- 『きつねのしっぽ 第壱話』作者:猫子 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角1502文字この国の名は、『七の国』。
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すべてが普通で、人々も普通。
けれど、ひとつだけおかしなことがある。
それは、七の国の森の中には、きつねの妖怪が出る、という噂があるのだ。
その妖怪を見た者は、1日後に、苦しみながら死ぬといわれている。
このことを恐れた人々は誰も、その森には入らない。
入って助かる者は誰もいないと人々は思っている。
森の中には、木で作った小さな家がある。
そこの家には、きつねの妖怪が住んでいる。
妖怪は1人でこの森にいる。
その妖怪の名前は『木虎利(きこり)』
きつねの耳と尻尾がついている。
目は水のような色をしていて、額には、大きな古傷がある。
いつもと同じように、部屋の中に入って、誰かが来るのを待っている。
だれも来ないのはわかっているが、なぜだかわからないが、何時も待ってしまう。
もしかしたら、自分を孤独の中から、救ってくれるかもしれない。
そう思いながら、何時も何時も待っているのだ。
9時ごろ、家にノックの音が、飛び込んだ。
木虎利は、耳を立てて、ドアを開ける。
けれど、自分よりも背の低い少女が立っていた。
その少女は、無言で家の中に入っていった。
「あなた・・は誰ですか?」と木虎利が聞くと、その少女は、
「葉流(はる)。・・・・あなたはきつねの妖怪の木虎利ね。」と言った。
(・・・。どうして僕の名前を知っているんだろう・・。)
「そりゃあ、あんたが私を呼んだから。」
「・・・え?」
「私も・・・妖怪だよ。私は、人の気持ちがわかるんだ。それだけで妖怪だ。って勝手に信じて、七の国から追い出された。」
「でも、僕はあなたのことは呼んでいない・・・。」
木虎利が、そう言うと、葉流は怒った顔をして、
「だから嫌だったんだ。私は、あんたなんか助けたくもなんともない。」
「なら・・・・。なんで・・。」
「・・・。国王が、『誰かを1人でも助けてみろ!そうしたら、貴様をまたこの国に戻してやろう。だが、住民どもには手が出せない。皆、貴様を怖がっているからな!!あと、一ヶ月後にできなかったら、貴様を殺すからな。』って・・・。」
「それじゃあ、僕しかいないの・・?」
「あたりまえでしょ」
「それとも、私が助からないで、ずっとこうしていろって言うの?」
「いや、違うよ!!・・・・。僕も・・・なんだ。」
「えっ」
木虎利は肩を落として、こう言った。
「・・・。僕の母さんと父さんは、国王に、刺されて殺された。僕も殺されそうになった。だけど、傷だけですんだんだ。けど、額を切られたショックで、殺されそうになったとき以外、すべて記憶が無くってね。でも、あなたが言ってた、国王の言葉は覚えている。」
「・・・・。なんでお前はこんなに時が過ぎても殺されないんだ?」
「僕は、怪我が治るまで、って言われたんだけど。こんな傷じゃあ一生治らないし・・・・。」
「・・・・・・もしかしたら。」
「なに?」
「国王は、私達が会うことを予言してそんなことしたんじゃないのかな」
「な・・・なんで?」
葉流は、冷や汗をかきながら、木虎利に言った。
「あんたには・・・。なんか能力とかない?」
「・・・・。僕は、足なら速いけど・・・・。」
「違うっ!!もっとなんか攻撃とかに使う。」
「それなら、剣ならできるよ。」
「・・・・・・!!!」
葉流は汗を流しながら、木虎利に言った。
「実は・・・・・・。」
弐話に続く。 - 2003-11-12 16:33:40公開 / 作者:猫子
■この作品の著作権は猫子さんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
初・小説ですっ
なんとなくって思って、きつね小説ッス!
(まあ狐が好きなだけだけど。)
弐話も見てくれると嬉しいです。
それでは。
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