『ここにあるもの』作者: / ِE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約11.24枚
ここにあるもの



 先生は、うつくしいひとでした。
 背筋がしゃんと伸びていて、小さいはずの後姿がとても大きく見えました。
 凛と通る声は、弱いぼくをたしなめ、時に励ましました。
 長い髪はいつも輝いていて、先生の顔を隠していました。
 だからぼくは、先生が弱い心を持っていることに少しも気付きませんでした。


 先生と出会ったのは、小さな酒場でした。大人ばかりのその場所で、先生はそこにしっかりなじんでいたけれど、ぼくは違いました。ぼくは、小さな子どもでしたから。ぼくは強い人を探していました。いえ、正確には、ぼくを強くしてくれる人を探していました。
 ぼくは先生に言いました。
「ぼくを弟子にしてください」
 先生は無言で店を出て行きました。ぼくは慌ててあとを追いました。先生は広い歩幅でつかつか歩いてしまうので、ぼくは走らなければいけませんでした。それでも一生懸命走ればすぐ追いつくと思っていたのに、先生はなんと馬をもっていました。馬小屋までは追いついたけれど、先生が馬にまたがった瞬間、もう駄目だ、と思いました。
 ぼくは自分でも気がつかないうちに泣いていました。汗か涙か鼻水かわからないもので顔をぐちゃぐちゃにして、それはもうひどい泣き顔でした。ぼくはしばらく泣きながら先生を追って走りました。でも、小さな子どもが馬の足にかなうわけがありませんでした。足が疲れる前に先生の姿は見えなくなり、ぼくは泣きくずれました。自分の無力さに打ちひしがれて泣きました。どれくらいかそうしていると、蹄の音が聞こえて、顔を上げると目の前に先生がいました。先生は言いました。
「もう諦めるのか」
 と。

 ぼくが先生に弟子入りしたいと思ったのは、ぼくが弱くて、ひとりぼっちだったからです。ぼくがひとりぼっちだったのは、ぼくの村が悪いやつにめちゃくちゃにされたからです。村中が火事になって、みんな死んでしまいました。ぼくは命からがら逃げて逃げて、その途中で先生の話を聞きました。とても強い女だ、と誰かが言っていて、ぼくは先生に弟子入りしようと決めたのです。もちろん、悪いやつに仕返しするために。
「そうゆう動機は嫌いだよ」
 先生は言いました。
「でも、そうゆう動機は止められないものだから」
 先生はあっさりと、ぼくを弟子にしてくれました。その時は単純にうれしかっただけなのですが、今思うと先生は、過去の自分をぼくに重ねていたのかもしれません。ぼくがそう思うになったのは、ずっと後のことです。
 先生は名のある賞金稼ぎでした。遠隔射撃用の長い銃を持っていて、いつも的確に仕事をこなしました。先生が『仕事』をしているところを一度見たことがあります。先生は地面に伏せて銃をかまえ、息を詰めて標的を観察します。しばらくして、先生の体が少しだけ揺れて、空気を裂くような高い音がして、あっさりとそれは終りました。その呆気なさに拍子抜けしてしまうほどです。
 こんなにも簡単に――人は人を、殺せるのか、と。
 先生はぼくにいろんなことを教えてくれました。射撃はもちろん、近距離での戦い方、大勢に囲まれた時のやり過ごし方、かしこい逃げ方、森の中での食料確保の仕方、きれいな水のありか。やがて時が経つと、ぼくは先生よりも背が高くなり、力も強くなりました。それでも先生は先生でした。
 ところで、先生はネコを飼っていました。名前をアンリといいました。ラベンダー色の毛で、サファイアのような目をした、それは美しいネコでした。あまりに美しいので、ぼくは最初妖精の類かと思ったぐらいでした。先生はいつもアンリと一緒にいました。先生は時々アンリに話しかけ、アンリも答えているように見えたので、ぼくもアンリに話しかけてみましたが、そっぽを向かれるだけでした。
 先生は寡黙な人だったので、ぼくはしょちゅうアンリに話しかけました。アンリはぼくといると詰まらなそうにあくびをするばかりですが、ぼくは誰かに話しかけないと気がすまなかったのです。
 ある朝、突然先生はいなくなりました。ぼくの初めての『仕事』を控えた日の朝でした。傍らにはぼくのわずかな荷物と、アンリがいました。馬は先生が連れて行ったようでした。アンリのすぐ傍に手紙が置いてありました。宛て先は書いてありませんでしたが、それはぼくに宛てられたに違いありませんでした。ぼくが封をきろうとすると、突然「おい」と声が聞こえました。声が聞こえた方を見ると、そこには青年がいました。ぼくより少し背の高い、すらりとした男の子でした。髪の色は紫で、目の色は青だったので、アンリと一緒だなあと思いました。そういえば、アンリの姿が見えませんでした。ぼくがアンリを探していると、男の子は言いました。
「おれがアンリだよ」
 ぼくはひどく間抜けな顔をしていたに違いありません。アンリは本当に、妖精だったのです。
「エイヴンは、お前に何も言うなっていってたけど」
 ぼくはその時初めて、先生の名前を知りました。
「お前と出会った時、エイヴンは死のうとしてたんだ」
 彼は先生のことを教えてくれました。それはとても長くて、悲しい旅の話でした。

