作者様のメッセージにあるように、混乱というか当惑しているのは確かです。既視感はあるのに、その大元がすでにどこにも見当たらない。
今回のお作は、我が貧弱な記憶力による既視感の大元よりも、ちょっとアンバランスに感じました。油絵の描写の巧みさと、その重ね描きという象徴的趣向が突出して、そこにこめられた心情のほうは妙に淡く、軽いような気がします。
連作の一部ではなく単体だとすれば、もう少々、人物たちの肉付けが欲しいです。
2007-04-09 02:55:11【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
私が突っ込めるレベルではないので感想だけになりますが、面白かったです。
2007-04-09 15:55:27【☆☆☆☆☆】アナハイム
よかった。感想もらえた。わーいわーい。
>バニラダヌキ様
イエーイ、ト・ウ・ワ・クぅー! バニラダヌキさんの言う『大元』は『ピカソ』を目指したものであって、今回は『ルネサンス』です。絵画っぽい感想をもらえるような書き方をしてました。私に絵の観賞センスがないからかもしれないけど、絵画を見たときって感想を言語化しにくいですよね。──だから、感想をもらいにくいのか……(ガックリ)。王道街道まっしぐらのつもりで書いていたので、アンバランスって言われるとガーンですよ。でも、すごい。比較できるってことは、多少なりとも覚えてくれてたってことですね。すごいすごい。
心情はさ、私の一生の課題になりそうだよ。なんか、いっつもバニラダヌキさんには言われてるような気がするよ。進歩ないなあ。っとさ、心情についてだけは、そのままドーンな書き方をしたくないんだよね。ま、それは淡さに関連するのであって、軽いのとは別問題な気がするけどね。
がんばるよ。
>アナハイム様
え〜っ。この『愛のある風景』は二年前に通り過ぎた私の足跡だから、今はもっと先に進んでるぜい。今はこの四倍面白いぜい(当社比)。おうおう、ちんたらやってたら間に合わないぜい。早くしないと置いてくぜいっ!
ちょっと最近、おとなしい書き物ばかりだったので次は羽目を外しちゃいたいな。
2007-04-09 22:20:47【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
油彩にかかる描写の巧みさとエッジのきいた意匠を大いに評価するという点で、バニラタヌキさんに大いに同感します。そして、人物造詣における淡さ、軽さという点に関する疑問についても。僕はどうも、淡さ、軽さは書き手が選択して当てはめた様々な可能性の一旦、ひとつの方向性というより、今作品世界を構成する知的意匠や知的把握の要素が先鋭化してしまっているために不可避にそうなった、ある意味構造的な問題じゃないかとも思ったんですね。
露骨に言えば、淡く軽い人物像しか今描けないんじゃないかと。それを選び取ったというより、そこにしか今行けていないんでないかなあ。
僕がここしばらく、模造の冠を被ったお犬さまの作品に於いて重層性をもうひとつ感じられていないのは、それが重厚なものを企図していないからということでなしに、ひとつの作品世界に対する様々な方面からの力の負荷とその歪みのようなものを感じられていないからではないかと、自問自答しているところなのだけれども、つまりは仮にこの人物造詣に淡さや軽さとは別種の何かを目論んだ時、おそらく知的意匠、知的把握によって形取っていたこの作品世界はたちまちに軋む。書き手には制御できない振動になるかもしれない。実はそれこそが見てみたいものであるし、それとそれに対処するということが重層性への端緒となるのではないかと。
勿論、全ての作品が重層性を目指す必要はどこにもない。作品にはそれぞれ書き手の意識的無意識的な目標があるもので、それをクリアしていれば書き手にとっては満足できるものであるし。ただ、僕は淡く軽い人物像って、この一作や二作で卒業できて、別種の面持ちに次は挑めるという性質のものとはもしかしたら違うかもしれないなという危惧を抱いたのだ。
余談。読んで気分が悪かったのは、丁度今こっちも絵を描くというのをモチーフに作品書きつつあったせいなのだ。急ピッチで作品仕上げて、先んじてアップしておくべきだった。ああくやしい。
2007-04-10 21:15:12【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
