『Princes’ heart 〜お姫様のこころ〜』作者:raiu / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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ぽふんッ!
ぼくの生み出したばらばらだったひかりは、すこしずつ集まっていき、そしてひとつの小さな太陽となって、
上から落ちてきた少女を包み込んだ。



Princes’ heart 〜お姫様のこころ〜
Presented by raiu




登場人物・・・井上ユウキ。このものがたりの主人公で、13歳で死亡。地獄に逝く。太陽の称号を得る。生きることに大分疲れてる。
        ガニメド。ユウキの冥界案内人(ヘルバイバー)。コアラみたいな風貌をしている見習い悪魔。もともとは神話に出てくるほどの美少年。
        ナゾの少女。上から落ちてきた。結構うるさい。

1話目も2話目も読まなかった非常識な人のためのあらすじ・・・井上ユウキ(13)は、簡単な手術に失敗して13歳で死亡。そしてなんやかんやで地獄に落とされて、地獄のなかでの生活がはじまった!地獄から抜け出すには、地獄の王様サタン様のムスメの心をゲッツ!しなければならない!
しかも早い者勝ちで何をしてもOKなサバイバルデスレース!そしてユウキは冥界案内人ガニメドと出会い、太陽の称号を得るが・・・!?



「な…、なに?このひかり・・・。」
女の子が、光に包まれながら言う。
「・・・す、すごいでしゅ!こ、これがたいようのまほうでしゅか!」
―・・・す・・・、すごい!ぼくって天才!?
こんなことも思えるほどぼくは自分に驚いていた。
「ね・・・、ねェ!!ガニメド!ま、魔法って適当に呪文となえるだけで出るんだね・・・!!」
「そんなわけないでしゅ!ユウキしゃまは天才でしゅ!ふつーは教えて教えて教えまくってやっと火の玉がちまっとでるくらいなんでしゅ!たった一回でこんな大きな太陽のクッションをつくれるにゃんて!やっぱ太陽の称号なだけありましゅね〜!」
「へー!やっぱりすごいんだー!ぼくっててんさ・・・」
そんな僕の言葉をさえぎって、僕の頭上から声がする。
「ねー!いーから早くおろしてよー!!!」