 先生の村もある日、ぼくの村と同じように悪いやつにめちゃくちゃにされたそうです。でもその悪いやつというのが、先生の実のお兄さんでした。先生のお兄さんは村中のみんな、両親も兄弟も友達もご近所さんもみんなを殺して、最後に先生を殺そうとしました。でもその時隣の村から助けがきて、先生だけ生き残りました。お兄さんは逃げ出して賞金首になり、先生はぼくと同じように、復讐を誓って村を出ました。先生とアンリはいつも一緒でした。たくさん、つらいことがあったそうです。食べ物を請って雨の中を一日中歩いたり、持ち物を取られたり、それを取り返そうとしても、力がなくて痛い目にあったり。でもそんな日々よりも、初めて人を殺した日、その日が一番先生にとってつらい日でした。それは『仕事』ではなく、食べ物を得るための行為でした。先生は血に濡れたまま考えました。そして決心しました。
 こうやって、生きていこう。
 それから先生は経験をつみ、ある筋では有名な賞金稼ぎになりました。そしてお兄さんを探しました。世界中で探しました。世界中で『仕事』をしました。先生は言いました。
「誰かを傷つけないと生きていけない、私は何も変わっていない」
 弱い心を隠しているだけ。見られまいと必死で、うずくまってるだけ。
 旅を続ける過程で先生は、復讐を果たした後の空しさを予想できるようになりました。
 字のとおり、空っぽ。そこにあるのは、何もない空っぽだろうと。
 そしてある日、ついに先生はお兄さんを見つけました。
 復讐は空しい。そうは分かっていても、目の前に相手がいるなら話は別でした。先生は何も考えず走り出しました。ナイフを握り締めて走り出しました。
 そして、それが終ったあと。
 そのひとはお兄さんではなく、『お兄さんによく似たひと』でした。
 血に濡れながら、先生は全てを思い出しました。
 そして気付きました。選択は、間違っていた、と。
「兄さんは、あの日私を殺そうとした」
 たぶん、
「私は死にたくなかった。だからナイフを取った」
 きっと、
「私は、兄さんのお腹を刺した。いっぱい血がでた。私は、……」
 最初から。
 そこは初めから、空っぽでした。

「エイヴンは死のうとした。生きる意味は、本当はずっと昔に無くしていたと気付いたから」
 ぼくは黙っていました。先生の言葉を思い出していました。先生とは驚くほど長い月日を共にしていたのに、思い出せる言葉はわずかでした。
「でも、お前と出会った。彼女は最後の、自分の使命だと思った。同じ苦しみの淵から救い出そうとした。彼女は昨日やるべきことを全て終えて、あとはお前に任せようとしている」
 そうゆう動機は嫌いだよ。でも、止められないから。
 先生はぼくを救おうとしていた。でも止められないと思った。
「おれはお前と一緒に行くよ。お前がどんな道を選んでも。それがエイヴンの願いだから」
 アンリは姿を消しました。ぼくにひとりで考える時間をくれたようです。
 ぼくは手紙を読みはじめました。


