これはまたキュートで、しかもちょっと胸がせつない――昭和レトロ少女漫画で育った身なので、思わずしっぽで床を叩きたくなりました。
ただ、(ふたつめ)は、ショートにしても手がかりが少ないような気がします。『男のシャツの赤いもの』がなんであるか、ちょっと把握できません。自分の察しが悪いせいか……。
一番同調できたもは(みっつめ)でした。けして珍しいオチではないのですが、そしてこのなんというか古い言葉で申し訳ないのですが、胸キュン、という。
(ふたつめ)がすんなり把握できていたら(いえ、男の正体などは推測できるのですが)、間違いなくポイント入れてます。
2007-01-05 22:16:44【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
初めまして。
(ひとつめ)の擬音表現「ぷちりぷちり」「ちこちこ」が、ひらがなであるせいもあるのか、話の可愛い雰囲気にとても合っていると思いました。この表現の可愛さと主人公の切なさが、綺麗なコントラストを描いていて素敵です。
(ふたつめ)はちょっとホラーというか、ミステリーチックな感じですね。バニラダヌキさん同様しっかり理解できなかったのですが、(ひとつめ)がサイダーならこっちはブラックコーヒーとかお酒とか、ちょっと大人の感じがします。
(みっつめ)は、一番切なかったです。主人公の視点がとても温かく、読んでいるこっちまで優しい気持ちになりました。三つの中で一番幸せになってほしい主人公です。
掲載順も甘い→苦い→切ないで、最後がぎゅーっとなる感じで良かったと思います。
何か……偉そうなこと書いてごめんなさい。けど、読ませていただいてありがとうございました。
2007-01-06 00:34:03【★★★★☆】渡瀬カイリ
ひとつめの話は、カオルとルーシィーの年齢差に違和感を感じてなりません。カオルはルーシィーを「ちゃん」付けで呼んでいる事、カオルはサイダーを飲まない事、ルーシィーの彼氏をボーイフレンドと呼んでいる事、この三つから二人の年令差が感じられて、僕にはカオルは大人でルーシィーは子供のように思えるのですが…。カオルがルーシィーのボーイフレンドを好きになるのかなぁって、ちょっと考えづらく感じました。
ふたつめの話はなんだかおかしくないですか?主人公の婚約者に似ている男を見た主人公の態度から察すると、その男は悪魔だと思っているようですが、完全に拒絶しているわけでもない。婚約者が何故死んだのかは分かりませんが「責めてるの?」の言葉から、主人公が絡んでいたことは察することが出来ますが、最後に悪魔に魂を売っても構わないと言っている。あれ?じゃあ、なんで婚約者の死に絡んだんだ?って感じです。婚約者を殺した、あるいは見殺したならば、反応が薄すぎるし、それこそ最後の言葉が矛盾する。病死や事故死だとすれば、何故婚約者が悪魔として現われるのか、何故主人公は忌み嫌っているのか、と、また矛盾するような気がするのですが…。
みっつめの話も、「六月の誕生日」というのは、おそらくジュンという恋人の誕生日なのだと思いますが、なぜ犬は会ったことがあるジュンの誕生日を知らないのかなと思いました。「六月一日」と明言している以上、文中にある「一年前」は、一年前の六月一日を指すのではないかと思いました。そして、何故彼女はかつての恋人の誕生日をあえて六月の誕生日と言うのでしょうか…
2007-01-06 04:55:43【★☆☆☆☆】an
読ませていただきました。
(ひとつめ)は、「ぷちりぷちり」や「ちこちこちこ」など、敢えてひらがなを使ったり想像しやすい音に変えてくれるなど、キイコさんのこだわりを感じました。全体的に可愛らしいお話ですね。ですが、何となくカオリさんとルーシィさんの関係が最初の方に掴めず(ルームメイトはわかっていたんですが)、二度目に読み直してやっと理解できました(苦笑) 私はあまり頭がよろしくないので、もう少し丁寧に関係性を描いていただけるとより分かりやすかったかな、なんて思いました。ルーシィさんは名前からして日本人じゃなさそうだけど、カオリさんは日本人っぽいな。あ、でも“この国の都会の夜は東京と同じ色をしている”という描写から、やっぱり日本人じゃないですよね。
