『おれんじ』作者:ラインストーン / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約6.41枚
奈美と真耶は数ヶ月前まで付き合っていた。
高校に入って同じクラスになってからお互いに引き合い、
そしてあっという間にカップルに昇進、そんな感じであった。
いるだけで幸せで、隣にいるだけで話さなくても
何もかもが分かりきったような時間が持てた。
周りにもこの二人の仲の良さは絶大な支持を集めていて、
また、それを一番良く分かっていたのは張本人の二人であった。

その日は丁度、真耶が所属する野球チームの都大会進出戦であった。
奈美は応援に行こうかどうか迷った。
応援にも行きたいけれど…
今日は久々に友達と遊ぼうと前々からの計画が持ち上がっていた日だった。
んんん…

よし。やっぱり今日は約束を優先させよう。
奈美は陽子にメールを打つと、約束の場所に向かった。
「おは」
「あ〜奈美来たっ!ねぇねぇ奈美来たよ!!」
待ち合わせの駅前はすでに数人の友人が集合していた。
「奈美来ると思わなかったよぉ〜てっきりまた真耶君と約束してるのかと」
「うんうん、最近うちらほったらかしって感じだったもんね〜」
「ま、とにかく行こうよ」

真耶といる時間もすごく楽しいけれど、やっぱり友達って良いな…
…嫌な事とか全部、忘れさせてくれる。
しみじみとそんな事を思った奈美だったが、その思いは次の言葉で
かき消された。

「ねぇねぇ!奈美ってさ、うちらと真耶君どっちが大事?」
「え」
陽子の声だった。陽子はいつも、こんな事を言う。
どっちが大切か、すっぱり決めるのが陽子流。
けれどこんな言葉は…
急に言われると戸惑ってしまう。
「え、え〜??どっちもどっちだよぅ」
「てゆぅか、真耶君の方が上かな?やっぱり…」
「え、でも、陽子達の方が大切だから!」
とっさに言ってしまった…
―― 一つの嘘。
「いまいち信じられないなぁ♪ねぇ証拠見せて!!」

―――証拠??
陽子が元々むちゃな性格だってのはわかりきっているけど…
…んな事言われたって
「じゃぁ〜あたしとかの方が大切だったら真耶君と別れて?真耶君の方が
大切なら…」

「絶交ね。」
―――え?
「ちょっとぉ、冗談きついよ陽子!!」
周りの友達も今の言葉に反論した。もちろん私も。
「何で??絶交って何が??」
「だからぁ、今日中に真耶君と別れてよ。そいじゃなかったら絶交。」
「早く。今から行って来て?」

頭が追いつかなかった。怖くて怖くて、思わず電車に飛び乗ってしまった。
―――真耶と…

―――別れる??何で??
奈美が行く先は真耶の都大会先。
頭が追いつかなくて、思わず飛びのってしまった…。

どうするの、あたし??



時間がたつのが早かった…

雨が降る。
真耶率いる野球チームは、見事都大会行きの切符を手にしていた。
―――え?
喜びに満ち溢れる真耶の視線の先に映ったのは…

「奈美じゃん!!何?応援??」
「てかお前びしょ濡れじゃん…。どこで応援して」
「真耶」

奈美が真耶の声を遮った。雨で、足が震える。
涙で、目が痛い。

「あのね、真耶と別れたいの」
「今日限りで」

「は?いきなり何…


「ゴメン、本当にゴメン。真耶ゴメン…」
最後まで言うのがやっとだった。寒さと震えが全身に伝わる。
もう逃げたい。
早く、この場所から…
走って、只前だけを見て奈美は電車に乗りこんだ。


