読ませていただきました。最後の主人公の心境は想像はできるのですが、心に沁みはしませんでした。日常から解き放たれてほっと一息つく感覚に同調するには、その日常の張り詰めているという感覚を描写によって読み手にもっと訴えかけたほうがいいのではないかと思いました。ちょっと忙しさが伝わりづらかったです。
2006-09-11 21:29:45【☆☆☆☆☆】メイルマン
過酷な環境で仕事漬けになっている割に、主人公はてそんなにお疲れではない感じがします。
俺は何のために仕事をして、何のために生きているんだろう?なんていう後ろ向きなところが
これっぽっちもないし、ものすごく頑張っているはずなのに、自然体。
梅酢のように爽やかな好青年を思い浮かべてしまいました。
お母ちゃんにとっては、都会で頑張る自慢の息子に違いありません。
帰って来なさい、ではなく、帰ってきたら、で終わる手紙に、
息子を信じて待っている、母の深い愛情を感じました。
音、色、香り、触感の表現がストレートに伝わってくるようなスッキリした文章で、
いやみのない爽やかな作品という印象を受けました。
2006-09-12 00:11:34【★★★★☆】碧
感想、意見ありがとうございます。
>メイルマンさん
この話はほぼ実体験に基づいて書いていまして、辛く忙しい状況を書く描写が抜けていることに気付きませんでした。直接的に言葉として書くのではなく、ニュアンス的な描写だけで伝える難しさを痛感しています。読み手に訴えかけるような、出来事を回想として付け加えるべきだったのかなと今思っています。例えばありえない不良問題でラインが止まり、三日間徹夜付けで体を壊したとか。客先の納入している機械的トラブルで取引できなくなり、謝りに一ヶ月通い続けた描写とか。実際に経験したような出来事を入れるべきでした。これからの作品に生かしていきたいと思います。
>碧さん
やはり冒頭で忙しさや暗さを強調した方が、後の梅酢の爽やかな感じにインパクトがあり繋がりますね。母の優しさとさりげない心の後押しを感じてくれたようで、嬉しいです。現実的な五感の感覚をなるべく入れるように、心がけて書きました。それと文章に心の明暗をはっきり書くようにしていたのですが、どうしても暗い感じで書くのが苦手で、爽やか路線で最後までいきました。後味が悪い感じは自分でも嫌なんで、よっかったです。
2006-09-12 16:44:38【☆☆☆☆☆】vash
うん、文章表現が安定していないですねえ。冒頭は構えている印象があるし、中盤以降はそれに比べると雰囲気が食い違っているかなあ。エフェクトとして敢えてそうしたというわけではないように思えたんですね。
と書くと、瑣末の技術論的な話の進行になるようなんですけれど、実はあながちそうでもなくて、こういう作品は自分で自分を見つめるのにどういう角度で光線を照射するか、というのが大きなかかわりを持ってくると思うんですね。それは技巧でもあるし、作品の体裁にするためのフォーマットされた思考でもあるし、もっと作品における底辺にあるものでもあろうと思います。
といって、底辺にあるべきものがないとか、そういう話じゃないんですね。見つめるまなざしに曇りはないのだけれど、それが安定を欠いている。或いは、計算ずくで振幅をしかけてきたというのとも異なっているかな、ということですね。
自分で自分を見つめ、自分の中に自分を見つける。自分というのはそうそう軽んじられるものではないのだから、じっくり時間をかけて鉱床を掘っていっていいのだと思うのですよ。採掘されたフラグメントはしっかり実感のこもったものだと推察されますのでね。
2006-09-12 20:56:27【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
えっ、ここで終わり!? と、戸惑った私です。夕景とノスタルジアの雰囲気は、決して悪くはなかったと思います。休日は寝てすごしてしまう、というというのも、私自身、身に覚えがありすぎて(笑)、思わず、うんうん、とうなずいてしまったり。ただ、お話の趣旨を感じ取れたかというと、私はちょっと首を捻ってしまいます。私は、心で感じて読んだというよりも、頭で考えて読んでしまいました。「この作品はなにを言いたかったのかな?」という疑問が読後にふっと浮かんできたので、序盤は頭で読んでいたものの、途中から心で読めるようになり、しかし、結局最後は頭で読んでしまった、という感じでしょうか。個人的には、もう少し展開がゆるやかだったらうれしかったかなぁ、と思います。
2006-09-14 18:40:33【☆☆☆☆☆】エテナ
感想、意見ありがとうございます。
>タカハシジュンさん
正直小説初心者の私めには、難しい技術的な感想でありましてちんぷんかんぷんな文章になるかもしれませんがご了承ください。安定していないということは、文章の並び方がバラバラだからですかね。前半は主人公の過去や頭の中での描写中心、そして後半は梅酢が届く事のよって、現実的な動の描写が多いと。まだ荒削りな所も多いのは、やはり力量の問題かもしれませんね。今後の参考にしたいと思います。
>エテナさん
展開がちょっと唐突すぎましたね。寝る所は共感を得られたようで嬉しいです。^^「何をいいたいか」ですね。メッセージ的な内容かと言われると、そうですね。自分を見失わないように、原点に返ってみると見えることもあるんじゃないか。みたいな感じにしようと思っていたんですが。そうなると、田舎に帰った後の話もいるし、それなりの悩みや葛藤を入れるべきだった気もします。今後の作品に生かして生きたいです。ありがとうございました。
2006-09-15 19:47:53【☆☆☆☆☆】vash
作品を読ませていただきました。私は社会人なのでサラリーマン勤めの雰囲気は知っているつもりなのですが、作品からは四六時中精神を仕事に占められている窮屈さを感じられませんでした。ラストの清涼感を生かすには、もっと主人公の精神的な余裕の無さを表現した方がいいと思います(それによって物語にメリハリが出ると思います)。全体として淡々としていた印象でした。では、次回作品を期待しています。
2006-09-18 09:38:09【☆☆☆☆☆】甘木
>vashさん
自分の体験に基づく、というのは、自画像を描くということですね。
みょうちくりんな表現になりますが、自画像を描こうと鏡で自分を見つめると、自分はどう見えるか。他人には恥ずかしくていえないけれど、他人が見ているよりちっとはイカスように自惚れてみたり(笑) 逆にひたすらヘコんでみたり、ひらきなおったり(笑)
自分を描くということは、自分をどう見つめるかによるわけですし、自分を見つめるまなざしというのはかくのごとく難しいものですね。
さらに、自分をベースに小説を書く場合、自分をどのように見つめるかということと、自分をどのように作品にふさわしく演じさせるかという、それぞれの問題をパラレルに解決しないとならなくなりますね。この場合自分とは、作品におけるアクターでもあるし、作品を管轄するディレクターやプロデューサーにもなってくる。そういう様々な要素の中で自分自身をどのように処するのか、そういう部分がまず不足していたかなと。瑣末の技術というのはそういうものががっちりしていれば自ずからついてくるものだと思うので、心配なさらずとも、書き続けていれば上達すると思います。
2006-09-18 10:52:21【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
計:4点