『探偵気分』作者:LET / ~Xe - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
警視総監の息子の暁と幼馴染の麗華、このふたりがタッグで事件をといていく。麗華は自称探偵、暁は自称助手のこのふたり。今から数々の事件をといていく。
全角16295.5文字
容量32591 bytes
原稿用紙約40.74枚
第一話『血まみれ結婚式』

「ジューンブライドね」
 綾瀬麗華(あやせ れいか)は小さくつぶやいた、白と赤が混じった色のブラウスに、膝の部分が擦れたジーパンをはいた彼女は、極端に長髪だが前髪はキチンと切っている、年齢は16歳。ある結婚式場、部屋の真ん中には豪華な赤ジュータン、部屋の前方には神父が立つ台、その正面にはカラフルなガラス、後方には大きな扉、そして横二列、縦8列の長いす、その先頭の長いすの端っこに座った彼女は正面をみたまま言った。
 となりに座った立川暁(たちかわ あきら)は不思議そうな感じで彼女を見た、そし少し小声で聞いた。
 暁は白いTシャツにその上には追った青い長袖デニム、そして麗華とおそろいの青いジーパンうを履いた彼は前髪を偏って伸ばして片目が前髪で隠れ、輪郭は綺麗な感じだ、麗華と同じで16歳だ。
「結婚は7月だろ?」
「いいじゃない、どうせ7月一日なんて6月よ」
無茶苦茶な、と暁は思ったが口には出さなかった、実は7月の一日に麗華の親戚が結婚するのだが、麗華が下見をしたいというので暁が連れてきてやったのだ、麗華と暁は幼馴染であり、上下関係は麗華のほうが少し上である。
 ため息をつきながら麗華は立ち上がった。
「いい所だって聞いたけど普通じゃないの?」
「……普通だな?」
 暁もため息をついた、こんな普通のところ着ても意味が無いじゃないか?と思っていた。
するといきなり声をかけられた。
「あぁもしかして綾瀬さまの親戚ですか?」
男は黒い協会の服を着て、首からは銀の十字架をぶら下げていた。麗華と暁は協会の人間だとすぐわかったが、なんで麗華が綾瀬という名前を知っているのか不思議だった。
「お持ちしておりました、綾瀬さまがけっこて続きのときに忘れ物してしまい、それを受け取りに親戚を向かわせたという連絡が入ってすぐさ教会の門で待ってたんですが、どうやらあなた方の方が早かったらしい」
 暁も麗華も男の言って類意味が分からなかったがすぐに理解した。
元々、麗華は親戚に『いい所だから行ってきてきてさいよ』と言われたから暁をさそって行ったのだ、つまり親戚は素直に『忘れ物を取りに行って』と言っても断られるだろうと思い、甘い言葉で麗華をここに来させた、そして忘れ物を撮らせる…知能犯だな、と暁は思っていた。
 横で怒りをあらわにした麗華が何も言わず静かにしていたが、回りからなにやら不気味なオーラが感じ取れた。
 暁は麗華の肩に手をおいて「落ち着け」と耳元で囁いた、麗華は必死で怒りを抑えた。
 その後、男から忘れ物の腕時計を預かった、男は小さく礼をして去っていた、暁と麗華も小さく礼をした。

「ふざけないでよ!まったくぅ!」
 さっきと同じ場所に座った麗華が両手を握り締めて自分お膝を叩きながら言った。
この怒りは尋常じゃない、と暁は思った、まぁ騙されて忘れ物を受け取りにこさされた麗華は怒り狂っている、妙なことは口に出さないほうがいい。
「あのクソ女!!結婚式滅茶苦茶にしてやるぅ!!」
「……協会で言う台詞じゃないな」
「何か言った!?」
 かなりの剣幕でにらんでくる麗華に対して右手を小さく振って、いや何も言ってません、と送った。
 そして麗華がすごい勢いで立ち上がった、協会が潰れなくて良かった、と暁は心の中で安心した。
「帰るわよ!」
そういうと麗華は赤字ジュータンの上をズンズン!と足音をたてて歩く。
「赤ジュータンの上で足音をならすな」
 暁は麗華に聞こえないほどの小さな声囁いた、すると赤ジュータンを歩いていた麗華が足を止めて振り返ってにらんできた。
 地獄耳……今度は口に出さなかった。

 結婚式場は三つの建物に別れている、いや、結婚式場は先ほど暁たちがいた建物だがその横にもう二つ建物がある。
 結婚式場の左側の建物、全体は縦長の長方形のようなもので主に結婚の手続き等に使われている。
 そして右側の建物、全体は正方形のような形、主にドレスや衣服に着替える場所、中には3つ部屋があり、新郎用、新婦用、待合室、のようなものだ。
この建物と結婚式場は繋がっていて着替えた新郎新婦が結婚式場にそのまま入れるようになっている。

「ねぇまだ銀二さん来ないの?」
「ちかくでパチンコをやっていたらしいからあとちょっとかかるってよ」
教会の門の前で暁と麗華は銀二という男を待っていた、銀二は暁の教育係のようなもので暁といつも行動をともにしている、しかし暇なときは近くで遊んでいる、仕事の割合的には暇な時間のほうが多い。
「後ちょっと……なんか面白いこと起きないかしら?」
「そう簡単に面白いことが…」

キャァァッァッァァァァァァ!!!