真耶と奈美が別れたことを知った陽子達は、前と変わらず奈美に接してきた。
「ごめんねぇ、あたし確かめたかったの♪また買い物いこぉ!!」

いつもと変わらない友人。いつもと変わらない空。
いつもと変わらない真耶

―――ううん違う。真耶はどこかで無理してる―――
それからの奈美と真耶は、どこか違う二人になってしまった。
心の中では、お互いを強く強く想っているのに…

―――こんなにも、苦しいのに。
あたし達の間には…

―――あの都大会の日の出来事が
―――今も心を締め付ける。

ゴメンね、真耶…

―――バイバイ。




奈美も高校を卒業し、短大生になった。
今、真耶はどこでどうしているのかもわからない。
でもまだ奈美はずっと、真耶の事を想っていた。


ある日の夕方、奈美は友達と渋谷で待ち合わせをしていた。
と、その時メールが入る。
「はぁ!?ドタキャン…」
それは突然のメールだった。その子は元々約束に忠実ではなかった。
ま、一回ぐらいいいか。大した用事じゃないしね…
帰ろうとした奈美の視線に、大勢の大学生のグループが写った。

はー皆背高いな…

―――え??

あれって…

「…奈美?」
奈美よりも早く、真耶が気づいた。
「ちょっと待ってて」
グループから抜けて、真耶は奈美の前に立った。
「うそ…」

声がかすれる。
まだ、お互いの気持ちが変わってないのが見て取れる。
ちょっと伸びた髪が、何故か悲しくて…

―――涙しか、出なかった。

「真耶、あ、あのね」
「うん」
気がつくと真耶も潤んだ瞳で奈美を見つめていた。
「奈美」
「真耶、あの、あたしまだ…」

苦しい…

「…真耶の事好き…」

奈美はそれからあの都大会の日の事を話した。
ずっと、真耶を好きだという気持ちが今でも変わっていない事も。



真耶もずっと奈美の事を想い、苦しんでいた。

運命の夜が、二人を照らしていた。


「ふあぁ…」
奈美は自分のベッドで目を覚ました。
昨日の出来事は、夢のようであった。


結果、真耶と奈美はもう一度やり直すことにした。

もうこれからは、あの時の陽子みたいな言葉で惑わされない

―――自分に正直に生きていこう―――

だって今私には

―――真耶がいる。

もう一度、心から、誰にも惑わされずに…
自分の意思で…―――

――愛し合えるから。




2003-12-07 20:33:53公開 / 作者:ラインストーン
■この作品の著作権はラインストーンさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
なんか下手ですねJJ
感想やご意見、びしばし
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この作品に対する感想 - 昇順
お友達・・・怖い!!(怯;;)それでも前向きになった奈美sに好感が持てましたv
2003-12-07 20:04:26【★★★★☆】琴葉
なんか巡り合う奇跡?とまだ変わってない想いと言うのが…。素敵でしたね♪
2003-12-07 20:21:48【★★★★☆】遥
途中で「ええ!」って思っちゃいましたねえ。ドキドキ。
2003-12-07 21:25:29【★★★★☆】柳沢 風
途中でえ!とかおもっちゃったけどなんか胸がきゅんってきました。前向きになった奈美さんがすごくよかったです。
2003-12-07 21:56:20【★★★★☆】ひなた
お友達、どっちがいいの!!ってのがなかなか厳しい。怖いですねぇ。笑 でもよいです☆
2003-12-07 23:13:03【★★★★☆】うさぎ
陽子ちゃん意地悪!(笑)でも、何故か心が打たれましたね〜(^^)
2003-12-08 13:47:35【★★★★☆】なみ
陽子ちゃんむかつく(笑) すんごくいいと思いました〜♪
2003-12-08 18:47:06【★★★★☆】バナナ
皆様感想などありがとうございます!まだまだ未熟なので、構想をきちんと練って次回の作品に挑みたいです★
2003-12-08 21:16:48【☆☆☆☆☆】ラインストーン
初めてここに来ました!良いですねぇ〜★「自分に正直に生きていこう」なんて、なかなか思える事じゃないですよ(^^)
