ショート、と銘打ってあるので、これでおしまいなのでしょうか。私としては、やはりこのふたり(?)の今後の交際に、大いなる期待を抱いてしまうのですが。
主人公がエレベーターに向かうあたりから会話が始まるまでの、時制の『いれこ』構造には、初読時少々とまどいましたが、お犬様作品としては平易ですし、その後のふたりの会話などは、ちょっと涙が出そうになりました。ロマンチック。思わず絵柄を脳内演出してみたくなる対話です。
もしこの情景の地の文が、ブラッドベリのごとき叙情散文詩や、ロバート・F・ヤングのごとき甘いポピュラーソングの趣であったら、思わず座布団2枚を配っていたかも知れません。それがお犬様の意図と重なるかどうかは別として、狸的には、とても切なく美しい光景でした。
2008-10-12 21:30:40【★★★★☆】バニラダヌキ
拝読しました.対話の内容はよくわからなかったですが,雰囲気はよく出ていたと思います.1行目の文が,意味をとりにくかったです.読点の位置を調整するなどすると,よいかもしれません.また,「チューリングテスト」が正しいと思います.
2008-10-12 22:04:16【☆☆☆☆☆】一読者
こんにちは!読ませて頂きました♪
聞きなれない単語もいくつか出てきましたが話の流れの中で、なんとなく想像できて思ったより、すんなりと読めました。アーカイブスとっては、してやったりなのかなぁと、私のかってな思い込みですが、アークの岩盤の中に埋まってる部分を見たかったのではないかなと、自力で壊したりする事は出来ないと解っていたから、罠というか駆け引きによってアーク自信から出るように仕向けたのかなって。そういう伸るか反るかみたいのを楽しみました。最後の問いの答えがあるとすれば「もうない」かなと。その姿に新たな好奇心を持つかどうかは解らないですけどねwと多分、全然違うかなと思いつつも、かってに楽しませて頂きました。
では次回作も期待しています♪
2008-10-12 22:29:54【☆☆☆☆☆】羽堕
望月の 欠けたることも なしと思へば
>バニラダヌキさん
はい、ショートです。ショートが好きです。ケーキもショートが好きです。
自制は、うやむやにしました。二度もエレベータに乗る描写をするには必要な緊張感を保てないので、現在と過去をシンクロさせました。もっとわかりやすく書く方法はあったかと思いますが、私の力が及びませんでした。
バニラダヌキさんを泣く寸前まで追い込めたことは嬉しいです。あと一息。でも、「そっち方面でも攻められるのか」と勘違いしそうです。映像はとても意識しています。もう、存分に脳内演出してください。叙情的な地の文というのも、バニラダヌキさんでしたら書けるでしょうね。今回の試みは『そんな情緒溢れる内容を私が書くにはどうしたら佳いか』です。情緒溢れない私です。
>一読者さん
一行目のセンテンスは確かに長く、瞬間的に捉えることはできないと思いますが、読点の位置はこれ以上動かせません。もしよろしければ、一読者さんの最適だと思う読点の位置を教えてください。
チューニングテストはチューリングテストをもじって書きました。転送やノイズの単語同様、送受信に関する会話を行っています。
>羽堕さん
専門用語のような言葉がアークの台詞からちらほら出てくることもありますが、物語に与える影響は雰囲気だけです。
「自分の力ではどうしようもできないだろうな」とは、ハップルもかなり高い確率で見積もっていたと考えます。でも「もうない」って、ハップルどんだけえろいねん! えろえろじゃないですかハップルさん。
2008-10-12 23:54:21【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
こんばんわ、暴走翻訳機です。
なるほど、ハップルが歩んできた人生は悲劇ではなく喜劇だったのですね。私も、戦争や宗教上の争いなど、醜く滑稽なものにしか思えません。こうして、戦争などに対してを皮肉っているお犬様の作品が好きです。
望月の〜は、ハップルとアークが居る月と掛けているようで、お犬様のユーモアのセンスに感心するばかりです。藤原道長もビックリだ。
と、もうこんな時間なので、私も望月を眺めながら夢の世界へ飛び立ちましょうか。いずれ、月へ小旅行にいけると嬉しいですね。誰かロマンチックと〜め〜て♪
2008-10-13 01:26:03【☆☆☆☆☆】暴走翻訳機
あい.説明しにくいのですが.