 暁と麗華が話していると協会から女性の悲鳴が聞こえてきた。
暁と麗華は急いで協会に戻った、そして悲鳴が聞こえたドレスなどがある左側の建物扉を勢いよくあけて入った。
入った途端に三つの扉が見えた、すると待合室の扉が少し開いていた、そして麗華がドアをあけると…
 頭から血を流し倒れているスーツ姿の男、横で尻餅をついて腰をぬかしているドレス姿の女、男の頭の周りには鏡の破片が男の頭に沿うように綺麗に落ちていた。
 部屋は待合室、あるものは部屋の隅の大きなソファーと部屋の真ん中にある台に乗せられた花瓶、そのよこに死体と女。
 すぐに他の人たちも集まりザワツキはじめた、そのなかにさっき結婚式場であった男がいた。
「すぐに病院に連絡しろ!救急車だ!救急車!!」
男が叫んでいると横から麗華がつぶやいた。
「もう無理よ、脈が止まってたわ。病院より警察を呼ぶべきよ」
「脈が止まってた…って君!死体に触れたのかね?」
 男が怒鳴ると麗華は耳をふさぎながら頷いた、その間に俺は警察に通報した。
人々がざわついている中、麗華が小声で言った。
「他殺ね」
しずかに暁が頷いた。


第二話『血まみれ結婚式?』



 中川光(なかがわ ひかり)はパトカーの中で深くため息をついた、中川は緑のジャンパーにしたに来たタキシードに黒いジーパンに茶色のベルトという刑事のようで刑事じゃないような服装だ、年齢は25歳だが刑事だ。
 パトカーの行き先は近くの結婚式場、なんでも殺人事件がおきたらしい。
そして、彼のため息の理由は彼の苦手なものにあった、彼には苦手なものが2つある、いや正式には2人…いや更に言うと一人と一組。
 一人は佐々木聖子(ささき せいこ)という20歳の女性、中川の同居中の彼女、愛しているがづも苦手なのだ、なんといっても彼女は捜査の邪魔をするのが大好き、そのせいで何度もクビが飛びそうになった、彼女に言っても『あなたの手伝いしたいのよ』と言うだけ、その台詞には勝てない。
 もう一組、立川暁と綾瀬麗華という高校生1年生の男女で中川のもっとも苦手なものだ。
とくに立川暁は警視総監の息子、下手に逆らえないのいいことに彼らは勝手に事件現場を見たり、容疑者のアリバイ調べたり、証拠品勝手にいじる、など事件現場を無茶苦茶にする。
しかし、彼らはちゃんと事件を解決する、そのてんでは聖子よりマシである。
 ついさっき警視庁1課に電話をしてきたのは立川らしい、ということは彼らも現場にいるのだろう。
彼はまた深くためいきをついた。




「……グロいわね」
「実に今更だな」
 麗華の言葉に暁が冷静に返した。
死体の横でしゃがみ込んで死体を見入っている麗華、反対側で立ちながらあごを抑える暁。
 死体は恐らく撲殺されたもの、凶器は鏡、鏡は死体の頭に沿って飛び散ることも無く死体のそばに落ちている、死体はタキシードに赤いネクタイに黒い革靴をはいたままだ。
 第一発見者のドレスの女性はこの後結婚をする予定だったらしい、待合室で新郎が来るのを待ってようと待合室に入ったら死体があったらしい、最初は倒れてるだけと思い近寄ると死んでいたらしい。
結婚は2人だけで行う予定だったらしい。
 協会の人間、暁と麗華の話し掛けてきた男、湯野圭吾(ゆの けいご)はこの協会の神父であり、被害者も知っていた。
被害者は佐藤一(さいとう はじめ)という51歳の男、この協会の土地を売ってくれとしつこく来ていた不動産屋らしい。
今日もその用事で来ていたらしい、迷惑な話だ、と暁は思っていたが麗華のほうは、動機はこれか、と思っていた。
 暁が警察に連絡して15分ほどたった、そろそろ到着するだろう……それよりも…。
「このダイイングメッセージ…何をさしているのかしら?」
そう言いながら麗華は死体の指を指した、仰向けになった死体、両手を挙げたように倒れていて右手の指で血文字を書いていた、書いていた字は。
「qonwi……なんのこっちゃ?」
暁が首をかしげながら言った、それをまねたように麗華も首をかしげた。
 そうしている間にサイレンが聞こえてきた、どうやら警察が到着したらしい。


「やはり君たちがいましたか」
中川がため息をついた、本日三回目だな、と心の中で中川はつぶやいた。
「何が嫌なの?」
麗華の無神経な質問にたいして「何も…」と小さく言った。
 現場では警察が動き始めて、すでに死体は担架で運ばれていった、鑑識が花瓶やソファー、凶器の鏡の指紋を取ったり、書庫の周りに円を書いたりしたしていた。
 ドレスの第一発見者は別の部屋で詳しい事情を聞かれている。
そして湯野も警察から事情を聞かれていた、毎度のことだが騒々しいな、と暁は思っていた、ふと麗華を見ると死体のそばで鑑識と言い争っていた、どうやら死体に触れたことに怒られらしい。
 これもまたいつものこと、暁は舌打ちをしながら「仕方ない、たすけてやるか」とつぶやきながら麗華のそばに寄っていった。

「死体に触れちゃいけないの?」
「ダメに決まってるでしょう!」
なんと低レベルな言い争いだ、とおもいながら暁は麗華の首下をつかんで鑑識に頭を下げて麗華を引っ張って結婚式場に入っていった。
 ついでに中川刑事に「きて」と言ってつれてきた。


「あの鑑識クビにしてよ!!」
麗華が大声で叫ぶ、今日はホントよくおこるな、とおもいながら暁は「まぁまぁ」と麗華を静めながら長いすに座らした、カラフルなガラスに夕日が差し込み結婚式場がオレンジ色に染まってた。
 麗華は怒り狂っているが、俺がポケットからキャンディを出すと子供のように素早くとり、すばやくなめ始めた、これでしばらく静かになる。
 そして連れてきた中川刑事に事件の詳細を聞いた。

