の光が暗幕でさえぎられて無かったら・・・・・』
いきなり頭を殴られた。
『卑怯だぞ!姿を表せ!』
『ギイヒャハハハハア』
化け物の声が教室に木霊する・・・・すると嶺はある事を思い付いた。風船を回りに配置させたのだ。
『パン!』
嶺の罠に化け物がかかった。嶺はその音がする所をめがけて机の足をふり降ろした。
大当たりだ、化け物は死んでいるようだった。廊下へでようとすると、また頭を殴られた、
まだ生きていたのだ。風船を配置させてまた殴ろうとしたが、知恵がついてきたようだ。
全ての風船が画鋲かなんかで割られてしまったのだ。頭を殴られ続けて気を失いそうになった。
『これで終わりか・・・・せめて相手の姿がみられたら・・・・』
膝を床についた時に、床にライトが転がっていた、それを早速つけて化け物をさがした・・・・
化け物にライトが当たった瞬間に、化け物が悲鳴をあげた。そこで嶺は気付いた
『そうか!こいつは光に弱いんだ!』
ライトを使い、暗幕を探り当て、勢いよく引っ張った。暗幕はカーテンレールからとれて、光が差し込んできた。
そして、光をうけた化け物は叫んで・・・・消えた。2体目の化け物も倒し、とうとう1Fに辿り着いた。
『ここが校長室だな・・・・』
嶺は恐る恐る校長室へ入っていった。
そこは・・・・草原だった。見渡す限りの草原、まん中に墓のような物が・・・・嶺は触れてみた。
すると、草原が一瞬にしてごつごつした岩場にかわっていった・・・・。
目の前に槍龍があらわれた、
『主よ、これが最後だ・・・・最後の敵は、この山だ。この山の登頂部に昇降口のドアに繋がっている空間がある、
そこに辿り着き、家に帰れば試練は終わりだ。』
守護霊はそう言い残して消えた。
『これで・・・試練は終わり・・・・』
嶺は山を登りはじめた。切り立った岩ばかりで、嶺の制服をズタズタにしていった。
5時間後、山の登頂部近くまできていた。嶺は登頂部に辿り着いた・・・・
『これで終わりだ−!!!』
嶺はよろこんで叫んだ。しかし最後の試練にしては優しすぎたようだ、まだまだ試練は終わっていない・・・・
嶺は昇降口に繋がっている空間に足を踏み出した。昇降口からグランドにでた・・・
嶺は目の前の光景を目の当たりにした。巨大なサソリだ、5mはある。
『こんなのとどうたたかえばいいんだよ・・・・』
サソリは尻尾から毒ではなく硫酸のような液体を吐き出している、当たれば間違い無く死ぬ。
サソリが嶺に気付いた。ガサガサこっちにはってきて、尻尾の針をこっちに刺した。
嶺は間一髪でよけ、変わりに刺さった地面はジュウジュウいいながら溶けている、嶺はある事を閃いた。
嶺はサソリに向かっていき。刺してくる針をよけながらサソリの背中の甲羅に飛び乗った。
サソリは嶺の罠にかかった。自分の甲羅に針を刺したのだ。サソリは跡形も無く溶けて・・・・死んだ。
嶺は家に辿り着いた。家に入ると守護霊が立っていた。
『よく頑張った主殿。これで試練は終わりだ。守護霊の王がほめていた。しかし、主殿はいままで寂しそうだったので、
その寂しさをこえるためにまだまだ試練が必要らしい。そこで、私がこの家に泊まりこみで試練を受けさせ続けることになった。』
そうゆうことで、嶺の守護霊の槍龍は嶺の家に居候することになった。嶺の生活が波瀾することは間違いないだろう・・・。


第2章〜血塗られた館〜

嶺の試練から数カ月がたった。ここは朝の相馬家のリビング・・・・・そこには嶺が御飯を作っていた。
『なんで・・・・俺が・・・・飯と弁当を・・・・つくンなきゃいけないんだぁぁ』
嶺がぶつぶついっている、嶺の後ろから槍龍の声が聞こえてきた。
『私は守護霊なんだから実体がない、当然料理道具なんぞ持てないって事だ。』
『じゃあなんでいつのまにか冷蔵庫の物が無くなっているんだよ・・・・・』
その声に槍龍が間髪いれず応えた
『さぁ主殿!!そろそろ学校では無いのかな?!』
『・・・・・・はいはい、いってきまーす』
嶺が学校にいったあと、槍龍はほっとしているようであった
『実体にも霊体にもなれるなんていったら毎日私が作らなければいけないでは無いか。さぁ朝御飯でも作るとするか』
主の飯はつくンない癖に自分のは作る槍龍だった。嶺の学校は新しく作り直されていた、新しくなったというのに嶺は落ち込んでいた。
『あーあ、教室の壁に小さく書き込んだカンニング用の文章が・・・・・』
