『トンネルを抜けて』作者:白たんぽぽ / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
とあるトンネルを抜けた先には、夢を叶えてくれるお地蔵様があるという・・・、そんな噂のお地蔵様を探しに千代と美咲は探検に出かける。夏のある一日の話、二人はどんなものと出会うことが出来るのか、それは出かけてみないとわからない。
全角7362文字
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原稿用紙約18.41枚
『トンネルを抜けて』

 8月3日 晴れ 今日も暑い一日です。私は美咲とソーダの飲みっこをして、今日も美咲に負けました。そして、今日も美咲は私に駄菓子を買わせるつもりです。もう3日もおごっているので、そろそろサイフがあぶないです。買っているのは10円、20円のアメとかだけど。

「どれにしよっかな」
 美咲は人指し指をせわしく動かして、水色のアメ入れに入った色とりどりのアメの中から今日のお気に入りを探している。赤や青、緑や黄色、ピンクやエメラルドグリーン。エメラルドグリーンだけはどう見ても緑にしか見えないけど、美咲にとってはその光沢がたまらなく好きみたいだ。
 私は黄色いレモン味のを食べたいのだけど、美咲にいつまでたってもソーダ飲みで勝てないから、目当てのアメが食べられない。
 この前一人でアメを買った時には、なんとバナナ味があたっちゃって…しかもまずかったし…それ以来、なんとなく美咲と一緒じゃないと駄菓子は食べる気がしない。ちょっとくすんでいるのが、バナナだとわかっているのだけど。
「よし、今日はこれだ!」
 美咲が手をアメ入れにつっこんで、アメ山の右端から黄色いビニールのアメを取り出した。美咲が選んだのは、目にも鮮やかな黄色いアメだった。
「うん、おいしそう」と美咲は言いながら、私に目配せをした。私はポケットから赤い小銭入れを取り出して、ついでに読んでいた雑誌を小わきにはさみ、左手で小さくOKマークをつくった。
 美咲は、親指を立てて、喜びを表した。私たちは二人同時に笑い合った。
 美咲がうれしそうな足取りをしながら、何読んでたの?と言って、レジの近くで雑誌を読んでいた私の所に近寄ってきた。もちろん、ついでにお金を私に払わせるつもりだ。
「観光旅行の本だよ」
 私は表紙を見せた。そこには観光生活と書いてある。
「あれれ、また見てたの、あきないね。今日はどこの国?」
「イタリアだよ、昨日と同じ。ここのね、サンタマリア教会、て所に行ってみたいんだ」
「教会かー、うーん、ほかに何かある?」
 美咲は教会には興味がないようだ。私は何ページかめくって、
「あ、じゃあ、この街はどう。ベネチア、水の都っていうんだって」と言い、街の真ん中を川が流れ、その川の橋の下をゴンドラがくぐろうとしている写真を指さした。
「うわー、川が道になってるね。ここ、雨が降っても大丈夫なのかな」
「うーん、どうなんだろうね」
「て、いうかシブいねー、君は」
「あはは、いいじゃんべつに」
 私たちは二人でまた笑い合った。店主のおじさんがちょっとこっちを見たけど、気付かないふりをしておいた。
 「よし、今日も私がおごってあげましょう」
 私は雑誌を棚に戻し、小銭入れから10円玉を2枚取り出した。美咲はカウンターに同じアメを2個置くと拍手をしながら、待ってましたー、と言った。顔が本当にうれしそうだ。
 でも、実は私も、今日は美咲に負けないくらいうれしいんだ。だって、ずっとねらっていたレモンアメが食べられるのだから。
「またお願いねー」
 おじいさんは間の抜けた声で、いつものようにそう言った。私たちが店を出ると、カラン、カラン、という気持ちの良い音がして、なんだかさっきの声がさらにおどけて感じられた。

