『にじはし! 〜二時限目〜』作者:rathi / ِE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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――気が付くと僕は、橋の上を歩いていた。

 その橋はとても不思議で、手すりはなく、足下の板は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、と七色に彩られていた。
 こんな場所、近所にあったっけ? そう思いながらも、僕は進んでいく。せっかくだし。それに、橋を途中で戻るのは、何となく決まりが悪いから。
 周囲は濃い霧に覆われており、足下の橋以外はまともに見えない。水の流れる音も聞こえない。ここは本当にどこなんだろ?
 赤、黄、青、紫。
 橙、緑、藍。
 僕は横断歩道の白線渡りのように、『一色抜かしで進めたら、今日は良い事がある』と勝手にルールを決めて遊び出す。……今年で二十歳になりましたが何か?
 二色抜かし、三色抜かし、とクリアしていくが、ついに四色抜かしで限界の壁にぶつかってしまう。大人になれば、もっと飛べると思っていたのになぁ。
 そんな事をしながら進んでいくと、深い霧の中から突然家が現れた。橋の横に建っており、木造のそれは田舎の駄菓子屋を連想させた。だが看板には、『ハローワーク』の文字が。
 ハロワ。そうだ、僕は仕事を探していたんだっけ。
 思わぬ穴場かも知れないと、淡い期待を懐きつつ、僕は引き戸を開ける。……って、固くて開かねぇッ! 定期的にロウを塗れよ! もうこうなったら意地だ。ガタガタと1センチずつしか進まないが、開けると言っちゃったし、絶対に開けてやる!
 フンムゥゥゥーー! ハァ、ハァ、よし、ギリギリ通れる幅ぐらいまでは開けた! 後は腹を引っ込めて……スルリと滑り込む! ……よし、勝った。
「……なにしてるの、アナタ? 泥棒? それともスパイごっこかしら?」
 呆れた口調の声に、僕は振り返った。身長の倍ぐらい高く積まれた書類の山が軒を連ね、その中心には、まるで主のように鎮座している若いメガネの女性が居た。このクラウドでスマートフォンな時代に、なんてローカルな光景なんだろうか。
「ここは職業相談所。駄菓子屋はもっと先。ここにはお姉さんのアメちゃんぐらいしかないわよ」
 集中力が切れたのか、事務員の女性は背もたれに寄りかかり、「ン〜ッ!」と気持ちよさそうに背伸びする。大きめの胸が強調され、思わずドキリとした。
「えっと、相談に来たんです。お仕事の」
「なんですって? おかしいわね、ここ数年は辞めたなんて話は聞いてないけど……」
 女性は腕を組み、首を傾げた。何の事か分からず、僕も首を傾げた。
「……あぁ! もしかしてアナタ、ユグドラシル町の住民じゃないの!?」
 ユグドラシル町? 近所にそんな珍名があったとは初耳だ。あとでクークル先生に聞いてみよう。
「他からのお客さんだなんて、初めての事だわ。やっと仕事らしい仕事が出来そうね!」
 よっぽど暇だったのか、女性は嬉しそうに身を乗り出し、首に掛けた名札ケースを僕に突き付ける。
「私が担当の伊綱(いずな)です。ヨロシク。気軽にイズーナって呼んでちょうだい。アメちゃん食べる?」
「いえ、大丈夫です。えー、僕は阿藤 安地(あとう あんず)と言います。こちらこそ宜しくお願いします、イズーナさん」
「はいはい、アデット・アローンズさんね」
 えぇぇ〜!? 耳がおかしいのか、この人は? どこをどうやったら外人俳優みたいな名前になるんだよ。
「んでは、アデットさん。まず先にお聞きしたい事があります」
 ツッコミの暇すら与えられず、イズーナさんはどんどん話を進めていく。まぁ、後で履歴書を見せるから大丈夫か。
「アナタは、どんな仕事をお探しなのかしら?」
 僕は姿勢を正し、イズーナさんの眼を見て、ハッキリと言う。

「はい、幼稚園の先生を探しています」



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 一時限目
 「ようこそ! ユグドラシル町へ! そしてさようなら、阿藤 安地」