(ふたつめ)は、他の方がおっしゃるように、私もやっぱりわかりづらくて……。でも、“男のシャツの赤いもの”は女性の口紅だったのかな、なんて勝手に妄想しました。また、ハインリッヒが昔の彼だったのかな? なんて思うんですが、主人公→マルガリーテ。男→メフィストフェレス?? あれ、グレートヒェンとマルガリーテって一緒?? なんてことに……。ごめんなさい、登場人物と名前が一致しなかったのです;; 恐らく読み込みが浅いせいなので、読み返します。
(みっつめ)は、一番わかりやすくて、キイコさんの優しさがこちらまで伝わるようなお話でした。犬の従順な愛なのに、届かないのがもどかしかったです。
次回作にも期待しています。ではでは、失礼しました。
2007-01-07 01:59:53【☆☆☆☆☆】目黒小夜子
作品を読ませていただきました。(ひとつめ)を読んでいる時、片思いの同性愛者が書いた文章に「相手の1000の些細な仕草が、1000の針となって刺さってくる」というのを思い出しました。切なさがストレートに伝わってきますね。でも、もっと自身を突き刺す〈針〉の部分を書いて欲しかったです。(ふたつめ)は、ハッキリ言って状況が掴みかねる作品でした。(みっつめ)は、柔らかくって気持ちのよい作品でした。では、次回作品を期待しています。
2007-01-07 21:47:08【☆☆☆☆☆】甘木
バニラダヌキさん>そう言っていただけると書いたかいがございます。口角上がります。笑 ふたつめは謎な雰囲気を楽しんでいただけるようなものにしたいと思っていたのですが、物事には限度があることを痛感いたしました。改稿でオチなどすこしわかりやすくなっていればいいのですが。
みっつめは一番背伸びせずに書けました。笑
渡瀬カイリさん>漢字とひらがなに関しては自分なりに考えたりしているので嬉しいです。ふたつめ、背伸びして書いた感がにじみでてはいないかと少し不安だったのですが……。
うれしい感想、ありがとうございました。
anさん>そうですね、カオリとルーシィの個性差で「叶わぬ恋感」を出したかったのですが、少々やりすぎたようです。直してみました。真摯なご意見を頂いておいて重箱の隅をつつくのも失礼かとは思うのですが、登場人物の名前はきちんと覚えていただけると嬉しいです。
二つ目と三つ目、受けなかったギャグの説明をするようでかなりこっ恥ずかしいのですが、オチについて少し。
まずふたつめですが、私がオチをきちんと示しきれていなかったせいで誤解を生んでしまったようです。筆力不足ですね、申し訳ない。そうか……婚約指輪というセンもあったのか……。直しを見ていただければ分かるかと思いますが、主人公は恋人の死そのものないし死因について悔いているわけではありません。最後の独白は、この話がゲーテの詩劇「ファウスト」にひっかけてあることに基づきます。関連性を持たせるための台詞です。
みっつめ、六月一日は恋人の誕生日ではありません。『一年前までは何度も〜』というので分かるかと思うのですが、「一年前」は恋人の命日です。辛さを打ち消し、強がるためにわざと、主人公は誕生日というプラスのモチーフを使っています。これも分かりやすくなるように直しを入れました。
ご意見ありがとうございました。私が至らないために様々な齟齬を生んでしまったようで反省しきりです。
目黒さん>カオリとルーシィの関係性、やはり説明不足だったのですね。SSというものを書くにあたり、描写のディテールを粗くしないようにと考えすぎたせいで、状況説明などが少なくなってしまったようです。
ふたつめ、主人公の名前や題名などが上に書いた「ファウスト」にちなんだものなので、それでややこしくなってしまいました。反省。
ハインリッヒ:詩劇の主人公ファウストがヒロインの前で使う偽名。
マルガリーテ:詩劇のヒロインの名。
メフィストフェレス:主人公を陥れようとする悪魔の名。
グレートヒェン:ヒロインの愛称。
原典の説明を挟もうかと思ったのですが、話にまとまりがなくなるような気がして止めてしまいました。
みっつめは楽しんでいただけたようで幸いです。ありがとうございました。