なにをやっているのだろうこの男は・・・・。
そのころタイにいた嶺の姉さんの蓮は函館空港についていた。
(第1章にはなにもかかれていなかったが、嶺には姉さんがいる。親が仕事(旅行)にいったのでなぜか蓮も行きたくなったらしく、
嶺は大丈夫といって2年前から外国を旅していた)
『ふあー、やっぱさむいなぁ。・・・・嶺のやつ元気かな、さて!家に帰るとするか!』
そのころ嶺は授業が終わり、家にかえって槍龍と茶を飲んでいた。
『はぁぁぁぁぁ・・・なんかやすらぐ・・・・・』
嶺は蓮が帰ってくるのも知らずにやすらいでいた。
「ピーンポーン」
玄関の呼び出し音がなった。
『はいはいどちらさまでー?』
嶺はドアを開けた・・・・
『ただいまー!!!おーおー嶺!お前おっきくなったなぁ?!』
嶺は呆然としている・・・・そしてすぐさまドアを閉めた。
『え?!』
蓮はなにがなんだかわかんないというような顔をしている・・・
『槍龍、ちょっとだけ隠れててくんないかな・・・お前がここにいるなんてアネキが知ったらやばいことになる』
『わかりました、主殿。』
槍龍は寂しそーにリビングを出ていった。(茶・・・もっと飲みたかった・・・by槍龍)
嶺は再びドアを開けた
『ひさしぶりぃ蓮姉・・・ちょっとちらかっててさ・・・・』
蓮は信用していないようだった。
『お前なにか隠していないか?・・・』
すこしビクッとしたが、すぐさま嶺は話題を変えた、
『お、お茶いるよね!蓮姉!俺ちょっといれてくるわ!』
この言い方が不味かった。蓮は嶺が隠し事をしているのを確信した。
台所にいる嶺はお茶っ葉をさがしていた。
『あれ?さっきまでここにあったのになぁ・・・』
といいながら台所の戸棚を開けた・・・中には槍龍が自分でお茶っ葉つかって茶を作って飲んでいた。
『槍龍・・・今気付いたんだけどさぁ・・・湯のみ触れるって事は実体にもなれんだろ?・・・・』
槍龍はうなづきながら嶺にお茶っ葉の缶をわたした。
『おーい嶺ーまだかー』
嶺は急いで戸棚を閉め、お茶を入れた
『はやく蓮姉ぇ外国に行ってくんないかな・・・でも蓮姉鉄砲玉だからすぐ行くだろ・・・』
嶺は心の中で思った。
『はい蓮姉お茶・・・・蓮姉ここにいつまでいるん?』
『いやー家も懐かしいし、しばらくいるかな♪』
『で・・・でもまたすぐどっかいっちゃうだろ?』
『いや、親父達が帰ってくるまでここにいるよ・・・・あ、そうだ。お土産があったんだ。
えーっと・・・・骨董品屋で買ったんだけどねぇ・・・・あったあった。はいこれ』
嶺は渡されたものを手に取った。それは六望星の形をした輪であった。
『・・・何これ』
『それ、霊を寄せつけたり離したり話しをしたりできるらしい、まあ嘘だろうけどな。でも一応やってみたりして』
そうゆうと、蓮は変な呪文を唱えはじめた
『reiyokoi』
そう言った瞬間槍龍が飛んできた。しか、一応霊体になっていたらしく蓮には見えなかったが、
槍龍が通ってきた道は破壊されていた。
『ここに霊がいるのか?これはな霊を見る事もできるんだ!やってみよう!』
蓮は楽しそうだった。蓮は昔から霊とかそーいうのに興味があったのだ。
『sugatawomisero』
すると蓮がまた驚いた
『嶺!ここに霊がいるぞ!ほら嶺もみろよ!』
嶺は槍龍の事を白状する事にした。
『蓮姉ぇ、その幽霊は俺の守護霊だよ。槍龍、実体になってくれよ。』
嶺がそういうと蓮の目の前から槍龍が現れた。
『あなた・・・ホントに霊なの?』
蓮はおどろいて槍龍にたずねた。
『私は・・・この嶺殿の守護霊だ、守護霊の王から命じられてここにいるのだ。』
槍龍は柄にもなく照れていた。
蓮は、はじめてみる本物の霊の姿に興奮していた。そして蓮と槍龍は意気投合したらしく、その日の夜中まで話し込んでいた。
(全く女ってのは・・・なんであんなに話ができるんだ? by 嶺)
次の日の昼食時
『そーいやさぁ嶺。そこに変な館があるでしょ?あれなに?』
『変な館ぁ?ここらへんには館なんて・・・』
嶺がしゃべっている途中に蓮が嶺の後ろを指している。
嶺はそっちの方を向くと、無気味な館が立っていた。
『なにあれ・・・・・』
嶺は我が眼を疑った。すくなくとも昨日まであんな館は無かったのだ。
昼食後、蓮はちょっと見てくるといって館にはいっていった(不法侵入です!!)