そうだね。書き方はパッケージとして完成されているから(もちろん、完璧って意味じゃないよ)、ここを取ってこっちに替えるってやり方はできないね。もし書き方を変えるなら、総替えしかないよ。
重層性がないってのは、小さくまとまっているってことでいいのかな。物語設定に付随する連鎖的な横糸、それを快刀乱麻がごとく断ち切ってしまっている、と、そういうことを言ってるのかな。確かに設定は設定を呼ぶから、いっこ連鎖させると途方もなく連鎖していくことがあって、それは恐ろしいよね。常に完全制御したいと考える私にとっては邪魔なんだよね。でもじっさい私の下した処理としては、断ち切っているのではなくてほったらかしにしているだけ。意識の外に追いやっているんだよ。無理をしない最善の方法だね。
卒業という感覚はまだまだ遠いよ。少なくても十年は試行錯誤の連続だろうな。無茶な計画ばっか立てる私が十年と言うんだから、きっと一生のうちには終わらないだろうね。それに、飽きるかもしれない。そっちのほうがあり得そうだな。
自由なように見えてけっこう不自由してるんだよ、私は。私の精神も身体も自由なんだけどね。でもその精神と肉体それ自体に仕掛けられた限界が私の領域を狭めるんだよね。これはてこずるよな。
2007-04-10 23:43:55【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
うん、重層性と別種というのはさ、あなたの作品へのアプローチってプライオリティがあるわけでしょう。その整然たる秩序ゆえだよね。人物造詣の多用さ、深みというのは、プライオリティが高くないと思うのね。だから意識の外に追いやっているというのは良くわかる。また、イジの悪い表現を用いれば、意識の外に追いやることによってはじめて、現状は作品を組むことができている、ということにもなるんではないかなと。
どうなんだろうね。先々それで身動き取れなくなるんじゃないかしら、というのは暴言かねえ(汗)
あなたのバヤイはさ、あなたの世界を決定付ける知的意匠、知的把握の鮮鋭さがさ、あまりに際立っているし、プライオリティとして常に第一位であるのではないのかな。それがまさしく、あなたの原動力であると同時に、限界となって領域を狭めるというより決定付けているところがあるのかもしれないね。他人事だから無責任にいえば、多種多様な力、多種多様なアプローチと、その複合から、全く別種の自分に到達するというのは非常にエキサイティングなことだと思ってしまうんだがねえ。ただ自分自身にてこずるというのは、同様同種と異なることは承知のうえだけれど、実に同感でありますよ。どうもね、自分というのは重要な商売道具なんだけど、制御するのもタネにしてこねてみるのも、なかなか厄介なものだよね。
まあ一本槍だと、確かにそのうち飽きるわな。色々攻め口があると自分を抱えててこずっても、結構それが面白いんだけどね(笑)
2007-04-11 00:10:59【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
プライオリティね、プライオリティ。優先順位、秩序、ルール。それは、ちょっと違うかな。これはもう、装置としての私の機構。宿命。設定変更が利かないオリジナル。スタンス(姿勢)というよりスタブルなスタイル(流儀)。
これは私の性質によるものだね。独学哲学だよ。基本的に、私は感情というものを信じないから。空気より不定形なそれを物語の中心に据えるなんて空恐ろしいよ。とてもできないと思うね。“どうにでもなるがどうにもならない”、そういうものだと思うんだよ、感情って。確かに万能性はあるけれどね、それを使いこなすことができないんだ。【船上のピアニスト】を思い出すよ。“無限の鍵盤では演奏できない”ってね。
タカハシさんは私の作風の中に一発ネタと同種の臭いを嗅ぎとっているのでないかと思うのだけれど、それは間違いではないね。ネタが尽きれば終わり。でも、それは感情にしたってなんだって同じだと思うよ。『想い』ってやつの多様性が無限に存在するにしても、それを表現する方法が無限じゃないからね。制限された無限。爆発しそう。
私は、自分に課せられた制限を楽しんでいるよ。制限がキツくなればキツくなるほど物語の道がよく見通せるということもある。今のところ、同じ道は二度と通っていないからね。以前の道が狭くなったとしても気づかないよ。そんなことより、新しい隘路を探すのに夢中なんだ。楽しいよ。子供の頃に果たせなかった冒険だ。
