『THE No.X 』作者:B-BOY / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
突如奪われた幸せ 迫り来る恐怖 禁忌を犯した科学者と運命の渦に巻き込まれていく少年の悲しい戦い。
全角2037文字
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原稿用紙約5.09枚
「もうすぐ・・もうすぐだよ遥」


               〜異変〜

    
               -10年前-



「遥〜まだかよ〜。」家の外で遥の恋人である京の声がする。
「ごめ〜ん。」そう叫びながら遥が扉から出てきた。
「急がないと間に合わないぜ。」京が遥をせかした。
「まってよ〜。」
そんな会話をしながら走っていく二人を見ながら遥の母親が微笑んだ。
「あの子と出会ってから遥もだいぶ明るくなりましたね。」
そういいながら新聞を読んでいる夫にコーヒーを出した。
「彼はいい子だよ。遥に笑顔を取り戻してくれた。」遥の父である亀井宗平が言った。
笑顔でコーヒーに手をかける。
「ですから・・」遥の母親が溜息をついた。
「せっかく取り戻した遥の笑顔を失くしたくはないでしょう!あんな仕事もう止めてください!」
母親が叫んだ。
あんな仕事いうのは宗平の科学者としての仕事のことだ。極秘のプロジェクトなので家族である彼女でさえ詳しくは知らない。その仕事がとても危険な仕事であること以外は・・
「もうあなたのプロジェクトチームの人が二人も大怪我をしたんでしょう!」
「あれはあいつらが馬鹿だっただけだ私はあんなミスなどしない!」
宗平が怒鳴った。
「だったらどうして怪我の原因を隠すんですか!?」
宗平が何か言おうとしたが携帯の着信音がしたため二人の会話は中断された。
「はい。」
宗平がまだ興奮ぎみた声で言った。
最初はイライラした表情だった宗平の顔が急に恐怖の表情にに変わった。
「なにをしているすぐ探し出せ!!そして消せ!!」
宗平が怒鳴った。
「すぐに私も行く!!しかし・・なんということだ・・」
宗平はスーツを掴み取り玄関を飛び出した。
15年間夫婦生活をしている彼女でさえも始めてみる表情に彼女は驚きを隠せなかった。



「は〜なんかやっと落ち着いた感じ。」遥がつぶやいた。
「やっとってさっきまで自分の家にいたじゃん。」京が不思議そうな顔をして聞いた。
「う〜ん最近自分の家でも落ち着かないんだよね。お母さんとお父さんしょっちゅう喧嘩してるし・・お父さんの仕事のことで・・」遥がうつむきながら言った。
「遥のお父さんって科学者だろ。具体的には何してんの?」京が聞いた。
「わかんない。誰にも教えてくれないの・・」遥が暗い声で言った。
「ふ〜ん」京がいった。
彼らの会話はたいてい京の「ふ〜ん」で終わる彼はあまり深くまで究明する性質ではなかったしそこがはるかの性格と合っているともいえた。
突然京が頭を下げはるかの耳元で言った。
「遥、走れ」



                〜獣〜


さっきから一定の距離をとってつけてきている黒いスーツにサングラスの男、京にはなぜかその男が危険に思えた。
京は遥の腕を引きながら走った。
「ちょおっと〜どうしたのよ〜?」遥が不安そうに聞いた。
「いいから!」京が走りながら叫んだ。
答えている暇はなかった。
後ろを振り返るとやはり黒いスーツの男が走ってきていた。
(やはりな・・)京は裏道に入った。
そこはすでに破綻した会社や企業のビルが窮屈に並ぶ道だった。その道を抜ければスーパーの前の大通りに出られるあれだけ人がたくさんいる中にまぎれることが出来たら追跡することは困難になる。
大通りの人たちの声が聞こえてきた。
(勝った・・)京がそう思った矢先鋭い痛みが京の右腕を襲った。
「くっああっっっ!」あまりの痛みに京が叫んだ。
「京!!」遥が叫んだ。
どうすればいいのかわからずあたふたしている。
京は自分の右腕を見た、銃弾が食い込んでいる。
銃声のした方向には黒いスーツの男が立っていた。
「大丈夫だ。死にはしない。」
ピストルを構えた黒いスーツの男が言った。
「しかし、まだ逃げるというのなら・・」
男はピストルに弾をつめた。
そのとき黒いスーツの男の背後から冷たい声がした。
「手荒なマネは許さんといったはずだが・・」
その声に黒いスーツの男は少しびくりとしたようだった。
声の主は二人もよく知っている人物だった。
「お父さん!!」遥が叫んだ。
「遥っ無事でよかった!・・あぁ京君!」宗平が京に駆け寄った。
「大丈夫かい?あぁ何ということを・・」
そういうと宗平は黒いスーツの男をにらんだ。
「早く救急車を!!」宗平が叫んだ。
「はい!!」黒スーツの男が携帯を取り出したその時、男に『何か』が落ち、男の体をつぶした。
グチャという嫌な音と共に男の血が噴出す。
「いや〜〜〜〜〜!!」遥の恐怖の悲鳴が轟いた。
男をつぶしたもの、醜い顔の2Mはあるであろう怪物が「パパ」と声を発した。
2005-11-23 14:56:26公開 / 作者:B-BOY
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■作者からのメッセージ
はじめまして!!B-BOYです。
この話の主人公は京という少年です。
この話は最近騒がれているクローンや人造人間を題材にしています。
楽しんでいただけると幸いです。
この作品に対する感想 - 昇順
拝読しました。初めまして水芭蕉です。なにやら展開が速くてついていけませんでした。後から色々解るのでしょうか? 倫理を捨てれば科学はドンドン発達していくでしょう。科学を重んじるのに、倫理に縛られている今の世界に矛盾を感じる水芭蕉でした。ところで、正規表現がなされていないようなので、一度規約等を読む事をお勧めします。それでは次回更新お待ちしております。
2005-11-24 20:32:06【☆☆☆☆☆】水芭蕉猫
拝読しました。モノローグが単調に過ぎるため、事象は解るものの物語へ入れず「雰囲気」を感じ取ることが出来得ませんでした。心情であるなり、映像を作るための物質の容であるなり、もっと書き込むべきです。次回更新御待ちしております。
2005-11-25 17:59:58【☆☆☆☆☆】京雅
作品を読ませていただきました。皆さんがすでに指摘されているように、展開が早すぎますね。また、追われる圧迫感や恐怖感、ラストの突然の人物の登場に対する驚きなど、心情面をもっと描いて欲しかったです。では、次回更新を期待しています。
2005-11-26 19:20:11【☆☆☆☆☆】甘木
計:0点
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