『限りない世界へ  第一章 出発』作者:榎帆 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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僕らはただ前へ進む。
何があってもまっすぐ自分の決めた道を進む。
たとえその道が泥の道だとしても、限りない世界へ・・













限りない世界へ  第一章 出発






ライア街の町はずれにある小さな小屋で、ひとりの小さな赤色の髪をした男の子が物静かに本を読んでいた。
まだ、9歳ぐらいなのに大人が読むような分厚い本を一人で読んでいた。
私は彼にそっと近づくと彼の持っていた本をスッと取って読んで見た。
表紙を見ると、‘魔法書’と書かれている。
「ああっ!返してよ!」
男の子は背伸びをしながら私の持っている魔法書を取り返そうとした。
私は何も言わずにその魔法書を開いた。
少し読むと私は眉間にしわを寄せて本を閉じた。
男の子は閉じられた本をやっとの思いで取り返すとまた椅子に座り読み始めた。
このような子供が何故、魔法書を読んでいるのか。
私には分からなかった。
「こんなもの、何処で手に入れたの?」
本に夢中になっていた男の子はしばらくしてから本を閉じて私の話に耳を傾けた。
男の子は椅子から飛び降りると西の方へ少し走っていった。
そして、しばらく行ったところで止まると私の方を向いた。
「付いてきてよ!」
男の子はそう言うとまた走っていった。
私はとりあえず、その男の子について行くことにした。




ライア街は自然豊かな街で住んでいるのは人の他にエルフなども住んでいる。
この街の人みんな、優しく素直な人ばかりでこのセアスレナ国では一番治安の良い所と言われている。私はこの街の西部に住んでいる、フィアラ。茶色い長い髪をしている。一応、魔法師だ。まだ、半人前だがいつも一生懸命勉強しているつもりだ。実は、この街の魔術師はある程度成長すると、修行するという意味を込めてセアスレナ国を冒険しなければならないのであった。そして、明日が出発の日。私は他の4人と共に冒険へ出発することになっている。
今日は、準備のため町はずれの小屋へ書物を取りに行こうとした所だった。
そこでさっきの少年、キラに会った。彼も魔術師だが、実は武道の方が得意だという。
あんな難しい書物を読むぐらいの天才少年というわけだ。


「ついたよ!」
キラが案内してくれたのは西部にある‘セレノース’と言う古本屋。
そこには、明日共に出発する仲間達が居た。
「フィアラ!おはよう!」
元気に手を振って挨拶してくれたのは、格闘家のフウ。
黒い髪を後ろでおだんごにして、式服を着ている。まさにチャイニーズだ。
相変わらずの元気さで、出迎えてくれた。
私とキラが店にはいるとフウが着物を着ているのに気づいた。
「覚えてる?今日花火大会だよね!勿論行くでしょ!」
フウがハイテンションで私の肩をたたいた。
すっかり忘れていた。
今日はゆっくりしておきたかったのにと思いながらうなずいた。
「今日ぐらい休んでおきなさいな。」
綺麗に言った彼女は死神の蛍凛(けいりん)。
これで、死神?と言うほど優しくて純粋な少女だ。
年中、着物のようなものを来ていろいろたれさがった冠をかぶっている。
これ以上は説明しにくいのでやめるが。


あとの二人は奥で一生懸命本を読んでいた。
ちょっと本に飽きてきた様子の剣術専門のレイン。
何の本を読んでるのかと思いきや、マンガを読んでいた。
少し、飽きっぽい金髪のこの少年はレオーラ地方にあると言われる最強の剣を探しているらしい。もう一人は真剣に本を読んでいる、剣術専門のフィル。レインよりも100倍頭が良い。とてつもなく強いらしいが、まだ分からない。

そんな個性的な者達が集まっていたのだった。
「いいじゃない!今日ぐらい!明日出発でしょ!」
フウは蛍凛に駆け寄った。キラより子供みたいだった。
「仕方ありませんね。」
少し笑いながら蛍凛が言った。フウはキラと一緒に広場を走り回った。
私は蛍凛に少し近づいて、こういった。
「相変わらず、優しいんだね。」
近くにあった椅子に座るとフウとキラを見ながら言った。
蛍凛は少し微笑むと私の隣に来てフウ達を見た。
「いつでも死神は貴女達の味方ですよ。」
蛍凛の意外な発言に少しビックリしたが、私はいつも通りの少し笑うと言った。
「これから、よろしく」
そう言って蛍凛に手を差し出した。
「こちらこそ」
暖かい手だった。死神は霊体で魔術師や特定の人間以外には見えない。だから、レインやフィルには見えていない。私とキラ、そして先祖が魔術師であったフウだけが見えている。だから、レインやフィルは蛍凛がどのような人物か知らないのだ。


午後、花火大会が始まる。
毎年、私は川のそばの木下で花火を見ている。去年は一人だったが今日は六人だ。
キラも私たちと共に冒険へ出ることが決まった。目的は分からないが、ある人を探しているらしい。蛍凛はこの世界にいる幽霊を全て霊界へ戻すのが仕事だ。そして、私は魔術師の修行だ。それぞれの冒険が始まる。この花火と共に。




