『純粋じゃいられない!』作者:おやまアザーズ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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○プロローグ

 まず最初に言おう。純粋で居られる期間はいたってシンプルである。
 この言葉に意見のあるやつ、かかってこい。堂々と裁判官に訴えてやる。

 生まれてくる命、生まれてしまった命、既に汚染された大人の社会の住人。この世界には様々な命が存在する。だからこの世の中に純粋といわれる言葉自体が汚染されかけてると私は思う。
 この世はゴミ溜めだ。排気ガスに埋もれた有害物の宝庫。ほぉら、ここまで言ってもまだ反論するか? 別に私は構わない。
 反論する勇気がある奴はまだ良い分類のうちに入ってるからな。さぁ、ここまでいって反論できない奴ら! まだ反論するうちに入らないか? 入らないからまだ反論しないのか? いいだろ。文句のある奴かかってこい。

○第一話

 これは脳裏での強気な私である。現実はもっと最悪。正反対だ。自分の意見も素直に言えない上に古典的な臆病者だ。休み時間は読書だけをしていれば存在すらないくらいに静かで、何を考えているのかすら判らないとは私のためにあるようなものだろう。
 あまり人と係わりたくないというか他人があまり係わってこないというか。ある意味、五分五分である。内心でも私はいつだって強気で、脳裏では私であって現実とは正反対の憧れの私が加速中。変に想像を超えた妄想が取っ手をつけたように全力疾走している。
 酒に酔いでもすれば少しは楽に打ち解けられるだろう。なんて思う未成年の想いは未だに程遠い。あと10年くらいはかかるだろう。遠いようで短いというが私には遠すぎて、目標のゴールが見えてこない。こんなことを暗中模索で探すというのか。いわなくても大体はあっててほしいと思うこの頃。
「次、前田ー。前だー」
 そもそも今は席替えの最中で、存在すらなさそうな私が一列後ろの席からに列先の先頭に移動することになった。わざわざ言うまでも無いが机を持ち上げて、そのまま決められた席に移動するという変わりない席替えである。席替えで違うところといえばクラスごとに席替えの順番を決める方法が、阿弥陀クジか普通のクジ引きか。この程度だろう。
 案の定、私の名前を某ちびっ子芸人の様に呼び捨てた教員。某といっても既にバレバレである。このとおり、私の苗字は前田です。このクラス限定でネタの出来ない引っ込み思案な前田は中学5年生で一人っ子。実際の違う前田はネタもしっかりしてて偉い可愛い子だし、私も好きだから苛めないであげて。
 ただ私の場合は苛めが過剰。下駄箱に大量の画鋲を詰め込まれた上に愛用の上履きまで被害にあった始末。これくらいはまだいいほうだ。最悪なときは愛用品全てが紛失。上履きに限らず私の使用する全て、筆記用具諸々。今までに消えたものは体育着とか弁当箱とか筆箱とかエトセトラ。思い出すだけでもうんざりする。ていうか、なんなのよ。この関連性のない紛失事件。盗むんだったらもっと関連性を大切にしてほしいわ。

 とりあえずに列の先頭に席を移動したわけだが、何これ。めっちゃ後ろからの熱い視線が一度にたくさん背中に突き刺さるんですけど。実は私ってそんなにモテモテなわけですか。もしかしたら隠れモテキャラとか。変な期待とか何かしちゃって後々ぬか喜びで終わるなんておいしい夢だ。
 でもなぁ、そもそも私ってメガネかけてないし。身体のほうもさぁ、おうとつがはっきりしてない感じ。所謂、私は幼児体系だし。憧れの”ぼんっ、きゅっ、ぼんっ”じゃないからなぁ〜……。そりゃさ、人一倍に綺麗なものには棘があるみたいな薔薇要素は多分あると思うし、少しナルシストな男でも許せる広い心は持ち合わせてるよ。私ってほら、さらさらの黒くて長い髪で生徒会長じゃん? その点、私以外の女子って阿呆やん。成績優秀、生徒会長、ついでに図書委員、少し地味な雰囲気を持つけど実はかなりのどじっ娘で可愛いトコ満載みたいな。……そんな私になりたい。
 良く考えたら不満だらけじゃん。私。妄想の大半が不満と理想ばっかりで、現実まるっきり見えてないなぁ。見たくもないけど。二次元の中の私は明るく無邪気なトラブルメーカー。天然100%のどじっ娘。身長はまあまあ現実に近づけて150センチ代を狙う。チビキャラの法衣姿とか巫女さんとか結構、萌えると思うよ? 私の憧れの理想は完璧だ。
 ただこれをどうやって現実に持ち出すかが問題だ。いや、別に持ち出そうとしなくってもいいんだろうけどさぁ……あえて持ち出したい気持ちがあるわけで。今はその準備期間みたいな。現実を見ない私だからこそこうやってこうしてエンドレス妄想を貫いているんだと思うよ。マジで。現実の私は図書委員で、四六時中黙りっぱ。ノンストップでエンドレス、私は国語と古典の授業以外は一言もしゃべらない。長い黒髪で幼児体系。視力はまあまあいいほう。私だって弾ければ何でも出来る気はする。
2008-08-21 20:48:25公開 / 作者:おやまアザーズ
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この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは!読ませて頂きました♪
勢いのある文章だとは思いました。一人称で、主人公の内面を表している表現だとは思うのですが、私には、少し読み難く感じます。イジメにも負けない?強い内面を持っているような主人公は嫌いではないです。細かい所ですが「中学5年生で一人っ子」となってました。小学生かな?
では続きも期待しています♪
2008-08-21 22:05:57【☆☆☆☆☆】羽堕
計:0点
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