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 専門学校を卒業したというのに、僕は就職先が決まらず、仕事を求めてあてもなくさまよっていた。そしてフラリと立ち寄った先で、何と僕が探し求めてた幼稚園の先生が募集中だったとは。幸運にも程がある。
 これが、先週の話だ。
 そして僕は今、虹色の橋を渡り、貰った地図を頼りに、紹介された幼稚園を目指していた。
 ユグドラシル町アースガルド番地1−1、ヴァルハラ幼稚園。それが、僕が勤めるかも知れない幼稚園の名前だ。……ここは本当に日本か?
 商店街を抜け、真っ直ぐに進んでいくと、垣根の向こうにカラフルなジャングルジムが見えた。多分、あそこだろう。
 角を曲がると、真っ黄色の柵に、オレンジ色の園舎。それに彩色豊かな遊具が眼に飛び込んできた。まだ出来たばかりなのか、ハッとするような小綺麗さだった。今はお遊戯の時間なのだろう。中からは楽しそうな音楽と声が聞こえてくる。
 柵に添って歩いて行くと、園児たちが書いたであろう白い犬のような絵が何枚も貼ってあった。小さな犬小屋が見えるし、ここで飼っているのかも知れない。
 僕は敷地内の中に入り、何とも言えない気まずさを感じながらも玄関の扉を開け、恐る恐る中に入る。受付は……ないみたいだ。しょうがないので、僕は来客用と書かれたスリッパに履き替え、直接事務室を訪ねることにした。どうして初めて来る学校って、こうも入りづらいんだろうか?
 深呼吸し、よし――!
「どちら様かな?」
 重々しくも威厳のある声が、僕の気合いを挫く。奥の部屋からヌッと現れたのは……皮ベルトのような眼帯を右目に付け、ご立派な白ヒゲをたくわえ、はち切れんばかりの筋肉でスーツがピッチピチになっている御仁だった。プ、プロレスラー? それとも用心棒か?
「当幼稚園に何かご用が? いえ、別に疑っているワケではありませんよ? ただ……最近何かと物騒ですからねぇ……」
 スーツ姿の筋肉オバケは、威嚇するように手をゴキゴキと鳴らした。やべぇ! 既にバーサーカーモードだ、この人!
「ひぇぇー! い、命ばかりは!」
 僕は面接しに来ただけなのに、なんでこんな事に!?
「エンチョーセンセー! お客さんがこわがってるでしょう!?」
 叱るような幼い声が、廊下に響き渡った。園長先生? 目の前に居るこの筋肉オバケが?
 廊下の奥からトテトテと歩いてきたのは、黄色いワイシャツに黒い半ズボン。そして短い髪に黒いネクタイという活動的な私服の園児だった。性別は……どっちなんだろう? このぐらいの歳だと、みんな中性的だからなぁ。
「うぅむ、しかしだなトールよ……」
 トオル? って事は男の子か?
「エンチョー先生。お客さんのお話は、ちゃんと聞かないとダメでしょう?」
「うぅむ……スマン」
 黄色いシャツの園児はピッと背筋を伸ばし、つま先立ちで怒っている。それに対し、筋肉オバケの園長先生は申し訳なさそうに背を丸めていた。
「ゴメンなさい、お客さん。お話も聞かないで」
 何も悪いことをしていないのに、トオルと呼ばれた子はペコリと頭を下げた。うわぁ、すげぇ! 今時こんな偉い幼稚園児が居るんだ! なんか……心洗われるなぁ。
「えーっと、イズーナさんに紹介されて面接に来ました、阿藤 安地(あとう あんず)です」
「……ああ、君が例の。ハッハッ、心待ちにしていたよ」
 嘘付け! どこがだよ!!
「ここの園長を務めている、オーディンと申します。宜しく……えー、アデット・アローンズさん」
 また間違えられたよ! だから誰なんだよ、それは! って、オーディンって随分珍しい名前だな、オイ。顔つきもどこか西洋っぽいし、日本人じゃないのかな?
「わたしはトールっていいます。よろしくおねがいします」
「はーい、よろしくねー」
 あまりの良い子さに、ついニヤけてしまう。こんな子供だったら、僕も欲しいなぁ。
「さぁ、アデットさん。どうぞ事務室へ」
 ようやく僕は、園舎の中に入る事を許されたようだ。いきなり不審者扱いだなんて、泣けてくるぜ。脳筋過ぎるよ、この園長。
「それにしても、先程のトール君は良く出来た子ですね。あんなに立派な子は初めて見ましたよ」
「だろう? やっぱりキミもそう思うかね?」
 振り返った園長の顔は、キモいほどにデレッデレに砕け散っていた。
「実は私の娘でね。いやー、キミは分かってるね」
 えぇぇ〜!? コレからあんな良い子が生まれたのか!? ってか、女の子だったのか。母親似だな、絶対。うん、絶対。
 それから事務室に着くまでの間、園長は娘の可愛さについて熱く語っていた。もの凄く遅い足取りで。しかもたまに立ち止まったりもした。……数十メートルの距離が、こんなにも遠いと感じたのは初めてだ。
 ようやく辿り着き、まだ話し足りなさそうな園長を無視して中に入る。手前には応接用のテーブルがあり、その奥には事務用の机が三つ並んでいた。ちょうど漢字の『品』みたいな形だ。そして周りには、ヒマワリやらウサギのシールが貼られた背の低い棚が並んでいた。
 園長に促され、僕は向かい合うように椅子に座る。
「さて、アデット君の履歴書は……っと」
 まだその名前で呼ぶのか。まぁ、履歴書を見れば聞き違いだって一発で分かるだろ。
「歳は二十歳ちょうどか。名前は――アデット・アローンズ君で間違いないね?」
「はい。……はいぃぃぃぃ!?」
 眼までおかしいのか、この園長は? 履歴書を奪い取り、名前の部分を確認する。……おい、嘘だろ? なんでアデット・アローンズって書いてあるんだよ!? ってか、なんか修正液がたっぷりと塗られた形跡が……。
「ゴホン! もう一度確認するよ? キミの名前は、アデット・アローンズ君で間違いないね?」
 どうあっても僕をそう呼びたいみたいだ。陰謀? 政府の陰謀なのか? ここまでされたら、もう……。
「……はい、そうです。僕の名前はアデット・アローンズです……」
 さようなら、僕の名前。さようなら、阿藤 安地。
「さて、アデット君。本題に入ろうか」
 園長は初めて会ったときのように、重々しくも威厳のある声で言った。
「ここは少し特殊でね。恐らくキミが知っている幼稚園とは、少し違うだろう。しかもキミは、ユグドラシル町の人間ではない。いわば、『外の人間』だ。『資格』がなければ、ここは勤まらない。キミは、その『資格』があるかね?」
「あ、はい。持ってます」
「軽ッ! 軽いな、キミ!!」
 そのために専門学校を出たんだ。ちゃんと履歴書にも『幼稚園教諭二種免許状』って書いたんだけどな。見てないのか、この人?
「ゴホン! 宜しい。そこまで自信があるのなら、さっそく担当してもらう組を紹介しようではないか」
「……え? あの、それって合格って意味でしょうか?」
「まだ仮だがね。それと、この近くに引っ越してもらう必要があるが、それでも構わないかね?」
 全っ然大丈夫です、と僕は即答した。やった、合格だ! しかも憧れの一人暮らしだ! 変なモノを買って、変な眼で見られる心配はもうないぜ!
「それはなによりだ。さぁ、付いてきたまえ」
 園長が立ち上がり、僕はそれに付いて行く。さっき来た道を戻り、今度は反対方向の廊下を進んでいく。
「ここ、ヴァルハラ幼稚園では、ごく少数の園児に対し先生一人、という少人数制授業を行っている。確かに人数が多ければ団体行動を自然と覚えさせられるのだが、それでは逆に没個性になりがちだ。ここでは個人を、一人一人の個性と感情をより豊かにする教育をモットーとしている」
 なるほど。つまりは面倒を見る子供が少ない、って事か。それは助かるな。
「ここが今日からキミに担当してもらう組だ」
 白い教室の前で、園長は立ち止まった。見上げるとそこには、僕がこの町に来るために渡ってきた所と、同じ名前があった。