「千代、今日はなにをしよっか」
 美咲がちょっと振り返って聞いてきた。美咲は今日もちょっとだけ私より速く歩いていた。いつも私は半歩ほど遅れて歩いている。私はちょっと歩幅を広くしてから、
「そうだね。こんなに晴れている日には、どこかへいきたいよね」と言った。
「うん、だよね、だよね。こんなに晴れている日には、どっか行かないともったいないよね」
 今日は澄んだ青い空の上で、太陽がこれでもか、というくらい強い日射しを降り注いでいる。
「だからさ、今日も探検に行こうよ、この前みたいにさ」
 美咲が前を向いてちょっと遠くを見るようにして言った。
「うん、この前は、本当に良い所みつけたよね。すっごく海きれいだった」
「うん、みつけてやったぞー、て感じがしたね」
「そうそう、そんな感じだった」
 この前は隣町へ、しゃべる黒猫を探しに出かけたのだ。美咲が隣町の真由ちゃんの家から帰るとき、偶然、学校で噂になっていたしゃべる黒猫を見たと言ってきかなかったので、じゃあ確かめに行こう、といった具合に私たちは初めての探検に出かけたのだ。
 その日、私たちはなかなか黒猫をみつけられず、日が暮れそうになっていた。そして、鈴鹿神社の横の狭い路地を右に左にとくねくね曲がりながら歩いていたら、けっこう長めの階段に行きついたのだった。
 私と美咲は顔を向け合い、ちょっと考えてから、疲れた笑顔を見せ合うと、その上まで行ってから帰ることにした。
 登るに従って、疲れが出てきて、階段の数がとても多いように感じていた。なんとなく、上には本当に黒猫がいるような、その黒猫の家か何かがあるような、そんな想像で頭が一杯になりながら、私は一段一段登っていた。多分、美咲もそうだったんじゃないか、と思う。
 最後の一段を登り終えた時、そこには黒猫の家なんかではなく、広い海がひろがっていた。海は弧を描くように下へ続く道路に沿って広がっており、赤や青にゆらいでいて、水平線の向こうには、沈んでいこうとする夕日が浮かんでいた。
 私たちは階段の上で夕暮れを感じていた。本当にきれいな夕日だった。
 帰りは心がうきうきして、疲れてたことも忘れ、私たちはちょっと追いかけっこしたりした。そんな風にして、私たちは家路についたのだった。
「今日も黒猫を探すの?」私はあれだけ探しても黒猫一匹出会わなかったので、また探すことには、半分は探検したいけど、半分はちょっと嫌だった。
「ううん、今日は、トンネルのお地蔵様を見に行こうと思って」
「お地蔵様って今日話してた、夢の神様の?」
「うん、そうだよ。願いがかなう、というお地蔵様」
 その話が出たのは、今朝の休みの時間だ。その時には、かなった願い事の話をしていて、それは、失くした時計が見つかりますように、とか、大会で勝てますように、とか、両思いになれますように、とかいったものだったらしい。うちのクラスではまだ行ったことのある人はいなかったけど、隣のクラスなんかでは、けっこう話題になっていたりしている。
「わたし、今ちょっとお願いしたいことができちゃってさ、それで千代と一緒に行きたいんだよ、ちょっと遠いらしいしね」
「夢の神様…素敵な響きがするね」
 夢の神様がいったいどんな姿なのか、ちょっと興味を持っていた。聞いたところ、古い小さなトンネルの出口に、古いお地蔵様があるらしいが、その古い、というところから、長い間に多くの人の願いをかなえていそうで、ちょっと見てみたいと思っていた。
「ねえ、行くよね」
「あ、うん、私も行ってみたい」
「よかったー」美咲は手を胸にやって、長く息をはいた。このときだけは私が半歩前に出ていた。
「探検だから、水筒持っていこ」
「うん、私はポテチを持ってくる」美咲は顔を上げて言った。
「リュックサックで」私の赤いリュック。
「スニーカーを履いて」美咲の黄色いスニーカー。
「うん、行こうね。夢の神様に会いに」
「トンネルを抜けてね」
 トンネルを抜けた先には、私たちの探し物がきっとあるはず。
 私たちはそう約束し合うと、一時に2区の公園に集合ね、と言って、それぞれの家へ帰っていった。

 今日の昼ごはんはソーメンです。涼しい風が吹き込むテーブルの上で私はソーメンを食べています。時折、窓の風鈴を眺めながら、私は今日の探険のことについて考えていました。