しばらくたって、槍龍が起きてきた(槍龍はねぼすけです)
『おはよー槍龍』
もうすでに午後であるがなぜおはよーなのか誰も知らない。
『あれ、蓮殿は?』
槍龍は蓮がいない事に気付いた。
『ああ、あの館をちょっくら探検してくるとかいってたなぁ・・・』
『館?館なんてどこにも・・・あ!!』
『あの館にいったのか・・・』
なにか槍龍は知っている。そう確信した嶺が聞いた
『なんか知ってンの?そーいや蓮姉おそいなぁ、入ってから2時間はたつよ。』
いいにくそうであったが槍龍が口を開いた
『あの屋敷は・・・私達守護霊の宿敵、怨霊が集まる集会所見たいな物だ。主殿、
あの試練の時に主殿が闘った怪物みたいのが怨霊だよ。』
嶺はおそるおそる聞いた
『じゃあ・・・蓮姉は?』
『多分つかまっているだろうな。だが助かる見込みはある。怨霊は夜活発になる、
だから夜になるまでに助け出せばいいのだ。』
急がなければ、早速嶺は槍龍といっしょに不気味な屋敷に入っていった。
怨霊活発になるまであと2時間
『主殿、これがなんだかわかるか?』
槍龍が蓮がお土産として持って帰った六望星の輪を嶺に渡した。
『それは、星輪円(せいりんえん)といって、私達を呼び出したりする物だ、昔は私もその中に入っていた。』
槍龍が説明をしたが、あんま嶺がわかっていないようだったので、詳しく説明をした
『なるほど・・・・で、なんでここにいきなりこの館が現れたんだ?ここはもともと空き地だったよな?』
『それは・・・私にもわからんが、ここに館を移動させ、怨霊をあつめてよくない事を企んでるのだろう。』
槍龍もここになぜ館が出てきたのかわからないようだ。館の中はシーンと静まっている。
怨霊がいつ襲ってくるかわからない。館の中は不気味な程に暗かった。もう1m先も見えない・・・
『暗いな・・・よし、光星精霊 幸宮招来!(こうせいせいれい ゆきみやしょうらい)』
槍龍がそういうと、星輪円から光が放たれ、精霊がでてきた。
『そうりゅうさまおひさしぶりでございます、なにをすればいいのですか?』
『幸宮、ひさしぶりだな。この先を照らしてくれ』
槍龍がそうゆうと、幸宮が光を放ったすると周りが一瞬で明るくなった、
『すげぇ・・・他にもこんなのが・・・』
嶺が言いかけたその時に『ドーン!』と目の前のドアがいきおいよく開いた・・・ではなく倒れた。
『ヴォオオオオオ!!!』
それは嶺が見た事ある怨霊だった。
『こいつ・・・学校で一番最初に倒したやつだな・・・・・』
槍龍がまた霊を呼び出した。
『火星闘霊 焔招来!・・・変化!』
焔という精霊が燃えて刃が赤くなった刀に変化した。焔が変化した刀を嶺に渡し、槍龍はいつのまにか剣を握っている
『たぶん自分で出したんだな。たしか全ての能力使えるとか言ってたし・・・』
嶺はそう思うことにした、しかしそんな事ゆっくり考えている時間は無かった、怪物が襲ってきたのだ。
『ウガァ!』
嶺はこいつの動きは見切っていた、前に一度闘ったからだ。
『ザシュッ!』嶺と槍龍がいっしょに斬った、一発で怪物が死んだ。
『あれ?なんか前より弱い気がする・・・』
『学校で闘った怪物達は強いやつらを選んだからだ。学校で主殿が闘った怨霊より強い奴もいれば弱い奴もいる。
しかしボス級の敵はデータが無いからな・・・』
タイムリミットまであと1時間
次々と怨霊がでてきたが、ある程度すすんだところで怨霊がでなくなった。