「死亡推定時刻は2時間ほど前です、死因は頭部強打によるショック死で他殺です、凶器は縦20センチ横20センチのもので割れていました、花瓶からもソファーからは多くの指紋が見つかりました、そして鏡からも見つかりました」
「鏡からも!?」
「はい、指紋の人物は素直に「鏡に触った」と言ってくれてきました、一人は協会の神父の湯野さん、受付係の中村さん、掃除のおばちゃん加賀さん、協会の経営者の堂見さん」
そして中川は暁に現在の捜査状況を書いた紙を渡した。
暁はそれを麗華に見せた。

  捜査状況

被害者:佐藤一(さいとう はじめ)
死因:他殺、頭部強打
死亡推定時刻:午後2時頃
凶器:縦横20センチの鏡

容疑者
湯野圭吾(ゆの けいご)
性別・男 年齢・42 アリバイ・なし
中村愛(なかむら あい)
性別・女 年齢・23 アリバイ・なし
加賀洋子(かが ようこ)
性別・女 年齢・66 アリバイ・なし
堂見秀樹(どうみ ひでき)
性別・男 年齢・49 アリバイ・なし

ダイイングメッセージとおもわれる『qonwi』と血で書かれていた。



 捜査状況を知った麗華は、少し微笑み立ち上がり暁に言った。
「ふぃんふぁふぉふぁふふぇふぇ(みんなをあつめて)」
キャンディをなめているので良く分からなかったがよく考えて分かった。
「皆を集めてください、中川刑事」
「えっ!?そういったんですか?」
暁は自信なさそうにうなずいた、自信はそんなに無い、麗華はすでに結婚式場を出て行っていた。
中川が暁にたずねた。
「事件解けたんですかね?」
暁は頷いた、こんどは自信があった。

 
 15分後に容疑者と警察関係者が現場に集まった、麗華は偉そうにソファーに座った。




第三話『血まみれ結婚式?』



 麗華は暁から渡された捜査状況のかかれた紙を見て、あることに気づいた。
そこから犯人は容易に推測できたものの、問題は証拠であった、流石にダイイングメッセージだけでは言い逃れが可能だ。

犯人もそれを分かってダイイングメッセージをわざと残したはずだ、ばれてもいいのがれはできるから。
 死体を発見したときから持っていた違和感はダイイングメッセージのおかげでスッキリしていた。

 一か八かの勝負……麗華の頭の中に懐かしい記憶がよみがえった。

 当時、麗華が四歳のころの話、よみがえった記憶の場所は祖母の本の部屋だった、小さいころは両親の仕事の都合で祖母の家にすんでいた。
 祖母はいつもやさしかった、麗華が泣いていると泣き止むまでそばにいてくれた、麗華がさびしいときはそばにいてくれた、悪い事をすれば叱ってくれた。
麗華はそんな祖母はが大好きだった、そして叔母の趣味をまねようとしていた、祖母の趣味は読書だった。
 本が大好きな祖母は家の中に『ほんの部屋』を作っていた、綺麗に並べられたいくつも本棚にいくつも本がぎっしり入っていた。
 その日も麗華はいつもどおりに祖母と本を読んでいた、麗華は本棚と本棚の間に寝転がりながら小説を読み、祖母は近くのいすに座りながら小説を読んでいた。
 「麗華や、麗華は『一か八かの勝負』って知っているか?」
 本を読んでいると祖母が質問をしてきた、一か八かの勝負、そんな言葉は知らなかったので麗華は首を横に振った。
すると祖母は笑顔で教えてくれた。
「一か八かの勝負っていうのはね、勝つ可能性が少ない勝負のことだよ、可能性が少ないっててだけでかてないわけじゃない」
「でも負ける可能性が多いんでしょう?なんでそんな勝負するの」
すると、祖母はちたっと笑いながら言った。
「一か八かの勝負はここぞと言う時にするんだよ、大切な大勝負のときにね、だから可能性が少なくてもやるしかないのさ、わかったかい?」
祖母に聞かれて麗華はあまり納得いかない表情で曖昧に頷いた、すると祖母は最後に一言言った。
「麗華にもいつかきっと、そんな大勝負がくる、そのときになればわかるわ」
そう言った祖母はまた本に目を戻した、麗華はやはり納得いかなかったがとりあえず納得した。
 そしてまた本を読み始めた、そこで記憶は途絶えた。

 今までに一度だけ、一か八かの大勝負に出たことがる、その時は勝った、そのときの記憶は恥ずかしくて思い出したくない。
たしか、暁に何か言ったはずだ、とても勇気のいる言葉を。


 ソファーに座った麗華は静かに辺りを見渡した、回りには容疑者四人と中川刑事を含む警察関係者、そして自分の横に立っている暁。
そして麗華はソファーから立ち上がり、集まった人に声をかけた。
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
そして頭を下げた。



 麗華が立ち上がったので暁は麗華のすぐ横に立った、そして麗華が頭を下げたので自分も下げた。
麗華は恐らく謎は解けているが、どうやら何かが足りないらしい、事件を解くのに重要な何かが。
その証拠に横にいる麗華から冷や汗が流れている、一応この部屋はクーラーが聞いている、汗が流れることは無い。
 足りないものは恐らく証拠、さっきの捜査状況からじゃ分からないだろう、どうやら一か八かの大勝負にでるらしいな。
 暁はつばを飲み込んだ、同時にソファーに再び座った麗華が話し始めた。