「今日は探険に行ってくるんだ」
 私は母に言った。
 母はゆっくりとソーメンを飲み込んでから、
「探険、面白そうね」と言って微笑んでいた。
「うん」
 私はすごく楽しみだ。今日はどんな景色が広がっているのだろうか。きっとトンネルの先には、今までに見たことがないほど、素敵なものが待っているはずだ。
「じゃ、行って来るね」
 私は赤いリュックを背負って2区の公園に向かう。水筒もタオルもばっちりだ。お菓子は美咲に任せているから、持っていくものは他にない。

「おまたせー」
 美咲がそう言ってやってきた。
「今日は暑いね」
「うん」私は答える。
「さて、じゃあ行きましょうか」
「よし、行こう」
 私たちはトンネルを探しに探検に出かけた。

 まずは、踏切を越えて商店街を抜け、そして、大通りに出て向こう側へ渡る、そこからは知らない世界だ。
「こっちでいいの、美咲」
「まっかせなさーい」
 美咲は張り切って前を進む。私は帰り道担当なので、しっかりと風景を頭の中に入れていく。このまま真っ直ぐに行くとあの山を越えることになりそうだ。
「あそこに行くの」私は尋ねる。
「そうだよ、あの山を廻ったところにあるはずなんだ」
 美咲は山の方を右手の人指し指で指さし、さあ行こう、と言うかのように左手をガッツポーズにさせてこっちを見た。
 山の麓付近まで行くと、美咲は立ち止まった。そこはちょうど山に入る道と山を迂回する道に分かれているところだった。
「千代はまだ歩けるよね」
「え、えーと」
「坂道大丈夫だよね」
 美咲はしきりに山の方をちらちらと見ていて、どうやらそっちの方の道を行きたいようだ。実を言うと、疲れてきて足の裏が少し痛かったけど、その山は小山と言って良いほどの大きさだったので、私は大丈夫、と答えて山の方を見た。
「よし、じゃあこっちにしよー」
 美咲は目を爛々と輝かせ、うれしそうな顔をして言うと、私の手を引いて力強く進んで行った。
 山を登る車道は車が一台通れるくらいの道幅で、そのコンクリートの道のわきにはもう森が広がっており、そのため、山道のほとんどが木陰に覆われていた。先ほどまで私たちは直射日光を浴びていたのでとても涼しく感じた。かわりに元気いっぱいの蝉の合唱が辺り一面に鳴り響いていた。

「ねえ、千代は今までに行きたかったけど、行くのをやめた道ってある?」
「え…」私は急に思いもよらないことを尋ねられたのでびっくりした。
「私はね、その先に何かがあるんだ、と思っていたけど、やめちゃったことがいっぱいあるんだ」美咲はへへと語尾につけくわえた。
 この山を通ったときに美咲に言われたこの言葉が、私はすごく印象に残った。

 トンネルは山を越えて少し歩いたところにあった。天井の高いトンネルは少し薄暗く、出口から差し込む日の光がとても明るかったので、その光の先はよく見えなかった。
 ひんやりとした空気が心地いい。汗だくでほてった体にはすがすがしい風が吹いていた。
「じゃ、入ろ」
「うん」

 ゆっくりと歩いていく
 少しずつ 吸い込まれるように
 トンネルの中へ
 風の音がする 心地いいやさしい音
 暗闇の中 二人だけで進む
 風の音が こころなしか高くなり そしてとだえた