 お前とであった時、お前は小さくて弱くてほんの子どもだったから、誰かに守られるべき存在だと思いました。でもお前がかつての私のように、復讐を胸に抱いていると知って私は、導いてやらなければいけないと思いました。人のいのちを奪うのは、悲しい行為です。私は誰かを傷つけることで、自分が強くなったように思っていました。でもそれは錯覚で、実際は頑固な強がりが、誰の手にもおえないほど膨れ上がっていただけでした。そして同時に、自分の内側が空虚になっていくのを感じました。……実はそれも錯覚だったのですが。
 お前が以前の願いを持ち続け、誰かを傷つけながら生きる道を選ぶなら、私は口をはさむつもりはありません。それはあなたの選択です。やがてすっかりあなたの内側が空っぽになってから、お前は自分の行為がどういったものか気付くかもしれません。それでも、それはあなたの選択です。
 私はお前に、私の全てを託そうと思いました。でも、この気持ちだけは言葉で伝わるものではありません。託せるだけの全てを託した今、お前がどの道を選ぶか、それはお前次第です。
 私はもう行こうと思います。どこに行くかはわかりません。それは、私次第です。


 ぼくは駆け出していました。ちょうど、あの頃のように。そう、ぼくもあの頃から、少しも変わっていなかったのです。先生が何処にいるかなんて、皆目検討がつきませんでした。でもぼくは走りに走り、遠くに見慣れた後姿を見つけました。
「先生!!」
 ぼくはこれまでにないくらいの大声で先生を呼びました。先生は馬を引いて、並んで歩いていました。
「先生!!」
 さっきよりもっと大きな声で、と意識して呼びました。先生は背を向けたまま、馬にまたがりました。
 ああ、あの頃と一緒です。ぼくは知らぬ間に泣いていました。泣きながら走り走り、息が苦しいのを我慢して、遠のいていく後姿に向かって叫びました。
「絶対、諦めません!!」
 ぼくは走り続けました。

 少しだけ時がたったあと、ぼくはエイヴンという女のひとの細い肩を抱いていました。
 彼女は尋ねました。声が震えていました。
「その選択は、間違ってない?」
 ぼくは彼女を力いっぱい抱きしめました。そして答えました。
「こうやって、生きていけます」
 彼女は泣いていました。
 ここにあるのは空っぽではなく、空虚ではなく、たぶんきっと、いのち、というものなんだと思いました。