「ふー…、たすかったよ。ありがと!君、名前は?」
落ちてきた少女が僕にそんなことを聞く。
―・・・、この人って見かけの割に神経太いなー・・・。地獄におちったってのにサ・・・。
明らかに日本人じゃない事は良くわかる。だって金髪だし。
「あのぅ・・・。君サー、いま地獄に落ちてきたんだよね?」
「そういえばそうでしゅね!今日の地獄落とし予定者はユウキしゃまをいれて275人でもうユウキしゃまがさいごのハズなんでしゅが・・・。」
そんなことまできまってんのか・・・。275人もいるなんて…。まぁ大体の人間が地獄に落ちるんだろうナァ・・・。
ゴキブリとか殺すのは仕方がないと思うんだけど。
「う゛!いや〜!たまにはそうゆーこともあるんじゃないの?そ、それで君!名前は!?」
なんかアヤシイ・・・。
「ぼくは井上ユウキ。医者のヤロウが手術失敗したせいで死んじゃったんだ!」
「へ〜・・・。そんで何歳なの?」
「13」
「13って・・・、130歳?」
「んなわけないでしょ!きみは?」
「わたしはアストレア!」
アストレア・・・?なんか変な名前だナァ・・・。
「ア…、アストレア・・・?え・・・、思い出しましたでしゅ!!!!」
アストレアの名前をきいて、ガニメドが反応した。
「げっ!しまった!ついいっちゃた!」
「ユウキしゃま!!このひとが例のお姫しゃまでしゅ!なんでこんなところにいるんでしゅか!!」
な・・・!地獄の姫様ってくらいだからもっと鬼ッ娘みたいなのを想像してたんだけど・・・。
「し・・、仕方がないわ。このことは黙っといてくんない?私が逃げたってコトがばれるとオヤジがうるさいのよ。」
オヤジって・・・。やっぱ鬼ッ娘だ・・・。
「でもお城なかはすごく綺麗で遊園地まであるし退屈するようなトコロじゃないでしゅよ?なんでこんなきたなっちぃばしょにわざわざ・・・?」
遊園地まであんのかよ・・・。なんかぼくが描いてる地獄絵図と大分ギャップがあるナァ…。
「そんなもの・・・!ナニがおもしろくて一人で遊園地であそばなきゃいけないのよ!それにお城にいると何かとヘンな人間がきていきなり告白してくんのよ!?分かる!?この気持ち!!」
そーだよね・・・。ぼくもむかしから体が弱かったから一人で遊んでばっかだったし、同い年の子はみんな上の学年にいっちゃていじめられたりもしたし…。なんだろ…。アストレアのこころがなんか分かる・・・。
「分かるよ!ぼくも同じだったから!ぼくもいつもひとりだったよ!」
ついこんな言葉がでてしまった。するとアストレアはぼくのほうを一瞬おどろいたようにみた。
「なにがわかんのよ!たった13年しか生きてないくせに!分かったような気がしただけでしょ!」
それをいわれると困るんだけどなー・・・。
「たしかにキミみたいに何年も生きてないし、ただ分かったような気がしただけかもしれない!だけどきみには生きていたときのぼくみたいに孤独を感じているようにみえるんだよ!だから・・・・」
だから、のあとにつづく言葉がみあたらない。なんていっていいかわからないし、なにも言わなくていいのかもしれない。
アストレアはこの言葉でもっと怒るかとおもったけど意外にもそんなことはなかった。
「……。ふぅ。ごめん。ユウキにいってもしかたがないことだったね。わたし帰るよ。帰る。」
「それが一番でしゅ。ここは危険なんでしゅ。」
「ちょっとガニメドはだまってて」
ぼくはガニメドにいった。なんかコイツうるさい。
「はいでしゅ。」
そんなぼくの態度にガニメドは大人しくなる。
「キミはもう帰らなくていいよ!そんな一人になるような場所に帰る必要はないよ!」
ぼくは、こんなことぼくが言う権利はないことにも気付いてた。だけど。
「じゃぁどうすんのよ。私がいないといろんな人がこまるし。」
「ぼくがキミのおとうさんに話をつける。キミを・・・・・・・」
「キミを?」
「キミを?」
アストレアとガニメドの両方が聞いてくる・・・。
そういやどうすんだろ。なんかあとのこととかなんにも考えてないし…。
そうだ!
「人間にしてもらう!」
我ながらいい考えじゃない?・・・、これもあとのことはかんがえてないけど。
「・・・プッ。」
「え?」
「あははははっ!あははっ!」
え?なに?そんなにおもしろかった?ギャグのつもりは・・・。
「あのでしゅね・・・、ユウキしゃま。この人は神話に出てくる神しゃまなんでしゅよ?神しゃまが人間になるなんて・・・」
「あはは!ユウキってヘンなの!私ユウキのこと気に入ったよ!私をお父様に頼んで人間にするって・・・、あははッ!」
なんかスゴイカン違いとゆうヤツだったのだろーか・・・?
は…、ハズカシイ・・・。
「そ・・、そんなに笑わなくてもよくない…?」
「ごめんごめん。そっか。ユウキは神様とかなんとかゆわれてもあんまピンとこないだろーね。」
確かにぼくはそんなに神話とかをよんでた覚えはないし、宗教とかにも興味はなかった。
…。だけどなんとなくはわかるゾ…。
「えーとでしゅね。ユウキしゃまがいきてた世界でも天国でも地獄でも、すべてに共通して生きることができるのが神しゃまとゆう存在なんでしゅよ。それなのにわざわざ人間になるなんて全くイミがない事なんでしゅ。」
………なんにもおもしろくはナイんだけど…。やっぱ時代の差とゆうヤツだろーか…。
サ○エさんの4コマが現代ッ子におもしろくないのと同じよーに。まぁ、これはいーや。
「じゃぁ別にやろうと思えばアストリアはいつでも天国にもいけるし人間の(この言い方はぼくも好きじゃないケド)世界にいくこともできるの?」
「そーゆぅコト。ユウキってやっぱヘン。」
「し・・・、シツレイな・・・!…でもなんでアストリアはやろうと思えばできる事をシナイの?」
「なんでって!あたりまえでしょ。わたしだけ自分の仕事を放り投げてあそびにいく訳にはいかないのよ、やっぱりサ。なんてったってホラ、私って正義の神だし。」
なにゆえ地獄に正義の神がおるのだろうか、とゆーことはあえてツッコマないことにしておこう。
「じゃあそんなの他の神様を探せばいいんだよ!アストリアは自分のやりたい仕事を探せばいい。それじゃダメなの?」
「そ…、それはいいけど…。でも…私の代わりなんかだれがやってくれんのよ・・・!?」
「ぼくがやりましゅ!ぼくをもとの姿にしてくりぇりぇば・・!」
「無理ね。」
即答だった。ぼくも同感だが。
「ちょっとガニメドはだまっててね。じゃあ、アストリアは何の仕事がしたいの?」
「わたし…、わたしのしたいコト…?」
すこしの間だけアストリアはうつむき、何かを考えていた。
「うん。わたしは…いまの仕事を辞めてあなた達人間の住む世界を旅したい。人間の住む世界だけじゃない。天国の世界だって、地獄の未だみてないトコロだって!わたし…、神だってのに何にも知らないし…、いろんなモノをみて、いろんなコトを感じたい!せっかく不老不死の力があるのに、こんな地獄でボーっとしてらんないの!」
「でも、姫しゃまの代わりはだれが務めるでしゅか?」
だまってろッつったのを無視したガニメドが聞く。
それもそうなんだけどね…。
「一人心当たりがあるわ。わたしの唯一のの友達。愛の神アフロディテ。彼女、結婚願望が強かったから。でも彼女低血圧で短気で料理も何一つできない挙句に惚れっぽいし時間にルーズなのよね・・・。」
短気なクセに愛の神……。結婚できないだろ―ね…。
「じゃー決まり!アストレアはココを抜けて好きなように旅に出る。そんでぼくは…、ぼくはどーなんの!?」
そーだった!!よくよくかんがえたらヒト(神)のこと考えてるヒマなんて無かったゾ!
ぼくは死んでるんだった!
そんなぼくにアストレアがいった。
「わたしが生き返らせてあげるよ。生まれ変わりじゃなくて。だってユウキ、生まれ変わりの予定の生き物がアリクイだもん。」
―ア…、アリクイ…。
なんか地獄を抜けたところであんましハッピーエンドでは無かったみたいね…。
「そ・・・、そんなことしちゃっていいんでしゅか・・・!?いままでぼくを含めて誰一人復活させたことのない罪深きタマシイを…、まぁ、あんまユウキしゃまは害がないでしゅがね。」
「だって…、ユウキはわたしが何をしたいか気付かせてくれた大切なヒトだもん。アリクイになんかさせない!」
う・・・ウレシイんだけどね…。だけど・・・。
「でも、キミのお父さんはなんてゆうかわかんないんじゃないの?」
「それもそうでしゅね・・・。サタンしゃまは厳しいお方でしゅから・・・。」
「え、そんなコト無いけど?多分代わり(アフロディテ)をつれてくればOKだすと思うよ?」
なんかサ…。なんかズレなぁ……。親バカとゆーやつなんだろうケド・・・。
親バカな地獄の統括者って……。
「ま・いーよ!とにかくなんとかなるじゃん!で。肝心のアフロディテはどこにいんの?」
「彼女なら多分ミッドガルIn地獄バージョンでイイ男のナンパでもしてると思うわよ。」
「ミッドガルin地獄バージョンてナニ…?」
「天国にあるミッドガルを真似てつくった観光地でしゅ。結構エライ神しゃまなんかも遊びに来る事がおおいでしゅ。ちなみに4つ目のチェックポイントだから、丁度いいでしゅ。道中にいけましゅ。」
「あえて深くツッコマないことにするけどさ、アストレアはこのあとどうする?僕たちと一緒にお城まで帰る?」
「それは危ないと思いましゅよ?アストレアしゃまが道中でなにかあったりしたら大変でしゅ。」
「そうね…。仕事もたまってるし、急がなきゃだからわたしはお城で待ってる。アフロディテのコトは…」
「ぼくが連れてくよ。どんな格好?」
「えーと、髪が長くて金髪。目は緑色してるわ。いつもシンデレラが着てそうな時代遅れのドレスを着てるの。多分すぐわかるわ。彼女、少し…、ううん!かなりヘンだから気を付けてね!センスのことを悪く言うと殺されるかもしれないから!」
やめてしまえ。そんな愛の神さまは辞めてしまえ。
そうおもったがぼくは声には出さず、アストレアが自前のほうきをまたがるのをみながら
「うん。わかった気をつける。じゃあ、またお城で逢おうね!」
と作り笑いをうかべながらてを振った。
「わかった。待ってるから。きっと待ってるから。」
そういうとアストレアは目を閉じほうきをつかみ呪文の詠唱をはじめた。