 光が差し込んでくる。私たちはトンネルを抜けたのだ。空を見上げると、さんさんと空に太陽が輝いている。
「千代、見て見て、お地蔵様がある。あれだよね、あれ」
「え、あ本当だ」私はそう言ったとき、美咲と同じくすごくうれしそうな声を出していた。
 お地蔵様はトンネルの出口近くの小さな庵の中にいた。長年の雨と風のせいで目と口の輪郭がうすくなっている。長い間ここで多くの願いを聞きながらいろんな人を見守ってきたのだと思う。そして、これからもそうなのだろう。
「美咲、お願い事、考えてきた?」
「もちろん!」
 美咲はそう笑顔で言い、そしてお地蔵様をじっと見つめた。
 一緒にお地蔵様の前に並んでもう一回しっかりと見る。そして手を合わせて目を閉じた。何をお願いすればいいのだろうか。来年からの受験のこと、それとも黒猫のこと、美咲のこと、いっぱいお願いしたい。そして願い事がかなってほしい。少なくとも素敵なことが起きてほしいと思う。
 願い事をかけ終え、目を開けて美咲の方を見ると、美咲はすごく真剣な顔をして願い事をしていた。
「よし」美咲は顔を上げて私の方を見た。
「やった、千代と一緒に本当に来たかったんだ。そして、これからも一緒にいられたらって願いをかけたかったんだ」
 すごくうれしかった。私も一緒にいられたらと思っていたから。中一の頃、転校してきた美咲と出会い、友達になって、この一年と少し、本当に楽しかった。駄菓子屋に通ったり、探検に出かけたり、単調な毎日に彩りが添えられたかのように楽しかった。美咲と友達になれて本当に良かった。美咲と友達でい続けたい。このまま友達でい続ければ、ずっと美咲と一緒にいられると思う。来年の受験が終わった後も、きっと。
 美咲は、はにかんでうつむいていた。私も顔を赤くして同じようにうつむいた。
 上目づかいで美咲の方を見ると、横にいるお地蔵様は微笑んでいるように見えた。
「美咲、あのね」美咲が顔を上げる。私はつい左右を見回してしまう。何か言わないと。
「あ、うん、あそこに猫、黒猫がいるよ、ほら、トンネルの方」妙に早口になってしまいながらそう言って、私はトンネルの方を指さす。
 トンネルの向こう側は茜色にかわっていた。トンネルの中がゆらめいて、黒い動物がいるようにも見える。
 一緒にトンネルの方まで行く、黒猫はみつかるはずがない。
「見つからない、残念」美咲はそんなに残念そうに見えない顔でそう言い、振り返ってお地蔵様の方へと歩いていった。でも、その足が急に止まった。
「あれ、本当だ、黒猫だ」美咲が大きな声で言った。その後、チリンチリンと鈴の音がかすかに聞こえた。
「千代、あそこ、お地蔵様の後ろ、行っちゃう、追いかけよう、早く」
 美咲は私の手を引っ張りながらそう言って駆けていく。私は「え、え」と戸惑ってばかりだった。
 お地蔵様の横から土の段を登って、草やぶに入っていく。その先はけもの道のような道。さっきまで通っていた車道とは全く違う山道だ。でも、美咲も、もちろん私だって、黒猫をしっかりと見たかった。これが夢のままで終わってほしくなかったから。
 道のでこぼこに足をとられないよう気をつけ、膝下までの草を踏み分け駆けていく。今日の探険はまだ終わっていない。
 上り坂が急に終わりをつげて、視界が広がる。空き地のように開けたところの左奥には朱色が消えかかった鳥居があり、その先には、忘れ去られた社があった。
「すっごい」私はつぶやいた。その神社は古いのに、どこか手入れがなされているような感じもあり、全然不気味ではなかった。
「千代、あそこ」
 美咲が神社に入る階段を指さした。そこには薄い緑色の首輪をした、黒い小さな黒猫がいた。
「美咲。黒猫、黒猫に会えたんだね」潜めた声でそう言い、美咲と顔を見合わせる。美咲も、うんうんと嬉しそうにこたえる。そして私たちは物音を立てないように気をつけて神社の方へ駆けていった。
 黒猫は、私たちに気づき、こっちの方をみると少ししっぽをゆらゆらと揺らした後、神社の中へ小走りで入ってしまった。鈴の音が高く響き、そしてそれが遠くの方へ行ってしまう。
「あ、行っちゃったね」美咲は残念そうな、でも満足しているような顔をしてそう言った。ふいに風が吹き、木の葉がこすれあう音がさわさわとなった。そのやさしい響きの奥からは、まだ鈴の音が聞こえるような気がした。
「あの黒猫は、この神社の神主さんみたいなものなんじゃないかな」
 私はこの忘れられた神社はまだしっかりと息をしているように思えてならなかったので、そう言った。
「うん、きっと」美咲は空を見上げてそう言った。私も空を見上げる。西の空にはまだオレンジ色の雲が漂っていて、水で伸ばした後のように薄い水色の空は、東へいくのに従って濃い青色となっていった。
 今日の探険でも見つけることが出来た。素敵な場所と思い出を。