「今回の事件は他殺です、それは皆さんお分かりですね?」
その場にいた全員が頷いた、そして麗華は話を進める。
「殺害方法は被害者の後ろから凶器の鏡で頭を殴った、撲殺です。そしてその鏡からあなた方の指紋が見つかった」
あなた方、のところで容疑者四人を指差した。
「では、簡単でいいですので事件当時のアリバイを一人ずつ説明してください、じゃぁまず加賀さんから」
指名された加賀さんは一瞬驚いたが、すぐに事件当時のことを話し始めた。
「私はお昼から死体が発見されるまでずっと結婚式場の周りの森を掃除していました、昨日の雨で森が落ち葉などでよごれていたので、結婚するお二方に綺麗な森を見せてもらいたくて掃除をしていました、そしてら女性の叫び声がしたんです」
 加賀さんが言い終わると、麗華は「次、堂見さん言ってください」と言った、堂見はしずかに説明しだした。
「わたしは1時ごろこの教会についたんだ、今日は二人だけの結婚式があると聞いていたから、せめて協会の人間だけでも祝ってやろうとより多くの人を呼んだ後、私も来た。
1時からは森を散歩してましたよ、私も加賀さんと一緒で女性の叫び声がしたからこちらに駆けつけました」
 堂見が言い終わると、麗華は「次、なかむらさん」と言った、そして中村が話し始めた。
「私は1時ごろについた、新郎新婦のおふたかを出迎えた後に新婦の方にどれすをきせて、あとはかかりのもにいまかせました、それが1時50分くらいですね。そのあおとは受付にずっといました」
麗華は四人に「ありがとうございました」というと、ニヤリと笑った…なにか企んでいた。
そして麗華は突然ジーパンのポケットから手持ちの鏡を取り出した。
「これは鏡です」
「見りゃ分かるよ」
 麗華の言葉に暁が冷たくかえした、麗華は少しムッとなったがこらえた、そして鏡を横に置き、またポケットからメモ帳とボールペンを出した。
 そしてメモ帳をひらくと一ページに大きく『qonwi』と書いた、そしてそれをみんなに見せた。
「これは被害者が残したダイイングメッセージです、そしてこれは鏡です」
そういうと麗華は右手にメモ帳、左にかがみをもった。
「よく見ててくださいね」
すると麗華はメモ帳を水平にして、鏡をみんなに見えるようにした、そしてメモ帳に斜めになるように鏡を置いた、次の瞬間、鏡に映った文字を読んだ皆が固まった。

『qonwi』を斜めにした鏡に映した、すると『doumi』とよく似た字がでてきた、そしてそれを暁が読んだ。
「ド・ウ・ミ……ですね」
そばにいたもの全てが堂見をみた、堂見はすこし動揺していた。
「堂見さん、あなたの意見が聞きたいんですが?」
「言いがかりだ!!」
麗華の挑発したような質問に堂見がどなった、しかし麗華は笑顔のまま言った。
「この部屋はスリッパで入ります、だから私達もスリッパです」
怒り狂っている堂見が興奮しながら麗華の言葉を聞いていた。
「それがどうした!?」
「私はある違和感を感じていました、死体を見たときです。普通、鏡は凶器として使われたなら割れます、現に凶器の鏡も割れていました、しかし、みょうな割れ方でした、顔に沿ってとびにって板鏡の破片…おかしいでしょう?人を殴り殺す勢いでぶつ蹴ったはずの鏡がとびちっていないんですよ?」
「それがどうした?」
こんどは暁が質問したが、麗華に無視された。
「私はこう考えました、犯人は一度現場に戻ってきた、そしてダイングメッセージに気づいた、そして鏡に映るとばれると思った犯人は鏡を音を立てないようていねいにわった、おそらく足で。
その時ついたでしょうね、スリッパの裏側に鏡の破片が」
「!!」
どう見の声にならない声がきこえた、そして最終確認をするように麗華が聞いた。
「あなたのアリバイは?」
堂見は歯を食いしばりながら言った。
「……森を見ていた?」
「ほんとうですかぁ?」
その挑発的な麗華の質問に堂見はわれを忘れて反論した。
「言っているだろう!私は奴が死んだ2時ごろに森にいたんだ!」
堂身の言葉を聞いた、麗華が勝利の笑みを浮かべた。

「なんであなたが被害者の死んだ時間を知っているんですか?」
麗華の質問、堂見は答えることができずにひざまずいた、そして大声で泣き出した。


 その後に堂見は警察に連行された、暁と麗華は協会をすぐに出た。
教会の門には茶髪に黒いタキシードで全身を染めた男が麗華と暁を待っていた、男の隣には黒いベンツがあった。
「やぁ銀二さん、もうついてたの?」
暁の質問にたいして怒りながら銀二は答えた。
「1時間ほど前にはココに着きました、しかし、お二人がまた事件の謎を解いているようなので邪魔せずここで待ってたんです」
「それはありがたいわね、ありがとう銀二さん」
笑顔で麗華が言った、悪魔の微笑だ、と銀二は思った。
「とにかく車に乗ってください」
そういうと銀二はベンツの扉を開けた、そこから中に暁と麗華が乗り込んだ、そしてそれを確認して銀二はドアを閉めて、自分も運転席に座った。
「今日はどこにかえるんですか?家ですか?事務所ですか?」
「事務所に帰るわ」
「わかりました」
そういうと銀二は車のエンジンをかけた、鈍いエンジン音が車の中に響いた。