 にじはし組。それが、僕が初めて受け持つ組の名前だ。

 ※

「えー、今日からこの組の先生となります、阿藤……じゃなくて、アデット・アローンズです。みんな、よろしくね」
 僕が挨拶をすると、その周りで体育座りしている園児たちは、「アデットセンセー、よろしくおねがいします!」と元気いっぱいに返事をしてくれた。あー、これぞ幼稚園のセンセーって感じだな。
 園長が言っていたように、園児の数は本当に少なかった。今日はお休みだという三人を合わせても、なんと一組で六人しか居ない。しかも全員女の子だと言うから更に驚きだ。
 僕は貰った名簿を開く。一番上は当然というか何というか、玄関で会った園長の娘、透(とおる)ちゃんだった。
「じゃあ最初は、透ちゃん。先生に自己紹介をしてくれるかな?」
「はい! 透です! よろしくおねがいします! 好きな食べものは、シチューです! きらいな食べものは……うーんと、ピーマンです」
 透ちゃんは元気良く立ち上がり、元気良く自己紹介してくれた。あー、この子は本当に良い子だ。あの園長と血が繋がってるのが信じられんね、マジで。
「じゃあ次は……」
 名前を呼ぼうとして、思わず自分の眼を疑った。
 風玲衣夜。読めねぇ。上にふりがな無かったら、絶対に読めねぇよ、この名前。
「えーっと、風玲衣夜(ふれいや)ちゃん?」
「はーい! あたしが風玲衣夜ちゃんでーす!」
 まるでアイドルような口調で立ち上がったのは、ツインテールにキャミソール。それにホットパンツにカラフルなしましまソックスという、女の子というよりはギャルっぽい園児だった。
「好きなものはニャンコー! きらいなものは、キッモチわるい生きものぜんぶ。ところでセンセーはさ、ケッコンしてるのー?」
 急な質問に僕は驚く。しかも、結婚って。まだ二十歳だっての。
「そういうのは、まだ早いかな」
「えぇ〜? もう二十歳なのにぃ〜? じゃさ、じゃさ、カノジョはいるの?」
「……いません」
 ちくしょう。子供はいつだって無邪気で残酷だ。
「えぇ〜!? カワイソ〜!!」
 うるせぇ! ほっとけ! 可哀想って言われると、可哀想な気持ちになるからやめてくれ!
「じゃさ、じゃさ、あたしがセンセーのカノジョになってあげる〜!」
「はいはい、ありがとうね」
 僕は大人の余裕で受け流す。将来はパパのお嫁さんになる、ぐらい考えなしの言葉だからな。……うおおぉぉぉーーッ! 一瞬でもドキッとした自分が悲しい!!
「じゃあ最後は……」
 三人目の漢字も、これまた凄い事になっていた。蕗樹。これでロキって、親は何を考えてるんだ? しかも、ここに居ない三人もこれまた凄い。
 詩譜(しふ)。澄瑠都(すると)。そして極めつけが、羽流騎璃(う゛ぁるきりー)だぜ? 女の子に透ってどうなんだろう、って思ったけど、園長のセンスは全然まともだったんだな……。
 決めた。全員脳内でカタカナ変換してしまおう。それが良い。きっとそれで良い。
「はい、ロキちゃん。最後だから、みんなよりも大きな声でねー」
 よし、これなら何の違和感もない。しかし、ロキちゃんは気怠そうにむっくりと起き上がり、更には大きな欠伸を噛み締めている。
「へ〜い。ロキで〜す。ヨロシク〜」
 まるで学校に飽きた高校生ような、リフレッシュさの欠片もない自己紹介だった。クセの強そうなウェーブがかった髪に、恐らく男物であろうダボッとしたパーカー。何というか、身体全体からやる気のなさというか、全然幼稚園児っぽくない物臭さを凄い感じるんだが。
「……あっ! 先生後ろ!!」
 何の前触れもなく、ロキちゃんが血相を変えて叫んだ。
「えっ!?」
 僕は仰け反りながら振り返る。何だ? 何が居るんだ? ハチか? 殴りかかろうとしている校長か?
「……何も、ない? え? ちょっとロキちゃん、いったい何が――?」
 前に向き直すと、ロキちゃんは短い舌をンベェーッと出していた。
「やーい、引っかかってやんの! バカが見ーる。ブタのケーツ」
 妙なイントネーションで言った後、腹を抱えてケラケラと笑い始める。
 あぁ、僕、イタズラされたのか。なんだろ、怒る気持ちよりも、逆に微笑ましい気持ちになるな。そうか、これが慈愛ってヤツか。
「な、なんだよ……。キモい顔でこっち見んなよ……」
 えぇぇぇーー!? 慈愛に満ちた顔をキモいって言われた!!
 優等生のトールちゃんに、おませさんのフレイヤちゃん。そして、イタズラ好きのロキちゃん。まだ半分しか居ないのに、もうやってけるかどうか不安になってきた。
「ではアデット先生、今日から娘を宜しくお願い致します。……信じてはいますが、変な事を教え込まないよう、くれぐれもご注意願いますように……」
 それって信じてない人の台詞だよね? 信じてるならどうしてゴキゴキと手を鳴らすのかな!?

