『メモリアル・キー *第4章』作者:桜貝 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約4.34枚

不気味に聳え立つ研究所。
そこが真の運命の場所にとも思えた

真は大きな扉を押し開けた
何回見ても、悪寒がする所だった・・・

「母さん・・・鍵、持ってきたよ・・・」

真は研究室の扉を開き、母親達に話しかけた
すると、母親の帰りをとても待っていて、真の姿を見たとたんに、駆け寄った

「鍵だわね?ちゃんと持ってきたのね・・・良い子だわ」
母親が真の鍵に触れようとすると、


「この鍵を使って、竜をどうするんだ」


真は手を振り払い、問う

「前にも言ったでしょ?その鍵を使って、この子の心のドアを開けるの・・・・・・。心が開けたら、後は私達の思い通りに・・・」

「ふざけるな!」

真は研究室いっぱいに響くように怒鳴った

「命をもてあそぶつもりか・・・・・?俺の知ってる母さんは・・」

「そんな事無い・・・・でしょ?」

母親はフッと笑みを浮かべた

「でもね、母さんは変わったのよ?さぁ、真。私達に協力を・・・」

「・・・・てやる」

「真・・・・?」

真は少しの間、下にうつむき黙った
息をめいっぱい吸い込んで言葉を吐き捨てた

「俺が母さんを救ってやる!!!!」

こんなに叫んだのは何年ぶりだろうか・・・
そんな事も考える暇よりも、母親の言葉が先だった

「何を言ってる・・・・?さぁ、はやく鍵を渡しなさい!」

「嫌だ・・・・・!」

「命令よ。渡せ・・・・渡すのよ!」

「・・・・ッ!」

真は鍵を握り締め、竜の入っているカプセル体当たりした

バァァァン!!!!!!

ガラスが割れる大きな音がした

真の頭・・・腕、足、体全体から血がしたたり落ちる

それと共に、カプセルが割れて、中の液体が流れ落ちた
「何をするの!?母さんの自信作を!!!!」


「もうこの子を此処に置いて置けない!!」


真は体の傷も気にせず、竜の子を抱きかかえて、他の部屋に走り込んだ

「チッ・・・・真め。この研究所からはそう簡単に逃げられまい・・・」

母親はそう呟くと、席に付いた




血が流れ落ちる・・・・・
真は地下の部屋に逃げ込んで居た

竜を見る

真よりも大きな、銀白の毛並みをしている竜だった

(鍵で・・・心が・・・)
自然に手が鍵へと動いた

鍵を竜の胸元に近づけると、まばゆい光を放った

「クゥゥ・・・・・」

竜が目を開けた
「おい、大丈夫か・・・?」

「君は・・・・・真・・・・?」

「何で知ってるんだ?」

「僕は、カプセルの中で話を聞いてた・・・君は僕を助けてくれた・・・?」

真は初めて見る竜にも、不思議に親近感が沸いた

「あぁ・・・」

「僕はセト。「セト」って題名の作品なんだ」

「セト・・・」

「真。僕は君に助けられたんだね。僕もなにか力になりたいよ・・・」

「じゃあ・・・」

真はセトの目を見つめ、落ち着いた言葉ではなした
セトと綺阿羅は知り合いらしい
竜も綺阿羅も、この研究所の「作品」なんだ・・・
誰にも普通の扱いはされない。寂しい存在だと、同情でも無い気持ちで居た
母さんと、一緒に家に帰りたい。普通の生活に戻りたい。
ほんの少し、希望を抱いた

「お母さんを助ける・・・?」

「うん」

「僕に手伝える事は何か?」

「今、俺達は狙われているんだ。とにかくこの場所から逃げなきゃ」

「飛ぶ・・・・・・・?」

セトはめいっぱい背中の羽を広げた

「・・・しかないな」

「でもどうやって?出口は無いんでしょ?」

静まり返った・・・
この先のことが思い付かない
早く・・・早く・・・
真の鼓動は高なって行くばかりだった

「そうだ・・・!屋上から飛ぶんだ!」

「屋上・・・・?確か、有るよね。其処からなら、なんとかなると思う」

「急ごう・・・・」


二人は危険な研究所の屋上に向かった
2003-12-13 22:47:35公開 / 作者:桜貝
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■作者からのメッセージ
やっと4章目です!
長くなりますが、ぜひ読んでください^^
この作品に対する感想 - 昇順
竜もキアラも自分を作品と呼んでいるのがとても心に響きますいいですねこの作品
2003-12-13 23:16:36【★★★★☆】nerv
計:4点
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