『おい槍龍・・・なんかさっきから怨霊がでてこないんだけど?』
『ああ、なんかおかしいな、警戒したほうがいいぞ。』
蓮の捕まっている部屋をさがすために、いろんな部屋を回った・・・・嶺はさすがにくたびれたようだ
『ここが30番目の部屋・・・・だ。あれ?あかないぞ?あとで調べよーっと。こっちの部屋もまだ調べていなかったっけな・・・』
「ガチャ」
嶺が扉を開けた、なぜかその部屋の扉は重かった、槍龍と嶺が力を合わせ、苦労の末やっと開いた。
部屋のまん中に蓮が縛られている。
『蓮姉!大丈夫か!』
嶺と槍龍が近付くと槍龍に悪寒がはしった。槍龍があきらめたように言った
『主殿・・・私達ははめられたようだ・・・その蓮殿は偽者だ。』
『え?』
嶺は驚いて蓮の偽者を見た。蓮の顔が歪んだ。
『うわあ!』
嶺は慌てて蓮の偽者からはなれた。すっかり周りを怨霊に取り囲まれている。
『グルルルルルル』
怨霊の声が聞こえる。嶺は焔が変化した刀を構えた。
『グオオオオオオ!』
一斉に襲いかかってきた。嶺は夢中で刀を振り回したが、怨霊は軽い身のこなしでかわしていった。
嶺の頭の中に声が聞こえた。
『へっただなーお前、もうちょっとまともにおいらをつかってくれよなぁー』
『誰だ!』
嶺の周りには怨霊と槍龍しかいない。
『おいらだよ!お前がにぎってるだろ!』
嶺の頭の中に話しかけていたのは焔が変化した刀だった。
『おいらがお前をコントロールしてやるよ!まぁコントロールっつってもお前も自由に動けるけど・・・』
嶺は焔の話しを聞いてるのも困難だった、次々と怨霊が襲いかかってくるのを避けなければいけなかったからだ。
『なんでもいいよ!はやくしてくれ!』
嶺は上から襲いかかってくる怨霊をかわしながら言った。
『そんじゃいくぞ! 精神合体!』
焔がそういうと、嶺の服が炎に包まれた。
『おい!俺となるべく俺と同じ動きしろよ!』
なんも文句言えずに嶺は焔にしたがった。
『怨霊どもぉ!俺がでたからには無事じゃいられねえぞ! 火星闘霊奥義!武神乱舞!』
嶺は速くてあまり見えなかったが、焔が刀を槍に変化させて、次々怨霊を斬っていった。
全ての怨霊が消えた。
『焔・・・また腕をあげたな・・・・』
槍龍が感心していた。するとポン!という音とともに嶺と焔が分離した。
『合体していられる時間は10分だけなんだ。それ以上合体しているとものすごい疲れてしばらく動けなくなるからな・・・』
『ふーんウ○ト○マンみたいなものか』
そういって嶺達はさっき開かなかった扉の前にきた。
『さっきのでこの屋敷内全ての怨霊を倒したからここは開いているはずだ』
槍龍がそういいながらドアを開けた
時間内に屋敷内の怨霊除去!
『ギギイイイイィィ』
扉がきしんだ。嶺達は恐る恐る部屋に入った・・・そこは書斎のようであった。
イスの上にスーツをきた男が・・・・そして床には蓮の姿があった。寝ているらしい・・・
『ようやくここまできたね、槍龍とその主』
スーツの男がそういいながら立ち上がった。
『ああ・・・久しぶりだなゼンよ・・・さぁ・・・蓮殿をかえせ』
ゼンとはこのスーツをきた男の名らしい、槍龍が嶺に耳打ちした。
『気をつけろ主殿・・・こいつが怨霊の司令塔だ・・・』
ゼンがネコ撫で声でいった。
『槍龍よ、なぜこの人間を助けたいんだ?俺達霊には人間なんか関係などないだろ?
