『つき』作者:なす / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角955.5文字
容量1911 bytes
原稿用紙約2.39枚
わたし、中学生になってすぐ初恋をしたの。七年たったけどいまでもずっと大好き。わたし、結ばれることを望ではいないの。いや、ちがう、かな。でも(こんなこと書くのじたい馬鹿らしいけど)望まないようにしてるのはたしか。この感じは、なんというか、こう、性愛と言うより友愛を望んでる、そんな感じ。

たとえば、あの人に好きな人ができたとき、まずわたしに『なあ。どうしよう、どうしたらいいかな』なんて相談してくるような関係。親友。何でも話せて、お互いのことをわかりあっていて、心から信頼している。そんな関係。わたしの霞みかかっている憧れ。けっしてとどかないただの憧れ、お月様みたい。

わたし、あの人を思って何度涙を流しただろう。でも、泣いた後は気持ちがすっきりする。これは夢と逆。夢は後がつらい。二か月に一度くらいの間隔で、あの人の夢をみる。あの人の夢をみてからしばらくは心やすらかで希望にあふれる。今日こそどこかであの人に再会できるんじゃないかと思う。会えなくても次の日くらいは元気、だけどすぐに希望はさっていく。そして、いつにもまして感情が揺らぐ。虚しさ、悲しみ、愛しさ、せつなさ、絶望。たすけて、と声をだしそうになる。うそ、だしたちゃった。
 
こんなだけど、わたしはいつでも、幸せなら夢でいいのにって思っちゃう。現実はつらい、嫌い。わたしは幸せへの気持ちが強くなると、長い睡眠をとらないようにするの。短く何回も寝る。なぜって、こうすれば夢をみる確率があがるんじゃないかなって思ったから。それでも二か月に一度だけ。もっと間隔が長いかもしれない。馬鹿だなぁ。わたしは愚かしい馬鹿者だ。あの人に好かれるわけがない。消えてしまいたい。なんだか、人生の半分以上が消化されたみたい… 

なんで、なんであの人を好きになっちゃたのかな。もしわたしが誰かを愛しても、あの人の影をその誰かさんにみたからだもの。きっとそう。どんなに時間がたってもあの人の影は消えない。あの人はそこにいる。お月様!!






 こんな遺書を遺して死んだらどうかしら。
 あの人のところは名前にしたほうがいいかしら。
 それであの人に送りつけたらどうかしら。
 うふふふ、あっははははははははははははは

2008-07-24 05:20:12公開 / 作者:なす
■この作品の著作権はなすさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
フィクションです。(笑)
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは!読ませて頂きました♪
ある日の日記の1ページという感じがしました。彼への想いや自分自身への苛立ちなどは伝わってきますが、小説なら、もう一つ何か展開があったらよかったかなと思います。
では次回作、期待しています♪
2008-07-24 19:32:13【☆☆☆☆☆】羽堕
作品を読ませていただきました。ラストのオチにインパクトがあるだけに、本文で現実感を出す具体的な思い出の描写を差し込んで欲しかったです。そうすればラストの笑いももっと悲しくも恐ろしいものになったんじゃないかなぁ。では、次回作品を期待しています。
2008-07-30 00:11:12【☆☆☆☆☆】甘木
久しぶりにのぞいてみたら、コメントいただいていたようで、お二人ともありがとうございます。共通の指摘、書き込みが足らないということですねぇ。やっぱり自分の書いたものは、何度も読み返したほうがいいですね。(誤字もあったし)それではお二人とも、それと読んでくれた方、ありがとうございました。
2008-07-30 03:14:26【☆☆☆☆☆】なす
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。