 命の危険を感じながら、こうして僕の幼稚園教師としての生活がスタートした。



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 二時限目
 「破壊神とエインフェリア」

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 ケータイのアラームが鳴り響き、僕は眼を覚ます。大きな欠伸を噛み締めながら、アラームを十分後に設定し直し、ケータイを握り締めたまま、もう一度夢の世界へダイブする。
 なんちゃって二度寝。より快適な睡眠ライフを送るために僕が生み出した、究極の二度寝だ。唯一の弱点は、そのまま三度眠に突入してしまう事があるぐらいか。
 きっかり十分後に、僕は起き上がる。さて、寝起きの牛乳牛乳……って、冷蔵庫が影も形もねぇ!?
 ああ、そっか。僕は朝日が差し込む窓を開ける。
 向かい合わせに並ぶ店々。行き交う自転車。無駄に元気な青果店に魚屋。そして、朝からはキツい唐揚げの匂い。そこには、見慣れない風景が広がっていた。
 ユグドラシル町西ミッドガルド番地4−4、中つ国荘203号室。それが、僕が王様となった部屋の住所だ。……といっても、冷蔵庫もテレビもない、空っぽの部屋だけど。
 昨日、自己紹介と挨拶が終わった後、園長はこの部屋を紹介してくれた。「今日からここがアデット先生の部屋になります」、と。最初は喜んだけど、僕はその言葉の意味を勘違いしていたんだ。
 その後いろんな所に連れ回され、町の説明と挨拶をウンザリするほどさせられた。「今日はお疲れ様でした」、という言葉をあれほど有り難く感じたのは初めてだろうな。
 終わった時には、もう真っ暗だった。家に帰ろうかと思ったら、園長に肩を掴まれ、こう言われたんだ。「アデット先生のお部屋は、そちらの方向ではありませんよ」……って。
 こうして僕は、ケータイに財布、そして背広とTVリモコン――何故かカバンに入ってた――という、夜逃げ同然な格好で暮らすハメになってしまったワケだ。実家の荷物は、後で専門業者が運んでくれるらしい。
 パワハラもいいところだ。訴えたら楽勝で勝てますよ、これ。……まぁ、支度金二十万という魅力に負けた自分が悪いんだけどさ。
 ノンビリしてたらもう時間か。コンビニっぽい店で朝食を買ってこ。あー、背広のまま寝たから身体が痛い! 