「荒野を往くガンマンの長いコートが地を舐めるように、質感を伴う微細なざり……ざり……と響く音が耳を離れない。」これを次のように記号化してみます,「AがBするように,(Cと)Dする音が耳を離れない」.間違いないでしょうか...
A:ガンマンのコート(S
B:地を舐める(V
C:質感を伴う微細なざり……ざり……
D:響く(V
(Sは主語,Vは動詞)
1.Cの問題
A,B,Dの関係はよく読めば分かってきます.
しかし,「AがBするように(@)Dする」の間(@)にCがあるので,読者はそれぞれの関係を読み解くに苦労すると思うのです.Cが長いことも一因と考えられます.
たとえば,Cの「質感を伴う微細な」を削ることで,理解しやすくなると思います.
「質感」について,前文に「コートが地を舐める(ように)」とあるので,読者は物体がひきずられる様子を臨場感をもって想像できます.
また,「微細な」については,直後に「ざり……ざり……」と特徴的な表現(“ざりざり”でない点で)をなさっているのでそれだけでも十分効果的と思います.
したがって,「質感を伴う微細な」の一文を削っても支障は出ないと思います.このままではすこし説明が過剰なように感じます.
2.読点の問題
読者は,「AがBするように」とあったら,次に続く文を「(A)がDする」と予想します.ので,間に読点を入れると分かりにくい,と言いたかったですが,そうでもないようです.自信がなくなりました,すみません.
ただ,冒頭に,さらりと一読しただけでは意味のとり難い文があるのは,即効性が求められるショートショートにとって致命的ではないでしょうか.また,「ガンマン・荒野」などから読者が以降の物語にも西部劇の要素が,関係してくるのでは?と誤解してしまうのも問題だと思います.ショートショートをどこまで意識されているのか分かりませんが,冒頭の3行を省き,世界観の説明から入ったほうが,読者はとっつきやすいと感じます.以降の内容がむつかしいのであれですが(ショート*2を外したほうがいいのでは?).
チューニングテストはわかりませんでした.故意の誤字・もじりvs.誤字を読者が判別できないのは,なにか致命的と思いませんか?どうなんでしょう.
2008-10-13 01:58:43【☆☆☆☆☆】一読者
拝読いたしました。
冒頭から会話文の前までの描写、……個人的に、貴方様のこの書き方が私は好きです。
それと、この無常と無情の世界――そんなつもり無いかもしれませんが――ああ、好きな情景だ。砕けてしまいそうな、銀色の月世界だと思いました。
中盤まで読んだ時、ショートと分かっていたので残念でした。
次回作、お待ちしております。
2008-10-13 02:48:55【★★★★☆】ミノタウロス
この世をば 憂き世とぞ思ふ 餅搗きの 欠けたる臼も 杵も重いわ
こんにちは。「人間じゃないもの」を描いた結果として「人間」が描けている、という印象を受けました。SFにすることで、意図は成功なさったと思います。本領発揮? それとも世を欺く妥協? だけどとっても面白かったです。こういうの好きです。もっと長いのを読みたいです。長編に仕立て直したら小松左京みたいになりそう。もっとSF書いてくれないかなあ。
冒頭は確かに「音」にかかる修飾語が多すぎて「頭が重い」悪文の典型だと思いますが、必ずしも悪文が悪いとは限らない場合もあると思うので、悩ましいところです。個人的にはOKの範囲ですが、一読者さんのおっしゃることも大いに頷けます。
ただ、僕にはこれがショート・ショートだとは思えませんでした。「短い短編」ではありますまいか。ただの印象ですし、ジャンル論争をするつもりは毛頭無いのでここらでやめておきますけど。
2008-10-13 13:09:18【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
おっと。忘れてました。ごめんなさい。
2008-10-13 13:09:49【★★★★☆】中村ケイタロウ
「センスがある」と言われると、ここになにを書けばいいのかわからなくなる。
>暴走翻訳機さん
なるほど、凄い裏読みですね。皮肉に皮肉を返して皮肉が皮肉を呼んで皮肉で皮肉を洗って、自分でもなにが皮肉なのかよくわかりません。