かぜとこころをつなぐもの
わがまよいをはねにかえよ


するとアストレアの言霊に反応してほうきは光り輝き、宙を浮いた。
「それじゃあ!お城であいましょう!」
「うん気を付けてね!」
ぼくがこういうとアストレアは少し笑って西の空のほうに飛んでいった。

「さて!ぼくたちもいこうか!カリメロ!」
「ガニメドでしゅ!」
「あはは。最初にいくチェックポイントはどこなの?」
「さいしょに行くところはゴーストシティでしゅ。元凶悪犯罪者の溜まり場でしゅ。ココで命を落とすタマシイがなんと多いことか。」
「あはは。ふざけんな」
TO BE CONTINEUD
2003-08-15 17:56:36公開 / 作者:raiu
■この作品の著作権はraiuさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
あとがき

なんか今回も説明ばっかになってしまいましたね。
つぎはゴーストシティとゆうことで本格的なハートフルデスアクションを繰り広げられそうです。
なんか話がじぶんでも無茶苦茶になっちゃいました。
最初の段階では上から落ちてきたヤツをライバルにしようとか考えてたのに…。
最後のほうなんか井上ユウキも壊れてきてますね。
次回は好き勝手にやらせてもらいます。血生臭くしたいです。
生き残れよ!!(byキース・リチャーズ(ローリングストーンズ))

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