2005-10-23 10:42:28公開 / 作者:早
■この作品の著作権は早さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 こんにちは。うっかり自己紹介版に書き込んでみた早です。
 突発的に書いた話なのでいろいろとわかりにくい点、意味不明な箇所あるかもしれません。その上だらだらと長ったらしく感じられるかもしれません。申し訳ないです。分類を『異世界』に入れてみましたが、これでよかったのか心配です。
 感想や指摘など、あればものすごく嬉しいです。ではこのへんで失礼します。
この作品に対する感想 - 昇順
読みました。私はこの作品好きですね。全シーンが語りっぽいですが、それが良い味出してます。色々と深い意味のある言葉がいくつもあって、巧いと思います。先生はずーっと男だと思ってましたが、女性だったのにはちょっと驚き。最後の「こうやって、生きていけます」それが先生にとって救いの言葉となったのでしょうか。次回作も期待してます。
2005-10-23 10:53:25【★★★★☆】猫舌ソーセージ
 はじめまして。
 この作品、とてもいいです。すでに作品の中で全て書いていらっしゃるとおもうので、長々とした感想は言う必要が無い気がします。
 しいて、僕にとって腑に落ちなかった点を述べれば、最後になって先生が急に、弱い「女」のように見えてしまうこと、でしょうか。弱い「女」じゃなくて、弱い「人間」であって欲しかった――と思うのは僕の個人的な印象でしょうから、気になさらないでください。失礼しました。
2005-10-23 16:50:57【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
 初めまして。作品を読ませていただきました。
 素直に面白い、と言える作品でした。
 ただ、アンリを「青年」、「男の子」と「ぼく」は言っていましたが、どうも同一人物に「青年」と「男の子」というのは少し違和感を覚えました。「男の子」だと「青年」と言われるよりも随分幼いイメージでしたので。それとも妖精という幻想的な存在を描くにあたって、わざとそのようにしたのでしょうか? 
 それでは、次回作も頑張ってください。
2005-10-23 17:29:50【☆☆☆☆☆】豆腐
読ませていただきました。?な点を、「遠隔射撃/遠距離射撃?」「検討/見当?」と、本文に関しましては、作者様も仰っているように、、突発的。。なんと言いましょうか。。「命」や「生き方」みたいなテーマを扱った話にしては「哲学」が無いな、というのがホントの感想です。
「空虚」という言葉で全てを片付けてしまっているような気がします。
それこそ、文字通り「空虚な」「中身の無い」話なのではないでしょうか?ラストのような終わり方をとるならば、血生臭さだけではなく、深くつっこんだ心理描写がほしかったです。
辛辣な言い方ですがお許しを。
2005-10-25 01:38:35【☆☆☆☆☆】一読者
おはよう御座います……には早すぎる;;ミノタウロスです。今回の話、私は好きでしたね。個人的に【先生と呼べる人を慕う】と言うお話が好きで。今回扱っているテーマがかなり重い物に対し、軽めにさらっと流した書き方をする早様の書き方では、言わんとする所が伝わらない傾向にあると思います。復讐の為に生きる事、その為に払う代償の大きさや過酷さを説くにはもっと深みが必要です。しかし、最後に別の生き方を提示した、早様のこの作品に対する【答】は素直に心が動かされました。では、次回作品もお待ちしております。
2005-10-25 03:49:09【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
拝読しました。言いたいこと、伝えたいことの概要は判りますが、単調に綴られてゆく文章がこの量だと外枠に思えてしまい、魅せたかったものは見れず、登場人物の想いに同調出来得ず締められたように感じました。人の心は複雑過ぎて遠目には理解できません、もっと平素を描くなり違う側面も付随させるなりして深みをもたらすべきかと思います。次回作御待ちしております。
2005-10-25 05:15:04【☆☆☆☆☆】京雅
作品を読ませていただきました。主人公と先生との淡々とした関係は面白いですが、提示している情報が少なく物語の展開が唐突な感じがしました。そのせいで、先生が最初とラストでは別人のように感じてしまいました。物語にもう少し肉付けをして、登場人物を掘り下げ、深みを持たせるとこの作品が持つ「命」というキーワードが生きてくると思います。辛口の感想ですみませんでした。では、次回作品を期待しています。
2005-10-25 08:05:07【☆☆☆☆☆】甘木
>猫舌ソーセージさま
「先生」て言ったら普通男だと思うので、「うつくしい」とか「長い髪」とか、女性的な要素(男性にもあてはまりますが、比較的)をいれてみて、一応「強い女」という台詞も入れてみたんですけど、ちょっと弱かったですかね(^_^; 前半のその部分しか先生の身体的な描写はなかったので……。感想ありがとうございました今後の参考にしたいと思います(^_^

>中村ケイタロウさま
初めまして。お読みいただきありがとうございます。私の中では、「ぼく」は先生を単なる「先生」で、尊敬すべき対象としか見ていないけど、先生だってただの女なんだよ、って感じで書いてみました。だからあまり「弱い」っていう感じは出したくなかったので、むしろその点で失敗だったな、と思います。貴重な意見ありがとうございました(^_^)

>豆腐さま
初めまして。妖精を意識したつもりはなかったので、私のミスです……はじめにアンリを「青年」としたのは「私(早)」がアンリを「ぼく」よりちょっと大人びた存在にしたくて書き、その後「男の子」になったのは「ぼく」の視点から見たから……自分でも何言ってるかわからなくなってきたんですが、書いてる側の視点が混同した? ということだと思います。気をつけます(+_+; ご指摘ありがとうございました!