 車が発進して、暁が窓の外の景色を見ながら言った。
「一か八かの勝負……勝ったな」
その言葉に麗華がまた微笑んだ。






第四話『危険な美術館』


「近所に美術館ができたらしいわよ」
事務所のだファーに座りながら麗華は言った。
 事務所とは麗華と暁の仕事場、2年程前の話、麗華は両親、つまりある大会社の社長さんと社長婦人と大親子喧嘩をした、同じころ暁は警視総監の父親と喧嘩、そして家を出た。
 そのさい、見つけたのが事務所である。
四階建ての長方形の建物、元は麗華の父親の子会社だったらしいが潰れたらしい。
潰れても何かに使えるかも、と考えた麗華の父親が土地を購入、それを麗華と暁が勝手に使っているだけ。
 四階建ての建物は、1階は階段とエレベータある、階段を登ると2階の麗華の部屋の真横に出てくる、エレベーターを使うと部屋の真正面に出てくる。
 2階の麗華の部屋は麗華以外は立ち入り禁止、昔、暁が入ってみようと思って押し引き式のドアノブを回した瞬間、手に激痛が走った、原因はドアノブに仕込まれた針、ドアノブを回すと張りガで苦しく見だった。
 これ以降、暁は侵入するどころか近づきもしなかった。
 3階は暁の部屋兼、銀二の寝床、もしくは麗華の遊び場。
一応、暁の部屋にしているが麗華がよく遊びに来る、更に寝床の無い銀二がココに来る。
暁が部屋で一人で過ごす時間は一日のうちほとんどないだけ、夜と朝は麗華と銀二がいる、しかも高校生の暁は昼にへやにいない。
 4階が事務所となっている、部屋は暁が用意した最低限のものがおいてある。
 部屋の真名に向かい合ってのソファー、そのソファーの間にガラスのテーブル、ソファーからの正面にテレビ、机から正面、ソファーからは横の横に少し離れた場所にある、机にその横にあいる冷蔵庫。
 部屋のつくりとしては3つに分けられていて、トイレ、風呂場、そして寝室がある。
 暁の部屋も事務所とまったく同じつくりになっている。
麗華の部屋は分からない。

 今は2人で4階の事務所にいた、麗華はソファーで新聞とテレビを見ていて、暁は高校の宿題をやっている。
 3階の自分の部屋では銀二が寝ているので、起こしてやるとかわいそうだなと思い、事務所で宿題をしていた。
 麗華は一日の大半を事務所で過ごしているのでここにるのに特に理由は無い。
 この事務所にはたまに、本当にたまに麗華という探偵に依頼してくる人たちがいる、その人たちからもらう依頼料と月に一度親から来る仕送りが彼らの生活資金だ。
「ねぇ聞いてる?」
麗華が暁に聞いてきた。
「聞いてるよ、美術館ができるんだろ?で、遠まわしに俺に、連れて行け、と言ってんだろう?」
暁がうんざりした声でため息をつき言った。
「大正解よ、と言うことでつれてって」
「いつ?」
「…今から」
 暁が机に顔を打ち付けた、ゴンッと鈍い音が部屋に響いた。
打った場所を抑えながら暁が言った。
「今からって……知ってる?今、銀二さん暴睡中だぜ」
「いいじゃない、その辺でタクシーひろえば」
また暁がため息をついた、そういえば麗華は美術館が大好きだった、なんでもおばあさんがよく連れて行ってくれたそうだ、と暁は考えていた。
 そして、仕方ない、と思い。
「じゃぁ今から行くか」
麗華がものすごい笑顔を見せた、昔からこの顔だけには勝てない、なんて情けない男だ俺は、と思いまたため息をついた。
その様子を麗華は不思議に思い首をかしげた。

 3階に戻った暁はソファーで寝ている銀二さんをおこさないようにテーブルに置手紙をして部屋を出た。
 置手紙には

 麗華とともに美術館に行ってきます。
おきたら来てください。
                by 暁

 と書いておいた。

 事務所を出た暁と麗華はすぐにタクシーをつかめて美術館に向かった。
卓志の中でルンルン気分の麗華の横で暁は何かを必死で思い出そうとしていた。
 その様子を見た麗華が暁にたずねた。
「どうしたのよ?」
「いやぁ……今からいく美術館、昨日ニュースででてきたんだよ、名前だけだけど、それがなんだったけなぁ?とおもって」
「気のせいでしょ?新聞には書いてなかったわよ」






第五話『危険な美術館?』

 美術館まではタクシーで15分ほどかかった、タクシーを降りて目に入ってきたのは円筒の建物だった。
麗華は美術館に来れたという事で建物の形など気にはしていなかったが暁は「水筒みたいだな」と小さくつぶやいた。
 その後、麗華に連れられてチケット販売機で高校生料金の700円でチケットを買った。
この時あせっていたせいか麗華が財布から小銭をぶちまいた、その様子を周りがクスクスと笑っているのを暁は恥ずかしく思った。
 美術館に入ると物音一つしなかった、人はたくさんいるのだが誰もしゃべっていなかった、皆必死で絵を見ていた。
麗華もその例外ではなかった、入り口に一番近い絵をすぐに見つけてその絵を見ていた。
絵には青い大空を飛ぶタカが描かれていた。
 暁は美術館にはきょうみが無かったので近くのベンチに座りMDを聞いていた。
「……本でも持ってくればよかった……」
暁は小さく言ったつもりだったが近くにいた客ににらまれた、暁は愛想笑いをしながら頭を下げた。
 本当に暇だ、と思いながら周りを見渡すといろんな客がいた。
高そうな服とカバンを見につけたいかにもセレブな女。
絵の説明を必死にノートに書き写している学生服を着た男。
客ではないが客の行動をじっと見ている警備員。
 そんな客の中に一人だけ暁のあったことのある女性がいた、佐々木聖子である。
彼女は赤いワンピースに赤いスカートをはいていた、なんと趣味が悪い、と暁は心の中で囁いた。
全身は赤で染めてる癖して髪の毛は茶髪でロングでである。
なるべく眼をあわさないように彼女を見ているとまた別の男が目に入った。
 中川だ、そういえば彼らは恋人だった、と暁は思い出すと同時に嫌な予感がした。
 まさかここに警察幹部がいるんじゃ…と思っていた。