 ※

 『ミッドガルド商店街』と書かれた看板の下を潜り抜け、昨日と同じルートで幼稚園を目指す。手頃な石を蹴りながら。
 あと数十メートルという距離まで来られたのに、うっかり力加減を間違えてしまい、石はそのまま排水溝にドボン。あー、これ成功した試しがないなぁ。
 玄関に入ろうとすると、シャーシャーというホウキの音が。掃除のおばちゃんかな? そう思って音のする方を見てみると、そこには外ベランダを掃除するトールちゃんの姿があった。
「あっ、センセー。おはようございます」
 掃除の手を止め、きちんと手を揃え、ペコリと頭を下げる。お手本のようなおじぎだった。
 僕より早く来て、自主掃除って。なに、この子。マジで良い子すぎる。なぜだろう、涙がジワリと出てくるよ。園長の子供だなんて嘘で、実は天使なんじゃないのか?
「偉すぎるねぇ、トールちゃんは」
 僕はごほうびに頭をナデナデしてあげた。最初は気恥ずかしそうにしていたが、やっぱり嬉しいのか、「にへへー」と満面の笑みを浮かべる。
「うん、わたし、もっとガンバる!」
 ヤーッ! と、トールちゃんは気合いたっぷりに両手を上げた。自分の身長よりも長い、ホウキを持ったままで。

――ガシャーン!!

 ホウキの柄が窓ガラスに突き刺さり、大きな破片がトールちゃんに降り注ぐ。トールちゃんはポカンと口を開けたまま、動けないでいた。
「危ないッ!」
 そう口にするよりも早く、僕はトールちゃんを包み込むように抱いていた。
 ガチャン、ガチャン、と破片はコンクリートの上に落ちていき、更に粉々になっていく。僕はぎゅっと眼を閉じてしまう。トールちゃんは、僕の服をぎゅっと握っていた。
 ようやく音が止み、僕は眼を開く。破片は全て落ちきったようだ。トールちゃんを抱えたまま校庭の真ん中に行き、安全な場所で降ろす。
「あー! あぁーー! ビックリしたーーー!!」
 心臓がバックバクだよッ! なんでか背中がムズムズするよッ! あー、危なかった!
「い、いい、痛いところはない?」
「う、うん。うん、うん」
 よし、大丈夫か……。うわー、せっかく掃除した場所が悲惨な事になってるな。まぁ、トールちゃんにケガでも負わせたら、全身の骨がガラスのように砕け散っていたんだろうけどさ。修理費は……園長が喜んで払ってくれるだろ。
「セ、センセー! アデットセンセー!」
 トールちゃんは今にも泣きそうな顔で僕の名前を叫ぶ。そりゃあんな事があったんだ。ビックリして当然だろうな。
「大丈夫、大丈夫。ガラス割ったぐらい。センセーなんて、座布団ぐらい大きい氷の塊を、冗談で投げたらそのまま友達の頭に――」
「ちがうの! 手! お手てが!」
 お手てなんて可愛らしい言い方だなぁ〜。癒されながら僕の手を見ると、何故か真っ赤だった。……って、これ血か? うわー、ドッバドバ出てる。しょっちゅう鼻血を出してるから、このぐらいの血は慣れっこだけどさ。あー、背広が台無しになっちゃった。新しいの買わないとダメかもなぁ。
「センセーが死んじゃう! わた、わたしのせいで……! うわあああぁぁぁーーーん!! センセー死んじゃヤダー!!」
 いや、死なないから。まるで死んだみたいにビェンビェン泣かないでくれ。

 ピピーーーーッ!!

 真後ろから耳をつんざくようなホイッスルが聞こえ、僕は驚きのあまり跳び上がる。
「うぉッ!? こ、今度はなんだ!?」
 振り返ると、そこには上から下まで真っ黒の、ホイッスルをくわえたポニーテールの少女が立っていた。幼稚園児とは思えない端正な顔つきは、将来の有望さを感じさせた。
「あっ、ヴァルちゃん!」
「ピッ!」
 トールちゃんが嬉しそうに名前を呼ぶと、少女はホイッスルでそれに答えた。ヴァルちゃん? ……あぁ、ウチのクラスのヴァルキリーちゃんか。
「ピピーッ!」
 ヴァルちゃんは警告するようにホイッスルを鳴らし、僕をズビッと指差す。そして、まるでサッカー審判のように赤い札を取り出し、突き付けてきた。
「……『えいんふぇりあ』?」
 ひらがなで、そう書いてあった。意味が分からず、僕は首を傾げる。だがそんな事などお構いなしに、ヴァルちゃんはトテトテと僕の方に近づいてきて、太ももの辺りにペタリと貼り付けてきた。
「ピッピッピッピッ!」
 ケガしていない手を引っ張り、ホイッスルを短く鳴らす。これは……『全体進め』の合図?
「えーっと、付いてこい、って?」
「ピッ!」
 どうやら正解らしい。トールちゃんはぐずぐず泣きながらも、付いて行ってと背中をグイグイ押してくる。いや、さすがにそろそろ止血しないとヤバイんだが……。
 あぁ、もしかして病院に案内してくれるのかな? それならそうと言ってくれれば良いのに。
 よーし、なんかテンションが上がってきたぞ! まるで身体が軽くなったみたいだ! ……でも、何故だろう? ヴァルちゃんのホイッスルが、心なしか『ワルキューレの騎行』に聞こえてくるような……。