>一読者さま
銃器に関しては私の知識不足です(-_-;) 誤字も教えてくださってありがとうございます。でも今ここで直したらまた上がってしまうので、今回はこのまま流そうと思います。「中身のない作品」ですが、それは以前(の作品)から誰かに指摘されるんじゃないか、と半分恐怖でもあったことです。何か作品を書いてみて、最後の一文にたどり着いてから、「で、だから何なの?」とつっこまれたら、言い返せませんので。それでもいくら考えてもどうすればいいかわからないので、このままという形になりました。「中身」は、筆者自体が成長しないとついてこない物かな、と自分ではそう思っているので、すぐには変わるものではないと思いますが、長い目で見てやってください。感想ありがとうございました(^_^)

>ミノタウロスさま
感想有難うございます。そうですね、代償は「ぼく」に関して言えば全くありませんでしたよね。先生が一応それを阻止しているようにしたんですが、先生に関してもあまり書いてませんでした(・・; 私はこの文体が一番すらすら書けるような気がするんですが、扱うテーマの重さにあわせて文体を変える、なんて初めていわれたので目から鱗がポロポロ? です(:_;)こんな簡単なことに気付かないなんて……! ご指摘有難うございました!

>京雅さま
私自身「魅せたかったもの」をあまり意識してなかったように感じます……(-_-;)京雅さんにはいつも「感情移入」のこといわれてます。何回も同じことを言わせてすいません(+_+; 文章量……の所為にするのもアレなんですが、やはり「すっきり」を心がけているとこんな形になってしまいました。私は文を長くするのが苦手なようです。というかプロットとかたてるのも苦手なので……まだしばらく変わらないと思いますが、どうかこれからもよろしくお願いします。感想ありがとうございました(^_^)

>甘木さま
冒頭の「ぼく」が語る最初の先生様子と最後の様子は、一応対応させて反対にするようにしてみました。そのせいで別人になってしまったんですね……「先生もただの女の人なんだよ」って言いたかったんですが。甘木さんにも、以前同じようなことを言われた気がします……進歩がなくてすいません(T_T)深みを持たせる方法が、まだ私はよくわかってないので(頭ではなんとなく理解してるつもりなんですが、実践できないというか)これから研究していきたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました(^_^)
2005-10-26 23:49:50【☆☆☆☆☆】早
 すみません、僕の言葉が足りなかったようです。ちょっと補足させてください。
 「弱い女」という言葉で僕が言いたかったのは、「先生」が普通の女性よりも弱い人に見えた、という意味じゃなかったんです。
 僕が引っかかったのは、まさに早さんのおっしゃる「ただの女」という認識そのものについてなんです。
 僕が言いたかったのは、「『細い身体』を『抱きしめられ』て『泣く』のが『ただの女』である」という図式そのものが、ちょっと古いステレオタイプなんじゃないか、ということです。
 別にフェミニズムの立場に立つわけじゃありませんが、「強いようでも、やっぱり女は女」という見方自体が、男性サイドからのありがちな視線なんじゃないかな、と思うのですが、いかがでしょうか。
 もっとも、これは思想や立場の問題なので、小説のよしあしとは無関係かもしれないですね。
2005-10-27 00:51:32【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
「中身」は成長に伴う。。。たしかに人生経験などはそれに当たるのかもしれません。しかし、今のあなた。あなた自身は空虚ではないはずです。「中身」とは「訴えかける物」であると私は思っています。何かしら訴える物。それに感動することもあれば、馴染めないときもある。作者の伝えたい事。それは技術ではないと思います。今のあなたにもできる事です。文中にみられる「考えた」「決心した」「思った」それらを広げればいいのです。我々、読者よりもあなたのほうが登場人物について詳しいはず。ならば、なぜ、その人物はそう決心したのか?考えたのか?思ったのか?それがイコール、あなた(作者)の伝えたい事。訴えかける物。なのではないでしょうか?そのために、少しくらい全体が破綻してもよろしいじゃありませんか。そこをうまくまとめ上げるのが技術なのかもしれません。偉そうなことを言いましたが、がんばってください。基本的に作者様方をリスペクトしていますので。。あたしゃ読むだけ。。
2005-10-28 04:16:04【☆☆☆☆☆】一読者
計:4点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。