お前は守護霊なんだから主以外はどうでもいいんじゃないか?』
槍龍が少し震えた声で言った。
『そのお方は主殿の姉だ。守護霊として主殿の悲しむ顔は見たくないものでな。』
ゼンが少し顔をしかめた『・・・・こんな話している暇なんかないんだよ!私は計画を完璧にしなければいけないからな!』
いきなりゼンが銃を取り出して撃った。嶺はなんとかかわしたが、槍龍は腹に当たり、血が滴り落ちていた。
『主殿・・・逃げろ・・・私の事はいいから・・・・逃げてくれ』
そういいながら槍龍が倒れた。
『槍龍ーーーーーーーーー!!!!!!!!』
嶺が叫んだ・・・そしてゼンの方を睨んだ。
『絶対・・・・ゆるさねぇ・・・・焔!合体だ!こいつをぶちのめす!』
『はっはっはっは・・・・ぶちのめす?この私を?お前のような人間が?図にのるな小僧!』
また銃を取り出し、嶺に向かって構えた。
『おい小僧!合体っつったってこのまんまだとあいつの転射(銃みたいな武器)
の速さについていけないからあんま合体してもかわんないぞ!』
『じゃあ・・・どうすればいいんだよ・・・』
嶺は怒りで我を忘れている。後ろから声が聞こえた
『主殿・・・・』
かすれ声で槍龍が言った。
『槍龍!』
嶺が槍龍に駆け寄った。
『主殿・・・精神合体を・・・するんだ・・・こいつらで・・・・・・全霊・・・召来』
そう槍龍が言うと星輪円から全ての霊が出てきた。
『ホラ小僧!精神合体だ!』
焔が言った。全ての霊が嶺の中に入った、嶺の服が鎧になって剣と盾が表われた。金色に輝いている。
『そんな姿になっても俺は倒せない・・・行くぞ小僧!』
ゼンはいつのまにか紫に無気味に輝く剣をだしてこっちに突進してきた。
嶺は剣をこっちに向かってくるゼンに向かって夢中で振った。
ゼンは難無くかわし、嶺を斬った。しかし嶺には精霊が変化した盾で防ぎ、反動でよろけているゼンに向かって斬りかかった。
『これで終わりだぁーーーーー!!!』
ゼンのからだが真っ二つになった・・・・・・だがゼンの口元が笑った。
『ははは・・・・これで終わりだと?これから始まりなんだ・・・俺は一旦ここから退散する・・・お前の姉もかえしてやるよ・・・
しかし!またここにもどってきて必ず槍龍もお前も消し去ってやる・・・
あの計画で・・・・さらばだ!』
ゼンはそう言うと消えた・・・いやゼンだけではない、
屋敷も一緒に消えた。嶺達はもとの空き地にいた・・・・
嶺は槍龍をかかえ、家に戻った。数時間後、槍龍が目覚めた。
『・・・・!あれ・・・ここは・・・』
勢いよく布団から起き上がって槍龍が嶺にきいた。
『家だよ、ゼンは消えたんだ・・・ほら!槍龍は怪我してんだから
寝た寝た!・・・それにしても何か忘れてるような・・・』
嶺はなにか忘れていた・・・頭がいいこの小説を見ている人はわかるだろう・・・
『あれ?主殿・・・蓮殿は?』
そう、嶺は蓮を忘れていた。
『あ・・・・・・』
嶺は急いで空き地に戻った。
『はは・・・主殿はおっちょこちょいだな・・・・・』


第3章〜真夏の夜のきもだめし〜

あの事件から3ヶ月・・・今は夏だ・・・夏と言えば・・・きもだめし!きもだめしと言えば
夏にはあたりまえの行事である・・・嶺と槍龍が通う学校の嶺のクラス
(槍龍は霊能力を使って学校の人々の記憶を入れ替えていつのまにか入学している)
では毎年嶺が主催の肝試し大会が開かれる・・・・そしてこの夏もその時期がやってきた・・・・
嶺は早速友達の鈴薫(りんか)・たかし・鐸楼(たくろう)を呼んで計画を練っていた。
『とりあえず・・・今年は夏やすみに俺の叔父さんのとこに泊まってそこでやろうか・・・』
たかしが言った。
『いや、今年は学校でやろう!一回あの学校消えただろ?世界中でこんな奇怪な学校なんて俺達の学校しかないじゃないか!』
などと1時間程話し合いが続き、結局鐸楼の『学校でやろう』で決まった。みんな帰ったあとに嶺が槍龍に言った。
『なぁ槍龍、あの学校でさぁ・・・』
『ふむ、それはイイ考えだ主殿、みんなを怖がらせるには絶好の物だな、明日から夏休みだし早速仕掛けてくるか。』
そういうと槍龍は楽しみだという雰囲気たっぷりに学校に出かけていった。