私は未だに、空に浮かんでいるのは演劇で使うような張りぼての月なのではないかと疑っています。本当にアポロが月面着陸したのなら、ちゃんと月の兎を連れて帰ればよかったのに。交渉できなかったのだろうか。
>一読者さん
となると、
【荒野を往くガンマンの長いコートが地を舐めるように、ざり……ざり……と響く音が耳を離れない】
が最適ということですね。文章がすっきりしました。ご説明ありがとうございました。
短い文章でありながら修飾語たっぷりの大長編のような情緒をもたせるにはどうしたらいいのか悩みました。【ガンマン・荒野】は後の【ゴールドラッシュもアメリカンドリームも】にかかってきます。【大航海時代・植民地】も、競争や戦争にかかってきます。自分の文章を分解するのは恥ずかしいですね。
ショートであることはほとんど意識していません。もともとは今の二倍以上ある書き物でした。「このまま削り続ければ十枚以下になるかな」と思っていました。冒頭の三行を削ると、今度は大航海時代のヨーロッパが舞台だと思われるだけであまり違いがないのでは? ショートの分類を外すと、前作と逆のことが起きてしまうので必要だと判断しました。
【チューニングテスト】は雰囲気作りだけの言葉ですし、わかる人だけに「ふっ」と笑ってもらえればよいと思っています。そういった遊びはこの書き物に限らずごろごろしているのですが、あまり指摘されないのでわかった上で納得されているのか、気付かれていないのか気になるところです。
>ミノタウロスさん
よいのは会話文が始まるまで。【アベマ奇譚】のときにも似たことをいわれた覚えがあります。SFの設定を面白く書けるというのは重宝したい能力ですが、逆にいえば「会話でブち壊し」ってことですよね。もう、いっさい会話のないSFを書いてみようかな。
情景を重要視して描きましたが、ここまで感じ入ってくれるとは思いませんでした。書こうと思えばもっと書けるだろうに、私の筆力不足が悔やまれます。
>中村ケイタロウさん
確かに、兎にはちょっと重いかもしれません。
人間が書けているとしたら、それはプログラムされているからです。もともともっと長い書き物で、この先もあったのですが、面白くなかったので削りました。各自で続きを補填してください。そのほうがきっと面白いものになります。
冒頭に悪文がくるのは、私の気合が入りすぎているときです。「もっとリラックスして書けよ」と思います。
ショートのことを調べてきました。どうやらオチという言葉に沿って、読み手の溜飲を落ちるまで下げていないといけないようですね。その点、この書き物は読後感まで引っ張ろうとしているのでショートではないのかもしれません(でも、短編って分類は登竜門にない)。
2008-10-13 14:28:06【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
2008-10-13 14:45:11【☆☆☆☆☆】Dr.アーム
この子をば 担保にぞ入れむ 土地付きの 建てたる家も 無しと思へば
こんにちは。
いえいえ、僕としてはただ、「もっと長いSFを読みたい」と言いたかったつもりでした(文法が変だ)。必ずしもこの続きじゃなくてもいいんです。失礼ながら、向いていらっしゃると思うんだけどなあ、ひねった理屈をお書きになると不思議なムードがあるから。(それってミステリ向き、ということでもあるのかもしれないけど、以前申し上げたとおり僕は頭が散漫でミステリが苦手なので、SFがいいな)。それでは失敬。
2008-10-14 02:25:18【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
ベランダから月が見えません。
>Dr.アームさん
……読んで頂けたということでしょうか。ありがとうございます。
>中村ケイタロウさん
その三十一文字にどんなツッコみを期待しているのでしょうか。お手上げです。
読みたいと言って頂けるのは非常に光栄です。今現在も36章からなる超能力SFを書いていたり、続きものの侵略SFを書いていたり、続きものの時間SFを書いていたり、別のロボットSFを書いていたりするのですが、この書き物のような情緒はないと思います。できるだけバラバラなものを書こうとしています。