 暁は現在、警視総監である父親と親子喧嘩で家をでていた、その事は暁の知り合いであれば誰でも知っていた。
しかし、父親が家出をした息子を野放しにするわけではなく、ちゃんと見つけようとしていた。
家出の息子を探して欲しい、などと警視総監が警察に被害届を出すわけにもいかないので暁の父親は一部の信用できる部下達に暁を見つけたら俺の元へつれてきてくれと頼んである、それが警察幹部だ。
 実際に何度も捕まりそうになったがその度に自力で逃げたり銀二に助けてもらったりしていた。
銀二も暁の父親から命令を受けているのだが
「私は親子喧嘩には興味がありません、私の仕事は暁様を護衛することだけです」
と言い張り父の命令を無視している、暁にとって救いであった。

 もし中川とともに警察幹部が来ていたら厄介なことになる、というか捕まる。
これは一刻も早く逃げなければ…しかしどこに逃げようか?
 現在唯一頼りになる麗華は美術品の虜になっていて邪魔はできない。
 自力で逃げるしかないな、と思った暁はベンチから立ち上がりとりあえず美術館で隠れそうなところを探しにいった。


 銀二は現在猛スピードで車を飛とばしていた、明らかにスピード違反であきらかに危険運転。
しかし、こんな運転をするのには理由があった。
 一つは暁が勝手に行動しているということ、もう一つは暁たちのいる美術館に警察幹部がいることだった。
 銀二はタバコをすいながら頭を片手でかきむしった。
「何を考えているんだあの人たちは」
と銀二は言った、実は昨日の夜に暁とともに見ていたニュースでこんなものがあった。

 美術館の館長が殺された、逮捕されたの美術館の副館長だった。
いまだ見つからない死体の場所をといつめると副館長は笑いながら言ったそうだ。
「美術館にあるかもしれない」
妙な言い方だった、嘘かもしれない、という事で警察は一部の警察官と幹部で美術館での死体捜索を今日から始めた。
 あるかどうか分からないので美術館はいつも通りはいつもどおりあいているそうだ。
 昨日の夜見ていたニュースを暁はもう忘れたのかと思うと銀二は嫌気がさした。
 それでも暁を守るのが仕事、そう思い車のスピードをさらにあげて、タバコを灰皿に押し付けた。


「あれ……暁?」
麗華はベンチに座っていたはずの暁が消えたことにようやく気づいた。
たしかここでMDをきいてはずだけど、と思い周りを見渡したがいない。
私をおいて帰るはずも無い、トイレでも言ったのかしら?と思い美術館を歩きながら見ていると、麗華の肩にポンと誰かの手が乗った。
 麗華の背筋がピンッとなった。


 美術館に隠れる場所を探し行った暁は途方にくれていた。
隠れる場所どころか死角さえないこの美術館、いったいどうしろと言うのだろうか。
 さっきトイレに隠れようとしたが、なんと警察の服を着た人と黒服を着た警察幹部がいた。
その時は見つからずに逃げたのだが正直参った、これでこの美術館に警察幹部がいることは間違いない。
それでも逃げ場は無い、麗華はいないし銀二もいない、絶体絶命と言う奴だ。
 暁が深いため息をつくと暁の肩にポンと手が置かれた。
 暁は驚いて後ろを振り向いた。




第六話【危険な美術館】

 暁が振り返ると一人の男が立っていた、男は黒いタキシードに髪形はオールバック、30代前半あたりでメガネをかけた男だった。
暁は目を見開いて驚いた、この男は見たことがある、たしか長谷川快(はせがわ かい)という父の部下の警察幹部だ、何度か暁と会っているはずだ、と暁は思っていた。
 そして男の手を肩から振り落とし一歩だけ後ろに下がり長谷川とにらみ合った。
しかし怖い目をしている男だ、メガネをかけていても強く怖い視線を感じる、と暁は感じていた、同時に冷や汗が頬にたれてきた。
 ゴクッとつばを飲み込みながらも長谷川とはにらみ合いながらこの後の算段を考えていた。
 まず隙を見てダッシュで逃げる、エレベーターに乗ってはいけない先回りされてしまえば終わりだ、やはり階段を使おう、こうみえても暁は足は速い、30代の男くらいすぐにまける、など考えていた。
 そして長谷川がまばたきをし暁から視線をそらした、そして美術館の絵を眺めながら言った。
「私の今日の仕事は部下に命令してころされた館長の遺体を捜すことでした…が、あなたのせいで一つ増やされました」
言い終わると長谷川はまた暁に視線を戻した、暁は苦笑いをしながら言った。
「一つ増えた?何の仕事が一つ増えたんですか?」
声が引きつっていたのが自分でもわかった。
「暁様、あなたを警視総監…つまりあなたのお父様のところへ連れて行くという仕事です」
「…僕はあの人のところへ行くつもりは無い!」
暁は強い口調で言った、美術館にいた他の客たちが明と長谷川を見る。
 長谷川は暁からまた視線をそらした、そして胸ポケットに入っていたタバコををとり、一本口のくわえるとライターで火をつけた。
フッーとタバコの煙を吐き出た、人差し指と中指でタバコをはさみながら言った。
「あなたがどれだけ拒んでも連れて行く、それが警視総監のご命令です」
冷たい口調だった、もう話すことは無い、と暁は思い一気に後ろを振り返り走り出そうとしたが、後ろを振り向いたとき黒服の男が立っていた、暁はその男の顔を見上げる見覚えのある顔だった、こいつも警察幹部だ、とすぐに分かった。
 しかし同時に自分に逃げ場は無いことを理解した。
「……やばっ」