 お地蔵様の前まで戻ると「帰り道大変そうだなー」と苦笑まじりにそう言った。でも嫌じゃない、疲れなんかどこかに吹っ飛んでいたから。
「この先の道をまっすぐ行って…、すぐ右に曲がれば、バス停があるはず」
「え」
「ついてきて」
 美咲は先に行ってしまう、どこかきまりが悪そうにしている。
 私も戸惑いながらもついていく、美咲は前を見すえて歩いている。
 バス停がそこにあった。私は戸惑うしかなかった。
 何も言えずにバスが来て、バスに乗る。
 美咲は後ろの方の席の窓側に座り、私はその隣に座る。美咲は窓の外を見ながら、ふいに話かけてきた。
「あのね、私、あそこ、一度行ったことがあったんだ」
 気まずそうに弱々しくそう言った。
「でもね、今日の探険は本当に探険だったんだよ。だって私は道順をまるで知らなかったんだもん、本当だよ」
 申し訳なさそうにそう言う。
「転校してきた日に、偶然、本当に偶然に、信号で止まった車の中から、トンネルの前のお地蔵様が見えて、妙にひかれて、近くまでバスで行って、それが夢の神様だと知って、新しい友達ができますように、とお願いして」
 美咲が一度手で顔をこする。
「千代と友達になれて、本当にうれしくて、一緒にここに来たかったんだ。私なんだよ、あのうわさを流したのは」
「美咲…ありがとう」
 美咲はやっとこっちを向いてくれた。私と同じように目を赤くしていた。
「うん」
 私たちは目と目を見つめ合って、互いに深く知り合えたうれしさから、顔に笑みを浮かべて、一緒に笑い合った。