 ※

 ピッピッピッ、という合図に合わせて進んでいった先は……なんと保健室だった。スゲェ、最近の幼稚園は保健室まで完備してるのか。
「ピピーーーピッ!」
 つい昔のクセで、1、2、3とカウントしながらピシッと止まってしまった。
「あらー、このホイッスルはヴァルちゃんね。今日はどんなお友達を連れてきてくれたのかなー?」
 間延びした声と共に、保健室の扉がガラリと開けられる。
 そこに居たのは、白衣の――ではなく、ヒマワリのエプロンを着けた、おっとりとした様子の女性だった。
「……あらー? 今日はまた一段と大きな『えいんふぇりあ』ちゃんね?」
「ど、どうも。昨日からこの子たちの担当をしてます、アデットです」
「あらまぁ、これはご丁寧に。養護教員のエイルです。よろしくお願いしますね」
 養護教員。つまりは保健の先生か。定番のシャープなイメージとはかけ離れているけど、こう……ふっくらした感じは聖母的っていうか、ぽやぽやした雰囲気は子供が安心出来そうで良いな。
 羨ましいなぁー。僕が小学校の時なんか、ただのキツいおばちゃんだったからなぁー。保健室ラブな感覚は理解出来なかったけど、今ならちょっと分かるかも。
 それにしても、さっきから妙に昔の事を思い出すな。なんか、フワフワしてて変に気持ち良いし。……アレ? 僕ナチュラルに死にかけてね?
「えぐっ、えぐぅ……! エイルセンセー! 早くみてあげて! センセーが死んじゃうよー!」
「ほらー、泣かないの。センセーはね、死なないように出来てるのよー」
 いや、適当過ぎるにも程があるでしょそれ!? あと、ちょっとリアルに死にそうなんですが……。
「このぐらいで死なないから大丈夫よー」
 うぉ!? 心の中を読まれた!? 侮れねぇな、この人……。
「ほらー、二人とも。にじはし組に戻る時間よー。あとはエイル先生に任せなさい」
 トールちゃんはバツが悪そうに僕をちらりと見た後、しぶしぶ頷いた。
「……ごめんなさい、センセー。早く元気になってね」
 項垂れているトールちゃんの頭に、僕はポンッと手を乗せて励ました。ケガさせられて逆に申し訳ない気持ちになるのは、初めてだな。
「いつもありがとうねー、ヴァルちゃん」
「ピッ!」
 感謝の言葉に、ヴァルちゃんは嬉しそうにホイッスルを鳴らした。

 ※

 上着を脱ぎ、Tシャツ姿で鏡の前に立ってみたら、右肘から手首にかけてザックリと切れているのが分かった。うわぁ……俺の右手が! とか冗談でやれるレベルじゃないな、これ……。
 ってか、痛い! 傷口を見た瞬間に痛み出しやがった! 意味もなく謝りたいぐらいに痛い!!
「はーい、アデット先生。まずはここに座ってねー」
 僕はヨロヨロとパイプ椅子に座る。あぁ……なんか急に元気がなくなってきた。
 エイル先生は、何故か加湿器を僕の目の前に置き、スイッチを入れる。
「はい、大きく深呼吸ー」
 まずは消毒じゃないのか? 取りあえず僕は、もうもうと水蒸気が立ち上る前で肺一杯に空気を吸い込む。
「ゲッホゴッホ! うわっ!? なんだこの臭い!? なんかスプレー臭い!! エイル先生、これスプレー臭いよ!?」
「男の子なら、ガマンよー」
「なにこれ!? なんなのこれ!? 水じゃないよね!? 薬品系だよね!? ビニールに入れて吸うヤツじゃないよね!? 僕大丈夫なの!?」
「うーん、近いかも知れないけど、大丈夫よー。だってこれ、エーテルですもの」
 エーテル? MPよりも、まずはHPを回復して欲しいんだけど……。
「ちょっとした麻酔薬みたいなものよー。その傷に消毒液を付けたら、多分ケガした時よりも激痛が走っちゃうもの」
 僕は苦笑いを浮かべながら、謎の水蒸気を一生懸命吸い込む。だって、痛いのは嫌だし。