「いってきます」


私は誰もいない家にそう言うと走って広場へ向かった。
もうみんな集まっていた。
「おそいよ!フィアラ!」
フウが元気に手を振っている。その横で蛍凛が微笑んでいた。

いつも通りの日常が今日から変わる





2005-07-11 00:01:31公開 / 作者:榎帆
■この作品の著作権は榎帆さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めまして、榎帆と言います。
初めて小説を投稿させて頂きました。
少し短いですが、読んで下さってありがとうございます。良ければ感想+点数お願いします。
この作品に対する感想 - 昇順
読ませていただきました。チェリーと申します。う〜ん、プロローグでも入れてほしかった私です。ちょっとあまり物語りに入り込めませんでした。それと、まずはやはり点数などよりも、いろいろと学んでいきましょう。点数を気にしているとやはり点数が入る物語にしよう!と変な感じになってしまいますので。私のように、点数など気にせずに、自分の書きたいように書いてみましょう〜。まぁ私はただたんに力不足で点数が入っていないだけですがね・・・・・・トホホ。とりあえず、最初ということで感想は書きにくく、う〜ん、ちょっともうすこし書いてほしかったなぁ、と。こんな私のえらそうな発言をお許しください。ですが描写はなかなかよかった、と思います。キャラクターたちも個性的で、うんうんいいですねぇ♪ではでは、次回更新を期待してお待ちしております。
2005-07-10 23:42:56【☆☆☆☆☆】チェリー
>チェリー様
感想ありがとうございました。そうですね、少し分かりづらいですよね、すみません。今度、修正しておきます。感想本当にありがとうございました。
2005-07-10 23:49:11【☆☆☆☆☆】榎帆
はじめまして。読ませていただきました、有栖川と申します。
ん〜とですね、全体的に描写が足りないかな、と思います。のっけから失礼だなこのアリスガワってやつ、とお思いでしょうけれどご勘弁くださいませ^^;どうも、あったことを並べた箇条書きのような印象が最後までぬぐえなかったのですね。一文が短いのもちょっと気になったかな??という感じでした。おかげで物語に入り込むには至らなかったといいますか。心象、風景、そういったものをちょっとひねっていろんな視点から描写してみるといいかな、なんて思います。
……って、はじめましてなのにかなり失礼なことを申し上げました、申し訳ないですっ(汗 これから面白くなることを予感させるに十分なラストでしたので、次回更新お待ちいたしますね。がんばってください。
ちなみにここの点数システムは、私なんかが言うのもなんですが、けっこうシビアだと思います〜^^;
2005-07-10 23:57:10【☆☆☆☆☆】有栖川
>有栖川様
こちらこそはじめまして。感想ありがとうございました。
箇条書き・・ですよね。すみませんでした><
直すようにしていきたいと思います!感想本当にありがとうございました。

P,S
シビアですか!この前私が言っていたところは普通に170点とか取ってましたけど、やっぱりサイト様によって点数の付け方が違うんですね。・・失礼しました・・。
2005-07-11 00:07:44【☆☆☆☆☆】榎帆
初めまして、京雅と申します。作品拝読しました。箇条書き、うん、たしかにそんな感じに見えてしまいます。あれですよ、文章と流れが淡淡とし過ぎているのも要因の一つで御座いますね。起こった事をそのまま書かれているから味が薄くなる。テンポに気をつけて書いてみると少し変わるやもしれません。舞台は(おそらく)異世界(勿論登場人物にしてみれば現実世界)、そしてその世界観を提示していないため物語に深く入り込む事ができませんでした。章毎に世界観をゆっくり書いてゆくのも手で御座いますが、例えば今すぐに要る情報はここで書き込んでいたほうがよかったかもしれません。世界においての諸諸が入り組んでいて、読み手としましては何も解らない場所へ放り投げられた錯覚をうけます。死神とは何か、魔法とは何か、エルフとは、そして何故チャイニーズ。全てを語る必要はありません。しかし何一つ語られていないと混乱してしまいます。長長と失礼な事を書き込んでしまいました、申し訳御座いません。花火大会にて何かが始まる、うん、そういうイベントで物語がスタートするのはわくわくします。故に次回では(もし花火大会がちゃんとあるならば)花火の鮮やかな描写などが欲しいですね、あくまで個人的な欲求で御座いますが。次回更新お待ちしております。
2005-07-11 00:28:10【☆☆☆☆☆】京雅
羽堕です(o*。_。)o読ませて頂きました♪これからの冒険がどうなっていくのか楽しみです(*^▽^*)ノ蛍凛という死神の存在が、特異な感じで興味を引かれました(*゜▽゜)*。_。)あとは、キラとかもこれからの物語に、どう関わってくるのか期待しちなと思います(*ノノ)では続き楽しみしています(。・_・。)ノ
2005-07-11 02:46:30【☆☆☆☆☆】羽堕
初めまして。甲斐羅と申します。作品拝読させていただきました。
僕もあまり物語に入れませんでしたが、じっくり読んでいくと、これからのこととかいろいろと気になることがあります。続きに期待します!
2005-07-11 17:40:56【☆☆☆☆☆】甲斐羅
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。