2010-01-02 10:25:54公開 / 作者:白たんぽぽ
■この作品の著作権は白たんぽぽさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
この作品は高校の頃に最後に書いた作品です。一応、部活の卒業制作のような形で書いたのですが、文集が発行されてからは日の目を見ることが無く、もったいないなと思い、今回こちらに投稿させていただきました。
僕の中では思い出深いこの物語が、皆様にとっても何かを感じさせるような作品であれば、と願っております。
この作品に対する感想 - 昇順
 はじめまして。
 僕もちょうど先日、トンネルを抜けていくという場面のある作品を投稿したところだったので、興味を感じて読ませていただきました。
 全体に随分優しいトーンの、かわいらしい話だなと思いました。ただ、そのせいもあって「小学生の話かな?」と思って読んでいました。中学生の冒険としては、ちょっとかわいらしすぎないでしょうか? ベネチアの話をする部分などは確かに中学生のようなのですが。
 あと、トンネルの部分の描写はやはりあったほうが良いかなあと思いました。恐らく、意図があって省略されたような感じはしたのですが、タイトルにもなっているわけなので、どんなトンネルか知りたい気がします。もっとも、この辺は好みによるというか、僕自身がかなりトンネルの部分を書き込んだのでそう思うだけなのかも知れませんけども(笑) 
2010-01-03 01:15:07【☆☆☆☆☆】天野橋立
こちらこそ、はじめまして天野橋立さん。
トンネルを抜けて、を読んでいただいてありがとうございます。話はちょっとかわいらししすぎましたでしょうか? 昔この話を見ていただいた時には、表現が難しすぎる、と言われてしまったので、意図的にやわらかな表現をしようと心がけていたのですが、やりすぎてしまったのかもしれません。
また、冒険内容は確かに中学生には簡単すぎるものだったかもしれませんね・・・、なんとなく今見てみると、小学校 5、6 年生くらいの方があっていたような気もします。ただ、どこかもしれないところへ歩いて向かうというのは、結構大変なことですよ、と言い訳してみたりします。
トンネル部分の描写は、ああいった詩的な表現をしてみたかったことと、トンネルが象徴しているものの特性から、あまり長々書くべきでないと思い、さらっと表現しました。確かに、もう少しトンネルを描写できていると良かったかもしれません。一言だけでも、加えるとぐっと良くなる事ってありますものね。良い表現がみつかったら、今度加筆してみようかな、と思います。
まだまだ新参者の自分ではありますが、今年も宜しくお願いします。
2010-01-03 18:30:16【☆☆☆☆☆】白たんぽぽ
拝読しました。水芭蕉猫です。にゃあ。
実は、最初は天野さん同様小学生の話しかと思ったのですが、うん、中学生でしたか。それなら納得。でも、全体的に可愛くて私は好きだなー。可愛くて優しくてのほほんとした気持ちになれる話は大好きです。
いっそのこと年齢層をぐっと低くしてしまったら可愛らしい童話のような話になって良いかなと思いましたが、まぁそんなことは些細なことです。
春の日差しのような暖かな物語で、なんとなく懐かしくなって面白かったです。
2010-01-03 20:41:04【☆☆☆☆☆】水芭蕉猫
こんにちは、水芭蕉猫さん、感想ありがとうございます。
この話はほのぼのあったかな話を書こうとしてましたので、そう言っていただけてうれしいです。イメージとしても童話風な話にしようと思っていましたので、やっぱり年齢を下げた方が物語に合っているのかもしれませんね。一応高校のときに文集に載せる話として書いたのですが、高校生の話じゃないし……、と思い中学生としました。また、受験前の不安な気持ちについても描きたかったので、中学生とした側面もあったのですが、今は中学受験というのもされる方が多いので、小学生でも良かったのではないか、と今更思いました。
これからも、ほのぼの、あったか、ノスタルジーな話を書いていきたいと思いますので、次回作も楽しんで読んでいただけたら、と思います。こんな風に書いていますが、何かの拍子で、ものすごく暗い話を書いてしまいそうな自分が怖いです。そのときは黒たんぽぽ、とか名前を変えて書こうかな(笑)。
2010-01-03 22:11:31【☆☆☆☆☆】白たんぽぽ
作品を読ませていただきました。女の子版スタンド・バイ・ミーって感じですね。大人が聞いたら馬鹿にして鼻で笑ってお終いになる事柄を真剣にやる姿が良いですね。ただ最後の方になるまで私は登場人物を小学生だと思っていた。中学校二年生以上にしては思考も行動も幼い感じがします。学年を見てちょっと違和感を覚えました。では、次回作品を期待しています。
2010-01-05 23:46:40【☆☆☆☆☆】甘木
 こんにちは、白たんぽぽ様。上野文です。
 御作を読みました。
 冒険ってこういうんだよね、と懐かしい気持ちにひたれました。
 駄菓子や未知への憧れ、というのが、小学生を連想させるのかな。
 中学生くらいになると、むしろ奇妙な不安感で未知に恐怖するような、そんな覚えがあります。
 短い作品ですが、興味深かったです。
2010-01-07 12:35:35【☆☆☆☆☆】上野文
こんにちは! 羽堕です♪
 千代と美咲の仲の良さなどは出ていて、探検という響きと一緒に楽しい気分になれました。ただ、そいう噂話を本当に信じて行動しているような所が、少し幼く感じるかなとも思いました。美咲の引っ張って行くような所と、千代のそれに一生懸命についていくような所で個性がでていて良かったです。美咲の願いは、素敵だなって思いました。
 冒頭の駄菓子屋の雰囲気が、少し伝わってこなかったかもです。コンビニのような感じなのか、それとも平屋みたいな一般的な家なのかなど。あとこれは、私がそう思っただけなのですが、冒頭と母との昼食の日記のような雰囲気の文書を最後に、もう一つ入れてもいいのかなと、勝ってに思ったりしました。すいません。
であ連載の続き&次回作を楽しみにしています♪
2010-01-07 23:30:38【☆☆☆☆☆】羽堕
こんばんは。エテナです。
なんだか私も昔に戻って、千代ちゃんや美咲ちゃんと一緒に冒険しているような気分になりました。
冒頭の飴選びのシーンが丁寧に描かれていて、私は駄菓子屋さんにはめったに行かなかったんですけど、ものすごく懐かしい気持ちになりました。
こういうお話って、男の子と女の子の組み合わせで書かれたものならたくさんあるような気がするんですけど、女の子の友情のお話として描いても、全然違和感がないのですね。いいなぁ。この懐かしい気持ち。
最初から最後まで、懐かしさと、柔らかくあたたかい気持ちで読めました。よかったです。
2010-01-10 23:55:24【☆☆☆☆☆】エテナ
お返事遅くなって申し訳ありません。少々別のことに集中せねばならない事情がありまして……。今後はまだ時間が取れるはずですので、ガンガンがんばっていこうと思います。