『学校にまたあんなもんが出たらみんな驚くだろうなぁ、あ〜それにしても俺海行きたかったなぁ・・・みんなには内緒だけど俺昔から・・・』
『お化けが苦手なんだよなぁ〜・・・とか?』
蓮姉が階段で笑っている。
『そ〜かぁ、嶺は嫌いかァ肝試しとかそーいうの。かっこわるいなぁ〜』
蓮も苦手なのだが、(姉弟だから恐いのは一緒だ)とりあえず自分はいかないつもりなので
怖がっている嶺をからかうのを楽しんでいた・・・が!蓮姉には恐ろしい仕打ちがまっていた。
『なにいってんだよ、蓮姉もいくんだよー♪』
嶺がそういった瞬間、蓮が呆然とした表情で固まった
『あたしも・・・・いくのか・・・・』
次の日、みんなでグランドにテントをはり、一時の楽しい時間が過ぎたあと、とうとうこの時間がきてしまった。
『これより、毎年恒例きもだめしを始めたいと思います
嶺がエコーマイクでいった。みんなが集まっていたが、蓮の姿だけみんなと違った。
みんなは涼しい格好できていたが、蓮は山登りをするような格好できていた。
『ルールは学校の俺らの教室から旗を取って来る事です。尚、とーーーーーっても恐い障害があるのでくれぐれも気をつけて下さい。
2人1組で順番は出席番号順・・・では第1組目、鈴薫とたかし!』
鈴薫は怖がっていたが、たかしは浮かれていた。たかしは昔からお化け屋敷は得意だったが
このきもだめしは普通のきもだめしとは違う、なにしろ怨霊がでてくるのだから・・・(データなので人間には危険なし)
家で嶺が槍龍に頼んでた事はこれだったのだ。たかし達は何も知らずに教室に入って旗をとった。
その瞬間『グオオオオオオオ!』という怨霊の声が聞こえた。
鈴薫は怖がって声もでない状態だった、一方たかしはこんなのはお化け屋敷でも普通にでるのでビビってはいなかった。
怨霊は(ちなみに霊が最初に闘ったやつ)たかし達の教室に入った、鈴薫はもうたえきれず、大声で叫んだ。
『キャアアアアアアア!!!!』
その声が外まで響いた。
『おっ、あれがでてきたみたいだな』
待機中のみんなはよけい恐怖心が強くなった。数十分後、また叫び声が聞こえた。
『ギャアアアアアアア!!!』
たかしも叫んでいる。また数十分後、たかし達がでてきた。さすがのたかしもかなり恐かったようだ、顔が半べそかいていた。
『あー、恐くなかった・・・。』
たかしは顔が恐いと言っていた。その後2組目、3組目と順調に進んでいった。
そしてついに、蓮姉の番がきた。
『あ・・・・あれ!?あたしのパートナーは!?』
叫び声を聞いてそうとうびびったのか、蓮姉もべそかいていた。
『蓮姉は大人だからパートナーなしね。』
嶺がそういうと、いまにも泣き出しそうな顔しながら学校に入っていった。
蓮がはいってから1時間後、まだ蓮はでてこない。結局みんなで迎えに行く事になった。
『おーい蓮姉ー!どこだー!』
嶺たちが叫んでも返事は返ってこない、嶺達は別々に探す事になった。
『槍龍、お前霊体になって上から探してくれ。俺達は下から探すから。』
『わかった、主殿』
槍龍は1階の天井を突き抜けて3階に行った。
『蓮殿ー!どこにおられるのかー?』
槍龍が実体なって大きな声を出したが返事が返ってこない、槍龍が諦めかけたその時、蓮の声がした。
『槍龍?槍龍なの?おーい、ちょっとこっちきて』
槍龍は声がする方に近付くと、蓮が廊下の隅にうずくまっていた。
『槍龍!ここだよ!』
蓮の顔は笑っていた。
『・・・どうしたのだ?蓮殿、みんな心配しているぞ?いかないのか?』
『じつはねえ、ちょっと嶺に仕返ししてやろうとおもってなぁ・・・かくれてたんだよ。それでちょっと槍龍に頼みが合ってね・・・』
『ふむ、主殿にもしばらく試練を受けさせてなかった事だし、それはいいかも。じゃあまず主殿を1人にしないとな。』
こうして槍龍と蓮の「久しぶりに嶺に試練をうけさせるぞ計画」(長!)が開始した。
嶺達は3階まできていた
『おーい槍龍ー。蓮姉いたー?』
何も知らない嶺がやってきた。蓮は即座に隠れた。
『蓮殿はここにはいないようだ・・・もしかしたらまた怨霊かなんかにさらわれたのかも・・・』
もちろんうそである。
『怨霊ってなんだ?』
たかしが聞いた。
『怨霊ってのは・・だなぁ(やばいなぁーここでいっても信じてくれないだろうし・・・どおしよー、そうだ!)