2007-04-11 06:29:29【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
うん、装置としての機構も含めたうえでのプライオリティ、かな。その中に自分にとって選択の余地がある領域と、不可避にそこに向かわざるを得ない領域とあると思う。そういう意味で、僕は無限の鍵盤では演奏できないというのは全く同意なのですよ。無限の自由なんてフレーズはカッチョいいんだけど、内実は地獄以外の何物でもない。そもそもありえない。必ず各々にはそれぞれの限界値というのがあるんですね。結局その限界、個人的な自律的他律的縛りというのが、桎梏として苦しくもあるし、またそれだからこそその書き手のパーソナリティの源泉ともなる。
万能性、或いはシンメトリ、そういう部分に対してガチガチのコチコチのアタマでは、批評というか作品の妙味を味わうというのはムリなんだよね(笑) むしろいびつなもの、その形を愛でるという鑑賞の楽しさもあるし、万能性というのであれば読み手こそ多様な快楽性をテクストから積極的にスティールする気概を持つべきかも知れない(笑)
さてと、一発屋というのとは、僕の中ではちょっと語感が違うんだな。何ていうんだろう、辣腕家の文豪様ならそんなことないのでしょうけれど、僕らは言語を支配しているというより、ある意味に於いては言語に支配されているというの、あるじゃない。これはどうにでもなるがどうにもならないというのと同じことだと思うのだけれどね。一発屋というのはあくまで表層の問題でしょう(笑) 僕ねえ、この先あなたの数作か十数作か後の、隘路の足どまりとそこからのブレイクスルーについて、勝手に想像しちゃったのね。ひとつのテクストはただ現在に位置しながら、その書き手の過去にも未来にも及ぶというか、そういう面白みもあると思うのだけれど、さてこの書き手はいつかの未来のその地点に於いてどのように暴発するか、また立ち消え安全装置によってパーシャルに意気消沈するか、その辺りもどうなるかなあと、勝手に先読みしてしまっていたのだ。書き手のポジションは、それは苦労ですよ(笑) でも読み手は、読み手の中でも性格が悪くなると(笑)、そういう面での書き手の四苦八苦もコミコミで鑑賞して喜ぶというのがあるかもしれない(笑)
まあ個人的にはですね、空恐ろしいことをやってもらいたいと思うし、空恐ろしいことであるからこそやる価値があるとも思うのですよ。だから僕は、少なくとも僕らの今の時点に於いては完成度なんてあまり尊ばないんだ。書き手のそれぞれが空恐ろしいことにどれだけ挑んでいるか、そういう気概や緊張感を味わいたいと思うせいでもあるし、また挑んで力尽きた眉間のキズをけなそうというのに最大限寛容でありたいと思うのね。
2007-04-12 00:55:35【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
強情だね。そこが祝福されるべき不可避なる性質かな。なかなか中核に近づいてきたのを感じる。己のうちにもつ言葉の意味と相手の定めた言葉の意味、その乖離が強く意識させられるのは、しかし今初めて乖離したのではなく、もともと乖離していたものが浮き彫りになっただけ。歩み寄りには必然なステップといえる。
だんだん油断ができなくなってきた。距離によるものか、時間によるものか。どちらにせよ一時的なものだね。熱のようなものだ。だとすれば今、白熱しているということだろう。構造上、もっとも性質の悪い迷路の話を知っているかな? 砂漠の夜は身を切り裂くよ。気をつけてね。もう遅いだろうけど。
「嫌いだ」と言うことに非難される箇所があるとすれば、それが『食わず嫌い』だったときに限ると考えているよ。理解してなお「嫌い」だと言えることは、「好き」と言えることと同様、誉れだと考える。判断を下すということはそういうことだ。空恐ろしいと思える感覚、これは私が稼動するためのロジック。プライオリティというのなら、そこがすでに順位の反転をしている。稼動に必要なロジックであって、ロジックどおりに稼動するのではないよ。
隘路といったのを『障害』として翻訳しているかな。私は、障害のある中でのゴールへの道筋といった意味で書いたのだけどな。私はひとりじゃないからね(仲間がいるという意味じゃないよ)。見通しは利いている。逆に、足元をおろそかにする傾向があるにはあるが。カメラの種類として、私は自分を背景として認識できてもいるし、外部からの視点として自分をクローズアップすることもできる。私の原点が冷えている証だ。