こんにちは、甘木さん、感想ありがとうございます。
スタンド・バイ・ミーって感じ、と言っていただいてありがとうございます。僕はスタンド・バイ・ミーの小説も映画も大好きですので、とてもうれしいです。はじめは男の子同士にしようかとも思ったのですが、それじゃ普通すぎるということと、一回女の子を主人公にして小説を書いてみたい、と思って今のようになりました。女の子が主人公の小説も書いていて面白いのだな、ということをこの作品を通して気づくことができましたので、もう一回くらいは、女の子主人公の話を書いてみたいと思っています。
学年設定はやっぱり、ちょっと失敗してしまいましたね。実を言うとこの話の大半が、小学校の頃の思い出を思い返しながら書いていたので、小学校の年代の子達の話のようになってしまうのは、半ば当然なのかもしれません。うーん、ちょっと書き直したいところもありますので、今度設定を小学校5年生くらいにして、また書き直しをしたい、と思います。
いつも的確なご意見ご感想、ありがとうございます。とてもためになることばかりで、いつも勉強させていただいております。

こんにちは、上野文さん、感想ありがとうございます。
冒険に対する懐かしさを感じていただけてありがとうございます。僕は、この年になっても、知らない土地をなんとなく歩いたりして冒険したりしていますが(笑)、昔のように友達と一緒に、瑞々しい気持ちで冒険するなんて事は、もう全然できていないです。やっぱり、その年頃しかできないことってあるのだなぁ、と最近しみじみ思っている次第です。僕も懐かしい気持ちに浸りながら書くことができましたので、そのように上野文さんも感じていただけて、とてもうれしいです。
奇妙な不安感で未知に恐怖する……、という言葉は、なるほど、と思いました。確かに僕も中学生の頃は、そんな感じだったような気がします。中学生になると急に駄菓子屋とか行かなくなりましたし(本当のところは、駄菓子屋がつぶれてしまったせいで、行けなくなったのですが)、冒険のようなこともやらなくなってしまいました。その時その時の悩みで精一杯で、とてもそんなことしているゆとりを感じられなかったから、そうなってしまったのかな、と今はそう思ってます。中学生の頃は、悩みが多すぎていつも不安でいっぱいだったです。うーん、中学生と年齢設定するならば、もっと悩みの方に主眼を置いた書き方をしなければ、いけないのかもしれませんね。
いろいろとご意見ご感想、ありがとうございました。次回作などもがんばります。

