- 『神様』作者:蓬泉 / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角932文字神様 どうか どうか あたしを元気にして
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原稿用紙約2.33枚
神様 どうか どうか あたしをここから・・・・
この仕事をしてきて、どれだけの人の命をみてきただろう。そして消え行く灯火。毎日があわただしく過ぎ去ってゆき、消え行く灯火の一つ一つに干渉している暇などなかった。
しかし、ただひとつだけ。私が見過ごすことのできなかった灯火があった。
長い間の発熱。検査の結果、抗生物質を使うことになった。
今まで食欲のあったその人の食欲が、目に見えるほど落ちてゆく。点滴をして、栄養を補う状態。
「なにがわるいかわかっている」
そういう医者(せんせい)の言葉を手作業をしながら聞いていた。
「抗生物質がわるいのはわかりきってる」
どうでるのだろうか、私は静かに聴いた。
「でも、やめるわけにはいかない」
あごに手をあて、渋った様子でそういう。
その人は私が一日休んでいる間に一気に状態が悪化していた。それでも抗生物質の入った点滴は、その人の二の腕にブスリと針がささっている。
つらそうに、苦しそうに、荒々しく息をするその人。
「今夜があぶないねぇ」
苦笑いしながらそういう。
そういいながら、家族への連絡はしなくていいって。考えられなかった。
どうして?なぜ?
私なら大切な家族の灯火の消えるその一瞬まで見逃さずに、ずっとそばでここにいるよ、一人じゃないよ。そういいたいのに。どうして・・・
一人の灯火が消えていく。数多い死の中に、ひとつの、かけがえのない灯火が。
この仕事をしていて、本当にいいのか。これからもあるのではないだろうか。
私がしたいのは、そういうことではない。
忘れることができなかった。どれだけ時間が経っても、このことだけは、私の中に重くのしかかり続ける。
まだ 新米だから。何もいえない立場だから。
ナースは、ドクターに意見をしてはいけないから。
人の命は、医者にとっては多くの中のひとつでも
その人を取り巻く人の中では
それはなによりも
かけがえのないたった一つの 命 - 2005-12-05 22:32:33公開 / 作者:蓬泉
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初めまして、ミノタウロスと申します。えーと。先ずは利用規約をお読みください。
さて、この内容は、医療関係に携わって来たか、あるいはその経験を家族で味わったのか、静かな憤りを作中からひしひしと感じたのですが……。わたくしは、ある経緯から、医療の現場で、消え行く命を酷く適当に扱われたのを目の当たりにして、涙が止まらなかった事がありました。それを思い出させられ、深い感慨を覚えました。しかし、そんな経験などに疎遠な人からすれば、この短さや、背景の描写不足で、上手く伝わらないと思われます。題材はとても興味深く、痛烈な社会批判など、私は好きです。もっと書き込む事をお勧めいたします。では、次回作、お待ちしております。2005-12-06 05:22:50【☆☆☆☆☆】ミノタウロス拝読しました。何を伝えたいのかは明確になっているので能く解るのですが、感じ入れたかと問われれば否と言うしかなかったです。感情移入させるよう人物像を確立する乃至場面的に情景が浮かぶよう構成する等、術は多くあると思います。この文量では私は感慨が無かったです。次回作御待ちしております。2005-12-06 06:48:10【☆☆☆☆☆】京雅作品を読ませていただきました。作品が伝えようとしたものや、雰囲気は良く伝わってきます。しかし、小説としてみた場合、少々物足りない物を感じています。心情ばかりで背景や人物が見えてきませんでした。物語は心情と背景がミックスされることにより、読者に対して間口を広げ作品世界へと誘う物だと思います。では、次回作品を期待しています。2005-12-08 08:14:05【☆☆☆☆☆】甘木計:0点 - お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。