拝読させていただきました。時貞です。とても重い読後感ですね。この主人公の背負った翳に、そして、彼の思う罪と罰に現代社会の暗部を覗き見るような感覚を覚えました。彼に対して同情心が沸いてこないのは、この主人公が心の叫びを秘めながらもどこか超越したような心理を感じさせるからでしょうか。具体的に上手く言い表せないのですが、胸に何かがチクリと刺さるような作品でした。余談ながら恋羽様の手になるミステリ作品、ぜひ読んでみたいと思います。それでは、次回作を楽しみにお待ちしております。
2005-10-17 13:00:32【★★★★☆】時貞
読ませて頂きました。「俺」の心の中のグニャグニャとしたものがずっしりと感じられますね。内容は重いのに、すっと最後まで読む事が出来ました。
個人の罪なのか人間の罪なのか、というのはむつかしい問題なんでしょう。でも私は、とりあえず死ぬまでは生きていなければならないと思います。う〜ん、ところで希望ってなんでしょう。……むつかしいし重たいですね。何だか普段考えないようなテツガク的な事をたくさん考えさせられるお話です。頭がぐるぐるしてきたので、この辺で失礼します。次回作、ミステリということで、楽しみにしています。
2005-10-17 19:57:06【★★★★☆】シルヒ
コメントしづらいね〜。
シルヒさんも感想に書いてるようにさ、『罪』の方が詳しく書いてないから、何の贖罪なのかよくわからないね。
自伝なら自伝でこーゆー書き方もありだろうけど、読み物としてはどうかなーって感じ。私の場合は積極性がないから“死にたい”と思うより“生きたくない”と思うんだよね。この書き物に限っては感情移入したくないし、できない。
この『やさぐれ感』は好きだけどさ、登竜門に投稿するのには適した書き物でないと思う。悪いけど『悪い』をつけさせてもらうよ。素直に。
2005-10-17 21:14:09【★★☆☆☆】clown-crown
お読み頂きありがとうございます。恋羽です。
時貞さん。ありがとうございます。ニュースの中で気軽く流され消えていくショーとストーリーの一つ一つに人間が存在しているんですね。一切れ一切れを拾い集め、どうにか苦しみながら形にしました。作者自体の思考が痛みを伴って展開された為にこうなったのだと思います。そう感じて頂けて嬉しいです。ミステリ作品については気長にお待ちください、実際に書いてみると結構大変だったりしますので。お読み頂きありがとうございました。
シルヒさん。ありがとうございます。重さと軽さのバランスを少し考えました。読んでいて遅々として進まない苦痛の場面を描かれると辛く感じてしまうということが何度かありましたので。彼の罪、それはきっと、彼が生まれたことによって崩された家族の調和や、彼が惑わし罪人に仕立て上げられた人間達に当然感じるべき、苦しみの意識、とでも言いますか。いつかその罪が晴れる日を待つこと、そして許されたときもたらされるはずの自由なる死、それを待つことこそが彼にとっての希望なのかもしれません。お読み頂きありがとうございました。
clown-crownさん。この作品は本当に「悪い」を付けられることをどこかで感じていました。それがきっと本来なんだろうな、と。それで何故投稿したのか、と聞かれたところで答えられることは何もありません。この作品は自伝ではないし、読み物としての完成度はほとほと低いと自分自身感じています。だが、たとえ机上の空論とは言え、人殺し、人を殺す術、恐怖と憎悪の交錯を描く上で、どうしてもこの段階は必要だったんです。自分の身の内に溜め込んだものを一旦吐き出してしまわないと、感情を殺して文章を構成するということが出来ないという欠陥人間ですから、僕は。お読み頂きありがとうございました。
ただただ感情のみでここで文章を書き付けました。だから、次は感情をひたすら押し込めて文章を書いていきます。多分それがゆえに雰囲気が硬くなるのは否めないでしょう。
2005-10-18 07:14:39【☆☆☆☆☆】恋羽
読ませていただきました。なんというか、主人公って物凄くネガティブ思考?っといいたくなってしまうような作品でしたね(それは違うだろ……)でも、確かに人生で一度は自分は生まれてきてはいけなかったのではないかと思ってしまった時期はあると思うんですよ。まあ、今までに思ったことがない方はこれからあるかもしれませんよ。おっと、どうでもいい話になっていましたね。それでは、次回も楽しみにしています。