こんにちは、羽堕さん、感想ありがとうございます。
探検を一緒に楽しんでいただけたようで、書いて良かった、としみじみ思いました。仲良く探検にでかけることは、すっごく楽しいことなのだ、と感じていただけることを目標にも書いていたので、そう思っていただけて、とてもうれしいです。
噂話を信じる、てところがなんか女の子っぽいかな、と思っていたのですが、確かに噂を本当だと思ってしまっているように書いてしまうと、ぐっと小学生っぽくなってしまいますね。
三咲と千代の個性がでていると言っていただけて、うれしいです。どうも僕は主人公が相方に引っ張られるという構図が好きらしく、『夜の図書館』も同様に同じような構図になってしまっています。なんというか、この構図は書いていてとても楽しいのですよね。ですが、そればかりではマンネリ化してしまいますので、次回作では、何か違った構図の話を書きたいな、と思います。
冒頭の駄菓子屋さんは、確かに描写が少なすぎたかもしれません。どうも僕は冒頭の描写が少なく書きすぎてしまう傾向にあるみたいです。今『夜の図書館』の書き直しをちょっとずつやっているのですが、冒頭の箇所をかなり加筆していまして、やっぱりあちらの作品も冒頭の部分に難があるような気がします。改善していきたいな、と強く思います。
最後を日記風にしめくくることは、僕も考えたのですが、当時はうまい言葉がみつからなかったことと、笑い合うシーンで終わらせたかった、という理由から結局付け足さずに終わってしまいました。ですが今は時間がありますので、ちょっとその言葉をじっくり考えてみて、付け足すかどうか考えてみたいと思います。勝手だなんてとんでもないです。そういうことを言っていただけないと、僕はさぼってしまいますので(僕はとても面倒くさがり屋なのです笑)、ご意見にとても助けられています。連載の続きはわりとうまくいっていますので、近日中に更新したい(できなくても手直しくらいはしておきたい)と思います。
いつもご意見ご感想ありがとうございます。とてもその言葉を励みにしております。

こんにちは、エテナさん、感想ありがとうございます。
懐かしい気持ちになっていただけて、ありがとうございます。僕も書いていてとても懐かしい気持ちにひたれたので、読んでいただいた方まで、そんな気持ちになっていただけると、書き手冥利に尽きます。
組み合わせといたしましては、始め男の子同士を考えていたりもしたのですが、普通すぎるということで、女の同士にしました。わりとうまくいったようで、うれしいです。男の子と女の子の組み合わせに関しては、恋愛要素が苦手なので(汗)、除外してました。今度は、友情だけじゃなくて恋愛も絡めた物語作りをしていきたいです。そのためには、もっと物書きレベルをあげないとですね。がんばります。
これからもあったかぽかぽかする話を書いていけたならば、と思いますので、また次回作なども読んでいただけるとうれしいです。
うれしいご感想ありがとうございました。次回作も読んでいただけるようがんばります。
2010-02-07 18:16:40【☆☆☆☆☆】白たんぽぽ
こんにちは、水山 虎です。
文芸部に入っていたのですか? 僕も入学したら入る部活は絶対文芸部……です!
俺もこのくらい書けるようになりたいです!
 よく捉えてますよねー。あまずっぱすぎやこの小説。あまずっぱうまいです。
2010-12-26 17:10:48【☆☆☆☆☆】水山 虎
 水山 虎さん、この話も読んでいただいて、本当にありがとうございます!この話は、とても思い出深い話なので、読んでくださって、しかも感想までいただけて、すごくうれしいです!!
 高校の文芸部はすっごく楽しいですよ〜。何が楽しいかというと、やはり、みんなで意見しあって創作できることですね!中には絵を描くのが得意な人がいたりもしまして、様々な観点から作品を評価してもらえることがとても楽しいのですよー。
 もしなくても、自分で作る、という選択肢もありますよ!!僕の学校の文芸部は一度つぶれていたのを、僕の上の代の先輩が復活させた、というエピソードがありますので、それもそれで楽しいと思います!!!
 今読むと、お恥ずかしい点もあるのですが、ただあの頃は書けていたのに、今はなかなか書けない点などもあります。今の自分と、昔の自分。どっちのいい所も取り入れつつ、創作していきたい、と強く思います。
 水山 虎さんは、まだまだお若いので、絶対これから伸びていくと思います!若いってうらやましい〜。でも、僕もまだまだ若い(?)はずなので、がんばって伸びていきたいと思います。ぜひぜひ一緒に頑張っていきましょう!!書けば、絶対うまくなると信じて!!
 女の子同士の友情って、あまずっぱいですよね。一度ぜひこの題材で書いてみたかったのですよ〜。それがうまく表現できていたようで、とてもうれしいです!
 またこんな話を書けたら、と思いますが、カンを取り戻すのに時間がかかりそうなので、結構先になりそうです。でも、面白い題材なので、ぜひこれを書けるだけの力を取り戻したい、と思います。
 感想本当にありがとうございました〜!!
2010-12-28 01:20:50【☆☆☆☆☆】白たんぽぽ
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。