 麗華はゆっくりと恐る恐る後ろを振り返った、そして自分の肩に手をおいた人物を見てホッと息をついた。
麗華の肩に手を置いたの佐々木聖子だった、全身を赤い服で覆い尽くしている、麗華と聖子は結構仲良しな女友達同士である。
 麗華が安堵する顔をみて聖子はクスクスと笑った、その聖子を麗華はすこし睨んだ。
「脅かさないでよ聖子さん、急に方に手を置かれたから痴漢かとおもったわよ」
そういうと麗華は睨むのを止めて微笑んだ、聖子は笑ったまま手をあわせながら言った。
「ごめんね、驚かすつもりは無かったのよ」
そういう聖子の顔はもう20代後半のはずなのにそれを感じさせなかった。
麗華が「なんでここにるの」ときくと聖子は最高の笑みで言った。
「彼とデートにきてるのよ!」
彼と言うのは中川光のことだろうと麗華は考えていた、今度は聖子が「なんでいるの?」と聞いてきたから答えることにした。
「近くに美術館があるってきのうTVで言ってたから、暁を誘ってきたんだけど…」
聖子は周りをキョロキョロと見たあとに首をかしげながら聞いてきた。
「で、その暁ちゃんは?」
麗華は手を肩まであげて外人のようなポーズを取り、分からない、というサインを聖子に送った。
「どうもさっきまでここにたはずなんだけど急に消えちゃ…」
麗華は言い終わる前に聖子の表情の変化に気づいた、さっきまでの笑顔が嘘のように口を大きく上げて目を見開いている。
「どうしたの?」
麗華が心配そうに聞くと聖子は麗華の両肩に両腕をのせてしゃがみ込み「落ち着いて聞いてね」というと美術館で起きた殺人事件のことを麗華に説明した、もちろんこの美術館に警察幹部がいることも説明した。
 聖子の説明から麗華は、暁は警察幹部から逃げたもしくはつかまった、と推測した。
麗華は説明を聞き終わると聖子に、ありがとう、といって走り去ってしまった。
麗華の走って小さくなっていく姿を聖子はジッとみつめていた、そして心の中で暁の無事を祈った。
 そこに両腕に缶ジュースを持った中川があらわれた、中川がボっーとしている聖子に「どうした?」と話し掛けると聖子は我にかえった。
そして「実はね」と麗華と会ったことを中川に話そうとした、その二人の前に黒いタキーシードの男が現れた。



 暁は二人の警察幹部にはさまれて絶体絶命な状況を味わっていた。
これはもうダメだ、と心の中で諦めが広がってきた。
 そんな暁の右手を長谷川はつかんだ、そしてタバコをくわえながら言った。
「さぁ警視総監の下へ帰りましょうか暁様」
もう腕を捕まえられては逃げられない、自分の負けだと分かっていても暁の足は動かなかった。
その様子に長谷川はため息をついた、そして腕を強く引っ張った、それでも暁は動かない。
「いい加減に…」
長谷川が怒鳴ろうとした瞬間に長谷川の暁をつかんだ手が暁の手を離した。
 長谷川がつかんでいた手を抑えている、よく近くをみるとMDがおちていた、暁はすぐにそのMDが麗華のだと分かった。
 そしてエレベーターのほうを見ると息が荒い麗華が扉の前に立っていた、扉はすぐに閉じられた。
 暁は手を抑えている長谷川の前を突っ切って麗華の下へ走った。
盲一人の警察幹部は長谷川に駆け寄り、大丈夫ですか。よたずねていた。
 麗華の下まで走った暁は速攻に麗華の右ストレートをもらった、鼻が折れるかと思うほど強いパンチだった。
 鼻を抑える暁に麗華は怒鳴った。
「無駄な心配かけさせるな馬鹿!!」
美術館で怒鳴るなよ、と暁は思ったが口には出さなかった、暁だって命は大切にしている。
それでも暁は素直に、悪かった、と鼻を抑えながら頭を下げて謝った。
「今晩はおごりね!」
と麗華はまた怒鳴った、これは許してもらうのに時間がかかりそうだと暁は感じた。
 エレベーターの前で話している麗華と暁を素早く長谷川ともう一人のの警察幹部は取り囲んだ。
暁と麗華は話していて気づかなかったが気づいたときにはもう囲まれていてどうしようもなかった。
そして長谷川たちが一歩進む、暁と麗華が一歩下がるともうエレベーターの扉に当たってしまった。
これじゃぁさっきと状況がかわらない、と暁は思った。
 そのときにエレベーターの扉が開けたのが感じ取れた、そして扉が開ききった瞬間に長谷川たちの顔面に缶ジュースが直撃した、長谷川たちは顔を抑えていた。
暁と麗華がウシオrを振り向くと黒いタキシード姿の銀二と聖子と中川が立っていた。
どうやら缶ジュースを投げたのは銀二らしい、そして暁と麗華は安堵の息をついた。
「遅いわよ銀二さん」
麗華が言うと銀二は麗華を睨みながら小声で言った。
「すいませんでした」
その言葉の中にいくつもの殺気が込められていることを麗華は直感した。
 顔面を抑えていた長谷川が腫れた顔で銀二を睨む、そして銀二も睨み返す。
いつかのロシアとアメリカの冷戦のようなものが銀二と長谷川の間で起こる。
 そんなにらみ合いが数分つ続くと麗華が言った。
「ゲームをしない?長谷川さん」
麗華の発言にその場にいた全員が
「ゲーム?」
と首をかしげた、麗華は笑顔でゲームの説明をした。
「ゲームのルールは簡単よ、この美術館のどこかにある館長の遺体を先に見つけたほうが勝ち、遺体を見つけた人には見つけられなかった人に命令できるの。
たとえば、長谷川さんが遺体を見つければ長谷川さんの勝ち、遺体を見つけられなかった暁をつれて帰ることも可能よ」
麗華のたとえを聞いて暁はゾッとした、しかしよく見ると顔を抑えている長谷川が笑っている、そして
「…いいでしょう、このゲーム受けて立ちます」
と言った。