怨霊ってのは、あるお化け屋敷で夜な夜な女の人をさらっていくという怪人だ!』
槍龍はこんな嶺の説明で納得するはずがないと思っていたが、たかしはお化け屋敷好きなので信じてしまった。
『そぉかぁー一回そこのお化け屋敷いってみてえなぁー・・・なぁ!どこにあるんだ!?』
これ以上たかしに隠せないと思った嶺は、すぐさま話題を変えた。
『いやーなんか蓮姉恐くて帰ったみたいだし、そろそろきもだめしもおひらきにして寝るか!』
みんなじつは眠たかったので嶺の意見に賛成し、自分達のテントへ帰っていった。
みんなが学校を出る前、蓮がみんなになにかを話していた。
(よし・・・第一作戦、主殿を1人にさせちゃうぞ作戦成功! by 槍龍)
『さて主殿、本題に入ろうか。私がさっき千里眼で調べた所、1階の女子トイレにいるみたいだ、さっそくいこうか主殿。』
槍龍が嶺の腕をひっぱっていった。
『で・・・でも槍龍ぅ・・・誰もいなくても女子トイレはちょっと・・・』
『ほう・・・・トイレの花子さんとやらが恐いのか?主殿』
その一言で嶺はだまって槍龍についていった。
『なんでそんなもん知ってンだよ・・・』
トイレについた。
『では主殿、私はまた千里眼で調べるので主殿は中に入っていてくれ。』
嶺はおそるおそる女子トイレに入っていった。
『何も出るなよ〜俺はお化け屋敷とか苦手だから毎年毎年管理役をやってたのに・・・蓮姉のばかぁぁぁぁ』
嶺がぶつぶつ言っていると、あるトイレから声が聞こえた。
『ねぇ・・・一緒に遊ぼうよ・・・』
嶺はおそるおそる声がするトイレを開いてみたが何もなかった。
『そうだよなぁ・・・いるわけがいないよなぁ・・・俺、相当疲れてるな−。』
「バタン!」いきなりトイレのドアがしまった。嶺はトイレの個室に閉じ込められてしまった。
『・・あ・・・・あ・・・』
嶺が恐怖で硬直状態になっていた。そしてまた声がした。
『お兄ちゃん・・・一緒に遊ぼうよ・・・ねぇ・・・遊んで・・・』
『うわあぁぁぁぁ!!!!』
嶺は勢いよく女子トイレを飛び出した。
『あははは♪、まさか私が化けてるなんて相馬も気付かなかっただろーねぇ♪』
トイレの花子さんの正体は鈴薫だった。
『主殿、蓮殿は体育館にいるみたいだぞ。さぁ行こう』
槍龍は硬直状態の嶺をひきずっていった。
『うう・・・・・蓮姉のバカぁぁ。』
嶺は体育館に放り投げられた。(第2作戦!暗闇作戦成功! by槍龍)
『イテテ・・・ホントに体育館にいんのかなぁ・・・』
嶺はあたりを見渡した。
『なんでロウソクが立ってるんだ?』
体育館のステージの所にだけロウソクがおかれていた。嶺はロウソクの所に近付いた。
『これは・・・手紙?』
そこには血で書かれた手紙があった。そこには「私を解放して。」と、書かれていた。
『解放?何の事だ?・・・あ!』
いつのまにかロウソクが消えていた。そしてお経が聞こえて来る・・・
『うわぁ・・・』
嶺は真っ暗の中でお経を聞かされながら(ちなみにお経をとなえているのは鐸楼)
嶺は手探りで出口を探した・・・そしてなにかヌルッとする物が・・・・。
『なんだこれ・・・水か?いや・・・ちがう。よく見えないなぁ・・・』
嶺は非常用にポケットにライトを入れているのを思い出した。
『たしかここに・・・なった!』
それで水のような物をみてみると・・・
『血!?』
嶺はライトの明かりで出口を探して一目散に去っていった。