2003-12-08 21:18:46【★★★★☆】高田義信
すごく良かったです!愛の絆って強い物ですね。次作も楽しみにしてます!!
2003-12-09 16:00:28【★★★★☆】最低記録!
良いですよね〜оなんか、ありそうでない運命?というか…(笑)
2003-12-09 16:37:39【★★★★☆】遥
良いと思います!恋愛を取るか、女の友情を取るか...これって結構難しい問題ですよねoでも、陽子cキツイな〜oo(苦笑
2003-12-09 23:31:34【☆☆☆☆☆】悠
すみません、点数忘れました
2003-12-09 23:33:50【★★★★☆】悠
ありきたりだし。つまらん。
2003-12-10 15:13:41【★★☆☆☆】通りすがり
 禿しく↓に賛同。技術もクソもないし。何を基準に点数つけてるんでつか(プ? 藻前らここの趣旨分かってないだろ、馴れ合い厨w
2003-12-11 18:49:30【★★☆☆☆】名無し
あのですね。人の評価はそれぞれだと思いますけれど、ここの趣旨がわかってないとか…。それはあなたじゃないですか?誰でも皆一生懸命に書いているのです。人の事どうこう言う前に自分で作品を書いてみてください。人から馬鹿にされるのは辛いものですよ。大体、この作者さん中一ですよ?関係無いかもしれないですけれど…。
2003-12-11 19:36:23【★★★★☆】遥
名無しさんと通りすがりさん、少しいい方とかキツクないですか?注意すべき点があるのならそれをちゃんと教えてあげるべきだと思います。私はこのお話は中学生なのに良く書けていると思います。
2003-12-12 01:01:08【★★★★☆】之
中学生とか関係あんだ。ふーん。じゃー小1とかならどんな作品書いてもスゴイってワケ。けったいだね。まずこの話にやまがない。それが一番つまらん。選んで別れてより戻してEND?ありえないだろ
2003-12-16 17:56:43【☆☆☆☆☆】通りすがり
「リアル厨房にしては」とか言うけどさ、そんだけで褒めちぎるのはクソのやることだろ?褒められたヤシも調子こいて伸びないし、さらにクソ小説投稿するだけだろ。漏れみたいに毒舌しなくてもいいけど、少しはアドバイスしる。もっとも、藻前らのレベルじゃアドバイスすらできんのかもなw
2003-12-17 11:39:37【☆☆☆☆☆】名無し
遥サンと之サンに同意ですo 通りすがりサンと名無しサン、ココの趣旨とチョットはずれていると思いますoココは小説を投稿して、みんなで評価する所でしょう?褒めたっていいじゃないですか?褒めちぎってるわけではないと思いますがoもっとも、自分は「賛成できない」という意見もあると思いますが、言い方がひどいと思いました
2003-12-17 23:23:42【☆☆☆☆☆】悠
言い方が酷いのは謝ろう。だがこれは性格だ。それより俺が言いたいのは最近クソ作家の投稿が多いこと。取り合えず藻前ら 注意書き読め と。連載はできれば↓の編集から、詩みたいなモノ投稿するな、etc。ルールぐらい守りやがれ。漏れは言葉遣いは悪いが注意書きぐらい読む。藻前らも注意書きよく読んで、違反者がいたら注意しる。まあ、漏れと違ってソフトに優しく。そうやってこの場をよくしていきたいだろ。ちなみにこの話のダメな点は話の内容と行間あけすぎ、インデント、!や?の後にスペース入れろ、「。」が来るまで改行するなと色々あるだろうが。誰一人注意線のはどういうことだ?
2003-12-18 17:07:33【☆☆☆☆☆】名無し
私は名無しさんの意見に少し賛成です。名無しさんのいうとうり中学生が書いたとか関係ないんじゃないですか?実力なんだから「中学生でこんなの書けるなんて凄いね」みたいな意見はちょっとおかしいでしょう。少し厳しく言ったほうがラインストーンさん(そのほかの方も)も伸びると思われます。もうちょっとアドバイスをかくのも作者へのいい意見になるのでは??
2003-12-23 13:02:49【☆☆☆☆☆】匿名希望
計:56点
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