言葉に支配されている感覚はないけれど、完全に支配している感覚もないね。道具という認識ではない。友人でもない。根源的な選択肢。運命に似ているね。
2007-04-12 06:35:46【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
拝読しました。まったりと気持ちの良い感じに読めました。
2007-04-14 00:19:23【☆☆☆☆☆】水芭蕉猫
なんか気を使わせてしまったような……ありがとにゃ。
これってまったりする読み物なのかなあ。水芭蕉猫さんはズレた感覚の持ち主だし、意図したとおりに読まれなくてもなんら不満はないけれど。まあ、水芭蕉猫さんが【良い感じ】なら私も良い感じです。
2007-04-14 09:49:43【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
[簡易感想]おもしろかったです。
2007-04-14 23:36:17【☆☆☆☆☆】甘木
面白いならよかったにょー。
2007-04-14 23:59:20【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
スポットライトを当てた主人公一人の心理が中心なのではなく、ある程度周囲を絡めたうえで物語を作ろうと思うなら、この短さではある程度定型的な人物像(執事キャラ、無邪気キャラ)に当てはめて、登場人物を理解させるのが普通(一般的という意味でも効力の面でも)だと思うのですが、定型から外れた部分を中心に描写されたような気がして、あまり理解が出来ませんでした。
この短さと会話の中では、なかなか心理の把握が難しい気がします。特に白と主人公の会話は、背景説明のない中での少々普通ではない会話なので、どちらの人物像もうまく把握できませんでした(2回目3回目と読む分には何とはなしにわかってくるのですが)。ただ口惜しいことに私自身、この話の完成形というか、目指しているであろう方向が見えませんので、もしかしたらまったく的外れのことを言っているかもしれません。それでは。
2007-04-15 01:50:16【☆☆☆☆☆】メイルマン
あ、メイルマンさん。ごきげんよう。
描かれた平行でない二本の直線。いつか交わるはずなのに、紙面が狭くて交わらない。そんなときは紙面の概念を取っ払ってしまうのがよいように思えます。なにより、そのほうが自由です。
方向というなら、『獲得と喪失』なのでしょう。自分ではあまり意識していませんけれど。大局観というのは最初に作ってしまうから、書き出しているときはほとんど覚えていないのですよね。いつもこのオモチャみたいな容量には苦労させられます。
書き手にとって明らかであることと読み手にとって明らかであることの差異が大きくてイヤになります。埋める努力が必要なのでしょうか。私は努力というものは伝説の類だと思っているから、それを目指すというのはなかなかビジョンが見えてこないですのよね。
“普通であること”に関しては諦めに近い思いがあります。普通な人間を探すより、どっか変な人間を探す方がラクチンなんですよ。私は普通の人間を見つけることができませんでした。普通の人間というのは、認識において人間未満のことを指すのではないでしょうか。
2007-04-15 12:26:21【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
カンムリーヌさんの作品に感想を書くのは……2回目?です。
こんばんは。読んで感じたことを、素直に書かせてもらっちゃおうかな〜と思います。
えっとまずは、読んでいて、絵を見ているような気分になりました。お茶漬けを作っている斎さんの後姿が何となく浮かんだり、白さんのところにタバコとチョコレートを買いに行く千代さんの姿が何となく浮かんだり。
情景描写がどう、とかじゃなくって、カンムリーヌさん自身がこの作品に情熱を持って作っている感じがしました。だって、その場面その場面で、よく雰囲気が伝わってきましたから。“ああ、今はこんな感じなのかな……”って。映画の観すぎのせいか、イメージが非常に強く浮かびました。いや、カンムリーヌさんのイメージと一緒ではないかもしれませんけど。