(中村さんはミステリも巧く書けそうだと言ってくださいますが、前作の二の舞が怖くてなかなか手が出ません)
2008-10-15 02:06:09【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
中村ケイタロウさんの望月、面白いですね。道長もびっくり笑
こんばんは☆モバイルで拝読してました。感想遅くなってごめんなさい。
えっと、ショート・ショートじゃない、っていうのはあたしも思いました。短編っていうか、短い長編みたいな印象です。
綺麗で退廃的な映像が浮かんできて、模造の冠を被ったお犬さまさんはこんな、魅せる文章も書くんだなぁ、って思いました。いつもの作品は、考えさせられることあれど、あまり情景が浮かんでくることは無かったんです。ちょっと意外でした。
ここで終わり、っていうのも余韻が残って素敵ですね。今度はタイトルも文句無く好きです♪(ほんと、先日は失礼しました汗)
それと、最初の一文の話なんですけど、「荒野を往くガンマンの長いコートが地を舐めるように」→「荒野を往くガンマンの長いコートが地を舐めるような」だと、心もちすっきりするような気がするんですけど、どうでしょうか。あ、でもそうすると「響く」があわないですね。うーん。すみません聞き流してください。
次回作も楽しみにお待ちしてますね。
2008-10-15 21:16:48【★★★★☆】夢幻花 彩
望月や ああ望月や 望月や
>夢幻花彩さん
こんな魅せる文章も書きます。とてもとても暇で、やることもなく手空きのときには。彩さんの感想を見ると、まるで私は思想家みたいですね。
タイトルも好きといっていただけて嬉しいです。好きに勝ることはないですが、嫌いであってもそう言っていただけたほうが私は嬉しいです。ためになります。
【荒野を往くガンマンの長いコートが地を舐めるような、質感を伴う微細なざり……ざり……と響く音が耳を離れない】もいいですね。ただ、私は【ような】だと一文の繋がりが弱くなってしまうような気がします。繋がらないからこそすっきりするのでしょうけれど、ここは力任せにぐいぐい押し込みたいところです。
2008-10-16 01:14:29【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
>そういった遊びはこの書き物に限らずごろごろしているのですが、あまり指摘されないのでわかった上で納得されているのか、気付かれていないのか気になるところです。
「この書き物に限らず」とは,小説一般のこと,あるいは作者さまがお書きになった作品に限ってのこと,のどちらでせうか.後者と想像します.
前作でも先輩のセリフを誤字と誤読したような記憶がありますが,今作を読むにあたってわたしはその教訓を生かすことができなかったと思うのです.落ち度です.作者さまのような方が,誤字をするハズがないと(おそらく常連の多くの方が了解するところの前提と思います).
なので,みなさん,わかった上で納得されてると思います,それを遊びと理解されてる(おそらく).でも,その不安は想像つきます,ギャグが伝わっていないでスルーされてるのではないかという.3回目はないよう十分,注意したいと思っとります.
2008-10-17 05:13:23【☆☆☆☆☆】一読者
夢の浮き橋 月の浮き舟
>一読者さん
私が誤字を書くはずがないとは、ずいぶんとハードルを上げられたものだなあ。
一読者さんの読解が私の意図とは違うところにあっても、それによって一読者さんが責められるところはどこにもありません。意図を伝えようとして伝わらないのは、私の心魂と技能が足りないからです。
ギャグといえば、この書き物がひとつのギャグなのです。それがバレると、規約に抵触しそうになるので表立って言えませんが。一読者さんはいつも痒いところに感想をくれるので、私は自分で解説をして自滅していますね。
2008-10-18 14:04:06【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
計:16点