2006-07-18 02:33:14公開 / 作者:LET
■この作品の著作権はLETさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初投稿でございます、多少(?)文章が下手です、なかなか上手になれませんが、なにかアドバイスやしょうせつの感想ください。

6月21日 2話up
6月22日 3話up
6月24日 4話up
6月26日 5話up
この作品に対する感想 - 昇順
はじめまして、チェリーと申します。いやぁ丁寧に書かれているのでなるほど、と勉強になりました。探偵者というのが私はとても目がないので続きがとても気になりますねぇ。ですがすこし文章が短かったのでもっと読みたいな、というのがありました。一章一章をもうすこし長くしてもらえれば楽しみもUPみたいなですた。まぁ私が言うなという感じですが(笑) 戯言としてとっておいてください。えぇとそれとひとつ六行目『そし少し小声で聞いた』←『そし』は『そして』ではないでしょうか? という誤字を発見でした。 続き期待してお待ちしております。チェリーでしたぁ
2006-06-20 21:25:12【★★★★☆】チェリー
はじめまして。ミステリ好きなのでよませていただきました。誤字脱字がちょっとあるので推敲されれば、さらにいいと思います!!

犯人はたぶんわかりました(本当にたぶんです)

解決編お待ちしてます!!
2006-06-21 02:26:25【☆☆☆☆☆】風間新輝
 続きを読ませてもらいました。チェリーです。全員がアリバイなし、それにダイイングメッセージ、いやぁ難しい。ですがやはりあのような謎解きが絡むと考えることが楽しいです。ただ残念なことに誤字脱字、またありました。一度作品を書いた後はあとで読み直すことも必要かと。私も結構やってしまいますのであまりいえませんが(笑 あともう少し読みたかったなぁ。事件物となると短いものではやはり読者に伝えにくいことがあったり、です。ではでは、また期待してお待ちしておりますぅぃ〜 チェリーでした〜 ノシ
2006-06-21 19:22:23【☆☆☆☆☆】チェリー
お疲れさまです!!初連載終了おめでとうございます!! 
キャラをもう少したたせてほしかったです!!それとこういうダイイングメッセージものは死に際に被害者がやるものなのでもっとストレートで然りだと思います。だから、犯人がダイイングメッセージを残して、そこから絞られるくらいのどんでん返しに期待してました。
次回シリーズに期待しています!!
2006-06-22 03:19:55【☆☆☆☆☆】風間新輝
【チェリーさま】
こちらこそはじめまして。
勉強になる、なんて言われるほどではありませんよ。
探偵好きですか、期待できる作品でしたか?あまり自信が無いです。
誤字の指摘、およびアドバイスと感想ありがとうございました。

【風間新輝さま】
はじめまして、犯人はあたっていましたか?
キャラをたたせる…努力はしてみます、

ストレートなダイイングメッセージ…それは何か嫌なんですよ、面白みがないじゃないですか。
続編期待しないですくださいよ!たいしたものじゃありません。
感想およびアドバイス、ありがとうございました

2006-06-23 00:53:25【☆☆☆☆☆】LET
続編読ませてもらいました。一度話を終わらせて、新作として次のを書くと勝手に勘違いしていて完結おめでとうなどと書いてしまってすみませんでした(;´▽`A``
犯人は当たってました。
ストレートといっても単に名前が書いてあるとかではなく、犯人がダイイングメッセージを作り、それが今回のダイイングメッセージだったとか、犯人がストレートなものに手を加えるとか、そういうものもありかなと思ったわけです。
パソコンになれていないからか、誤字が多いのが気になります。
次回更新期待してます。
2006-06-26 23:43:23【☆☆☆☆☆】風間新輝
 読ませていただきました。チェリーです。うむ、しかし犯人も冷静さをかけていたのか、死体のダイイングメッセージを消すことを優先すればよかったものの、鏡を壊すとはまったく自ら追い込む素材を作ってしまいましたね。どうせなら地文字を死体の血でとっさに隠してしまったり、というちゃっかり的なことをしてしまえばよかったのに(笑 私も鏡やってみました(笑 いやはや英字はやはり反転するに限る。特に【i】は利用されますからね。なかなかの脳の回転になってよかったです。ではでは、次回期待してお待ちしております。・ω・ノシ
2006-06-27 00:20:53【☆☆☆☆☆】チェリー
楽しく拝見させて頂きました。感想と言うか残念だった点をコメントさせて頂けたらと思います。
既になさっているとは思うのですが、下調べを後もう少しなされたらもっともっと魅力的な文章になったのになと思うのですが、、。
例えば、教会の中にある物も「赤いじゅうたん」と簡単に書くよりも「ヴァージンロード」と書くほうがすんなり入ってきますし、ステンドグラス、チャペル、ウェディングドレスとはっきりと書かれたほうがいいかと思います。その方が雰囲気もでますしね^^
後「らしい」の多様も気になりました。内容は楽しいものですので
今後の期待もこめて、少しおせっかいな書き込みをしました事、お許しくだされば幸いです^^
2006-06-28 04:55:44【☆☆☆☆☆】通りすがり
計:4点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。