これぐらい大切に作品を作り上げることが、今の私はできないかもしれない。うーん、まとめると、気に入りました。続きがあるのならきっと読みます、感想はもう書けないかもしれませんけど(同じようなことを繰り返しそうだから)。
2007-04-15 19:22:13【☆☆☆☆☆】目黒(小夜子)
目黒っち、おひさー。素直に書いちゃって〜って思います。
絵を観てるような、か。うーん、なるへっそ。以前にもそう評価してくれた天使様がいたっけなー。そのときはバニラダヌキさんの言う大元だけれどね。映像が浮かぶっていうのはホント嬉しいな。映画はあんまり観ないけれど、映像分野には興味が尽きないからねっ。
「言わなきゃわからない」ってホントにそうだよね。でも、言葉を重ねると重ねるほど嘘っぽくなることってない? 言葉を積み上げすぎると潰れちゃうんだよね。ひとつひとつの言葉をよく知ってちゃんと使ってあげれば、そんなに多くの言葉を要しないと思うんだっ。それが大切にするってことなのかなー?
ごめんね、続きらしい続きはないよ。続きらしくない続きはあるけれどね。
2007-04-15 21:56:47【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
ずいぶん前に読んでいました。二十代千代ちゃんの話し方が、文章として見てみるとやや芝居がかっているようにも思えたけれど、再度読んで頭のなかで想像してみると、しっくりきました。つまりこれも「絵を見てるみたい」ってことなのかなぁ。この作品は好きです。バタとはまた違う方向で、読めば読むほど味が出る、みたいな感じ。私、バタにこだわりすぎ?(笑)
2007-04-15 22:15:00【☆☆☆☆☆】ゅぇ
あ、ゅぇさんだ。こんばんはー。
うーん、それは──ツンデレの定型文だから。っていうのは冗談で、あ、でも、冗談でもなくて、意識には上ってたってことで。
若かりし千代ちゃんは本心を隠してたわけだから芝居っぽくてもよいのですよ。よいことにして、しっくりきておくのがよいのですよっ!(強引) コミックだって現実の中に存在してるんだからリアリティがあるのですよっ? ──なにを訊いている、私。絵画というよりは漫画なのかなあ、と気になったのです。
バタにこだわってもよいですよー。ストーカしてもよいですよー。
2007-04-15 23:05:17【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
感想です。
以前より人物の描写がはっきりしない書き方をされていますが、今回の話はそれが顕著に感じられ、その為疎外された私は物語に入り込めませんでした。
恐らくストーリーが『普通』でなければ、それに引き込まれ、他が気にならなくなるのだろう、と、ただ感じたままに言わせて頂きました。失礼致しました。
2007-04-16 10:18:06【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
おかえりー。
阻害されちゃったー? それは残念賞っ。人物描写っていうか、ほとんどの描写がほとんどないよ。行動描写ばっか。それなのに単調にならないのはひとえに私の才能だね。私ってば天才! ぶらぼ。
ミノタウロスさんの『普通』って肯定的に使ってる? 否定的に使ってる? 気にならなくなるのはいいこと? 悪いこと?
2007-04-16 22:26:19【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
恥ずかしながら戻って来てしまいました。
聞かれたので答えます。私にとって、普通は否定的。気にならなくなる――――の良し悪しは分かりません。ただ、他が気にならなくなる程の物語にそうそうであえるものではないと思っております。例えば主人公の人物描写が無いのに読み進めるにつれ、いつの間にか自分の中で作り上げた主人公があたかもその物語に描写されていたが如く脳裏に映し出されたり、行動描写のみで人物や背景、心情までも読み手に伝えられる程、繊細かつ絶妙な描き込みがされていれば、人物描写、心情描写云々など全く不毛な論争だと思います。
しかしその実現には相当の引き込みが絶対不可欠かと。物語が放つ魅力あるいは既に一定の世界感を持つ作者の読者に与える影響力が必要かと。
貴方が目指すのがそう言った高みの物かは知りませんが、そうかも知れないと思えば楽しみです。(少し毒がある物言いですよね。嫌味じゃありませんよ、今までの経緯からしてそんな風に取りませんよね?)