 エイル先生の治療は保健室だとは思えないほど丁寧で、傷口を縫うなど病院並みの処置をしてくれた。包帯でグルグルに巻かれた右手が、ちょっと格好良いと思えるほどの余裕すら出てきた。
「アデット先生、ヴァルちゃんをどう思いましたかー?」
 ふいに、エイル先生はそんな事を質問してきた。
「うーん、そうですね。あの子はきっと美人になるでしょうね。将来が楽しみです」
「……光源氏計画は、追放の対象になりますから注意して下さいねー。って、そうじゃなくて、もう、慣れないノリツッコミなんてさせないで下さいよー」
 エイル先生は頬を膨らまし、困った顔で抗議する。意外にも幼い怒り方に、ちょっとドキッとした。
「ホイッスルですよー、ホイッスル。不思議に思いませんでしたか?」
「あー。いや、そんなには。僕が高校の頃なんか、普通に女装している男子が居ましたからね。それを考えれば、ホイッスルぐらいどうってことないかなぁーって」
「……意外と大物ですねー、アデット先生」
 その呆れ顔は、絶対に褒めてないよね?
「ヴァルちゃんは、喋るのが凄い苦手なんですよー。今の気持ちを伝える言葉が出て来なかったり、自分の考えがまとまる前に話題が終わったりー……。どうしたら良いのーって、よく相談を受けてました」
「そう……なんですか」
 思わず言葉が詰まった。衝撃的だった。幼稚園児でも、そんな悩みを抱えたりするんだな。僕にもそういう時期があったから、その痛みは分かるつもりだ。
「辛かったでしょうね」
「はい。私も、どうにか出来ないものかと悩みましたよー。そして出た答えが……ホイッスルでした」
 そっか、ヴァルちゃんのホイッスルは、エイル先生の案だったのか。でも、どうしてホイッスルだったんだろうか? 気になるな。
「…………」
「…………」
 しかし、待てども待てどもエイル先生は続きを喋らない。
「……あれ? それでお終いですか?」
「はい、そうですよー? ホイッスルのお陰で、ヴァルちゃんは明るくなったんです」
 えええぇぇぇぇーーーー!? なんか、一番大事な部分を端折っちゃったよ!! 
「でも、まだまだ普通に遊ぶのが苦手みたいでね−。私の真似なのか、『えいんふぇりあ』を見つける事がコミュニケーションの一種だと思ってるみたいなの」
「あっ、それそれ。その『えいんふぇりあ』ってシールを貼られましたけど……」
 僕は太ももに貼ってあった赤いシールを剥がし、見せてみる。するとエイル先生は嬉しそうな顔で、
「あらー、おめでとう。これでアデット先生は、無事『えいんふぇりあ』として認められたみたい」
「認められた? どういう意味なんですか、これ?」
 エイル先生はくるりと背を向け、机に向かって歩き出す。そして一番上の引き出しから、古びた赤いシールを取り出した。
「ヴァルちゃんの友達、って意味よー」

 ※

 エイル先生に白のYシャツを買ってきてもらい、僕はそれに着替える。背広は……諦めることにした。クリーニングに出したら、さっそく新参者がやらかしたか、と妙な噂が立つに決まっているからだ。
 廊下に出ると、何とも懐かしく、そして美味そうな匂いが漂っていた。これは……もしかして給食か!?
 早足でにじはし組に戻ると、園児たちはお子様ランチのようなプレートを持ち、嬉しそうに列を作っていた。やった! やっぱり給食だ!
「あっ! アデットセンセー!!」
 白い給食着と帽子を被ったトールちゃんは、台からピョンと降り、僕目掛けて飛び込んできた。
「だいじょうぶ? ねぇ、おててはだいじょうぶ?」
「まぁ、何とか。トールちゃんをなでるぐらいは大丈夫」
 グルグルに巻かれた右手を見てビクッとしたが、頭をグリグリと撫でたら安心したように「にへへー」と笑ってくれた。
「ピッ!」
「うぉッ!? ……と、ヴァルちゃんか」
 分かっててもビックリするな、その音は。お前、今悪いことしただろう? っていきなり言われたみたいでさ。
「サンキューな、お陰で助かったよ」
 目的がなんであろうと、良い事をしたのには変わりない。ケガしてない左手で、ヴァルちゃんの頭を良い子良い子してやる。
「ピーーヒョロロロ……」
 ホッとしたのか、嬉しいのか、何とも気の抜けたホイッスルだった。
「アデットセンセーはすわっててね! わたしがね、おせわをしてあげる!」
 背中をグイグイと押され、『コ』の字に並べられた机の真ん中に案内された。そういえば僕が幼稚園児の時も、ここに先生が座ってたっけ。
「うわー、手がミイラだ。いたそー。でもミイラにゃんにゃんみたいで、ちょっとカワイイかも」
 そう言ったのは、フレイヤちゃん。え? カワイイの基準はそこなの?
「おわっ、ミイラが居る。よしっ、フォークでツンツンしよっと」
 そう言ったのは、ロキちゃん。ダメに決まってんだろ! 殺す気か!?
「はい、どーぞ。いっぱい食べてね!」
 たっぷりと盛られたプレートを、トールちゃんは危なっかしい様子で僕の前に置いてくれた。
 ほぉ、シチューにロールパンか。いきなりベスト3に入る黄金の献立が出てくるとは。給食なんて中学校以来だなぁ。くはーっ、このクッタクタに煮られた感じがまた美味そうなこと! これにちぎったロールパンを浸して食うのが最っ高なんだよなー。
「ではみなさん、食べる前においのりをしましょう」
 私服に戻ったトールちゃんが、唐突にそんな事を言った。お祈り? ここって実はカトリック系の幼稚園だったのか?
「……給食のおばちゃん、今日もおいしいゴハンをありがとうございます……」
 あー、確かにその感謝は必要だわな。僕も一緒になってお祈りを捧げた。……明日はソフト麺とミートソースでありますように……。
「それでは、いただきます!」
「いただきます!!」
 みんな美味しそうにシチューをがっつき始める。よし、僕も……って、あれ? スプーンが上手く掴めない? 力が入らない、というよりは感覚がない。もしかして、まだ麻酔の効果が残ってるのか? くそっ、こんな美味そうなモンを目の前にして……!
「アデットセンセー? お手てがいたいのー? じゃあ、わたしが食べさせてあげる!」
「うーん、じゃあ、お願いしようかな?」
 ああ……やっぱり良い子だなぁ。隣に座っているトールちゃんは、熱々のシチューをすくい上げ、
「はい、あーん!」
 一秒たりとも冷まさずに、僕の口の中に突っ込んだ。
「うわっぢゃっぢゃッッッ!!?」
 熱ィ!! この温度! このとろみ! まるで溶岩だァァァーー!!
「うわわわわわ!? センセー大丈夫!? はい、お水!!」
 受け取った小さなマグカップの水を、一気に飲み干す。
「ト、トールちゃん……。熱いから。先生、ヤケドしちゃうから」
 残念ながら、口の中は既に深度?度の軽傷を負っているワケだが。シチュー嫌いになりそうなぐらい熱かったよ。
「お願いだから、フーフーしてくれないかな?」
「ご、ごめんなさい。わたし、ちゃんとフーフーするから! よーし……!」
 トールちゃんは熱々のシチューをすくい、自分の口の前に持ってくる。良かった。大丈夫そうだ。
 そして思いっきり息を吸い、
「フーーーーーッ!!」
 思いっきり息を吐き出した。
 飛び散るシチュー。空を舞うジャガイモ。ロケットのように加速するニンジン。それらの全てが、包帯の上に着地した。
「……アンギャアアアァァァァーーーー!?」
 しみるぅ!! 麻酔を突き抜けて、シチューが僕の傷口にしみてくるぅ!! 傷口にシチューだなんて、そんな新しいことわざは要らないよ!!
 分かった。今分かった。良い子だし、一生懸命なんだけど、トールちゃんは必ず何かを壊すナチュラル破壊神なんだ。ああ……確実に園長の子どもだよ。妙な血の繋がりを感じずにはいられないよ。
「うわわわわわ!? た、助けてヴァルちゃーーん!」
「もぐもぐ、ごくん……ピピーーーーッ!」
 そうだね! 偉いね! 食べながらホイッスルを吹いちゃダメだよね! でも先生のピンチなんだから、ちょっとは慌てて欲しいなぁー!
 ヴァルちゃんはまたしても赤いシール――友達の証である『えいんふぇりあ』のシールを取り出し、僕のおでこに貼り付けた。残念だけど冷えないからね! そもそも冷やして欲しいのは口の中だからね!
 今日だけで二枚目。友達どころか、親友として認定されたかも知れないなぁ……。