『まーさか水彩絵の具を血と勘違いするとはねぇ』
お経を唱えていた鐸楼が笑いながら言った。
はぁはぁと息をきらしている嶺に槍龍が言った。
『主殿、今度は保健室だ。』
それだけいうと、槍龍はまた嶺を引っ張っていった。
『・・・・・もういやだ〜』
そして保健室についた。
『さぁ、いってらっしゃい!』
槍龍が嶺を保健室になげいれた。
『たしか保健室はたかし殿がいるはずだな、さて・・・蓮殿は今どこにいるか探そうか。』
槍龍は千里眼で蓮を探した・・・ところで体育館にいる鐸楼は、鈴薫と一緒にいた。
『そーいや槍龍ちゃん、うまくやってるかなぁ。』
鐸楼が言ったその直後、たかしが体育館に入ってきた。
『あれぇ?もう保健室終わったの?』
『いま・・・保健室に・・・幽霊が出て・・・逃げてきた・・・。』
たかしが息を荒げていった。
『どんな霊なんだ?』
『なんか・・・俺がハリボテで驚かそうとしていたら・・・後ろからジューって音がしたんだよ。
んでなにかなーって見てみたら・・・塩酸の入った瓶を持っている白い霊が・・・それで俺は逃げてきたんだよ』
『おいおい、今嶺がいるじゃんか、やばいよぉ・・・』
嶺はそのころ、保健室の中を探っていた。ふと薬品棚に目をやると、白い幽霊のようなものが・・・
「ジューッ」あの音がした。しかし嶺は驚かなかった。
『なんだ、白衣の袖が薬品棚の塩酸の所にかかってただけか。んであの音は・・・なるほど、』
嶺は外を見ながら言った。結局保健室の幽霊はたかしの勘違いだったのだ。
保健室の外にいる槍龍はやっと蓮の居場所をつきとめた。
『あれ・・・外にいる?』 
そのあと嶺は保健室からでて、槍龍に言った。
『槍龍、蓮姉外でみんなとバーベキューやってるよ、俺達もいこうぜ。』
あのジューという音は野菜や肉を焼く音だったのだ。嶺と槍龍は外に出た。
『蓮姉〜あんま心配かけんなよ、槍龍に聞いたけど全部試練だったんだって?』
『ふぉうふぁふょ、ふぃふぃっふぁふょ?(そうだよ、びびったしょ?)
ふぉいふぇふぃふぁふぃふぉふぁふぇふぉ(おい、嶺達も食べろ)』
蓮は口一杯に肉を頬張りながら言った。そして夜はあけ、朝になった。たかし達は次の日、警備員に発見されたという。
結局こわくて体育館からでられなかったようだ。夏休みがあけた。
たかし達は嶺にひたすらあやまっていた。嶺はなにをあやまっているのかわからなかったが、
取りあえずいい気分なので「なんであやまんの?」とはいえなかった。
『主殿・・・きもだめしというのは悪くないなぁ、また今度しような』
『ああ・・・また1年後な』
2003-12-22 23:47:12公開 / 作者:海風 海里
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■作者からのメッセージ
今から1年以上前に書いた作品です。
ちょっと理解しにくい点がありますが、気にせずお読みください。
全6章の内、1章〜3章です^^
この作品に対する感想 - 昇順
面白いお話ですね。向かってくる敵にどう対処するのか、良くかかれていて良かったです。キャラも楽しくて魅力があったように思います。ただ、セリフの『』は「」に直していただいた方がよろしいかと思います。
2003-12-23 23:53:02【☆☆☆☆☆】エテナ
計:0点
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