2005-10-18 21:40:31【☆☆☆☆☆】上下 左右
うーん…考えさせられました
何だかんだといいながら、結局は生きていくことを決めた(決めさせられた?)主人公。
読み応えのある作品でした
2005-10-18 22:18:24【★★★★☆】黒ネコ
拝読しました。感情の羅列は悲観さ(と言うと少し違うのかな)を表し無造作にそして随所にあるのですが、物語背景と言うものが見えてこなかったがためにラスト一行へ感じ入られませんでした。ううん、読み取り不足やもしれませんが、敢えて統御せず書き綴ったらこうなるのかなとも思います。記憶だから断片的なのでしょうか、判然としませんでした。失礼な言葉、御容赦を。次回作御待ちしております。
2005-10-20 05:21:44【☆☆☆☆☆】京雅
何を目指して書かれた物かわかりませんでした。とりあえず主人公が読み手から遠い存在すぎると思います。主人公が何を伝えたいかがわかりません。足を失った身近な人ではなく、地雷を踏んで死んだ遠い外国の人に心情を吐露されている気分でした。その人の悲しい感情や伝えたいことを理解するには時間が(文章量と適度な情報が)足りなかったです。
2005-10-20 12:21:59【☆☆☆☆☆】メイルマン
これは明らかに定型的な小説とは違っている。僕の感覚では詩に近い。というよりはまあ虚構の構成をとった上でその内部での因果的な連鎖を展開するということが小説であるならば、明らかな逸脱になると思う。
だけれどもぶっちゃけちゃうと、正直最近の僕は定型的な小説とか小説の骨法とか、どうでもいいのね(笑) むしろ定型的な作品のうちに何ら生気のない、小説というフォーマットのモノマネの方がイヤなのですよ。安直に用いられる一人称語り形式とかね。これは前から延々と繰り返しているのだけれども。そういう意味からするとこの作品は挑戦、というより恋羽さんの最近の他作を見て思うに、定型的な作品に対する否定というか、何かハッキリなのかボンヤリなのか直面している目の前の壁をぶち破ってやりたい衝動のようなものというかね。そういうものを感じるのですよ。
この作品を小説作品として評価するとなるとさ、それはお作法守ってませんよ(笑) お茶会に招かれて脱ぎ始めるようなものでね(笑) だけれども作法を徹底的に遵守していれば茶道のこころに通じるのかというと、それは絶対に否であってさ。心底、タマシイというやつがホンモノなのか、俗物のそれなのか、そこが難しいところだ。
定型文が自分の想いを乗せるに不十分であるという苛立ちを感じた場合、荒ぶる想いを表現しようとすれば、どうしても八方破れの過渡期に突入せざるを得ない。荒れ狂うだけ荒れ狂えばいいのだ。作品の完成度なんてクソクラエですよ。それがいつも人の心を打つとは限らないのだからね。そういう意味からすれば、この作品はでもまだスタティックだと思う。作品に仮託された想いはこんなものじゃないと思う。個人的にはね、これは絶対にスタティックに、冷静に客観的にそういう「自分自身」(判別不明ながらあえてこう書かせてもらうね)を見つめて、何らかの判定を下したって、そんなのちっとも面白くないと思うんだね。結論なんてつまらない。煮えたぎった何か、生々しい何かを、最小限のコントロールで展開するギリギリ感というものが魅力になるんじゃないかと思うんだよ。それはまだ足りないと思う。どこまで行っても不十分かもしれないっていう世界になるかもしれない。でもそれに挑戦してもらいたいと思うんだ。
この作品が全て書き手の本質を指し示しているとも思えないし、表現する人間の振り子運動の中のひとつのパッシングポイントであるという風に思うことができる。むしろね、袈裟の下から鎧を垣間見せたようなこういう隙だらけの作品にね(笑) 失礼な言い草だけれども、読者は食いついて、書き手のハラワタを引きずり出した方がいいんだよ。巧妙な隠蔽、端整な装飾、そういうものの皮膜の向こう側にあってなかなか正体を見せない書き手というもの、読者に正体を見せないということは書き手自身でも自分のことをわかっているつもりでわかっていないのだ、そういうものに対してね。もし読者が書き手のこういう暴挙(笑)をとめたいと思うのならば、この作品の体裁云々を論破しようとするんじゃなくてさ、むき出しとなった(ように思われる)書き手の内腑を食いちぎってやる方がよほど抑止力があるのだ(笑) それをやられると書き手はおそらくすさまじくシンドイと思うのだけれどもね。
2005-10-20 22:50:25【☆☆☆☆☆】タカハシジュン