>続
2012-08-04 21:36:33公開 / 作者:rathi
■この作品の著作権はrathiさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
※作者はロリコンではありません。

 ども、rathiです。今回は早めの更新となりました。……なんか、凄い久々に楽チンに書けました。
 そんなワケで、恐らくきっと短い間ですが、しばしお付き合い頂ければと思います。
 楽しんで頂けたら幸いです。

 ではでは〜
この作品に対する感想 - 昇順
どうも鋏屋です。御作読ませていただきました。
なんだろ、物語全体に迷いを感じました。どこと無く危うさを感じると言うか、そのうち収集つかなくなりそうな予感がしました。
台詞や文章の言い回しは私の好きな感じなんですけどねw
いつもはrathi殿のお話は1回目からグイッと引き込まれるのですが、正直今回はそれが薄いきがする。
私が思うにrathi殿のお話はしっかりした設定とプロットが魅力なので、やはりいつもの様に作り込んだ方が良いのでは? と思ったりします。
くだらない事書いてすみません。お気を悪くされたら申し訳ありません。
ただ、まだ始まったばかりですし、今後の展開がほとんど読めないので、どうなるのか興味があります。次回更新もお待ちしております。
鋏屋でした。
2012-07-31 06:47:20【☆☆☆☆☆】鋏屋
鋏屋さん>
 いつも感想ありがとうございます。
 迷ってる……かぁ。うーむ、どちらかというと少し躊躇ってる感はまだあります。これ、このまま書き進めるべきなんだろうか? と。
 とはいえ、二話以降はキャラが安定してきたというか、勝手に動き始めてくれたので、この園児たちをしばらく見守ってやろうかと思ってますw
 冒頭の引っ張り感が薄いのはちょっとマズイので、後々変えたい……なぁ。

 さておき、設定とプロットが魅力というのは素直に嬉しい言葉です。寝る間際から、運転しながら考えて電柱にぶつかりそうになった甲斐がありますともw
 とはいえ……グチというワケではないのですが、楽しい反面凄い精神力が要る作業でもありまして。いえ、設定やプロットの作り込みではなく、それを生かす為の本編がなかなかに骨を折る作業でございまして……。
 なので、この作品は息抜き三割を含めたモノだったりします。いえ、手抜きはしませんよ? モチロン。
 そんなワケで、懲りずに読んで頂けたらありがたいです。

 ではでは〜
2012-08-04 21:48:16【☆☆☆☆☆】rathi
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。