ぞくぞくします。……ああ、何だかヤダな……長すぎる、メグサイ……でも、自分、書き手として復活した訳ではないので、あくまでも、感動を求めて徘徊する平凡な読者ですので、許してください。
では、貴方様のご活躍を陰ながら(ロムってことかっ)応援しております。
2007-04-16 23:57:34【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
メグサイですか。私がそれを方言だと知ったのはつい最近のことです。
極端な言い方をすれば、書き物において描写は邪魔です。書くのにも読むのにも時間がかかるだけです。「いや、お前、書き物は文章でできてるんだから、それがなくちゃ始まらんだろ」その通り、しかしそれは最低限必要なだけあれば事足ります。厳密にいうと、読み手は文章を楽しんでいるのではありません。そのような趣向の書き物もありますが、副次的趣向に過ぎません。書き手は想像した物語を書き物というコードにし、読み手は書き物をデコードして想像の世界を楽しむのです。ディスク三枚組みのゲームは容量的に大作でも、ストーリや感動できるかという意味において大作かどうかにはつながらない、というのと同じことです。容量が大きいこと自体は、むしろ嫌われる傾向にあります。
ミノタウロスさんがメグサいと感じたことを代筆してみました。合ってますか?
ただ違うのは、ミノタウロスさんの感覚に沿って書いているのではなく、個人の感覚よりはもっと普遍的なものに根付いて書いていることです。文章のコンパクト化を成功させる鍵は、それを紛らわせる『異常』ではなく洗練された言語センスであると思うということなのですよんッ。
普通ではない『異常』に惹かれるのは好みであって、描写云々とは異なる独立した感覚ではないかな。
(ミノタウロスさんにはいつも意地悪なこと書いてる気がする)
2007-04-17 22:57:47【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
困ったね。先に述べた見解に意図しないモノが混ざって伝わって仕舞ったようです。わたくしが、相当、異常な物に惹かれるのは事実だけれど、普通じゃない書き物=異常な書き物じゃなければならないとは言っていない。そう言っているようにしか取れない書き方だったかな。
文章をコンパクト化させる為には勿論言語センスが必要、しかしそのセンスって何によって輝きを増すの? 言語センスがどんなに光り輝いていても、つまらない話なら一般的な描写を省いた分、それが目につくか、話のつまらなさが余計に際立つ。小説である以上物語がどれ分惹かれるモノかが最も重要でしょ? (ここで『私』が惹かれるどうかは別問題) 一体何が主体? 描写とは物語を際立たせる為の表現ですよね? では面白い話とは何? 誰にとっての好悪? もともと、私の好みと普偏的要素の議題をごっちゃにして感想を書いてる私がいけないのかな……。
意地悪だって言う自覚あったんだ――――参ったなぁ、確信犯か。
2007-04-18 12:30:58【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
拝読しました。流れる清流の如く、さらさらと気持ちよく流れていき、しかもそこで交わされる知的なやりとりが僕の脳に心地よい刺激を与えてくれ、とても面白く、また勉強にもなる作品だと思いました。
次回作も読みたいです。お待ちしています。
2007-04-18 14:53:34【☆☆☆☆☆】的場真剣
ミノタウロスさん、描写の多少は書き物の面白さに不干渉だと書いているのですよ。
面白い面白くないは個人それぞれ。そこに普遍的事由を見つけ出そうというのは難題ですよ。特に、一定レベル以上の書き物はね。感覚的に突き進んでいくしかない。突き進んできた道を見て「ああ、ここはこういうべきだった」と振り返るのは簡単なのですけれど。うまくいかないものです。
的場真剣さん、こんにちは。
勉強になるほどのものではないよ。おだてても木にしか登らない。面白いと言ってくれるのには、素直に嬉しがるけれどね。
2007-04-18 22:48:44【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
計:0点