おなか痛いです。お読み頂きありがとうございます、恋羽です。
上下 左右さん。そうですね、僕がネガティブ思考な為に主人公までネガティブになってしまいました。自分は生まれてきてはいけなかったんだ、そう考えるとなかなか精神的に苦しい部分がありますね。世の中って言うのはまあ、苦しみの上に成り立っていますからね。ありがとうございました。
黒ネコさん。初めまして。お読み頂きありがとうございます。考えさせられたとのこと、なるほど。主人公は生きることを決めたのでしょうか、ね。暫定的な生を繋いでいく為の決心、人生というものは案外そういった曖昧なものに繋ぎ止められているのかもしれません。ありがとうございました。
京雅さん。失礼などと、とんでもございません。むしろこの心情吐露の羅列を載せたことそのものが失礼なことなのだと思います。統御というものはリアリティとは全く無縁の存在だというのに、統御が存在しないものにはリアリティが無い。要するに現実には全て統御が働いているということなのでしょうね。ありがとうございました。
メイルマンさん。何を目指して書いたのか、一体どこを目指して進んでいるのか、作者がそれ自体を理解出来ていないために読んで頂いた方を混乱させてしまったこと、本当に申し訳なく思います。不幸というものは、やはりリアリティが存在しないと結局は虚構に終わってしまうものなのですね。もう少し時間をかけてゆっくりと、今度からは気をつけて書かせて頂きます。ありがとうございました。
タカハシジュンさん。因果の連鎖が小説だとするならば、小説とは小さな現実なんでしょうね。そう考えるならば、作者とはなんてちっぽけな存在なんでしょう。形式論とか方法論とか、まあはっきり言ってしまえば「見た目」を綺麗にするための方法ですね。それらを吐き捨てたら、余りにも独特になり過ぎた、そんな感じです。挑戦、ではないんでしょうね、きっと。ただ、恋羽という表現者の根源を辿っていくと、結局は技術で塗り固められた虚構に行き着く。それがすごく空しいことのような気がします。技術ってなんなのだろう、表現ってなんなのだろう、どこまで突き詰めていけば小説は極限に達するのだろう、そんなことを考えているうちにこの話ができた気がします。定型文を憎んでいるわけじゃない、何故ならありふれた表現とは全て成り立ちとして同じ部分を持っていたはずだから。だけど信じていた表現の基本というものが、本当に真実であるのか、僕にはよくわからなくなってきているんです。そして、こうして形式を無視していく内、頭に浮かんだのは、アイヌの古老が皺だらけの顔で僕に語ったあの拙い口ぶりでした。表現する、ということは、すでにこの世に存在している全ての名表現者と肩を並べるということになるんですね。だからこそ、自分を探ってみた。探って探って、とやっていくうちに、自分の中に何かよくわからないモヤモヤした妙なものがあることに気がついた。それを吐き出してみたんですよ。「自分自身」その表現でいいですよ。これは「自伝小説」ではないけれど、そこに存在しているものは全て僕自身なのですから。難しいですね、表現って。ものすごく混沌として、行き着く先がわからなくて。目の前に現れる明らかな課題はすぐに見えるのに、問題の本質はすごく深い。それゆえに追う価値があるってもんですけど(苦笑 食い破ってもらってもよかったのに、タカハシさんに。食い破られてブッ潰れた方がこの作品の意味が増すのに、なぁ(まあ後から気づいた事で、そういう狙いがあった訳じゃないんですけどね)。ありがとうございました。
2005-10-21 14:13:48【☆☆☆☆☆】恋羽
こんばんは。遅ればせながら拝読しました。
うーん、僕はしんどいです、これは。こういう存在論的不安(っていうのかな)みたいな精神状態って、理性的思考から出てくるんじゃなくて、もっと原始的な、身体的なとこから来るものでしょうから、言葉で伝えるのって難しいですよね。分かる人にはわかるけど、わからない人には全然わからないかも。でも小説として書くなら、ある程度の普遍性は必要だと思うし……。文章それ自体はリアリティがあっていいのですが、あまりにも個人的過ぎる(事実であれ、虚構であれ)感じがしてしまって、僕はちょっとついていけなかったです。作品、というより、スケッチみたいな感じがしました。
冷たい言い方になってしまうかもしれないですけど、こういう内面的・心理的(って言っていいんでしょうか)なアプローチって、なんだか作者ご自身の中でぐるぐる回ってるみたいで、読者の現実世界につながる出口が無いような気がするんですが、いかがでしょうか。