甘木さん>「針」の部分、表現し切れなかったようで……。まだ足りないかとは思いますが、直させていただきました。
ふたつめ、基となったお話の説明は話の雰囲気から蛇足になるかと思い、付け加えていません。自分でも計りかねております。ごめんなさい。
2007-01-07 23:57:55【☆☆☆☆☆】キイコ
本当に申し訳ないです。僕の言ったことは、まともな批評になっていませんでした。ある一点しか見ずに、他の可能性を探ることを忘れて、批判するようなことを言い、その上登場人物の名前を間違えるなど、あってはならないことでした。本当にすいません。
僕は小説というのは、読者が全てだと思ってます。作者にどんな意図があるにしろ、どう捉えるかは全てが読者に委ねられると。
しかし、読者の方も、小説を読む上で様々な推測を並べ作者の隠された意図を探る。物語の面白さとは別の面白さを味わう。
こういったことをしなければならないと思うのです。
なので、僕は作者が作品について説明を述べるということは極力無い方がいいと思っています。
それなのに、自らそうしてしまったことが情けなくて甘かったと感じています。
この場を通じることで、読者と作者の距離を勝手に縮めてしまったために、あんなみっともない批評になってしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。
一度書いてしまったことを取り消すわけにはいきませんが、点数だけでも取り消させてください。
2007-01-08 03:18:06【★★★★★】an
anさん>いいえ、きっぱりと指摘をくださったおかげで私も自分の実力不足、勉強不足を改めて知ることができました。感謝しています。
昨日(今日?)のレス(今見返すと言い訳にしか見えませんね……お恥ずかしい)での「作品の説明」は、私が至らなかったことの結果だと思っています。読んでくださる方の、anさんのお言葉をお借りすると「推測」を導けないような話を投稿してしまい、反省しています。
不快な気持ちにさせてしまったかと思い、正直これ以上のコメントは頂けないかと考えていたのですが、こうしてまたお返事をくださり、とても救われました。ありがとうございます。よろしければまた、お付き合いくださいませ。
2007-01-08 13:49:34【☆☆☆☆☆】キイコ
修正されたものを読ませていただいての感想なのですが、(ふたつめ)、以前の稿で充分察することのできた背景部分がテコ入れされており、自分の特定できなかった『シャツの襟の赤いもの』は、相変わらずビジュアルとして見えてきません。それをはっきりと描写したくないのなら、せめて漠然とでも形状を匂わせていただけると、ありがたいのですが。そうすれば、充分想像の手がかりになりますので。逆に、追加された『二ヶ月と少し前に撮った写真』は説明的すぎるような気もしました(そもそも書類に入れておくでしょうか)。前回の婚約指輪のほうが、鮮烈に「おう、そうか!」と感じました。
2007-01-08 21:50:12【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
バニラダヌキさん>ありがとうございます。本当に漠然となのですが、直してみました。うーん、今度はくどいのか……SSというのは奥が深いですね。「書類の間」は新婚ゆえの惚気の産物ということで、と逃げの一手。……すみません。
オチをさりげなく、しかし明確に示唆するというのはこんなに難しいことだったのですね。汗 勉強になりました。ありがとうございます。
2007-01-13 17:46:42【☆☆☆☆☆】キイコ
ああ、やっとビジュアルが浮かんだ。その種の赤い物だったのですね。こちらこそ、たび重なる改稿、ありがとうございました。最初の感想の時の、お約束を果たします。
2007-01-14 00:48:18【★★★★☆】バニラダヌキ
バニラダヌキさん>ああ、良かった。とりあえず一安心いたしました。笑
ポイントありがとうございます。励みになります。
2007-01-14 23:00:22【☆☆☆☆☆】キイコ
計:14点