- 『笑顔の宝 ホントの宝 三話』作者:悠里 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角1559.5文字『お兄ちゃん、おはよう』
容量3119 bytes
原稿用紙約3.9枚
何気なく交わす、いつものメール。
そしていつもの返事。
『おはよう、柚華。今日も暑いね』
そう、いつもの会話。
何も変わらない。
いつもの楽しい会話。
『お兄ちゃん、もうすぐ学校始まるね』
『俺は大学だからね。まだ一ヶ月あるよ』
何気ないメールだよ。
楽しいよ。
でもね……複雑……。
だって……私は、彼に恋をしているから。
『お兄ちゃん、私ね……』
言いかけてやめる。
恥ずかしいから?? んんん。違う。怖いから。
告白って怖いでしょ??
それもあるけど、つい最近まで知らない人だったし、今でも顔分からないっていう状況だし。
顔なんてどうでもいいんだけどね。だって、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん。私の大好きなお兄ちゃん……。
『ん?? 何??』
お兄ちゃんからの返事に戸惑い、とっさに打つ。
『んんん。何でもないよ』
と。
私って、こんなに弱い人間だったっけ…??
こんなに意気地なしだったっけ……
『そっか。あ、用事が入った。またね、柚華♪』
『あ、うん。いってらっしゃい』
彼は携帯を持っていない。
パソコンでメールをしてくれている。
何もない空虚感。
私って、ホント、こんなに弱かったかなぁ……??
いつも意地張って、堂々としてるのに。
部活でも、一年のリーダーを務めるぐらい強くいるのに……
クラスでも、強がってるのに……
……これが本当の私なんだね。
弱っちいこの私が……本当の私なんだね。
『柚華さ、最近なんか……落ちてない??』
『どういう……こと??』
『ヘコんでるっていうか。部活も上の空じゃん??』
『ん……ちょっとね』
友達とのメールは、だいたいこんなもん。
心配してくれるのは嬉しいけど、相談なんてできないよ。
私は一度、裏切られたことがあります―――――
相手はお母さん。
愛をくれてるって思っていたのに、ただ利用してただけ。
お金儲けに利用してただけ。
お金儲けに失敗すると、すぐに怒鳴って、家から追い出す。
泣いて、泣いて、泣いて……泣く事を忘れるぐらい泣いた。
涙が涸れて、もう出なくなった。
そして母さんは……私から弟を奪って出て行った。
それ以来、ヒトを信用することができなくなった―――――
だから、友人に話しても裏切られると思っている。
結局、トモダチってのは上辺だけ。
中身からのトモダチなんていないんだよ。
ヒトはいつも一人なの。
生きるも死ぬも……ね。
……そう、彼のことも、心から信じていない。
お兄ちゃん!! とは言っているけど、信じられない。
嬉しいメールとかもくれるけど、信じられないよ。
だから笑顔を忘れていたの―――――
……お兄ちゃん、貴方は私を裏切らない??
お兄ちゃん、貴方は私を妹としか思っていない?
お兄ちゃん、私の気持ち、受け止めてくれる……??
怖くて伝えられない。
怖くて、怖くて、怖くて……
逃げられる道じゃないって思う。
だけど……どうしても逃げちゃうよ。
裏切られることはもうイヤだ。
嫌われることもイヤだ。
だから逃げるんだ。
私は笑顔と言う宝を取り戻しました。
それが本当の……宝なのでしょうか……。
私の本当の宝物は……笑顔なんでしょうか……
『ただいま、マイハニィ♪』
再び届いたお兄ちゃんからのメール。
私は思い切って聞いてみた。
『お兄ちゃん、貴方は私をどう思う??』
つづく - 2003-11-30 00:00:16公開 / 作者:悠里
■この作品の著作権は悠里さんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
はい、意味不明失礼です…(汗)
頑張って書かせていただきました。
読んでいただければ光栄でございます♪
えっと、今回は恋愛要素を含んだお話です。恋を知らない、愛を知らない少女と、優しい男性のお話です♪
それでは、皆様もご執筆頑張ってください☆ 失礼致します☆
- この作品に対する感想 - 昇順
-
いい所で終わってますねぇ〜(笑)
2003-11-30 11:29:12【★★★★☆】はるかニクイ終わり方を…続き、続き。2003-11-30 13:33:11【★★★★☆】Beあああ… こんな私のヘボ小説を毎回読んでくださって…本当に有り難うございます♪♪2003-11-30 13:43:35【☆☆☆☆☆】悠里計:8点
- お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。