それとも、僕には人の痛みに対する想像力が欠けているのかなあ。
2005-10-22 01:21:57【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
中村ケイタロウさん。お読み頂きありがとうございます。
しんどいですか。そうだろうなぁ、と安易に頷いてしまいます。そんなんじゃあ作者としていけないのはわかっているんですがね。でも現実ってなんでしょうね、小説ってなんでしょうね、もっと言えば、作者ってなんでしょうね?それが僕の中ではっきりしていないからこんな感じになってしまったんだと思います。すみませんでした。スケッチみたいな感じ、とのこと。受け止めさせていただきます。やはり作者と読者の距離が遠すぎてしまいましたか。本当に表現って難しいですね(汗
ありがとうございました。
2005-10-22 19:19:05【☆☆☆☆☆】恋羽
今晩は。最近かなり読むのが遅すぎるミノタウロスです。
さて、個人的にこの話好きですね。はっきり言って、かなり入り込んで読んでたし、もっと読みたかったなと思ってしまったし。私は、かなりの捻くれ者で、へそ曲がりな者ですので、この話に全く嫌悪感を覚えないし、それどころか、この主人公にかなり興味がある。この主人公が言うところの罪はなんだったのか、構想があったのであれば是非それを書いて頂きたかった。私は想像が逞しい方なので、色々想像できるが、自分の稚拙な想像力など及びもしないぞっとする現実を、恋羽様になら書けたであろうと思うとここで終わっているのは残念です。心の闇とはさらけ出す時痛みを伴います。恋羽様の心の闇の一端を垣間見た気がしたのです。(自叙伝ではないのは解ってます。ただ、自分を嫌う主人公はまさに貴方様だと感じたので)
登竜門ではこう言う書き物見かけませんが、私は大好きなんですね、こう言う書き物。詩的な感じはありますが、これは小説ですね。ミステリを書き始めたようですが、忙しくて中々読めません。この書き物読んで、興味深々なので、必ず読みに参上します。面白かったです。
2005-10-23 00:52:16【★★★★★】ミノタウロス
今日は。言い足りなくて、再び参上しました。読み返したんですが、やっぱり面白い。そしてもっと広げて欲しいですね。この分量では、大抵の方は理解し得ないでしょう。私は多感な頃に非常に変わった詩集を読み漁っていた為か、小学生の頃に優しくする大人達に不信感しか持てず、世の中を嫌悪していた為か、この書き物に深く傾倒してしまっています。今回、入り口が入りやすかったしね。最後の5行、堪んないね。叫びが突き刺さってくる。
最近怒涛の作品アップ。そのせいか、こなれてきて読みやすくなっていると思います。十代の感性でしか書けない物、二十代になってみないと書けない物ってあると思います。悔いの無い書き物をして下さい。
一箇所ご報告【俺】と書くべきところ【僕】になっていました。【古いアルバム〜】の下り以降で。些細な事ですが気になって。では。
2005-10-23 12:12:22【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
ミノタウロスさん。お読み頂きありがとうございます。恋羽です。お返しが遅れてしまって申し訳ありません。
さて。この中に登場する主人公、七割方僕自身ですよ。多分この作品を改めて見る人はいないだろうから言うのですが。事実が結構混ざっています。それゆえ、嫌悪感を覚えなかったという貴方の言葉、とても嬉しく思いました。どれが事実、どれが嘘、それについては言及しません。罪について、第二部でも書いて語ろうかとも思ったのですが、この作品と同じ系統の作品にはどう考えてもならないだろうと思い、これはこれとして終わらせておこうと思っています。いつか自分でサイトでも持ったら別の作品として囲うかとは思いますが。怒涛の作品アップ、ですが、ミステリを書き始めたのでかなり更新も遅くなるでしょうし、結構小説以外にもやらなきゃいけないことややりたいこともあるので、今後はだいぶ落ち着いてくると思います。年齢のことはあんまり気にしてないんですけどね。
誤字報告ありがとうございました。でもここまで後ろに行ってると誤字修正でアップするのも気が引けてしまいますね(苦笑 お読み頂きありがとうございました。
2005-10-29 16:21:09【☆☆☆☆☆】恋羽
計:19点