『笑顔の宝 ホントの宝 三話』作者:悠里 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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『お兄ちゃん、おはよう』

何気なく交わす、いつものメール。
そしていつもの返事。

『おはよう、柚華。今日も暑いね』

そう、いつもの会話。
何も変わらない。
いつもの楽しい会話。

『お兄ちゃん、もうすぐ学校始まるね』

『俺は大学だからね。まだ一ヶ月あるよ』

何気ないメールだよ。
楽しいよ。
でもね……複雑……。
だって……私は、彼に恋をしているから。

『お兄ちゃん、私ね……』

言いかけてやめる。
恥ずかしいから?? んんん。違う。怖いから。
告白って怖いでしょ??
それもあるけど、つい最近まで知らない人だったし、今でも顔分からないっていう状況だし。
顔なんてどうでもいいんだけどね。だって、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん。私の大好きなお兄ちゃん……。

『ん?? 何??』

お兄ちゃんからの返事に戸惑い、とっさに打つ。

『んんん。何でもないよ』

と。
私って、こんなに弱い人間だったっけ…??
こんなに意気地なしだったっけ……

『そっか。あ、用事が入った。またね、柚華♪』

『あ、うん。いってらっしゃい』

彼は携帯を持っていない。
パソコンでメールをしてくれている。

 何もない空虚感。
私って、ホント、こんなに弱かったかなぁ……??
いつも意地張って、堂々としてるのに。
部活でも、一年のリーダーを務めるぐらい強くいるのに……
クラスでも、強がってるのに……
……これが本当の私なんだね。
弱っちいこの私が……本当の私なんだね。

『柚華さ、最近なんか……落ちてない??』

『どういう……こと??』

『ヘコんでるっていうか。部活も上の空じゃん??』

『ん……ちょっとね』

友達とのメールは、だいたいこんなもん。
心配してくれるのは嬉しいけど、相談なんてできないよ。

 私は一度、裏切られたことがあります―――――

相手はお母さん。
愛をくれてるって思っていたのに、ただ利用してただけ。
お金儲けに利用してただけ。
お金儲けに失敗すると、すぐに怒鳴って、家から追い出す。
泣いて、泣いて、泣いて……泣く事を忘れるぐらい泣いた。
涙が涸れて、もう出なくなった。
そして母さんは……私から弟を奪って出て行った。

 それ以来、ヒトを信用することができなくなった―――――

だから、友人に話しても裏切られると思っている。
結局、トモダチってのは上辺だけ。
中身からのトモダチなんていないんだよ。
ヒトはいつも一人なの。
生きるも死ぬも……ね。
……そう、彼のことも、心から信じていない。
お兄ちゃん!! とは言っているけど、信じられない。
嬉しいメールとかもくれるけど、信じられないよ。

 だから笑顔を忘れていたの―――――

……お兄ちゃん、貴方は私を裏切らない??
お兄ちゃん、貴方は私を妹としか思っていない?
お兄ちゃん、私の気持ち、受け止めてくれる……??

怖くて伝えられない。
怖くて、怖くて、怖くて……

逃げられる道じゃないって思う。
だけど……どうしても逃げちゃうよ。
裏切られることはもうイヤだ。
嫌われることもイヤだ。
だから逃げるんだ。

私は笑顔と言う宝を取り戻しました。
それが本当の……宝なのでしょうか……。
私の本当の宝物は……笑顔なんでしょうか……

『ただいま、マイハニィ♪』

再び届いたお兄ちゃんからのメール。
私は思い切って聞いてみた。

『お兄ちゃん、貴方は私をどう思う??』


                        つづく
2003-11-30 00:00:16公開 / 作者:悠里
■この作品の著作権は悠里さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はい、意味不明失礼です…(汗)
頑張って書かせていただきました。
読んでいただければ光栄でございます♪
えっと、今回は恋愛要素を含んだお話です。恋を知らない、愛を知らない少女と、優しい男性のお話です♪ 

 それでは、皆様もご執筆頑張ってください☆ 失礼致します☆
この作品に対する感想 - 昇順
いい所で終わってますねぇ〜(笑)
2003-11-30 11:29:12【★★★★☆】はるか
ニクイ終わり方を…続き、続き。
2003-11-30 13:33:11【★★★★☆】Be
あああ… こんな私のヘボ小説を毎回読んでくださって…本当に有り難うございます♪♪
2003-11-30 13:43:35【☆☆☆☆☆】悠里
計:8点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。