『二人の名探偵。』作者:キーリ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約4.19枚
ガタッ。
後ろの物音に男が振り向く。
「お、お前は!?」

満月の光の中に鮮血が飛び散る。それを、見ていた別の男は振り返り部屋を後にする。
男は返り血を浴びたまま月を見た。
「お前は死んで当然の男。後二人・・・・。待っていろよ。」
男の口元に笑みが浮かぶ。
今日の月は妙に赤みがかっていた。


今日は朝から騒がしかった。
教室の中で生徒達がざわめいている。普段と変わらないと思う人もいると思うがチョット違った。
その理由にたまに女子の悲鳴が聞こえる。
俺は別にその輪の中に入ろうとは思わなかった。昔から人付き合いは苦手だった。
今日の一時間目は確か数学のはずだ。確か宿題が出てたな。やっとくか。
一人で宿題を始めていた時目の前に宿題のプリントが差し出された。
「珍しいわね。智司が宿題を忘れるなんてね。」
「理沙か。俺に宿題を教えてくれるのか?」
「今日は特別にね。それより、話聞いた?」
「なんの?」
俺は一時間目に間に合うように答えを写し始めた。
「あんた知らないの?こんなに騒いでるのに。」
「俺の耳に届かなかったから。」
しょうがないわねと言うように、理沙は首をすくめた。
「まぁ、いいわ教えてあげる。昨日、当直をしていた浅田先生が死体で見つかったんだって。」
俺はふと考えて思った。
「数学の?お前意地悪だな。」
「なんで?」
「担当がいないのに宿題やったて意味ないだろう。」
「ふふ、ばれた?」
俺はこういうときの顔をするときの理沙のほうが好きだ。理沙の顔は整っていて結構男子に人気がある。でもどうしてかこういう顔は俺の前でしか見せない。
「それから、何で人が死んだ話を普通に話せるんだ。」
「私あの先生好きじゃないから。」
そんなものかと思い、俺は答えを写すのをやめプリントを理沙に返した。

教室の扉が開くとともに担任の加藤先生が入ってきた。チョット疲れた顔をしている。
「皆さんもすでに知ってるとは思うが、数学担当の浅田先生が昨日の未明なくなった。」
「それで今日は臨時休校になったから、来たばかりですまないがみんな帰っていいぞ。」
教室の中で歓声が沸く。
人が死んで休校になったのにそんなにうれしいのか。と俺の心に中に疑問が浮かんだ。
「智司。今日は素直に帰る?」
俺は首を横に振った。何故かちょっとわくわくしていた。
「そういうと思った。さすが推理小説マニア。」
「マニアじゃない!それより早く当直室に行くぞ。」

やはりと言うか当然のように立ち入り禁止のテープが貼りめぐらされていた。
それを普通にくぐろうとする俺を警察官が止めた。
「あなたは誰ですか?勝手に入ってはいけない事くらいわかるでしょ。」
警察官が怪訝そうな顔で俺を見つめる。
「ああ、君いいんだ。入れてあげなさい。」
「これは警部補殿。よろしいのですか?」
「この子は普通の子じゃないんだ。ほらあの月見連続殺人事件を覚えてるか?」
「もちろんです。確か三人の女性が犠牲になった事件ですよね?それがどうかしたんですか?」
「それじゃ、それを解決した人は誰か覚えているか?」
「確か、二人の中学生が解決したって書いてありました。」
「名前は?」
「水野 智司と佐々木 理沙だったような気がします。まさかこの二人・・・?」
「その通り迷宮入りかと思われたあの事件を解決した本人達だ。」
「どうも。」

かなり俺たちの名前は知られているらしい。警察の中でも伝説になっているとか。
どうしても解けなかった謎をたった二人で解いたから。

「それで警部補、事件のことを詳しく教えてもらえますか?」
「ああ、被害者は浅田 光男 三十歳。一人で当直をしていた所を襲われたらしい。死因は大量の刺し傷による多量出血死だそうだ。他の事につい手てはまだ不明だ。」
「ありがとうございます。」

何故かその時俺の心の中で何か引っかかることがあった。
2003-12-06 20:28:18公開 / 作者:キーリ
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この作品に対する感想 - 昇順
なんかかっこいぃですね〜これからも頑張ってください★
2003-12-07 20:20:38【★★★★☆】遥
計:4点
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