『不死身の木〜第2の巻き』作者:勝嶋 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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朝・・・・・・。僕は眠れなかった。
どうやったら眠れるのか・・・・。
あんなものを見たあとに、寝ろというのも、
残酷なものだ。・・・・・・。


あの店員の血が頭から離れない・・・・。


怖かった。なにかが変わるのが怖かった。
あの店員がいった「植木」というやつ。
寝てる間に、死んでしまう。・・・・、
現実にそんなものがあるはずが無い・・・、
だけど、僕が言っている「現実」とはいったい
なんなんだろう。


僕はまたあの店員に会いにいった。
たしかヒナシとか言ったな。店に入るなり、
その店員の声がした。


「いらっしゃいませー!」


僕はその店員に近づいた。なにを聞くかは、
夜、ずっと考えていた。そして今、
ようやく謎が解き明かされると信じている。
そう思いながら、話しかけた。


「あの〜、昨日は・・・」


「用件だけ聞くよ。」


「・・・・・植木について、もっとおしえて
 ください」


「いいのかい?これを聞くと眠れなくなるよ?」


「真実を知りたいんです。」


僕はそう、店員に言った。店員はまた微笑んで、
僕を見た。あのときと同じだ。僕を助けてくれた
ときと。店員は口を開いた。


「植木は、人であり、人では無い。気づいていない
 んだ。それは他の日光や種も同じことだ」


「知らないうちに、なってしまう・・・」


「そして、人間が寝たとき、睡眠状態で意識が無い
 ところを狙って、勝手に霊界へ連れていく。
 それが植木の役目だ」


「なんでそんなものがこの地球に・・・」


「聞きたいか?・・・・」


そのときの店員さんは、さっきまで微笑んでた人
とは別人のようにまじめな顔になっていた。
少し戸惑いながらも、聞いてしまった以上、
退けないため、「聞く」方を選んだ。


「・・・・いいや、言わないどこう。俺は
 地球の未来がより良き方向にいくことを
 願っている。だから植木を殺す。」


「自分が植木とも知らないまま、殺しちゃう
 んですか」


「種・水・肥料・日光。この順番で、
 植木に栄養を与える。」


「どうやって栄養を与えるんですか?」


「死をもってだ。」


「そういえば、なんであなたは死なないんですか?」


「・・・・俺は現代の武器では絶対死なない。
 だが、俺を殺させるやつがただ一人いる。言えないがな」



「じゃあ、その植木は栄養を含まない限り、大丈夫
 なんですね。」


「いいや、全部揃ったときが本当の意味なんだ。
 植木が存在してるな。植木は、主に夜に活動する。
 その体の持ち主がどんなときでも、植木に
 乗り移られる。知らないうちに人を殺している
 ということだな」


僕はその後、家に帰って学校の宿題を
やった。宿題がこれほど嬉しいと思った
のは初めてだ。僕は自分の意思で行動
している。それが嬉しかった。


そして、次の日。学校の登校日だ。
当然、寝てはいない。また考えていた。
こんな根暗な性格だから、友達はいない。
・・・・別にいいんだ。だからこのことも、
誰にも話さない。僕は神になった気が
した。生かせたい者だけにはおしえて、
死ねばいいやつにはおしえない。


ぼくは・・・・誰よりも、神に近い存在なんだ。


次の日。新聞に載っていた。「謎の死相次ぐ!一日で
100人を超える死体」やっぱり、店員の言うことは
まちがってはいなかった。


それと、こんな記事もあった。「少女が突如ミイラ化!?
一日でミイラになってしまった少女」という
記事があった。この少女はたぶん「種」
だろう。本当に話しが本当だったら・・・。


「ねぇ、あんたの靴下がこんなに汚れてるよ!
 外に出たんじゃあるまいし!!」


「(そりゃあ、一日中起きてたんだ。パジャマ
 なんかに着替える必要は無い。そのことは親
 にも話してない)」


僕は、親さえも生かさない。意味が無いからだ。
そして、僕は最悪の事態に見まわれる。
誰もが、知らない「現実」の「事実」というものに。
その話しについては、また次のときに・・・。
2003-08-25 18:29:47公開 / 作者:勝嶋
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